いいモノ調査隊
スーパーGT・SUBARU応援団長が“電動RCカー”のBRZを駆る

やるだけやった“初レース” スバリストの自動車ライターがラジコン挑戦 完結編

自動車ライターのマリオ高野です。

スバリストの筆者がラジコンに挑戦する連載の完結編。超初心者ながら「レース」への参戦を果たしてきたので報告します!

【以下、これまでの経緯】

愛してやまない国内最大規模のレース、スーパーGTに参戦するSUBARU BRZ GT300を身近に感じるべく、タミヤの電動RCカーシリーズ No.607「1/10RC SUBARU BRZ R&D SPORT 2014 Rd.2 富士 (TT-02 シャーシ)」を購入。


エントリーモデルらしく電動RCカーの初心者でも組み立てやすい製品であるとはいえ、持ち前の不器用さに加え、RCに触れたのは三十数年振りということで悪戦苦闘しながらも、ひとまず無事完成に至ったまでのハナシはコチラをご覧ください。

さらに、レースマシンの雰囲気をよりリアルに味わうべく、超初心者ながら無謀にもRCレースへの参戦を敢行!

組み立て精度の低さなどにより「まっすぐ走らない」ことに悩みながら、セッティングを煮詰めていく過程はコチラをご覧ください。

今回は、初のレースに参戦した感想と、初心者が電動RCカーを楽しむことについての総評を報告させていただきます!

レースまでに「まっすぐ」走るように!

まずは、懸案の「まっすぐ走らない」問題について。

前回、埼玉県にあるホビーベース イエローサブマリン ハイパーホビー戸田美女木店さんにて、組み立て時の私のミスが発覚し、組み付け精度の悪さを修正していただいたことで、直進性はかなりよくなったものの、サーキットのコースを少し走り込むと、まだ不満がありました。

やはりレースに出るのが前提なので、もっとまっすぐ走ってほしかったのです。プロポのサーボを調整しても、ストレートでは左右どちらかに寄ってしまう症状が完治せず……。

さらに、車体の安定性への不満も募るようになりました。サーキット走行に慣れてくると、コーナリングスピードが徐々に高まっていくのですが、それに伴ってコーナリング中に転倒事故を連発してしまうようになったのです。

ぶつけたり転倒したりしてフロントバンパーなどが損傷した愛車。レース前の段階ですでにボディは満身創痍(そうい)となってしまいました……。

直進性の抜本的な改善がなされず、悩める筆者。レースまでにドライビングテクニックの未熟さとの二重苦を解消したいところでありました

セッティングがうまく決まらず、アレコレと悩みながら試行錯誤していると、実際のレースカーのイメージと重なりました。今シーズンのSUBARU BRZ GT300も、なかなかドライバーが納得できる乗り味にならないなど、マシンの調整に苦労しているのです

転倒に関しては、恥ずかしながら、根本的な問題は私のドライビングテクニックにあることをすぐに自覚。

コーナー進入時の速度が高すぎる、コーナー進入時にはブレーキングにより前輪に荷重をかけてから曲がる……など、コーナリング中の転倒は私のドライビングテクニック向上で改善が図れる問題でもあるのです。ムダに突っ込みすぎる悪癖は実車でのサーキット走行で抱える問題点と同じで、その意味ではやはり電動RCカーの挙動はリアルだと感心させられるばかり。

しかし、試しに知人の中級者向けマシンを操作してみたところ、ビックリするほど車体が安定しているではありませんか!

自分のBRZと同じように操縦しても、知人のマシンではコーナリング中にコケることは一切ありません。私の未熟な運転でも、夢のようにスムーズに走ってくれる……!

試しに、知人の中級マシンを操縦させてもらうと、マシンの扱いやすさにビックリ! プロポの操作感も精度が高く、上級機種のよさを実感しました。将来的には乗り換えるかもしれません

そこで、ドライビングテクニックの改善云々(うんぬん)はさておき、マシンの改善意欲が高まります。
以前より、多くのRC愛好家から推奨されていた「オイルダンパー」の導入を決意するに至りました。オイルダンパーは、最初に組み立てのコツなどを教わった東京の「タミヤ プラモデルファクトリー新橋店」でも薦められていたのですが「まずはノーマルの状態で走り込んでから」と思い、装着を先送りにしていたのです。

「スーパーラジコンさいたま大宮店」のスタッフの方にマシンをチェックしていただくと、やはりステアリングワイパー部分のブッシュがあまり機能していないと判明。前回も報告したミスですが、組み立て工程24番の「B11」を組み込む際の不手際が、後々まで問題となりました

ノーマル状態は「公道用のクルマ」と同じ

7月29日に参戦する予定のレース(タミヤチャレンジカップ)が開催されるRCショップ「スーパーラジコンさいたま大宮店」の村井店長さんからも、さまざまなアドバイスをいただいた結果、レースデビュー前に

・オイルダンパー
・TT-02アップグレードステアリングセット
・強化サーボ

の導入を決意します。

村井店長いわく「ノーマルの状態は、実車でいうと公道を走る普通のクルマ。ゆっくり走らせるには問題はないが、レースに出るならレーシングカー的な仕様にチューンしなければならない」

まったくもってそのとおりだとうなずきました。広めの駐車場のような場所でただ走らせるだけならノーマルのままでも十分ながら、サーキットで全開速度でライン取りを狙うなどの緻密な操作を満足に行うには、それなりの仕様にチューンすることが必要ということですね。


追加購入したのは、

TRFスペシャルダンパー (ハードブラックコート) 4本
車体の動きを安定させる効果が絶大。コーナリング中に転倒しなくなりました。

OP.1710 シリコンオイル #400
TRFスペシャルダンパーで使用するオイル。粘度指数の幅は豊富に用意されていますが、雑誌などから得た知識により#400をセレクト。

OP.1752 TT-02アップグレードステアリングセット
アルミレーシングステアセットをはじめ、アルミステアリングブリッジ、ハイトルクサーボセイバー(ブラック)、アルミサーボホーン、ピロボールやターンバックルなどがセットに。

PDS-2514-Power M.G
ステアリングの動きをつかさどるモーター部分。もっとトルクが高い機種もありましたが、お店のおすすめをチョイス。

AC Balance Charger X1 Pocket
キットに備え付けの充電器はフル充電まで数時間もかかりますが、これなら15〜45分程度でOK。さまざまなバッテリーの種類に対応し、放電もできるのでバッテリーを長持ちさせることにも貢献。ラジコン雑誌の編集者の方のおすすめ機種でした。

SPORT NiMH 7.2V 3000mAh
常時全開で走らせると、10〜20分程度でバッテリー切れとなるため、練習用に大容量のバッテリーを追加。タミヤチャレンジカップでは使えませんが、30分程度走りっぱなしで楽しめるようになりました。

チューニングパーツの効果は……!?

まずオイルダンパーですが、結論から言うと、その効果は「すさまじい」レベルで大感動!
4つのタイヤが路面をつかもうとする感覚が増した、というより初めて感じられるようになりました。

コーナリング中、サスペンションがしっかりと路面を捉えながら車体の傾きを抑え、粘ってくれる感覚が得られるようになったのです。自動車メディア的な言葉を使うと「ロードホールディング性が劇的に向上した」という感じ!

TRFスペシャルダンパーは自分で組み立てる必要がありますが、初めてでも難易度は低いと感じました。ダンパーの構造や動きの基本がよく理解できるので、クルマのメカ好きにとっては楽しい作業です

サスペンションを総入れ替えしたぐらいの変化で、私の稚拙な操縦でもコーナリング中に転倒することは激減しました(縁石に乗り上げるなど、別の原因による転倒はしばしばやらかす)!

ノーマルのサスペンションは、実質的にはダンパーのない状態(ダンパーの形状をしたパーツはあるが内部にオイルが充塡(じゅうてん)されておらず、減衰力はゼロ)なので、常にグラグラしていたのでしょう。

ノーマルでもバネはあるので、コーナーでロールした(車体が傾いた)状態から元に戻ろうとする作用は働きますが、その動きを抑える力は働かず、車体が不安定になっていたのも無理はありません。

ダンパー組み立てのキモになるのは、充塡したオイルのエア抜き。気泡が限りなくゼロになるまで上下に動かします。オイルなので手につくとヌルヌルしますが、実車用の油脂類と違って特にヘンな臭いもなく、石けんで洗えばすぐ落ちるので、作業時に手袋をするほどではないと思います

ラジコン有識者さんから「オイルのエア抜きは難しくて面倒」と聞いていたのですが、思ったより簡単、かつ楽しい作業に思えました。これなら、将来的に粘度指数の異なるオイルに交換する作業も面倒ではありません。

こんなにも走りの質が変わるのなら、最初からオイルダンパーを組んでおくべきでは? とも思いますが、オイルダンパーは数千円もするので、ノーマルのキットに組み込むと価格がかなり跳ね上がるでしょう。それを考えると、ぜひに及ばずという感じ。

こうしてパーツを組み込むことでマシンの動きが激変する過程を味わうのも楽しいものです。

ノーマルのダンパー&スプリング(左)との比較。ノーマルは、ダンパーとしての機能(減衰)がなく、ただの飾りのようなものといえます。対してスペシャルダンパーは可動部分からオイルがにじんだりすることもなく、小さいのに非常に精巧な作りです。日本人のクラフトマンシップに感心します

実車と異なり、ダンパーはサスペンションをバラさずに交換できるようになっています

実車と異なり、ダンパーはサスペンションをバラさずに交換できるようになっています

取り付け部分をピロボールにすると、交換作業はさらに簡単。レース中、セッティングが合わなければピットインしてダンパーを交換するということも現実的でしょう。何種類も欲しくなります

手で押すと、しっかり戻ろうとする力が作用します。ノーマルのようにスプリングのみだと、揺れがすぐに収まらず、常にフラフラしてしまうのです。

続いては、

・TT-02アップグレードステアリングセット
・強化サーボ

を導入。

以前、ステアリングワイパー部分のブッシュの組み付けの悪さ(私の組み付けミス)により、可動する部分の動きが渋くなっていた問題がありました。修正してもらってからはかなり改善されたとはいえ、それでもなおこの難点は完治するには至らず。

静止状態でステアリング操作をしてみると、ステアリングが直進状態に戻る際の動きにまだ渋さがあることが確認できました。電動RCカーは、ステアリング操作をやめると前輪は自動的にまっすぐの状態に戻るのですが、右側だけ戻りが悪いという症状が完全には解消されていなかったのです。直進時、勝手に曲がっていこうとする原因はココにあるかと。

そこで、操縦性をつかさどる最重要部のステアリングまわりのパーツを交換。
ついでに、ステアリング操作をつかさどるサーボも強化品に交換しました。

ノーマルのサーボは、ステアリングを切ったり戻したりする力が弱いことも、ステアリング系統の動きが悪い原因の1つといわれていたのです。

プロポとセットで2万円足らずのラジコンながら、ダンパーとステアリング強化だけで1万円を超える出費に。ノーマルは、ギリギリまで低価格に抑えていることがよくわかります

強化品を組むと、静止状態での動きからして、前輪のキレが明らかに向上。まっすぐに戻ろうとする動きのキレもよく、ステアリング系統の精度が格段によくなったことを実感しました。

実際に走らせてみると、なんと、まっすぐ走るではありませんか!

ストレートでの全開走行中、初めて修正舵(しゅうせいだ)を入れることなく走りきることができたときの感動は、おそらく一生忘れられないでしょう。

厳密には、最近の実車ほどの完璧な直進性ではありませんが、村井店長にチェックをしてもらって「問題ナシ」との太鼓判をいただきました。ようやくマシンの操縦性が満足できるレベルとなり、不安なく練習に集中できる状態に! ようやく悲願が成就した感じです!

水色の部分が組み込んだ強化パーツ。タイロッドは黒い樹脂製ですが、長さを変えることでトーイン・トーアウトの調整もできます。真上から見て、タイヤがハの字になっている状態がトーインです。直進性にも影響する繊細な部分でもあります

強化品の装着により、ついにまっすぐ走るようになった我が愛車! ぶつけたりコースアウトをしたりする頻度は、10分の1ぐらいに低減しました!(それでもなお、ぶつけることは多い)

ようやくセッティングが決まり、走りに没頭できるようになりました。実際のレースカーなら、ドライバーが「メカニックさん、ありがとう!」というところです。ラジコンの場合、自分がメカニックでもあるわけなので「いいパーツを教えてくれた村井店長ありがとう!」と叫びたくなりました

この時点で、レース本番の数日前。できればもう少し練習をしたかったものの、結局それはかなわず、レースにはぶっつけ本番的な状態で臨むことになってしまいましたが、これもまたリアルといえばリアル。

現実のスーパーGTでも、セッティングや問題改善に予想以上の時間がかかったり、公式練習日に悪天候でほとんど走れなかったりと、準備万全の体制で挑めることは少ないものです。

あとはレースの本番中に修正、対応していくしかありません。

傷ついたボディを新調してレースに臨む

ボディは何度もぶつけすぎてバンパーなどが割れてしまい、満身創痍のみすぼらしい姿になってしまったので、レースに合わせて新調することにしました。見た目が悪くなったのみならず、エアロパーツが破損すると、本来の空力特性が発揮されないなど、レースで戦ううえで大きな問題となるので、レース本番では新品のボディで出場することにしたのです。

最初に作ったボディは練習用と割り切りました。結構苦労して作ったボディなので愛着がありますが、仕方ありません。練習では、STI(スバルテクニカインターナショナル株式会社)から発売されている「STIガムテ3巻セット」で補修しながら走りました。

実は、本物のレースカーも破損した際にはよくガムテープで応急処置を行うのです。特に24時間の耐久レースではボディが破損することが多いので、ガムテが大活躍!

ガムテでの補修がある意味レースの名物のようになっていることから、レース現場で使われているものと同じ仕様のガムテが発売されているので、実車と同様、STIガムテを使って補修しました。

レース本番用のボディは制作する時間がなかったので、「TT-01」の完成品を仕様。TT-01はシャーシが型遅れになってしまったせいか安かったので、完成品のエキスパートビルダーを購入。

エキスパートビルダーというだけあって、完成品のクオリティはまさに芸術レベルにて感動しました(写真右)! 撮影:中居中也

心なしか、塗料が少なめのような気がしましたが、とても美しい仕上がりです。これをぶつけるのは悲しいので、レースでは安全第一に努めます。自分で作ったほう(左)は、ムダに厚く塗りすぎたかもしれません。その分、ブルーなどは濃いのですが…… 撮影:中居中也

レース当日、初心者向けカテゴリで出走!

そして、いよいよレース当日の朝を迎えます。

今回参戦したのは「タミチャレ ZERO」という初心者向けのカテゴリ。レギュレーションについては、コチラをご確認のうえ、わからないことは開催されるショップさんやメーカーのタミヤさんに尋ねてみましょう。

気が付けば私のマシンもいろいろな強化パーツが装着されましたが、基本的には「タミチャレに出られる」を前提に選んだものばかり。パーツを選ぶ際、その都度お店の人に確認すれば安心です。

事前のエントリーの手続きは、書類に名前や住所を記載して、エントリーフィーの2,000円を支払うだけという簡単なものでした。

レース当日の朝は、お店のオープン前から、たくさんのRC愛好家の皆さんの姿が

レース当日の朝は、お店のオープン前から、たくさんのRC愛好家の皆さんの姿が

私の参戦する初心者向けの「タミチャレ ZERO」のほか、「タミチャレGT」「タミチャレM」「タミチャレF1」「タミチャレFF」「タミチャレコミカル」など、6つものクラスがあります。「BRZのボディを使う人は多い」と聞いていたものの、SUBARUウェアで武装していたのは私1人。緊張感が高まります!

まずは、参加者の皆さんと記念撮影。多種多様なマシンが並ぶ様子は圧巻でした。BRZの姿がチラホラ見られますが、純正ママのGT300仕様のカラーリングにしているのは私1人で実は少し寂しかった。わかりやすくていいのですが

組み立てや塗装、セッティングやチューニングなどで苦労した思い出が走馬灯のように早くもまわりだし、すでにこの段階で一定の達成感に包まれました。もちろん本番はこれから!

予選2回のベストでグリッド決定、5分間の走行で争う

7月29日、「スーパーラジコンさいたま大宮店」で開催された「タミヤチャレンジカップ第2戦」。各クラスとも、予選2回、決勝1回の合計3回走れる機会がありました。1回の走行は5分間で、予選の2回の走行の中で出た、ベストタイムで競うというもの。

決勝では、予選の順位どおりにグリッドに並んでのスタート。抜きつ抜かれつのデッドヒートが展開されます。

私が参戦した「タミチャレZERO」は4名がエントリー。皆さん、私同様にレースは初めてながらも想像以上に速く、想像どおり、私がダントツのビリで終始しましたが、そんな私も決勝では自己ベストラップを更新!

1回の走行は5分とはいえ、十数秒で1周できるので、5分でも長く感じられるほどガッツリ走れます。2回の予選で、セッティングの微修正をしながら、操縦スキル向上のためのいい練習ができたという手応えでした。

実際のレースと同じく、本番前にウォームアップ的な走行タイムが設けられていたので、積極的に走りました

実際のレースと同じく、本番前にウォームアップ的な走行タイムが設けられていたので、積極的に走りました

パーツを変えてまっすぐ走るようになってから、実質的にほぼ初めての走行だったので、1秒でも長く走ってマシンに慣れようと必死でした

ようやくまっすぐ走るようになったことに加え、いよいよレース直前ということで、練習走行からいつもよりプッシュしてしまった結果、クラッシュや転倒を繰り返す失態を……

レース本番直前という段階で、サスペンションのパーツが破損するというアクシデントに見舞われます。幸い、お店にパーツキットの在庫があり、即座に交換してことなきを得ました。さすがに構造だけは理解できているので、割とすぐに対処できました。練習走行中でのタイミングでよかったです

ゼッケンナンバーは「4」。編集部のNさんと、ラジコンの先輩である友人Aさんが応援に駆けつけてくれました。普段はレースを応援している立場なので、応援されるのは新鮮でうれしかったです

タイム計測をするための受信機を取り付けたら出走準備OK。サーボの上に両面テープで固定しました

タイム計測をするための受信機を取り付けたら出走準備OK。サーボの上に両面テープで固定しました

「タミチャレ ZERO」に参戦する人は私を含めて4名。皆さん結構うまく、最下位は不可避となるのがすでに濃厚でしたが、皆さん気さくでやさしく、コース上でモタモタする私を快く許してくださり助かりました。だいたい同世代の人ばかりだったので、実は少し安心。年端もいかぬキッズたちに大惨敗するのを覚悟していたのです

実車でのサーキット走行と同じく、相変わらず自分の操作を原因とするひどいアンダーステアが……

実車でのサーキット走行と同じく、相変わらず自分の操作を原因とするひどいアンダーステアが……

ヘアピンなどのきついコーナーは直角的なラインでしか走れないなど、ドライビングテクニック面の課題はあまり解消されていませんが……

時には他車と衝突したりもしました。まあ、レースアクシデントといってしまえばそれまでなのですが……

うまい人の走りをジックリと観察する機会も貴重なひとときです。ライン取りやアクセルの抜き方(ブレーキング)など、本当に勉強になります

ラジコンでも、うまい人は縁石を効果的に使います。BRZ GT300のレーシングドライバーたちも、いつも縁石をうまく利用しているので、マネしてみたところ……

転倒やジャンプ(もちろんムダな)などの失態の原因を作ってしまうばかりでした。どうやら、やはり実車と同じく、アクセルやブレーキ、ステアリングの操作が「ON/OFF」的になっている悪癖が最大の問題点だと認識

このように、タイトコーナーではあってはならない向きにマシンを進めてしまうのも、すべての操作が唐突すぎるからでしょう

一応、自分でもわかっているつもりなのですが、実車と同じでなかなか根深い問題です。しかし、ラジコンをスムーズに速く走らせられるようになれば、おそらく実車の操縦も改善されるはずなので、その意味でもRC趣味は有意義だと感じました

そんな私のジグザグ的な操縦を見かねた村井店長は、マシンをチェックするや否や「スプリングが硬い」と指摘。サスペンションが硬いゆえに、挙動が唐突気味になっているのだとか。そこで、ベテランRCマニアさんと思しき方から「フロントのスプリングを少し柔らかくしてみては?」とアドバイスをいただいたので、フロントのみ、バネレートをワンランクダウン

TRFスペシャルダンパー標準装備のスプリングはミディアム(黄)とのことで、ソフト(赤)に交換

TRFスペシャルダンパー標準装備のスプリングはミディアム(黄)とのことで、ソフト(赤)に交換

マシンの動きがジグザグ(カクカク)的なのは、マシンというより私の操縦に問題があるとばかり思っていましたが、そういえば、ノーマルと比べれば圧倒的にロードホールディング感が強くなったものの、ステアリングの入力に対する反応がやや過敏であるなど、足の硬いクルマ特有の動きをするとの認識はありました

フロントのスプリングを少し柔らかくしてみると、確かにマシンの鼻先の動きがやや穏やかになり、ステアリング操作の扱いやすさが増しました

フロントのバネを少し変えただけで、かなり挙動が変わります。なるほど、こうして経験者からのアドバイスを参考にしながら、自分好みのセッティングを模索すればいいのでしょう。これまでは「まっすぐ走らせたい」を意識するばかりで、それ以外の挙動についてはあまり深く考えていませんでした。

結果は4人中「4位」

公式な走行は予選2回、決勝1回×5分ですが、インターバルやランチタイムなどの空き時間にはフリー走行がOKだったこともあり、レース開催中ながら、これまでになくたくさん走り込めたのは意外な収穫でした。実車でのサーキット走行でのタイムアタックと同じように、全集中力を注ぎ込んでマシンの一挙一動を感じとろうとするその刹那は快感の極みです

スーパーラジコンさいたま大宮店さんのコースは「初心者がゆっくりとコースの真ん中を走りやすい」ことへの配慮がなされている一方、「全開アタックをすると上級者でも走り応えがある」と、幅広いユーザーから人気があります。初心者ながら確かに奥深いレイアウトだと実感。このコーナーの進入に苦しみました

個人的に最も苦手な第2ヘアピンは、第1ヘアピンを失敗すると連鎖的に失敗し、タイムがガタ落ちします。この第2ヘアピンを奇跡的にスムーズに抜けられた周回でベストラップが出ました。基本、どのコーナーも関連性が高いため、苦手なコーナーで起こる問題点は、その前のコーナーからすでに始まっているなど、分析するのが楽しいコースです。

決勝レースでは、予選の順位でグリッドに並ぶなど、これまた実車のレースさながらの雰囲気。45年の人生で唯一出場したレースであるマーチカップ以来の緊張がよみがえりました

勝てないまでも、周回遅れとなってしまう残念な瞬間をなるべく先送りできるよう、必死のパッチでプッシュした結果、自己最高タイムをマーク! 個人的には大きな成果です!

人間、100%負けるとわかっていても、いざレースが始まると闘争本能が刺激されるものですね。4台中、4位ながらも「戦いきった感」だけはしっかり味わえました。ひとまず、デビュー戦としては満足です!

本来は上位3位までの記念写真ですが、思わず強引におじゃまさせていただきました。これからも時々参戦したいと思いますので、どうかよろしくお願いします!

せっかく用意したおニューのボディも、わずかの間に傷だらけとなってしまいましたが、やはり「BRZ GT300のボディは空力がいい」ことで人気が高いようで、そこはうれしいポイント! この秀逸なボディラインを傷つけないようにしなければ!

コース上にはタイヤかすがかなり出ていましたが、私のマシンのタイヤもしっかり摩耗。右フロントの内側だけが極端に摩耗が進んでいたので、マシンの接地性、または自分の操作に問題があるのかもしれません。今後、原因を探ります

マシンはかなりいい感じに仕上がったので、もっかの課題としては、やはり私のドライビングテクニック向上。アクセル(写真左)もステアリング(写真右)も、もっともっと繊細な操作ができるように練習します。すぐ道具に頼りたがる中年らしく「プロポを高性能機種に……」との欲望も膨らみますが、まずは、もっとこのプロポで走り込みます!

今回は完走できただけでヨシとします!

今回、私が圧倒的にヘタクソで遅かったものの、そんな醜態でも意外と恥ずかしい思いをせずに1日楽しめました。いや、もちろん恥ずかしいといえば恥ずかしいのですが、それがつらくはないというか、心が折れる類いの恥ずかしさではないので、どんなにヘタクソでも楽しめるのです。

自己評価としては、最悪リタイアも想定していたので、無事完走できただけでもヨシという感じです。

初めてRCレースに参戦して感じたのは「初心者こそレースに出るべき」だということ。

レースを通じてさまざまなことが学習できたのがとても有意義でした。

上級クラスの皆さんの走りは圧巻の極みで、ギャラリー観戦するだけでも大いに刺激的です。ライン取りなども勉強になるし、初心者ほど、早いうちからレースに参加するべきでしょう。

中級〜上級者さんの本気の走りをジックリと観賞できるのも貴重なひととき。丸っこいボディのFFからトレーラー、フォーミュラカーのF1までさまざまなカテゴリのマシンが走るので、クルマ好きならそれだけで見ていて飽きません

「全国4位!」まで極めたという村井店長さんの走りは、まさに小さなレーシングカーそのもので、上級者による熾烈(しれつ)なバトルは実車のレースさながらの大迫力でした! レースの日は、ギャラリーをするだけでも値打ちがありますね。

上級者の皆さんのテーブルを観賞させていただくのも大変興味深いものがあります。機能的に整えられた卓上は、まさにこれもレーシングカーのピットやファクトリーのよう。小型の扇風機など、冷却装備の工夫も人それぞれでした

RCカーレースは、初心者でも十分楽しめる

「いやぁ、レースなんてまだまだ」などと遠慮するような感情は排除したほうがいいです。そのためにクラスも細かく分かれているのですから。

レース後、村井店長さんに「私のドライビングテクニック、問題山積とは思いますが、まずはどこを優先的に直すべきでしょうか?」と泣きながら尋ねたところ「とにかく走り込むことです! 走り込んでいただければ、それを見てマリオさんの走らせやすい方向性にマシンをセットアップできます。お金をかければいいというものではないので、お客様のレベルや要望に合わせたパーツ選びも重要となりますね。走り込めばもっと適切なアドバイスができるので、まずは練習をしてください!」とのことでした。

「タミヤチャレンジカップ(タミチャレ)」は「GT」クラスで頑張ればショップさんの代表として全国大会に進めることができることで、今一番盛り上がっているRCレースになっているようです。私は、なんとか「ZERO」クラスで最下位脱出できるまで、時々(?)参戦する所存!

村井店長は全国4位に入ったこともある超エキスパート。親切なアドバイスをしてくれます

村井店長は全国4位に入ったこともある超エキスパート。親切なアドバイスをしてくれます

レースではないフリーの走行練習もいいですが、やはり実戦の緊張感の中で走ると、得られるものがより多いのは確かですね。エントリーフィーの2000円が、普段の走行費よりも安く感じられました。

本企画は3回で終了しますが、今後も電動RCレース活動は継続していきます。ここからが本当のスタートといえるでしょう。

今後の私のレース活動については、RC関連のグッズやパーツのレビューなどで報告できればと思っております。どうか応援よろしくお願いします!

不肖マリオ高野は今後もBRZ GT300のRCカーによるレース活動を続けることで、スーパーGT SUBARU BRZ GT300との精神的な一体感を高めていきたいと思います! 第5戦まではマシンの調子が上がらず苦戦続きですが、それゆえに感情移入パワーは高まるばかりにて!

写真:中居中也 (レース当日)

※レース写真の一部はソニー「α9」と「SEL70200GM」を使用して撮影しました。

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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