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見慣れた“例のパーツ”は一体どこへ? カシオ電卓60周年のNEWデザインが斬新

見慣れた“例のパーツ”は一体どこへ? カシオ電卓60周年のNEWデザインが斬新

カシオ初の電子式卓上計算機「001」が登場したのは1965年。2025年は、カシオ電卓60周年というアニバーサリーイヤーです。そして、いまや世界116か国で累計出荷台数18億台というカシオ電卓の60年で培われてきたノウハウを結集して生み出されたのが、2025年1月末に発売となった「Comfy JT-200T」(以下、「コンフィ」)です。

電卓に求められる要素を検証・再編成し、長く愛用できる製品として設計されたという新しい電卓は、一体どういうものなのか? 実際に試用しつつ確認してみました。

カシオのデザイン電卓「Comfy JT-200T」

カシオのデザイン電卓「Comfy JT-200T」

スマートな見た目に大変身! カシオ電卓60周年に新発売された「コンフィ」

まず実機を手にした第一印象は「顔がいい」ということ。ザックリ言えばスッキリとしてスマート、ゴチャついてない、という感じなんですが、この印象はおそらく、液晶の周辺にソーラーパネルが配置されていないことが要素として大きいようです。

昨今の電卓といえば、メーカーを問わず、液晶画面の付近にソーラーパネルを搭載している製品がほとんど。ところが「コンフィ」は、ソーラー電卓であるにもかかわらず、一見してどこにパネルがあるのかわかりません。本体上部は液晶画面が大きく占めており、とてもスッキリとして感じられます。

さらにカシオのロゴや型番といった、これまた本来あるべきものも見当たらず。液晶画面周りがとてもスッキリ、サッパリして見えます

さらにカシオのロゴや型番といった、これまた本来あるべきものも見当たらず。液晶画面周りがとてもスッキリ、サッパリして見えます

では、ソーラーパネルがどこにあるかと探していると……。

本体上部側面に細長く配置されていました。このパネル面は角度をつけてカットされています。なので机の上に平置きしても、上方からの光を受けられます。

あっ、こんなところに!

あっ、こんなところに!

なるほど、光が受けられるなら配置場所はどこでもいいわけで。これは実際に見た瞬間、「うまいところに配置したな」と思わず膝を打ってしまったほど。

とはいえ、ソーラー電卓が発売された80年代からずっと様変わりしなかった“ソーラーパネルの位置”を替えるのは、それなりにコストもかかるし、またデザイン的に思い切りもあったはず。そのあたりからも、60周年を迎えたカシオの意気込みが感じられました。

「コンフィ」は質感にもこだわりアリ!

もうひとつうまいなと感じたのが、本体の質感です。全体的にプラスチッキーなテカテカとしたチープさがなく、落ち着いたマットな素材感と、しっとりしたくすみカラーがとてもよくマッチしています。こういったカラフルなデザイン電卓は、どうしてもオモチャっぽい雰囲気になりがちなんですが、そこを上手に回避している印象です。

本体表面をよく見ると、なにやら白と黒の細かな粒状のものが混じり込んでいるのがわかります。再生紙っぽい感じと言えば伝わるでしょうか。これは再生樹脂にマイカ(雲母)を練り込んだものだそうで、素材から環境に配慮しつつ、さらにエコ素材っぽさを表現しているとのこと。そこに全体的にシボ加工を施すことで、よりマットさを表現しつつ、サラッとした気持ちのいい手触りも出しているようです。

細かなシボの入ったマットな質感+マイカ練り込み樹脂で、品よく再生材料っぽさを表現

細かなシボの入ったマットな質感+マイカ練り込み樹脂で、品よく再生材料っぽさを表現

質感といえば、裏面に角度調整用のスタンドが付いているんですが、これを引き出したとき・引き戻したときに、それぞれ「パチン!」という心地よいクリック感があるんです。

このクリックの感触がなんとも言えずクセになって、用もないのに何度もパチン、パチンと繰り返してしまうぐらい。ただ、そこそこ大きな音がするので、オフィスなどではパチパチやらないほうがよさそう。

スタンドを引き出す際の、ブレのないクリック感が爽快です

スタンドを引き出す際の、ブレのないクリック感が爽快です

また、スタンドの接地辺は全体にゴムでカバーがされており、スタンドを展開していてもたたんでいても、ストッパーとしてしっかりグリップ力を発揮しています。実際に安定感は十分で、デスクの上でも軽く手が触れたぐらいではズレ動くことはありませんでした。

従来よりも圧倒的に大きいゴムストッパー。入力時の安定感を生みます

従来よりも圧倒的に大きいゴムストッパー。入力時の安定感を生みます

実務電卓として必要十分な機能が搭載

電卓の機能としては、12ケタ表示に加えて、実務電卓として必要十分な2キーロールオーバー(※)があり、早打ちにもしっかりと対応してくれます。

また、時間計算ができるH/M/Sキーがあるので、時給計算(例:時給1200円で6時間45分働く=8,100円)や移動時間算出(例:8時45分発−11時35分着の移動時間=2時間50分)もサクッと行えます。このあたりは電卓の機能的に「ないと困る」という人もいるはずなので、ありがたいところでしょう。

※キーから指を離す前に次のキーまで押したことを認識する機能

使い方を知っていると地味に役立つ時間計算キー(H/M/S)

使い方を知っていると地味に役立つ時間計算キー(H/M/S)

【まとめ】お手頃価格でビジュアルがよく、細部まで気が利いています!

カシオの電卓と言えば、50周年記念モデルとして発売された「S100」がお値段4万円弱という超ハイグレードモデルでしたが、対して今回の「コンフィ」は、必要十分の機能+ビジュアルのよさで3,850円(税込/カシオ公式オンラインストア)と、実務電卓としてはむしろお手頃価格といったところ。

それでいて側面ソーラーパネルや効きのいいスタンドといったユニークな機構もあるわけですから、端的に言ってお買い得モデルでしょう。

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きだてたく
Writer
きだてたく
最新の機能派文房具から雑貨・ファンシー系のオモシロ文房具まで、何でも徹底的に使い込んでレビューする文房具ライター。雑誌・WEBで文房具の最新情報や使いこなし記事を執筆するほか、文房具の楽しさを伝えるトークライブやワークショップなども全国各地で精力的に行う。最近は掃除機業界にも進出中!
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金原望弥(編集部)
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金原望弥(編集部)
大学卒業後、出版社にて月刊誌の編集に従事。その後、カカクコムに入社し、ファッションメディア「TASCLAP」を経て、「価格.comマガジン」へ。腕時計やアウトドアを担当するZ世代エディターです。
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