ゴールデンウィークに桜の見ごろを迎える、青森県。実は、日本で最もカップ麺を購入(消費)している地域でもあります。そんな“カップ麺激戦区”で鍛えられたご当地カップ麺とは、いったいどのようなものか? 「ご当地ラーメンお試し隊」がご当地カップ麺だけで全国制覇を目指す本連載の11回目は、青森の「煮干中華そば」などを取り上げます。
今回は、青森のご当地カップ麺に注目!
テレビを見ていたら、「メガ・ゴールデンウィーク」という言葉が聞こえてきました。なんでも、2016年のゴールデンウィークは、2日間休めば10連休になるとのこと。確かにカレンダーを見てみると、4月29日から5月8日まで、ゆっくりと休暇が取れそうです。これだけ長期で休める機会はめったにないので、ゆっくりと休みを満喫でき、しかも楽しめる場所を探すことにしました。
そこで注目したのが桜前線。どうやらゴールデンウィークあたりは、青森から北海道にかけて、桜が見ごろを迎えるとのこと。中でも、青森には桜の名所が何か所もあり、しっかりと桜を満喫できるようです。ゴールデンウィークは桜を追いかけて、北のほうに足を伸ばしてみるのもいいかもしれませんね。
そのようなわけで今回は、青森のご当地カップ麺に注目してみます。実は青森は、日本で最もカップ麺の購入(消費)している地域でもあります(総務省統計局家計調査家計収支編二人以上の世帯 2015年より集計)。世間では、餃子の消費量日本一をめぐって、栃木県宇都宮市と静岡県浜松市が火花を散らしていますが、カップ麺においては、青森が圧倒的な強さを見せているようです(ちなみに2位は新潟、3位は宮城、4位は山形)。 “カップ麺激戦区”で鍛えられた青森のご当地カップ麺とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
東北新幹線を使えば、青森に行くのも簡単。「こまち」を併結した車両がユニークです
青森有数の桜スポットと言えば、弘前城のある弘前公園。ちょうどゴールデンウィークごろに、桜の見ごろを迎えます
「食べログ」で青森の人気ラーメン店を調べてみると、ランキング上位のお店は、ほとんどが「煮干中華そば」でした。この煮干中華そばの特徴は、なんと言っても、煮干しの出汁を使ったスープ。煮干しスープは、味噌汁を飲み続けてきた日本人のDNAに染み付いていると思うほど、慣れ親しんだ味です。これを青森のご当地カップ麺では、どのようにアレンジしているのでしょうか? 今回入手した「青森煮干中華そば」(ヤマダイ)を試してみます。
内容量は106g(麺60g)。お湯を入れて4分待てばできあがりです
具は、チャーシュー、ネギ、メンマ、お麩(ふ)とバラエティに富んでいます
味は、昔ながらの中華そばといった印象。煮干し出汁のスープは、最後まで美味しくいただけます
具材はやはり、お麩の存在感が強いようです
スープは、「煮干中華そば」という名前の通り、煮干し風味がしっかり効いていました。これに醤油味が相まって、街の中華そば屋さんのような、本物のラーメンの味や食感に近い印象です。日ごろから慣れ親しんだような味で、安心感もあります。インスタント食品であることは間違いないのですが、本格志向のラーメンとして、十分に楽しめるかもしれません。生麺に近い食感を再現しているノンフライ麺を使っていることも、よりいっそう本格感を強めていると感じました。
また、具材の中で特に目立つお麩ですが、スープにしばらく沈めておき、つゆをしっかりと染みこませてから食べると、美味しさが増します。個人的にお麩が大好きなので、これはたまりません。ラーメンの具材として、お麩はかなりいい仕事をしてくれるようですね。今度、スープが美味しいカップ麺を食べるときは、積極的にお麩を投入していこうと思います。
次に、ユニークなご当地のインスタント食品として、「即席カップ入り せんべい汁(しょう油味)」(八戸東洋)をご紹介しましょう。せんべい汁とは、八戸地域の郷土料理のひとつで、肉や魚、野菜などで出汁を取った中に、せんべい汁専用の「南部せんべい」を入れる料理です。第7回 「B1グランプリ」でゴールドグランプリを受賞したことから、ご存知の方も多いことでしょう。このせんべい汁を手軽に楽しめるようにしたのが、即席カップ入り せんべい汁です。具材やスープをカップに並べ、お湯を入れて4〜5分待てば完成します。
青森のご当地料理を再現した「即席カップ入り せんべい汁(しょう油味)」
せんべいを4つに割っていきます。せんべい入りの料理は初めてなので、これで合っているかどうか、少し不安です
具材はレトルト具材を使用。鶏肉、キノコ、ごぼう、にんじんなどが入っています
完成したせんべい汁を食べてみます。せんべいはフニャフニャですが、端っこはしっかりとした歯ごたえがあり、なんだか不思議な食感です
お湯を入れて、せんべい汁が完成! ……というものの、実は、筆者がせんべい汁を食べたのはこれが初めて。正直、どういうものが正解なのか、イメージがありません。作ってはみたものの、これで合っているのかよくわからないところもあります。
そんなことを考えながら、実際に食べてみると、せんべいの不思議な食感がとても印象的でした。もっと硬いままなのかと思っていましたが、お麩のような、麺類のような。ほかでは味わったことのない食感です。たくさんのスープを吸っており、非常にやわらかくなっています。食べる前は、「デロン」としたせんべいに一抹の不安を覚えましたが、いざ食べてみると、アルデンテ状態となっていました。これはかなりクセになる食感です。また、具材はレトルトタイプで、素材の味を楽しめます。ゴールデンウィークは、本場のせんべい汁を食べてみて、違いなどを堪能したいところですね。
青森産のりんごを使った「完熟おろしりんご」
青森と言えば、何と言ってもリンゴです。国内主要産地の中でも、青森県のリンゴ生産量は圧倒的。それだけに、リンゴを使った料理や食材も数多くあります。「完熟おろしりんご」(三浦醸造)も、そんなリンゴを使った製品のひとつ。パッケージには、「カレーに、ヨーグルトに、ドレッシングにそのままでも」と書かれています。これさえあれば、家庭でも簡単にリンゴ料理を作れるかも。リンゴ料理の入門用としても、重宝しそうなアイテムになりそうです。
今回は青森を制覇! 次回はどちらの地域に行く?