ラーメン好きなら、日本各地の「ご当地ラーメン」が気になるのは当たり前。とはいえ、それだけのために現地まで足を運ぶのは、手間も時間もかかってしまうもの。そんな人にとって、現地に行かなくてもその味を楽しめる「ご当地カップ麺」は、まさに“神的”存在! この連載では、ラーメン好きによって結成された「ご当地ラーメンお試し隊」が各地のご当地カップ麺を収集し、実際にその味を確かめながら、47都道府県制覇を目指します!
北海道にちなんだカップ麺。はたして、そのお味は?
記念すべき連載1回目は、“ラーメン激戦区”としても有名な北海道。現在の北海道には、味噌ラーメンで知られる「札幌ラーメン」、魚介・豚骨・鶏ガラ出汁の「旭川ラーメン」、塩味の「函館ラーメン」を合わせた「北海道三大ラーメン」を筆頭に、「バターラーメン」や「室蘭カレーラーメン」、牛乳を使った「中標津(なかしべつ)ミルキーラーメン」など、実に多様なラーメンが存在しています。今回は、そんなバラエティ豊富な北海道のラーメンから3つのご当地カップ麺を厳選して、食べ比べてみました。
“ラーメン激戦区”北海道のシンボルとも言えるのが、札幌・すすきのにある「ラーメン横丁」。昔ながらの雰囲気で北海道ラーメンを楽しめます
まずは、「北海道と言えばカニ!」ということで(?)、北海道限定販売のカップ麺「かにラーメン味噌味」(HPI)を食べてみました。なんと言っても気になるのが、パッケージに書いてある「ずわいガニのほぐし身入り」という文字。実際にカップ麺のフタを開けると、ずわいガニの入った「レトルトの具」の袋がちゃんとありました。お湯を入れた後、この袋をフタの上に乗せて温めると、より美味しく食べられますが、「カニの味をリアルに味わいたい!」という本格派の方は、「レトルトの具」を湯煎して温めておくとよいでしょう。
内容量は149g(麺60g)。お湯を入れて4分待てば完成します
レトルトのずわいガニは、まさに本物そのもの。ほかにも、ワカメ、ネギが入っています
麺はストレートタイプ。スープは魚介、豚骨、鶏ガラで出汁を取った味噌ベースです
メインのずわいガニのほぐし身やワカメは、インスタント感が一切ありません
ご覧の通り、ずわいガニのほぐし身たっぷりのカップ麺に仕上がりました。実際に食べてみると、本物のレトルト具材が入っているため、スーパーなどで買えるチルド製の生ラーメンに近い印象。思った以上に本物志向となっており、これなら、インスタントラーメンが苦手という人でも抵抗なく食べられそうです。
スープは魚介と豚骨、鶏ガラなどの出汁と、味噌とを合わせた味付け。見た目はこってり系ですが、食べてみると意外にあっさり。飲みやすく上品なスープで、出汁がきいていてコクがあります。しつこさがないため、最後まで飽きずにスープを飲めました。麺はストレートタイプ。プリプリとした歯ごたえが好感触で、スープとの相性も絶妙。油っぽさはほとんど感じません。
次は、北海道札幌に本店を置く名店「すみれ」とコラボした「すみれ 札幌濃厚味噌」(日清食品)です。こちらは、コンビニでも手軽に購入できるカップ麺となっています。「すみれ」のラーメンと言えば、濃厚でこってり味の味噌スープが特徴。表面をラードが覆い、スープの温度が下がりにくいため、最後までアツアツで美味しく食べられます。
内容量は145g(麺80g)。こちらもお湯を入れて4分で仕上がります
味噌スープは濃厚な味。見た目は本店のスープに近いのでは?
こってりとしたスープが絡みつく縮れ麺タイプ。モチモチとした食感で食べ応えも十分
具材は、メンマや肉そぼろ、ネギなど。スープを混ぜると、肉そぼろがどこにあるのか、わからなくなってしまうことも
食べた感想としては、こってりとして非常に濃厚な味噌スープが印象的。しかも、ピリッと山椒が効いているのがポイントです。これからの時期、寒い冬に食べると身体が温まるでしょう。ただし、どちらかというと濃いめのスープとなっているため、若い人向きの味付けかもしれません。
さらに、写真を見るとわかるかと思いますが、縮れ麺となっているため、麺が濃厚スープを引き上げています。麺の食感はモチモチとしていて、食べごたえは十分。具材は大きめに切ったネギやメンマ、肉そぼろがメインです。特に肉そぼろが豊富で、スープのコクが増しています。ネギやメンマも歯触りがよく、スープや麺との相性も抜群です。
3つめのカップ麺は「函館海鮮塩ラーメン」(ヤマダイ)です。函館と言えば、海の幸が有名。ご当地ラーメンに関しても、食べログの「函館市 ラーメンランキングTOP100」を見てみると、ランキング上位の人気店は、見た目もさっぱりな海鮮塩ラーメンが占めています。もし、このご当地カップ麺の満足度が高ければ、「はるばる行くぜ函館へ〜」なんて言わなくても、自宅にいながら、手軽に函館の味を楽しめそうですね。
海をイメージしたような青いパッケージ。内容量は108g(麺60g)です
透明度が高く、透き通ったようにきれいな塩スープ
麺は、ヤマダイ独自製法のノンフライ麺。モチモチとした食感が楽しめます
具材は、カニカマと昆布、めかぶが目を引きます。大きめのチャーシューもかなりの満足度
透明感のあるスープは、塩ラーメンならでは。ひと口飲んでみると、見た目に違わず、あっさりとした味付けです。スープのベースは豚と鶏のようですが、ニンニクやショウガ、海藻のうま味などが加わり、深みのある味に仕上がっています。
ノンフライ麺の表面はツルツルですが、食感はモチモチ。あっさりとした塩味のスープとよく絡み、油っぽさもありません。ちなみに、ヤマダイのノンフライ麺は伸びにくいようで、しばらく冷ましていても大丈夫。これなら猫舌の人でも安心かも。具材は、今回試食したカップ麺の中で最も種類が多く、カニカマ6つと昆布、めかぶ、ネギ、チャーシューが入っていました。それぞれ存在感のあるサイズで、食べごたえも満足度も十分です。
北海道は、袋麺タイプの即席麺の種類も豊富
ちなみに北海道では、袋麺タイプのラーメンも多数販売されています。コラボ麺として一世を風靡した「札幌円山動物園ラーメン」(藤原製麺)シリーズのほか、麺に利尻昆布を練り込んだ「利尻昆布ラーメン」(ミツヤ利尻店SM)、「小熊出没注意トマトスープ味ラーメン」(藤原製麺)などのように、パッケージデザインのおもしろさは袋麺に軍配が上がるかも。北海道の即席麺市場は、ラーメン店と同様に激戦区。これからもユニークなご当地カップ麺や袋麺が増えてきそうです。
連載第1回目は北海道を制覇! 次なる土地はどこに? 次回のご当地カップ麺も楽しみに!