元祖・束子(たわし)といえば、東京・北区にある西尾商店の「亀の子束子」。ヤシの繊維をねじった針金に挟んで毛先が揃うように楕円形に成形して1つひとつ手作業で作られたたわしは、他店の3倍は長持ちするとその耐久性に定評があり、なんと明治40年から110年もの歴史がある老舗の商品です。
そんな「亀の子束子」にボディ用があるのをご存じでしょうか? せっけんを泡立てて体を洗うのはもちろん、寒風摩擦やマッサージ用として使える知る人ぞ知る商品で、筆者も愛用中です。
「健康たわし」と名付けられたボディ用たわしは、硬さによって4種類がラインアップ。いずれも天然繊維が使用されています。
繊維の種類と硬さに応じて4種類がラインアップされる、亀の子束子のボディ用たわし
まずは初心者向けに一番柔らかいタイプが「サトオさん」。サイザル麻と呼ばれる素材を使用したタイプで刺激が少なく、おなかなど上半身の柔らかい皮膚の部分でも大丈夫。
一番ソフトな「サトオさん」
摩擦が少なく、体のかゆい場所をかくのも気持ちがよい。痛いのが苦手な人はまずはこれから。皮膚が薄くて柔らかい部位用に使い分けても
2番目に柔らかいタイプが「タムラさん」。サイザル麻と棕櫚(しゅろ)を組み合わせたタイプで、繊維にコシがあり、「サトオ」さんよりも硬くて心地よい刺激が気持ちよく、ボディたわしに慣れてきた人向けです。
2種類の繊維の組み合わせで縞模様もスタイリッシュな「タムラさん」
痛いのが割と平気な筆者はこのタイプがちょうどよく、メインで使用しています。繊維に少ししなりがあって「サトオさん」よりも刺激が感じられます。せっけんの泡立てがしやすい硬さでもあるため、ボディ洗い用と兼務で使用中。
さらにもう1段階硬いタイプが「ナリタくん」。棕櫚でできており、マッサージをしながらゴシゴシと洗うのにも適しています。
見た目的には一番たわしらしい姿の「ナリタくん」
ボディ洗いはかなりゴシゴシと洗えますが、泡が立ちにくいため、脛(すね)や腕の細いところの角質落としとマッサージ用の仕上げに筆者は使用しています。
そして最も硬いタイプが「ニシオくん」。「亀の子束子」と同じパーム素材で、踵(かかと)や膝(ひざ)、肘(ひじ)といった角質がたまりやすい箇所に最適。ブラシ状なので軽石よりも効果的に汚れを落とすことができます。
硬さランクではナンバーワンの「ニシオくん」
元祖・亀の子束子と同じ素材と硬さなので、軽石代わりに膝や踵用に。繊維が皮膚の溝に入って汚れをかき出せるため、軽石よりもツルツルになります。
なお、繊維と硬さ違いのほかに3タイプの形状もラインアップしています。スタンダードは、幅8cm×長さ14cm ×厚み 5cmの「亀の子束子」の3号サイズと同等の大きさ。手に握りやすいサイズながらボディ洗いにも適した大きさです。このほか、サイズはスタンダードとほぼ同じで左右にひもが付いて体の裏側の洗浄に便利なタイプと、幅5cm×長さ45cm×厚み5cmの棒状になった背中洗い用に特化した「くねりん棒(中)」があります。
スタンダードタイプ(右)とひも付きタイプ(左)
ほかに細長い棒状で背中洗い用のタイプも。「ニシオくん」以外はすべてひも付きタイプを選びましたが、手のひらにしっかり収まるサイズなので、体が硬い人でなければすべてスタンダードでも問題ないように思います
筆者宅では現在、「ニシオくん」のみスタンダードタイプで、ほかはひも付きのタイプを使用中。初心者にはと「サトオさん」からの使用をすすめられましたが、意外と平気だったのでボディ洗いは「タムラさん」を主に愛用中。「ニシオくん」は皮膚の硬い部分の角質落としや足の裏のマッサージ用に使用しています。加えて、浮腫(むく)んだり疲れた足や肩こりの症状を感じたりした際にはマッサージ効果がより得られる「ナリタくん」でマッサージ。リンパの流れを促すために鎖骨部分を「サトオくん」でマッサージをしています。
洗浄&マッサージ用に4種類のボディたわしを使い分けるというのは、ちょっとしたことではありますが、なんとなくリッチな気分。日や気分によって入浴剤を使い分けるかのように、お風呂に入る楽しみがさらに広がります。何よりとても気持ちがよいので、家庭で気軽に疲労と美容をケアしたい人は試してみてください。
日々のムダをとにかく省くことに執念を燃やす母ライター。好きな言葉は「時短・節約・自作」。なのに非生産的な活動にも必死になることも多々。意外にアウトドア、国際派。