レビュー

もうガリガと言わせない! 0.3mmの「サラサナノ」は小さい文字の書き味が大幅UP

手帳などに細かい文字を書きたいなら、ゲルインクボールペン――。

実のところ、今まではこれが定説でした。理由としては、

・ゲルインクには、0.28〜0.3mm径という超極細モデルがすでに揃っていたこと
・油性インクは、技術的な問題で0.38mm径のモデルが最も細かったこと

の2点です。つまり、物理的に少しでも細い径を求めるなら、ゲルインクを選ぶしかなかった、ということでもあります。

ただ、ゲルインクの超極細モデルは、筆記時にガリガリと紙を削るような書き味で、実際のところは「ガリガリはイヤだけど、小さい字を書くからしょうがない」という消極的チョイスな面も……。そもそも、0.5mmと0.3mmは数字の上ではたかだか0.2mmの違いですが、比率で見れば下の図のようにかなり大きな差。自転車でも、小径車(ミニベロ)が段差に弱いように、小さなボールは紙の繊維を乗り越えづらく、鋭いペン先で紙表面を削ってしまうのは、ある意味仕方がないことだったんです。

ボールペン先端の拡大イメージ。0.2mmの差で、ボールの大きさはここまで違ってきます

ボールペン先端の拡大イメージ。0.2mmの差で、ボールの大きさはここまで違ってきます

ところが一昨年、0.28〜0.3mm径の油性ボールペンが三菱鉛筆とパイロットから発売される、という大きなブレイクスルーが発生。スルスル感のある低粘度油性インクで、細かい字が滑らかに書きやすい!ということで、細字好きユーザーの中では、すでに超極細油性ボールペンへの乗り換えも始まっているとか。

油性インク(左)VS.ゲル(右)で、0.3mmの超極細バトルが勃発中

油性インク(左)VS.ゲル(右)で、0.3mmの超極細バトルが勃発中

そんな激戦の超極細ボールペン界において、劣勢に追い込まれつつあったゲル陣営が再逆転の一手として打ち出したのが、「ガリガリしないゲルの0.3mm径」というわけです。

書き味超アップ! ガリガリしない新「サラサ 0.3」

ゲルインクボールペンの王者として知られるゼブラ「サラサクリップ」には、これまでにも0.3mm径モデルが存在していました。ただ、やはりどうしてもガリガリした書き味は否めず、一部の心ないマニアには「サラサラ書けるから『サラサ』なのであって、0.3mm径のものは“ガリガ”だろ」などと揶揄されることも(ひどい)。

しかし、2021年11月に発売された新しいシリーズ「サラサナノ」は、0.3mm径のみというラインアップながら、もう“ガリガ”とは言わせないぞ、というゼブラの明確な意志が見えています。

ローンチから32色のラインアップもうれしいゼブラ「サラサナノ」

ローンチから32色のラインアップもうれしいゼブラ「サラサナノ」

まず、実際に書いてみると、確かにハッキリと書きやすい!

今までだと、ペン先がガリッと引っかかって線が途切れていたようなシーンでも、問題なくスルーッと書けてしまう。細かい字をチマチマ書く際に、引っかかりのせいで字が整わず雑に崩れる、なんてこともなし。従来の「サラサ」の0.3mm径と書き比べると、完全に別物なレベルでガリガリ感が大きく減っています。なのに、この「サラサナノ」のリフィルは、ガリガリしていた「サラサ」の0.3mm径と共通という……どういうこと?

「サラサクリップ 0.3」(上)と「サラサナノ」(下)。実際に書き比べると、違いは明らか。「サラサナノ」は本当にガリガリしない!

「サラサクリップ 0.3」(上)と「サラサナノ」(下)。実際に書き比べると、違いは明らか。「サラサナノ」は本当にガリガリしない!

その秘密は、当たり前ですが、ボディ側に隠されていました。

ノックノブの直下にある新規パーツ「うるふわクッション」の中にはバネが入っており、ペン先からのガリガリした衝撃を吸収するサスペンションとして機能します。このバネサスによって紙の繊維などの段差を乗り越えやすくなり、結果としてガリガリ感が大幅減、という仕組みです。

正直、バネひとつでここまで書き味がアップするのか、と驚かされるほど。機会があれば、ぜひ店頭で従来品と書き比べてみてください。確実に差がわかるはずです。

ノック下の黒いパーツが「うるふわクッション」

ノック下の黒いパーツが「うるふわクッション」

内蔵のバネによって、ガリガリした振動を吸収し、スムーズな書き味に

内蔵のバネによって、ガリガリした振動を吸収し、スムーズな書き味に

もちろん、2021年後半の筆記具トレンドである「低重心化」もそつなく取り込んでいます。

口金をプラから金属に変更することで先側重量を増やし、バランスを向上させています。試しに握ってみれば、これまでよりも持ち位置がピタッと決まる感じがわかると思います。

1本当たり税込220円は「サラサクリップ」からすると倍の価格ですが、そもそも他社の低重心ボールペンは大体300円台。この辺りからも、ゼブラの本気が伝わってきます。

先端の金属製口金で低重心化。ほんの数グラムの違いですが、バランスはよくなっているように感じました

先端の金属製口金で低重心化。ほんの数グラムの違いですが、バランスはよくなっているように感じました

ここまで書きやすければ、低粘度油性の超極細ボールペンと互角以上に戦える性能なのは、間違いありません。

さらに、ゲルインクならではの強い発色と、従来の「サラサ」の0.3mm径から一気に1.5倍以上も増えた全32色のカラーラインアップも大きな武器です。

これによって、1度は油性ボールペンに乗り換えた超極細ユーザーがゲルに戻ってくるか? それとも、油性陣営がまた次なる手を打ってくるのか? この戦いは、まだまだ目が離せません。

きだてたく

きだてたく

最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。

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