とうとう「もう引き返せない」という領域に来てしまいました。figmaテーブル美術館シリーズ最新作は、あの「ウィトルウィウス的人体図」です。名前だけ聞いてもピンとこないと思いますが、誰しも一度は見たことがあろうあの画でございます。かのレオナルド・ダ・ヴィンチ作の「人体の調和」と称されるアレでございます。それが可動フィギュアとして発売される世の中になってしまいました。せんえつながら筆者はこの「いいモノ調査隊」にて過去発売の「figmaテーブル美術館シリーズ」をご紹介させていただいておりますが、今回はなかなかの衝撃でございました。ではさっそくご覧いただきましょう。
パッケージはこんな感じ
ほら、一度は見たことあるでしょう? コレですよコレ
いかがでしょうか? これを可動フィギュアにしてしまう先進国は、我が日本だけではないでしょうか? ダ・ヴィンチ先生もさぞかし驚いていることでしょう。この人体図はローマ時代の建築家、ウィトルウィウスによって提唱された人体比率の理論を、ダ・ヴィンチがドローイングしたものといわれています。いわゆる「腕を横に広げた長さは身長と等しい」のような人体の比率を表したものですね。後生には医学のシンボルとして使われることが多くなりました。
また、ダ・ヴィンチ先生の母国イタリアでは、現在1ユーロ硬貨にこのスケッチが使われていたりするのです。
イタリアが発行する1ユーロ硬貨にはこの意匠が使われている。ちなみにユーロ硬貨は国によってデザインが異なり、見ていて楽しい
いよいよ開梱!
渋くてなかなかのイケメンでございます
フィギュアですが、歴代のテーブル美術館シリーズ「考える人」、「ミロのヴィーナス」、「ダビデ像」同様、オリジナルを忠実に立体化しています。ただ、「ウィトルウィウス的人体図」は元が画なので、それを立体的にしたのはシリーズ初ですね。いわば2次元キャラを3次元化したフィギュアになります。もちろんシリーズ恒例のフル可動のボディーは交換パーツが付属しており、可動フィギュアとして楽しむことができます。もうお約束になりますが、言わせてください。「フル可動にする必要ある?」
交換用の上半身パーツともものパーツです。これを付け替えると…
ただの全裸のおっさんになります
たぶん史上初! 「ウィトルウィウス的人体図」バックショット
交換手首パーツでポージング
ほかのfigma の小物も持たせることができます
このfigma「ウィトルウィウス的人体図」は、オリジナルの画をそのままフィギュア化したので、上半身には腕が4本、下半身には脚が4本ついております。これが立体的になり、そのまま可動するので、ちょっとおかしなことになるのですが、交換用のパーツを使うことで、普通の男性フィギュアに早変わりします。とはいえもうモロ出しというか全裸なので、オリジナルのポーズで飾っておかないと、それはそれでまたおかしなことになるのですよ! でもまぁ渋いおっさんの全裸フィギュアが欲しいという方には需要アリかなという、まさに引き返せない領域に入っていくのでした。そして全裸といえば、かのミケランジェロ作「ダビデ像」もまた全裸立体フィギュアなのでした。
「ダビデ像」と「ウィトルウィウス的人体図」の衝撃の出会い!どちらもルネサンス期の作品
ダ「な、なんなのこのおっさん! 新顔のくせに態度デカいじゃない!」
ウ「あ、センパイ、チーッス。よろしくッス」
ダ「失敬ね! 慣れ慣れしくしないでちょうだい!」
ウ「仕方アリマセーン。ワガ本気をゴランにイレマース」
ダ「う、腕が4本に…!」
ダ「ざ、残像じゃない?!」
とまあ、こんな具合に遊ぶことのできる楽しいフィギュアなのです。とにかくフィギュアとしては異色中の異色です。腕脚4本状態でもグリグリと動かせるので、これまたおかしなポーズをとれますし、ネタとして楽しむのはもちろん、芸術として楽しむこともできます。シリーズで集めていると気付くのですが、「ダビデ像」や「ミロのヴィーナス」は割とふっくらした肉体なのに、この「ウィトルウィウス的人体図」はかなり絞った肉体になっています。こんなところからも芸術の歴史や当時の時代背景なんかもうかがえることができてマジで勉強になったりしますよ!
速すぎて残像のように見える手足! みたいなポーズもとれます
ご興味のある方は過去リンクをご参照いただき、一緒に芸術とは何か? を考えていこうではありませんか!
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そんなfigmaテーブル美術館シリーズ、次作は「天使像」。そしてさらなる衝撃「ムンクの叫び」がラインアップされています。いったいどの領域まで踏み込んでいくのかわからないシリーズですが、引き続き全力で応援していこうと思います!