特集
紙を切ったり、年号を調べたり……??

“測る”以外もこなします! 「珍スペック定規」を集めてみた

定規(ものさし)の主な機能と言えば、長さを測ったり、線を引いたりすること。シンプル極まりないものですが、限りなく奥深い文具の世界においては、そんな定規でさえ、あっと驚くユニークな面白商品に生まれ変わってしまいます。今回は、普通の定規に新たな味わいが加わった、特徴的な逸品をご紹介いたしましょう。

普通の定規は、こんな感じなのですが、ご紹介する定規ははたして……

普通の定規は、こんな感じなのですが、ご紹介する定規ははたして……

注:辞書などによると、「定規」は線を描いたり、紙や布などを裁ったりするときにあてがう道具、「ものさし」は物の長さを測るための道具とされています。しかし、定規にも目盛りがあるものが多いですし、ものさしで線を引いたり紙を切るときに当てたりすることもあります。ここでは、わかりやすさも考えて、定規とものさしを区別せず、表記を「定規」に統一しております。そのため、商品名に“ものさし”とあっても定規としておりますこと、ご了承ください

【1】え、切る定規!?

先ほど、定規の主な機能は、長さを測ったり、線を引いたりすることと申しましたが、もうひとつありました。それは、紙を切ること。雑誌のページを切り取ったり、コピー用紙などを一気に半分に切ったりしたいときには、ハサミやカッターよりも定規のほうが手軽です。クツワの「アルミ定規」は、そんな「紙をスパッ!っと切り取ること」を意識して開発された定規です。文字どおりアルミ製のしっかりした作りの定規で、定規としての基本機能に加えて、安全に正確に紙を切れるような工夫があちこちに散りばめられております。

筆者が購入したのは長さが30cmのブラック。15cmのものもあります

筆者が購入したのは長さが30cmのブラック。15cmのものもあります

紙を切りやすいように、45°の傾斜が付けられています

紙を切りやすいように、45°の傾斜が付けられています

手を切らないように、エッジには特殊加工が施されています

手を切らないように、エッジには特殊加工が施されています

紙を引っ張る方向を示したガイドが付いています。これは便利♪

紙を引っ張る方向を示したガイドが付いています。これは便利♪

紙を切ってメモ紙を作りたいときなど、ハサミやカッターを使わずに定規で切るほうが圧倒的に楽ですよね。「アルミ定規」は紙を切ることを意識していることもあって、ほかの定規よりも切れ味もスムーズで、安心して紙が切れるように思います。また、金属製なので丈夫で質感もよく、カッターを当てて使っても安心感があります。重さも36gと軽量で、使い勝手は良好です。なお、30cmはブラックとシルバーの2色、15cmはさらにブルーとピンクが加わり4色から選べます。

【2】ホントにすべらない定規

新聞や雑誌の切り抜きはもちろん、趣味のオーディオのために設計図などを引くことがある筆者。ところが、当てていた定規がスッと動いて、カッターやペンがあらぬ方向に行ってしまうことも……。しかしご安心を! そんな悪夢のような切ない気持ちから、おさらばできそうな定規があります。それはレイメイ藤井の「すべらないカッティング定規」。

特徴は、裏面にすべりにくくするための特殊な加工が施されていること。すべらないと言っても粘着性のもので固定するわけではありません。通常の定規のように軽くずらして位置合わせを行い、上から押さえればすべり止めが効果を発揮します。

50cmと30cmの2種類があります。筆者は30cmのものを購入

50cmと30cmの2種類があります。筆者は30cmのものを購入

裏面にはすべり止め加工が施されています(白っぽく不透明になっている部分)

裏面にはすべり止め加工が施されています(白っぽく不透明になっている部分)

縁にステンレスの金棒がはめ込まれているので、カッターなどを当てても定規が削れる心配はありません

縁にステンレスの金棒がはめ込まれているので、カッターなどを当てても定規が削れる心配はありません

定規としての使い勝手を極めた工夫が満載

定規としての使い勝手を極めた工夫が満載

すべりにくいので安心して使えるのがいいですね。加えて、定規としての基本機能が充実していることにも目を見張ります。数字は大きくて見やすく、5cm単位で認識できるヌキ数字や1mmドット入方眼、矢印付き目盛りが採用されています。さらに、定規の縁にステンレスをはめ込み、カッターや金属製のペンを使っても傷付ける心配がないといった工夫まで施されています。パッと見は普通の定規ですが、これは、なかなかの代物ですぞ。

【3】曲線が自在に引ける定規

直線は定規があれば簡単に引くことができますが、曲線を引くのって大変ですよね。曲線用の定規と言えば、製図などでよく使われる雲形定規が有名ですが、ポスターや模造紙などの大きな紙に長い曲線をさっと引きたいときは小さくて使いにくい場合があります。自由に形を変えて、目的の曲線を簡単に引きたいときに役立つのが、ご紹介するステッドラー社の「自在曲線定規」です。

長さはもちろん、目盛りの有りなしなど、数社からさまざまなものが発売されています

長さはもちろん、目盛りの有りなしなど、数社からさまざまなものが発売されています

筆者はドイツの有名文具メーカー、ステッドラー社の30cmをチョイス

筆者はドイツの有名文具メーカー、ステッドラー社の30cmをチョイス

芯材に軟質アルミを使用、針金を曲げるような感じで自在に形状を作れます

芯材に軟質アルミを使用、針金を曲げるような感じで自在に形状を作れます

曲線を引くだけなら目盛りなしでもいいですが、長さを測れる目盛り付きのほうが何かと便利です

曲線を引くだけなら目盛りなしでもいいですが、長さを測れる目盛り付きのほうが何かと便利です

自在曲線定規は各社から発売されていますが、製品を選択する際に最も重要なことは曲げ戻りが少ないこと。曲げて作った状態を保持できずに、定規が元に戻ってしまうと、引きたかった曲線ではなくなってしまい、意味がありません。本製品では、そのあたりの性能も優秀で、安心して使うことができました。“こんな定規、初めて知った”という方もいらっしゃるかもしれませんが、1本あればいろんな場面で使えておもしろいですよ。

【4】“0.1mm”が測定できる大人の定規

筆者が子供の頃は、竹製の定規が多かったように記憶していますが、今ではプラスチック製や金属製のものが中心になっています。そんな中、今回ご紹介する定規の素材はチタン。入曽精密が展開する“REAL EDGE”ブランドの商品で、その名も「チタンものさし ミクロン10 Premium Edition」。

「チタンものさし」には「Professional」、「Premium Edition」、「Limited Edition」の3種類があり、いずれも目盛りは15cmまでですが、「Professional Edition」は長さが17.5cm(幅は12mmで厚みは3mm)と少し長く作られています。「Premium Edition」と「Limited Edition」は全長が15.3cm(こちらも幅は12mmで厚みは3mmです)となります。いずれも純チタンを削り出したすばらしい定規ですが、筆者が購入した「Premium Edition」には、最初の0〜10mm(1cm)の範囲内だけに100ミクロンの目盛りが刻まれているといううれしいおまけがあります!

幅は12mm、全長は15.3cmなので、1cm当たりのお値段は約800円(税別)、1mm当たり約80円(同)となります♪

幅は12mm、全長は15.3cmなので、1cm当たりのお値段は約800円(税別)、1mm当たり約80円(同)となります♪

難削材の表面無加工チタン削り出しのためか、色合いは光の当たり具合や角度によって変わります。明るいところで撮影するとこんなふうに黒っぽく見えます

独特の縞(しま)模様の光沢がただならぬ雰囲気を醸し出し、特有の鈍い輝きが存在感を強めます

独特の縞(しま)模様の光沢がただならぬ雰囲気を醸し出し、特有の鈍い輝きが存在感を強めます

最初の10mm(1cm)だけ目盛りの部分が違うのがわかるでしょうか?

最初の10mm(1cm)だけ目盛りの部分が違うのがわかるでしょうか?

さらに拡大してみると、1mmの間に100ミクロン(0.1mm)の目盛りが刻まれているのがわかります

さらに拡大してみると、1mmの間に100ミクロン(0.1mm)の目盛りが刻まれているのがわかります

1mmの10分の1ごとに刻まれた目盛りなので、老眼の筆者にはもやっとした模様や汚れのようにしか見えませんが、拡大すると見事に刻まれた目盛りを確認することができます。実際に0.1mm単位で線を引いたり、長さを測ったりするわけでないので、ムダと言われればムダなものかもしれませんが、これこそが大人の楽しみ。精密な切削技術を持つ熟練職人のちょっとした遊び心によって、子供から大人まで誰もが使う日常的な定規が見事に「いいモノ」に昇華した逸品です!!

【5】計算しないと測れない「素数」の定規

続いてご紹介するのはネットでも話題の「素数ものさし」。普通の定規のように、1mm単位で目盛りが刻まれていたり、1から順番に数字が並んでいたりするわけではありません。京都大学生協と不便益システム研究所(代表は京都大学デザイン学ユニット教授の川上浩司氏)が京大グッズとして開発した、素数の目盛りしかない定規なのです。ちなみに素数とは、「1とその数自身以外に約数を持たない自然数の中で1を除くもの」。この定規には、「2・3・5・7・11・13・17(それぞれcmです)」しか目盛りがないため(定規の長さは18cm)、測りたい長さを計算しなければなりません。たとえば、6cmは11cmと5cmの間や17cmと11cmの間になりますし、12cmであれば17cmと5cmの間の長さとなるわけです(mmの場合も同様です)。

なお、すべての自然数は素数の差で表せるわけではありません。たとえば、25mmは、素数どうしの組み合わせで表すことができないので、この定規でも1回で測ることができません(5mmを5回測るといった足し算を使う方法になります)。何とすてきな定規でしょう!?

長さは18cm。18cmはこの定規では計算しなくてもいいですが、素数で表すと23-5となります

長さは18cm。18cmはこの定規では計算しなくてもいいですが、素数で表すと23-5となります

竹に手作業で焼き印が押されています。京都大学の刻印がいい感じですね。ちなみ筆者は、“京都の大学”を卒業しました

こちらの目盛りには数字がありませんが、ミリ単位の目盛りが素数で刻まれています。2の下にあるのは19と23、3の下にあるのは29と31です

説明書によると、6cmは先にご紹介したケースを含めてこの定規に19か所も隠れているそうです!

説明書によると、6cmは先にご紹介したケースを含めてこの定規に19か所も隠れているそうです!

計算をするという不便がありながら、長さを測定できる益を実現するという「素数ものさし」。文字どおり不便益(不の便益ではなく不便の益です)を生かすことを研究する、不便益システム研究所が生んだ逸品と言えそうです。人の名前や固有名詞がすぐに思い出せなくなってきた筆者にとって、長さを測るだけで頭を使えるのは、むしろプラスになりそうです。また、知育グッズとしてもよさそうです。なお、京都大学生協では、577円(これも素数です。税別)で販売されているそうです。

【6】歴史が勉強できる定規って!?

「素数ものさし」では数学が勉強できましたが、こちらでご紹介する定規では「歴史」が勉強できます。その名も、「歴史を見るモノサシ」(仮説社)。目盛りだけを見れば普通の定規のようですが、1.5cmを1世紀(100年)とした目盛りも加わっています。さらに、平安や鎌倉、古代や中世といった時代区分も書き込まれており、それぞれの時代の長さや順番が直感的にわかるのがポイント。これを見れば、平安時代のほうが江戸時代よりも長かったことが一目瞭然ですぞ。

一見、普通の30cm定規ですが……

一見、普通の30cm定規ですが……

世紀と時代区分も刻まれています

世紀と時代区分も刻まれています

筆者にとっては、鎌倉時代の始まりは1192(いいくに)年だったのですが、今は1185年なんですね

筆者にとっては、鎌倉時代の始まりは1192(イイクニ)年だったのですが、今は1185年なんですね

明治以降の激動の時代が、長い歴史の中では2cmにもならないことにビックリ

明治以降の激動の時代が、長い歴史の中では2cmにもならないことにビックリ

時間の流れが、定規という2次元の世界の中で直感的にわかりやすく描かれているのがいいですね。ちなみに、明治以降の近現代の長さを1とした場合、近世はその2倍、中世は3倍、古代は4倍といった感じになっています。齢を重ねるごとに時間の流れが速くなっているように感じるのは、あながち間違ってないかもしれませんね。

【7】単位の換算がひと目でわかる定規

物の長さや体積、面積、重量、液量を表すときは、それぞれ、平方メートル(u)や立方メートル(㎥)、キログラム(kg)、リットル(L)といった単位を使います。さらに、それぞれの単位には大きさに応じて、立方キロ(k㎥)メートルといったものも登場します。1立方キロメートルは何立方メートルに相当しますか? と問われてなかなか即答できない方も多いのでは……? さらに、デシリットル(dL)やヘクタール(ha)といったちょっとトリッキーな単位が登場するとお手上げ、なんてことも。しかし、アーテックの「単位換算定規」があれば、そんな不安は即座に解消できます。

mm単位の目盛りは刻まれていませんが、5mmごとなら16cmの長さまで測れます

mm単位の目盛りは刻まれていませんが、5mmごとなら16cmの長さまで測れます

面積、長さ、液量、重さ、体積の5種類の単位に対応。使うときはこの1の数字を動かすだけ

面積、長さ、液量、重さ、体積の5種類の単位に対応。使うときはこの1の数字を動かすだけ

1平方キロ(ku)に合わせると、1平方キロ=100ヘクタール(ha)・10,000アール(a)だということがひと目で!

1リットル(L)は、10デシリットル(dL)で、1,000ミリリットル(mL)だということもわかります

1リットル(L)は、10デシリットル(dL)で、1,000ミリリットル(mL)だということもわかります

定規としての機能はさておき、簡単な操作で単位換算ができるのは便利ですね。0の数を数えるのが大変ですが、1ヘクタール=10,000,000,000平方ミリメートルなんていう換算も瞬時にできますよ。シンプルな作りですが、操作しやすいですし、文字も大きく見やすいので筆者には好印象です。学習用として実用性の高いよくできた定規だと思います。せっかくなら、ミリ単位の目盛りがあれば言うことなしなんだけどなあ〜。

やはりチタン定規はすごかった!

ということで、今回もいろいろと楽しげな定規をご紹介してきました。それぞれにユニークな特徴があって、いずれ劣らぬ逸品ぞろいでした。さて、いつものようにあえて順番を付けるとしたら、やはり100ミクロン単位の目盛りが刻まれた「チタンモノサシ ミクロン10 Premium Edition」。これはもう、持っているだけで満足。人に見せびらかしながら、一生使い続けようと心に誓っております。続いては、「素数ものさし」。一度考えないと使えないという、不便益というコンセプトがユニーク過ぎます。竹製の手作りというほっこりした感じもすてきです。

続いては、「単位換算定規」。定規の機能はほとんどおまけみたいなものですし、手にしたときの高級感や質感のかけらもありませんが、秀逸なアイデアをシンプルな構造で表現。個人的にとてもいい製品だと感服いたしました。子供の頃に欲しかったです。結果については、あくまで筆者の独断ですが、皆さんはどの定規がお気に入りでしょうか?

わたる

わたる

主に東京の湾岸エリアに生息しているが、中国、タイ、インドネシアなどでの発見情報もあり、その実態は定かではない。仲間うちでは「おっちゃん」と呼ばれることも。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン「動画」まとめページ
ページトップへ戻る