ジダラキング

7万円の「ホチキス針抜くだけ機」! 超ピーキーなMAX「ERZ-30」の実力を検証

「道具」というのは、ザックリと言えば、「人間が自身の身体だけではできないこと/やりにくいことを可能にするための機能拡張」です。

もう少しわかりやすく言うと、たとえば人間は、素手で木材に釘を打ち込もうとしたら、手が壊れてしまうけど、カナヅチ(道具)を使えば大丈夫……みたいな話ですね。このカナヅチひとつとっても、使うことで頑丈な家が作れる→過酷な場所でも住環境が整えられる→人類の勢力圏が広がる、という流れになります。つまり、人類文明は道具によって発展してきた、とも言えるでしょう。

で、今回の「自堕落王(ジダラキング)」で紹介するのが、電動でホチキスの針を外すマシン。なんと、スイッチひとつで、紙に刺さったホチキス針を自動でサクッと外してしまうという驚異のメカニズム。何より驚くのは、それ以外のことには使えないということ。ホチキス針を外すだけの専用機械。

そして、お値段なんと72,600円(税込)というのも、なかなかに驚異的です。はたして、ホチキスの針を外すだけの機械が、人類文明の発展にどう寄与するのか? そこんところ、じっくり見てみましょう。

スイッチオンでパワフルに針を抜く!……だけの専用機

件の“電動ホチキス針抜くだけ機”というのが、2021年秋に発売されたMAX(マックス)の「ERZ-30」です。マックスと言えば、もちろん皆さんご存じのとおり、ホチキスのトップメーカー。そのマックスが「針を刺して紙をまとめるだけじゃなくて、紙をバラすほうもウチが責任持ってやりますよ」と作ったわけだから、機能的には間違いないはず。

スイッチオンでホチキス針を抜き取る電動リムーバー「ERZ-30」。コピー用紙2〜30枚まで対応します

スイッチオンでホチキス針を抜き取る電動リムーバー「ERZ-30」。コピー用紙2〜30枚まで対応します

A4コピー用紙よりちょっと幅が狭いぐらいのボディサイズで、重量は約2kg。「ホチキス針を電動で外す機械」と聞いてパッと想像するより、だいぶ大がかりな印象です。

本体サイズ的にも、もちろん価格的に考えても、個人で所有するものではないでしょう。考えられるのは、オフィスにあるホチキス留めされた大量の紙資料をスキャンして電子化する時に使うとか、あとはスキャニング代行業などで使うとか。つまり、基本的にはプロユースマシンだと思います。

本機を使う際は、まずホチキス留めされた紙束を、本体上部のスリットに差し込みます。この時注意するのが、裏側(針の足が出ているほう)を上に向けるということ。そうしないと抜けません。

ホチキス留めした紙束を、半透明ケースでカバーされたスリットに差し込みます

ホチキス留めした紙束を、半透明ケースでカバーされたスリットに差し込みます

紙束を入れると、針の位置を示すマーカーがレーザーで照射されるので、そこに合わせてセットしましょう。

グリーンのレーザーマーカーで示された位置に、ホチキス針を合わせます。多少はズレても大丈夫

グリーンのレーザーマーカーで示された位置に、ホチキス針を合わせます。多少はズレても大丈夫

あとは、マーカー位置から針がズレないように手で押さえつつ、スイッチをオン。すると、内部に備えたヘラ状の針外しが力強くスライドし、1秒以内に針を抜き取ってくれます。

仕組みとしては、一般的なホチキスリムーバーや、ホチキスのお尻に付いている針外しとまったく同じ。針に金属ヘラを差し込んで、グイッと抜くだけの話で、あとはそれを手動でやるか、機械でやるかの差です。とはいえ、そこはさすがマシンパワーで、パワフルさ、スピード、確実性は段違い!

自動化されてはいるけれど、やっていることは手作業で針を抜くリムーバーと同じ

自動化されてはいるけれど、やっていることは手作業で針を抜くリムーバーと同じ

対応する針は、10号、11号、35号、3号、コピー機用フィニッシャ針など。針足の長い3-10mm針は非対応です

対応する針は、10号、11号、35号、3号、コピー機用フィニッシャ針など。針足の長い3-10mm針は非対応です

何より、ホチキス留めした紙束の厚みが増えれば増えるほど、手作業では抜きづらいもの。30枚留めしたホチキス針を手作業で抜くのは、意外とパワー系の作業なんです。

あと、上手に抜けなかった時に針をグリグリといじりまわすと、針穴が大きくなってしまうのも、手作業のデメリット。用紙にダメージが残ると、バラした書類をドキュメントスキャナーにかける際、フィーダーで引っかかるなどのトラブルも発生しがちです。

そこは機械のパワーで一気に針を抜けば、残る針穴ダメージも最低限で済むというわけ。

実際、どれだけスピーディーかつパワフルに針を外せる?

先述したとおり、この「ERZ-30」は、個人所有するようなものではありません。いや、だって、個人で7万円以上のモトが取れるだけホチキス針を抜くシーンって、ありうる?

逆に考えれば、「7万円もらったって手作業でやるのはちょっと勘弁してほしい」と思うぐらい、針を抜く機会があるなら、「買おう!」ということになるかもしれない。

どれぐらい便利かを確認するために、とりあえずいっぱい針を抜いてみよう!というシンプルな発想

どれぐらい便利かを確認するために、とりあえずいっぱい針を抜いてみよう!というシンプルな発想

うーん、ぶっちゃけ、手作業での針抜きをどれくらい続けたら「買おう!」となるんだろうか。ひとまず、「機械 vs 手作業」で、大量の針抜き勝負をすれば見えてくるものがあるかもしれない。ということで、ホチキス針50本抜き、レディゴー。

手作業に関しては、個人的に最も使いやすいと思っているペンチ形リムーバー「はりトル PRO」(サンスター文具)を使用しました。とてもラクに針が抜ける逸品……だと思ってたんだけど、30本目を過ぎたあたりから、早くも「腕、だるっ!」って状態に。

対して「ERZ-30」は、紙束を入れて位置合わせしてボタンを押す、というだけなので、これくらいだと疲労を感じるスキもないって感じです。

さすがにホチキス針50本も連続で抜くと、かなり疲れます。やっぱり機械がいいな

さすがにホチキス針50本も連続で抜くと、かなり疲れます。やっぱり機械がいいな

ちなみに、機械作業で50本が約2分10秒ということは、1日8時間労働として11,000本以上の針が抜ける計算に。手作業でこの量を抜こうって、あまり想像したくないです。

もちろん、今回みたいに「ホチキス針を50本抜いたら7万円あげるよ」という仕事であれば、間違いなく手作業を選びます。しかし、これが5万本だったら? 10万本だったら? うーん、ちょっと揺らぐかも。というか、たぶん「ERZ-30」を選ぶでしょう。

抜いた針は、本体下部のダストボックスに溜まる構造。500回リムーブすると、ランプが点滅して廃棄タイミングを知らせてくれます

抜いた針は、本体下部のダストボックスに溜まる構造。500回リムーブすると、ランプが点滅して廃棄タイミングを知らせてくれます

正直なところ、初見の段階では「さすがにこの値段でホチキス針を外すだけとか、ある?」とすら思っていたんですが、そこはさすがに専用機。作業量が多くなればなるほど、それだけの価値は出てきそう。だってダントツにラクだから。

当たり前の話ですが、単純作業は機械に任せて、人類はもうちょいクリエイティブな仕事……たとえば書類の中身を考えるほうが、文明も効率的に発展すると思うんですよね。あと、腕も疲れないし。

きだてたく

きだてたく

最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。

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