そろそろ夏本番! レジャー好きのご当地ラーメンお試し隊にとって、ワクワクする季節の到来です。そこで今回注目するのが、マリンレジャーや温泉が盛んなことで知られる西日本屈指の観光地、和歌山県。NHK大河ドラマ「真田丸」ゆかりの土地としても、盛り上がっています。連載16回目は、ご当地ラーメン「和歌山中華そば」より、タイプの異なる2種類のカップ麺を食べ比べてみたいと思います。
「和歌山中華そば」は、スープの違いで2系統に分かれます。知っていましたか?
NHK大河ドラマ「真田丸」の効果で注目を集めている和歌山。九度山や高野山など、山間部のイメージが強いのですが、ビーチや温泉、海の幸が豊富な南紀白浜といった観光スポットも有名です。
実は、この南紀白浜は、有馬や道後と並ぶ日本三古湯のひとつ。美肌をはじめ、多くの効能を持つ温泉があちこちから湧き出ており、かの日本書紀には、「牟婁の温湯(むろのゆ)」という名で登場しています。昼はマリンスポーツを楽しみ、夜は温泉と海の幸を堪能できる和歌山は、西日本屈指の観光地と言えるでしょう。
さて、和歌山のご当地ラーメンと言ったら、醤油豚骨味のスープが特徴の「和歌山中華そば」です。しかし、おなじ醤油豚骨スープでも、大きく分けて、醤油をベースにした“あっさり味”のスープと、豚骨をベースした“こってり味”のスープという2系統に分類できます。今回、「凄麺 和歌山中華そば」(ヤマダイ)と「行列のできる店のラーメン 和歌山」(日清食品)の2つを取り上げますが、どのような違いがあるのでしょうか。
まずは、凄麺 和歌山中華そばから試してみます。
ヤマダイの「凄麺 和歌山中華そば」。内容量は117g(麺60g)
麺の上にかやくをのせ、お湯を入れて2分間待ちます
後入れタイプの粉末スープを入れて、よく混ぜます。スープ全体にとろみが出てきたところで、さらに液体スープを投入
スープは、醤油ベースの醤油豚骨味。見た目よりも、あっさりしている味付けです
このカップ麺の中でポイントとなるのは、後入れタイプの粉末スープ。粉末を入れて混ぜると、とろみが加わり、より本格的なスープに仕上がります。実際に飲んでみると、醤油ベースであっさり。さらに、豚骨のコクも感じられます。麺は、「凄麺」の特徴であるノンフライ麺で、歯ごたえも十分。麺とスープの相性も抜群です。具材は、なるとやチャーシュー、メンマというように非常にオーソドックス。多少のチープさはあるものの、満足度は高い一杯と言えるでしょう。
次に、行列のできる店のラーメン 和歌山を試してみます。
日清食品の行列のできる店のラーメン 和歌山。内容量は131g(麺70g)
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チャーシューは大判で食べ応え十分。カップ麺のチープさは、まったくありません
スープは、豚骨ベースのこってり味。このスープだけでも、美味しくいただけます
行列のできる店のラーメン 和歌山のスープは、豚骨ベースでこってり。飲み応えがあり、食後の満足度も高かったです。先に食べた凄麺 和歌山中華そばとは、異なる味わいを楽しめました。スープ以外については、和歌山ラーメンの特徴である中細ストレート麺、なるとやチャーシューといった具材など、凄麺 和歌山中華そばと、ほぼ変わりません。
おなじ和歌山中華そばでありながら、スープの違いで、こんなにも印象が違うとは。この2つのカップ麺で、和歌山中華そばのオーソドックスな味を両方とも楽しめます。それぞれ、非常に味わい深いなので、どちらかいっぽうではなく、ぜひ2つを食べ比べてもらいたいと思いました。
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ゆで卵と和歌山ラーメンの関係とは?
和歌山は、独自のラーメン文化を育んでいることで知られています。たとえば、和歌山のラーメン店では、ラーメンだけではなく、鯖や生姜の入った「早寿司」やゆで卵が置かれています。寿司やゆで卵を食べながら、中華そばができるのを待ったり、中華そばと一緒に食べたりするそうです。また、ユニークなのは会計システム。寿司やゆで卵を食べた分だけ自己申告して、会計するお店が多いとのこと。おおらかなラーメン文化を、ぜひ現地で体験してみてください。
連載16回目は、和歌山を制覇。真夏のご当地ラーメンお試し隊は、どこへ行く?