いいモノ調査隊
スーパーGT・SUBARU応援団長が“電動RCカー”のBRZを駆る

目指せレースの表彰台! スバル好きの自動車ライターがラジコン挑戦 第1回

SUBARUが大好きな”スバリスト”、自動車ライターのマリオ高野が「ラジコンのSUBARU」でレースに挑む全3回の短期連載。今回はキットの購入からマシンの組み上げ、そして本物のレースチームへのお披露目までの工程をご紹介。第2回は試走から調整、チューンナップ、第3回でレースの参戦レポートをお送りします。

スーパーGTのSUBARU応援団長をしております

自動車ライターのマリオ高野です。

国内モータースポーツの人気トップカテゴリである「スーパーGT」が今年も開幕しました!

不肖ワタクシ、SUBARU好きが高じてGT300クラスに参戦する「SUBARU BRZ GT300」の公式応援団長を務めさせていただいており、今年も全戦サーキットに足を運びます。

「SUBARU BRZ GT300」の近影です。市販車用をベースとした水平対向エンジンを搭載し、コーナリングの速さを武器に世界の大排気量マシンと戦っています!

毎戦サーキットのメインスタンドに設けられる「SUBARUファンシート」にて旗を振ったりしております! 「SUBARUファンシート」についてはコチラ

現場で多くのSUBARUファンの皆さん、そしてSUBARUのレースチームの皆さんと苦悩や喜びを共有する楽しさは筆舌に尽くしがたく、レースマシンやレーシングドライバー、監督やメカニックさんなどへの憧れは年々高まる一方。応援をしているうちに、自分でもレースに参加してみたいという無謀すぎる願望が膨らむばかりとなりました!(笑)

レース現場に花を添えるステキなレースクイーンさんたちも、多くのSUBARUファンの皆さんと一緒に応援します!

イベント全体では数万人規模の観客を集めるスーパーGT。SUBARUファンシートだけでも多いときは千数百名のファンが集まります!

私もBRZでレース出場を!

しかしながら、自分がレースに出るなど夢のまた夢。アマチュアが市販のBRZで走る比較的参戦しやすいレースでも、庶民の感覚としては無理に等しいレベルのお金がかかります。

「グランツーリスモ」などのゲームでもそれなりの臨場感が楽しめますが、もっと物理的にリアルな感覚でレースの醍醐味(だいごみ)を味わえないものか…?

そこで思い出したのが、電動ラジコンカー(以下、RC)です。RCは、サスペンションの構造が実車に近いため、チューニングやセッティングの手法も実車に近い考え方でイジることができるものとの認識がありました。

そういえば、愛してやまない「SUBARU BRZ GT300」がタミヤから製品化されており、しかも初心者でも参戦できるレースが開催されているではありませんか!

「タミヤ 1/10 電動RCカーシリーズ No.607 スバル BRZ R&D SPORT 2014」

「タミヤ 1/10 電動RCカーシリーズ No.607 スバル BRZ R&D SPORT 2014」

クルマのRCは4WDが主流のようですね。実際のマシンはFR(後輪駆動車)ですが、もともとSUBARUは4WDが得意なメーカーなので、その点は違和感ありません。むしろ実車も4WDにしてほしい(笑) パッケージの箱に「別売りパーツを組み込もう」と書かれてあり、カスタマイズが前提のようですが、まずはノーマルセットのみを購入しました。

2014年といえばすでに4年も前ですが、8月に行われた富士スピードウェイ第5戦、台風直撃の嵐の中、我がBRZが奇跡的な優勝を遂げたこともあるシーズンです! 当然そのレースの日も私は応援団長としてスタンドにおり、あらん限りの声を出して応援しておりました。

プロポ(送信機…人間が手に持って操縦する装置)は「タミヤ RCシステムシリーズ No.53 ファインスペック 2.4G 電動RCドライブセット 450」。プロポといえば四角くて長いアンテナがあるイメージですが、トリガーとダイヤルで操作するタイプです。単3形乾電池4本が別途必要。

プロポから受信機を介して部品を動かし、車両側のモーター回転数やハンドル操作を行うのが電動RCカー

走らせるだけならおよそ“2万円”で始められる

本格的なRCのキットともなると結構な費用がかかると思いきや、タミヤのRCエントリーモデル「TT-02シャーシ」ならプロポとバッテリーのセットで約2万円と、思ったよりもお手頃なお値段。これにはもちろん受信機も含まれています。

思えば、RCへの憧れは子供の頃からありました。35年ほど前にコロコロコミックで読んでいた「ラジコンボーイ」という漫画の影響で、ワイルドウイリスというジープタイプのRCが欲しかったのですが、確か当時はキットで数万円もするうえ、組み立ての難易度も高いというイメージが強く、まったく手が出ずじまい。

比較的廉価で組み立てやすいグラスホッパーというエントリーモデルでさえ、当時の自分にとってはハードルの高い存在にて、RCを所有するという願望は夢のまま終わり、35年の年月が流れたのでありましたが、40歳をとうに過ぎた今になって、RCへの思いがにわかに盛り上がるとは!

ビギナーはお店の人に聞いてみましょう

塗装や組み立ての必要がない完成品のRCキットも販売されていることを知りましたが、どうせなら、すべて自分の手で作ってみたい。大げさながら、子供の頃には腰が引けて諦めたRCの組み立てという難題に立ち向かってみたいという挑戦魂が沸々と湧き上がったのです!

とはいえ、プラモデル作りでさえ三十数年遠ざかっており、RCに関する知識や技術はほぼ皆無。作るための道具も何もないという状態なので、ネットで調べるだけではなく、まずは専門知識のある人に直接相談して作り方のコツやポイントを教わってみることにしました。

今回お世話になったのは、東京・大都心にある専門ショップの「タミヤ プラモデルファクトリー新橋店」さん。RCのキットはネットで買っておきながらお店で教えてもらうのはずうずうしいとも思いましたが、結果として、道具やパーツ類をかなり買い込むことになったので、読者の皆さまもお気軽に相談してみましょう。

「タミヤ プラモデルファクトリー新橋店」さん。製品やパーツ類の在庫が豊富で、親子向けの模型製作教室なんかもやってるようです。

今回お世話になったのは小嶌枝里奈(こじま えりな)さん。ご自身でもRCレースを楽しむマニアでもあり、初心者にも超絶わかりやすく解説してくれました

44歳にして初のRCということで、まずは組み立てるにあたって必要な道具について教えてもらいました。

初心者へのおすすめの道具としては、

・ニッパー(樹脂パーツをランナーから切り取る)
・紙やすり(切り取ったパーツのバリを取る)
・先の曲がったハサミ(ポリカーボネートのボディのカーブした部分を切り取るのに便利)
・目盛り付きの穴あけ(ボディに指定の数値どおりの穴を開けるのに便利)
・瞬間接着剤(ホイールとタイヤを接着する)
・ペイントクリーナー(余計な塗装部分を修正する)
・マスキングテープ(塗装時のマスキング)

これに加え、

・ドライバーセット
・ラジオペンチ
・カッター

も絶対的に必要なのですが、この3点はもともと持っていたので、今回は購入しませんでした。

小嶌さんには「小学生低学年に教えるレベルで」とお願いし、RC作りの基本を教えていただきました

小嶌さんには「小学生低学年に教えるレベルで」とお願いし、RC作りの基本を教えていただきました

まずはボディの製作にとりかかる

まずはボディ。ポリカーボネート製のボディの、余計な部分を切り取ります。切り取る作業はハサミとカッターで行いますが、直線的な部分はカッターで溝を掘るようにしてから折り曲げるとパキッと割れるので、その手法を多用しました。切り取ったら台所用の中性洗剤で軽く洗って脱脂をしてから塗装します。

ボディを切り取る作業は、思ったよりも大変でした。特に、ホイールハウスなどの曲線部分は繊細な作業が求められます。先の曲がったハサミは必須だと実感

スプレー式のタミヤカラーを塗るのはボディの内側で、一度に塗りきるのではなく、数回に分けて「薄く広く」塗料を吹き付けるのがよいとのこと。外側には保護膜が貼られているので、スポンサーロゴなどのステッカーを貼る前には必ずはがします。

BRZ GT300の場合、必要なタミヤカラー(ポリカーボネート用)は、メタリックブルー/サテンシルバー/ブラック/スモークの4色。これに加え、仕上げ用としておすすめされたコルサグレイの合計5色を用意しました。

説明書の指定としては、最初にバンパーなどブラックの箇所から塗るとのことですが、マスキングする面積の広さを思うと、先にメタリックブルーを塗ると効率がよさそうなので、そちらの部分から作業することに。

「コルサグレイ」は指定のカラーではないのですが、そのままでは色が透けたり、ブラックと重なる部分のメタリックブルーが暗くなってしまったりするとのことで、ブラックとメタリックブルーを塗った時点で、全面的に軽くコルサグレイを塗ると仕上がりがキレイになるとのことで使用しました。

ポリカーボネート製のボディは透明ゆえに、メタリックブルーだけだと透けてしまうとのことで、コルサグレイを重ね塗りしました。ボディは単体でも売っているので、致命的な失敗をしても、ボディだけ買い直すこともできます

今回、私が試した順番は、

メタリックブルー→コルサグレイ→ブラック(バンパー部分)→サテンシルバー(屋根)→スモーク(窓)

という順です。それぞれの色が乾いてから次の塗装に入ります。気温が20度以上ある天気のいい日にベランダで行ったので、それぞれの色は1時間もかからず乾きました。

下には新聞紙を広めに敷き、スプレー缶とボディは20センチ以上離しながら、なるべく薄く広く塗る作業を5〜6回実施。

最も難しかったのはサテンシルバーで、金属調の粒子がキレイに伸びず、色ムラができてしまいました。致命的なほどではありませんが、よく見るとムラになっています。塗る前にスプレー缶をしっかり振らなかったのが色ムラの原因かもしれません。サテンシルバーは、乾燥後に上からブラックを重ね塗りすると色がキレイになるとのこと。

メタリックブルーなど面積の広い部分は、光に透かしてみるとムラができている部分がわかるので、浅く広く塗って乾かすたびにチェックし、塗りが甘い部分を確認するとよいそうです

ボディに穴を開ける際に絶大な威力を発揮するのが、目盛り付きのキリ。穴の大きさはミリ単位で細かく指定されているので、初心者には絶対便利だと実感しましたが、調子に乗って余計な穴まで開けてしまいました…涙

説明書の指定の順とは異なりますが、マスキングをする面積は少ないほうがやりやすそうだったので、メタリックブルー以外の部分をマスキングし、メタリックブルーを最初に塗りました。窓やライトなどの細かい部分はマスキング用のシールが用意されています。マスキングテープを貼ったのはブラックに塗る四隅の部分です

メタリックブルーを塗って乾かしている状態。光に透かして塗料が薄い部分をチェックしながら、5〜6回塗りました

シャーシの組み立ては思ったより難しくない!

続いては、シャーシの組み立て。三十数年前の昔と違い、今の製品は作業工程が非常にわかりやすく説明されているので、組み立て作業はほとんど迷うことありませんでした。各作業の難易度も低めで、これなら小学生高学年ぐらいのキッズでもおそらく制作可能でしょう。低学年は大人の補助が必要ですが。

ただ、それぞれの作業の難易度は低いものの、作業自体はとても細かいので、時間はそれなりにかかります。初めてだと丸1日(10〜12時間)ぐらいは必要なので、一気にやるより、2〜3時間ずつに分けて作業するほうがよいと思いました。

不安だった組み立ては予想以上にわかりやすく、途中で悩んだり、暗礁に乗り上げたりするようなことはありませんでした。ただし、細かい樹脂パーツやネジは紛失しないように注意が必要です。小さなワッシャーなどは、畳の隙間に落ちるだけでもなくなるほど細かいので

パーツを間違える可能性は低いですが、ネジやボルトは種類が多く、原寸大のイラストと照らし合わせても間違えることがあるかもしれませんので、正しいネジなのかどうか慎重に確かめながら組んだほうがよいでしょう。ネジ類は紛失対策として数に余裕がある半面、ちょっとわかりにくいところがあります。

樹脂パーツもネジ類も補完用がバラ売りされているので、最悪、間違えたり破損したりしてもキット丸ごと買い直す必要はないのがありがたいところですね。

ネジ類は種類が多く、また似たようなものばかりなので、間違えないよう慎重に確認しましょう。多少間違えてもしっかり固定できれば大きな問題にはならなそうですが、やはり組み立て精度に影響します…

レースに出るにはアフターパーツの組み込みが必須!

基本的に、ただ普通に走らせるだけの場合はすべてノーマルのままでも問題ありませんが、レースに出るのが前提の場合は、最初から強化パーツを組み込むことをおすすめされました。

実際のクルマでもそうですが、車両価格を抑えるために場所によっては低コストのパーツを採用するものなので、中には耐久性や性能が低いパーツが使われています。

そこで今回は

・ぶつけるとすぐに折れるといわれるサスペンションのジョイント
・レースに出るには圧倒的に性能が足りないといわれるタイヤ
・モーターを、出場レースのレギュレーションで指定されたライトチューンモーターに
・ライトチューンモーター用のピニオンギヤ
・すぐに磨耗してしまうノーマルの樹脂製ではなく金属製のベアリング

を合わせて購入しております。やはり、少しこだわるとどんどんお金がかかるものですね(苦笑)

RC本体のパッケージ箱にも「別売りパーツを組み込もう」と書かれてあるほど、交換するのが前提とされている箇所が少なくないのは製品としてどうなのか? と思わなくもありませんが、レースには出ず、軽く流すだけの場合は100%ノーマルのままでも問題ないし、本体価格を安く抑えるためには、部分によっては妥協するのも当然とも思うので、是非に及ばず、といったところ。

モーターやベアリングは、後から組み直すのが面倒なので最初から組み込みましたが、サスペンションのジョイントやタイヤについては比較的簡単に交換できることもあり、性能や耐久性を実感するためにも、まずはノーマルのままで進めました。

「ちょっとぶつけるとすぐに折れる」とされるのが、「C1」というパーツ。実車でいうと、左右の車輪に駆動力を伝えるフロントドライブシャフトに当たる重要な部分ですが、ノーマルの樹脂製から強化された金属製に交換することが常識のようです。強化パーツは買いましたが、実際にはどれほど折れやすいのか試す意味でも、あえてノーマルのまま組みました

「ユニバーサルシャフト」と呼ばれるのが、「C1」パーツに換わる強化品です。タイヤはハイグリップすぎると操作が難しくなるとのことなので、初心者でも扱えそうな範囲でハイグリップなものを選択

出場レースの規定ではノーマルモーターでは参戦不可能なので、対応品をあらかじめ組み込みます。ノーマルでは耐久性が低すぎるとされるベアリング部分は、後から交換するのは大変なので、最初から強化品に。バッテリーも「レーシングパック」に

「走り込めば絶対に欲しくなる」とされるサスペンションキットも実車用さながらのリアルな作りにて、クルマ好きなら誰でも欲しくなるところですが、安くても1セット数千円ということで今回は見送りました。実車でも「まずはノーマルで走り込む」ことが大事ですから

時間はかかりましたが、塗装も組み立ても致命的なミスをすることなく進行できました。後はステッカー類を貼るだけ、という状態まで費やした時間は4〜5日ぐらい

ステッカーは全部自分で切り取る必要があるうえ、細かく数も多いので、ちょっと難航しました。難易度は高くないものの、時間に追われて慌てたりすると失敗しやすいので、時間的な余裕が必要です。ステッカーだけでも丸1日以上を要するイメージですね

塗装で多少の色ムラが出たり余計な穴を開けてしまったり、シャーシの組み立てではネジを間違えたり、ステッカー貼りでは一部ズレたりもしましたが、致命的な問題にはいたらず無事に完成!

「とりあえず普通に動く」段階に至るまで1週間ぐらいかかりましたが、作業そのものはとても楽しかったので、やはり完成品を買うよりすべて自分の手で作ってよかったです。各部の構造への理解も深まりました。完全に自分の「愛車」という感じで愛着もひとしおです。

細部を見ると未熟で不出来な部分が多々あるとはいえ、我ながらパッと見はなかなかのモノだと悦に浸りましたよ〜!(笑)

スーパーGTのレース関係者にお披露目してきました

さっそくスーパーGTの開幕戦が開催されたサーキットに持ち込み、チーム関係者やSUBARUファンの皆さんに披露したところ、予想以上の好反響! 多くのSUBARUファンの皆さんに写真を撮られたり、SNSでつぶやいてもらえたりしたこともうれしかったです。「SUBARUブースで買えますか?」などの問い合わせもあったりしたので、サーキットでRCを展示したり紹介するデモ走行なんかを実施するとよいのではと思いました。

ホンモノのマシンと並べてみると、まさに親子のような雰囲気!(笑)

ホンモノのマシンと並べてみると、まさに親子のような雰囲気!(笑)

RCは2014年モデル仕様なので、2018年の今のマシンと比べると細部のデザインやスポンサーロゴなどは結構変わっているのが不安要素でもありましたが、雰囲気的にはほとんど気にならないレベルなので安心しました

「SUBARU BRZ GT300」のドライバー、井口卓人選手(上の写真・右)と山内英輝選手(同左)にもチェックしていただきました! 「かなりリアルですが、ちょっと塗装にムラがありますね…」と突っ込まれるなど、さすがに視力のよいレーシングドライバーは見る目が厳しいながらも、基本的にはお褒めのお言葉をいただけて大感激!

思いのほかホンモノのマシンの雰囲気が再現できて、本当に大感激です。これでレースに出るモチベーションも高まりました! 次回はいよいよシェイクダウン、実際にRC用のサーキットで走行テストを実施します!!

RC専用のサーキットでテスト走行。マシンの性能だけでなく、ドライバーとしての私の技量もテストします!

RC専用のサーキットでテスト走行。マシンの性能だけでなく、ドライバーとしての私の技量もテストします!

はたしてマトモに走るのか(笑)? 自分の操縦に合わせたセッティングはどうすればいいのかなど、走行インプレッションを中心にレース参戦に向けての調整や練習に励みたいと思います! 
乞うご期待!

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
関連記事
ラジコン・ロボットのその他のカテゴリー
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る