先日、打ち合わせで価格.comマガジン編集部におじゃましたときのこと。
編集部員の和田さんがニコニコしながら「そういえばきだてさん、おやつにチョコレートとかどうですか?」と言うので、「おっ、いいですねー。ゴチになります」と答えたところ、なぜか別の会議室に連れていかれました。
そこには、おじさん編集部員2人がすでにボードゲームらしきものの前でスタンバイ。しかも筆者同様に、この状況がよく飲み込めていない様子。
「怪訝」を絵に描いたような表情の価格.comマガジン編集部おじさん2人。お察しのとおり、状況がまったく把握できていません
はい、じゃあメンツが揃ったので、今からチョコの奪い合いをしまーす!
えっ、何? どういうこと? 何が始まるの!?
そろそろバレンタインだなーって思ったら、チョコが食べたくなっちゃって。で、どうせならみんなでハデに奪い合ったほうが盛り上がるかなーって
そんな思い付きで巻き込むな!
ということで準備されていたのが、チョコ奪い合いバトルゲーム「チロルチョコわくわく争奪戦」(タカラトミーアーツ)です。
こちらはあの「チロルチョコ」とタカラトミーアーツのコラボとして企画されたゲームで、ルーレットを回してイベントあり、バトルありのボードを周回し、チロルチョコを奪い合いながらゴールを目指す……! というもの。ざっくり言えば、チロルチョコをコマにして戦う「人生ゲーム」みたいな感じでしょうか。
巨大チロルチョコを模したケースがかわいい「チロルチョコわくわく争奪戦」(タカラトミーアーツ)。対象年齢は6歳以上で、プレイ人数は2〜6人
どこか「人生ゲーム」をほうふつとさせるサイズ感のボードやルーレット。見た瞬間、何となく遊び方を理解できました。ちなみに、チロルチョコは別売りです
そう、このゲームの目的はチロルチョコを奪い合って多く集めること。プレイするには、市販の「チロルチョコ」が40個ほど必要なのですが、今回は和田さんの手によって用意されていました。
ゲーム的には24個入りの「バラエティBOX」2箱で足りるんですけど、ホワイトチョコのチロルも食べたくて「ビッグチロル〈オーロラ〉」も混ぜちゃいました
すごい、チロルチョコがたっぷり!
さっそくわくわくしてるじゃないですか。ちなみに、紙のチップもありますよ?
確かにダイエット中だけどさ……。本物のチョコのほうがテンション上がりますし、楽しいですよ
パッケージがチロルチョコボックスに変身。たっぷりのチロルチョコで、早くもわくわく気分が止まらない!
チロルチョコの代わりとして使える紙製の「チロルチップ」も付属。ただし、チップのみで遊ぶ場合のプレイ人数は2〜3人が目安になります
最初の手持ちゴマとして、各自3個ずつのチロルチョコを選び、いよいよゲームスタートです! ちなみにボードを周回する用のコマも、チロルチョコを使います。
手持ちは1人につき3個でスタート。欲望のままに、自分が食べたいチロルを選び抜きました
プレイの流れは、ジャンケンで勝った人から時計回りに「ルーレットを回す→出た目の数(1〜6)だけボードを進む→止まったマスの指示に従う」を繰り返します。
さあゲームスタートです。チロルチョコいっぱいゲットして好き放題に食べるぜ!
ジャンケンの結果、初手はまず和田さんに。ルーレットを回して出た目の数だけ進むと……「チロルチョコ☆」と書かれたマスに止まりました。チロルチョコ稼ぎのポイントとなる、イベントカードが引けるマスです。
ルーレットは軽い力で回すと、気持ちよくシャーッと回転します。ちなみに、チョコ食べたさに焦って力みすぎるとうまく回らないので要注意
いきなり最大目の6を出した和田さん。辿り着いた先は「チロルチョコ☆」マス
イベントカードは大きく分けて3種類。難易度別に指示が書かれた「通常イベントカード」、一気に大量獲得が狙える「スペシャルイベントカード」、ルーレットの出目を操作できる「ラッキー! ミルクカード」が入っています。
シャッフルして積んだイベントカードの山から1枚取って、いざオープン!
イベントカードの山から和田さんが引き当てたのは、最高難易度(3)の通常イベントカード「干支をすべて答える」でした。なんだ楽勝じゃん! と思いきや……。
えーっ! 干支なんて忘れちゃいましたよ。年賀状とかも出してないし……
えっ
えっ
えっ
想定外の反応に、戸惑いが隠せないおじさん3人。干支は常識と思っていたのですが、和田さんが特殊なのか、これがカルチャーギャップなのか……?
和田さんは「ねー、うし、とら、うー、たつ、えーっと…」とつっかえつっかえ最後まで思い出し、なんとかクリア。難易度分のチロルチョコ(難易度3=3個)をゲットしました。基本的にはこれの繰り返しで得点を重ねていく感じです。
イベントを達成したら、難易度の星の数だけチロルチョコをゲット!
筆者もチロルチョコ稼いでいかないと、なんて考えていたら、連続で「チロルチョコ☆」マスに当たってしまいました。ただし引いたカードは「好きな芸人さんの1発ギャグをする」「真顔でロボットダンスをする」「恋の決めゼリフを言う」と、おもしろ系ばっかり!
筆者が引いたイベントカード「好きな芸人さんの1発ギャグをする」は難易度2
関西人なので、間寛平師匠の「かい〜の」を全力でキメました
イベントカードで指示されちゃったし、全力でキメましたけども。これよりも「干支を言う」のほうが難易度高いって、ウソだろ……
さっきのロボットダンスもキマってましたよ
やめて、思い出させないで!
体を動かす側だけじゃなくて、見ている側も笑っちゃって、意外と忙しいですね。ボードゲームなのに、汗かいてきました
得点にはならないけど、チロルチョコ豆知識が増えるマスもあります
ある程度進んでいくと、「わくわく争奪ゾーン」が待ち構えています。ここはルーレットで出た目に関わらず、強制ストップでギャンブルに挑まなければなりません。
ルーレットを回して、1が出れば「プレイヤー全員から、チロルチョコを1個ずつ奪う」、2もしくは4が出れば「右側のプレイヤーから、チロルチョコを2個奪う」と大チャンス! しかし、5が出てしまったら「自分のチロルチョコを2個、ボックスに戻す」というリスクも。
強制ストップの「わくわく争奪ゾーン」。他人から奪うか、自分のチロルチョコを失うか?
この「わくわく争奪ゾーン」で痛手を負ったのが、手持ちは少ないながらも着々とコマを進めていた松田さん。なんと見事に「5」を引き当て、チロルチョコ2個を失うハメになりました。
うそでしょ!? 僕、これで手持ちゼロですよ
1/6の確率で「2個戻す」を引き当てた松田さんの表情
「わくわく争奪ゾーン」を切り抜けた後も、うかうかしていられません。マキノさんが「持っているチロルチョコを1個食べる」というマスに当たりました。
せっかくだから、気になってたの食べようっと
いいなぁ。お味は?
……おいしいです、けど……。なんか、この熱気でちょっと溶けてる……
ゴールする前にチロルチョコを食べられるというマスも。ただし、食べちゃうと手持ちが減ります。うれしいけど困る……
そんな感じでカードを引いたり、すごろくっぽく「1回休み」や「3マス進む」などをこなしたりしているうちに、ちょっとずつプレイヤー間でも手持ちチロルの数に差が付き始めました。
先ほど手持ちゼロとなってしまった松田さんですが、ルーレットの出目はなかなかの好調。進行トップで、チャレンジゾーン「チローリングチャレンジ」に突入しました。
「チローリングチャレンジ」は、チロルチョコを指で弾いて飛ばし、止まったエリアによって、チロルチョコをゲットできたり、反対に失ったりするというイベントです。
スタート地点から思い切りよく弾いた松田さん。さぁ、どこまで飛んだ!?
チロルチョコの載った面積がいちばん大きい部分で計測します。この場合は1個獲得
弾いた勢いが足りないと、チロルチョコを失う「がっかりエリア」で止まることもあります。筆者はここで止まってしまい、1個没収……。イメージしていたよりもボードの上で滑らずに止まっちゃうので、思い切ってバシッと弾くほうがよいかもしれません。
手前の「がっかりエリア」で止まってしまい、チロルチョコ1個をボックスに戻すことに。痛恨のミス!
「チローリングチャレンジ」後の持ちゴマ数は以下のとおり。大まかに言えば2強2弱という状況です。
7個のマキノさんを6個のきだてが追う状況。下位グループ2人はここから巻き返せるか!?
ここで、マキノさんが「チロルチョコ☆」マスに止まりました。さっそくイベントカードを引くと、不思議そうな表情に。
えーっ、なんか変なカード出たけど、これ何?
ついに出ました大逆転のチャンス、「スペシャルイベント」です。スペシャルイベントは全員参加型となる、プレイヤー同士のチロルチョコ争奪戦。これに勝てば、ドカンと大量獲得のチャンスということになります。
全員参加の「スペシャルイベントカード」は4種類。全員に勝つチャンスがあるのです!
マキノさんが引いたのは、崩せば絶叫の「チロルタワー」! ルーレットのツマミの上にチロルチョコを順番に1つずつ積み上げていき、最後に崩してしまった人の前のプレイヤーが、積み上がったチロルチョコを総取り、というものです。
チロルチョコは台形だから安定感あるでしょ、と思ったけど、積んでみると意外とパッケージのフィルムが膨れていて傾きやすい微妙に傾くんです
このあたりになると、そろそろ集中力の勝負になってきます
そして勝敗が決したのは、2巡目を終えて3巡目に入ったところ。手先不器用を自認している和田さんによって、ついにタワーが崩壊!
緊張で手の震えが止まらない和田さん。そしてこの直後にタワーはガラガラガラ……と無惨に崩れました
これによって、和田さんの前のプレイヤーに当たるマキノさん(現在1位)が一気に10個の大ボーナスを獲得することに。うーん、終盤に来てこの大量追加点は、ちょっと追いつけないか!?
いや、ゴールをした順にチロルチョコがもらえるという順位ボーナスもあるので、まだ諦めるには早すぎるかも! ……なんて前向きに考えたのもつかの間、なぜか筆者は「4マス戻る」のマスにひたすら当たりまくるというドツボにハマってしまいました。そして松田さん、和田さん、マキノさんの順でゴールされてしまい、ゲームセット。
不運すぎる4度目の「4マス戻る」に倒れ伏す筆者。「また、道に迷ってしまった」のワードが重い
1位は3個、2位は2個、3位は1個、チロルチョコがもらえます。上位3人がゴールしたらゲーム終了です
勝者は圧倒的17個でマキノさん。やはりチロルタワーでの10個ゲットはあまりにもデカすぎ!
結局のところ最後までトップは変わらず。マキノさん強し!
続いて2位は、途中まで低迷していたはずの松田さん(10個)。トップでゴール通過しての順位ボーナスと、チロルチョコを獲得できるマスにタイミングよく入り続けたことで、大きく巻き返しました。3位は序盤で稼いだものの、「わくわく争奪ゾーン」などで没収された和田さん(9個)。
そしてビリは「4マス戻る」などの後退マスを何度も踏み続ける虚無プレイが重なった筆者でした。
結局、筆者のコマは道に迷って置き去りにされたまま、ゲーム終了……
もちろん、獲得したチロルチョコは最後に食べちゃってOK! つまり勝者はたっぷりチョコ食べ放題だし、敗者は負けの味をちょびちょびと噛みしめとけ、というわけです。……悔しい。
ただ、大盛り上がりは間違いありません。メーカーのプレイ時間目安約60分という見込みを大きく超えて、イイ歳した大人4人が90分以上も遊んでしまったぐらいです。まぁ、勝った人がモリモリとおいしそうにチロルチョコ食べているのを下座からボーッと眺めるの、想像以上に泣けてきますけどね!
(C)チロルチョコ