2018年にキングジムから発売された「クリアーファイル カキコ」と言えば、書類をフラップに挟んでファイリングするという、画期的な仕組みを採用したファイルでした。ページをめくるように書類を閲覧することはもちろん、そのまま紙面に書き込みも可能というスグレモノです。
各ページの上下にフラップを備えたことで、まったく新しい綴じ方を実現した「クリアーファイル カキコ」(キングジム)
紙の上下を挟んで固定しているだけなので、紙面への書き込みも自由に行えます
そして最近、この「カキコ」シリーズに、A4タテ型ながら「A3書類を2枚横並びで閲覧できる」というユニークな新製品がラインアップ。一体どんな仕組みを使えば、そんなことが可能になるのでしょうか? 確認してみましょう。
その新製品というのが、2023年6月9日に発売された「クリアーファイル カキコ ジャバラタイプ」です。
表紙のスナップボタンをパチパチと外していくと、上下にフラップの付いたページが現れました。ここまでは、従来の「カキコ」と変わらない印象です。
「カキコ」シリーズに新たにラインアップされた「クリアーファイル カキコ ジャバラタイプ」(キングジム)。本体カラーは、写真の「黒」のほか、「白」や「ミントグリーン」など計5色を展開しています
上下フラップを備えた中身。ページ数は、16ポケットタイプと24ポケットタイプの2種類があります
上下のフラップに書類を挟んでいけば、綴じたままでも書き込みが可能。2ページにまたがって挟めば、A3サイズの書類も綴じられます。こういった機能性も、従来と同じですね。
……ええと、それで、「A3書類が2枚並んだ状態で閲覧できる」仕組みはどこに?
綴じ方は、上下のフラップを軽く持ち上げて、書類を差し込むだけ
2ページにまたがればA3の書類もファイリング可能ですが、それでも1枚が限界のような……
実は、「カキコ ジャバラタイプ」の秘密は、裏表紙側のスナップボタンにあります。このボタンをパチパチと外すと、ジャバラ状に折りたたまれていた中のページが一気に展開するのです。
たとえば、16ポケットタイプなら、ひとつながりの8枚(裏面を含めて合計16ページ)が、ジャバラ上に折りたたまれているという構成。これを中央から折り直すことで、2枚を1ページとしたワイドなファイルに変身するというわけです。
裏表紙のスナップボタンを外すと、表紙と裏表紙が分離します
すると、これまでジャバラに折り込まれていたページが展開!
この仕組みによって、A4サイズの書類なら4枚、A3サイズの書類なら2枚、見開きで一度に閲覧できます。もちろん、ページをめくることも可能です。
たとえば賃貸物件の間取り図面や、プロジェクト管理用のガントチャートといった大きな紙面をまとめて管理するには、非常に便利でしょう。そのまま書き込みができるのも、もちろんかなりのメリット。
このとおり、まさかのA3書類2枚横並びが実現!
ペラッとページをめくれば、同じように書類が綴じられています
また、A4サイズの楽譜を4枚並べて展示できるので、1曲を演奏する間に譜面台からページめくりをする手間を減らすこともできるでしょう。
実は、従来の「クリアーファイル カキコ」も、楽譜管理ファイルとして非常に人気があったのです。今後は、利便性がより高まったこちらに乗り換えを検討する人も出てくるのでは。
4ページ分の楽譜がページをめくらず閲覧できます!
表紙にはペンを挟んでおくための切り欠きが。地味に便利なポイントです
実際に試してみて、ひとつだけ気になったのが、裏面のページの使いにくさです。というのも、裏表紙のスナップボタンを閉じたままだと、裏面ページの書類は見ることができません。
裏面ページを閲覧するには、表紙のスナップボタンを閉じたあと、裏表紙のスナップボタンを外して裏からめくっていくか、もしくはジャバラ展開する必要があります。どちらにせよ、書類へのアクセスにひと手間かかってしまうのは、やや面倒な気もしました。
裏面にもフラップが付いており、書類を挟めます。ただ、閲覧するにはちょっと手間がかかります
とは言え、綴じておく書類の自由度の高さや、綴じたまま書き込みができるという機能を持ったクリアーファイルは、今のところほかにありません。ここまで読んで「気になる……!」と感じた人は、まず試してみてもよいのではないでしょうか。
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。