UQ mobileは2023年6月1日から3つの新料金プラン「コミコミプラン」「トクトクプラン」「ミニミニプラン」の提供を始めました。
従来の料金プラン「くりこしプラン+5G」は3種類のデータ利用量から自分に合ったものを選べるシンプルな構成でしたが、新料金プランはそれぞれ性質が異なっているため、以前と比べて選びにくさを感じている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、UQ mobileの新料金プランの内容をチェックしつつ、従来の料金プランとコストを比較してみたいと思います!
※記事の内容は2023年7月3日時点での情報をもとにしています。記事中の価格は特に断りがない限り税込です。
まずは新料金プランの内容をチェックしてみましょう。「コミコミプラン」「トクトクプラン」「ミニミニプラン」のデータ利用量や月額料金などを以下の表にまとめました。
なお、ここでは各種割引やキャンペーンなどは考慮していません。また、従来の「くりこしプラン+5G」の内容も「旧プラン」として併記しています。
UQ mobileの新料金プラン「コミコミプラン」「トクトクプラン」「ミニミニプラン」と従来の料金プラン「くりこしプラン+5G」
「コミコミプラン」はデータ利用量が毎月20GBで月額料金は3,278円、各通話最初の10分間が無料になる準通話定額オプションが含まれています(10分を超えると30秒あたり22円)。データ利用量と月額料金に関しては、従来の「くりこしプランM+5G」(データ利用量毎月15GB、月額料金2,728円)と「くりこしプランL+5G」(同25GB、3,828円)のちょうど中間に位置する料金プランです。
「トクトクプラン」は従来の料金プランにはなかった段階制のプランです。データ利用量は毎月15GBで月額料金は3,465円ですが、1GB以下しか通信しなかった月は1,188円割り引かれるので月額料金は2,277円になります。通話料金は30秒あたり22円です。データ利用量の上限は従来の「くりこしプランM+5G」と同じですが、割引が適用されない場合の月額料金は737円割高となります。
「ミニミニプラン」はデータ利用量が毎月4GBで月額料金は2,365円、通話料金は30秒あたり22円です。通信量が少ないユーザー向けと案内されている料金プランですが、割引が適用されない場合の月額料金は従来の「くりこしプランS+5G」に対して737円割高です。
なお、「コミコミプラン」と「トクトクプラン」には毎月のデータ利用量とは別に短期間のデータ利用量制限が設けられており、直近3日間で合計6GB以上利用した場合、ネットワークの混雑回避のために翌日にかけて通信速度が制限されると案内されています。
UQ mobile新料金プランの音声通話およびデータ通信向けの主なオプション
続いて、新料金プランの音声通話およびデータ通信向けの主なオプションについてです。国内通話(ナビダイヤルなど一部は対象外)がかけ放題になる「通話放題」の利用料金は料金プランによって異なり、「トクトクプラン」と「ミニミニプラン」は月額1,980円、「コミコミプラン」は月額1,100円で利用できます。
毎月のデータ利用量が増量される「増量オプションII」は、どの料金プランでも月額550円で利用できます。ただし、追加されるデータ利用量はプランによって異なり、「コミコミプラン」と「トクトクプラン」は毎月5GB、「ミニミニプラン」は毎月2GBがプラスされます。
さまざまな分野で価格が上昇している昨今、新料金プランのコストは従来の料金プランと比べて高くなるのか、安くできる場合はあるのかが気になるところではないでしょうか。そこで、次は新料金プランに割引が適用された場合の月額料金をチェックしてみたいと思います。
UQ mobileでは「au PAY カードお支払い割」「家族セット割」「自宅セット割」という3種類の割引が用意されています。
1つ目の「au PAY カードお支払い割」はUQ mobileの料金をau PAY カードで支払う場合に自動的に適用されるもので、毎月187円が割引されます。対象は「トクトクプラン」と「ミニミニプラン」で、「コミコミプラン」と「くりこしプラン+5G」は対象外です。
2つ目の「家族セット割」は家族でUQ mobileを利用している場合、対象の回線1つあたり毎月550円が割り引かれます。家族人数のカウント対象プランは「コミコミプラン」「トクトクプラン」「ミニミニプラン」「くりこしプラン+5G」ですが、割引対象の料金プランは「トクトクプラン」と「ミニミニプラン」のみとなります。
3つ目の「自宅セット割」は対象のインターネットサービスやホームルーター、電気の契約などと組み合わせることで、UQ mobileの一部料金プランから毎月最大1,100円が割り引かれます。割引額は「トクトクプラン」と「ミニミニプラン」が毎月1,100円、「くりこしプランL+5G」が毎月858円、「くりこしプランS+5G」と「くりこしプランM+5G」が毎月638円です。「コミコミプラン」は対象外となります。
なお、「家族セット割」と「自宅セット割」の対象となる回線数は合計10回線まで(自宅セット割は条件によって合計9回線まで)ですが、家族にauを契約している人がいる場合、auの回線も含めてカウントされてしまうので注意が必要です。また、「家族セット割」と「自宅セット割」は重複して適用されず、割引額が大きい「自宅セット割」が優先されます。
以上の割引内容を考慮した新料金プランの月額料金を、以下の表でパターン別にまとめてみました。丸括弧内は毎月のデータ利用量が増える「増量オプションII」を契約したときのデータ利用量と月額料金になります。参考として「くりこしプラン+5G」も併記しました。
UQ mobile新料金プランの割引パターン別月額料金
最初に「トクトクプラン」に注目してみましょう。3種類の割引を何も適用しない場合、「トクトクプラン」の上限となる月額料金3,465円は「コミコミプラン」の3,278円よりも割高でしたが、「au PAYカードお支払い割」が適用された段階で「コミコミプラン」に並ぶことがわかります。
また、「トクトクプラン」で「au PAYカードお支払い割」と「家族セット割」を併用したときの上限額は2,728円まで下がり、同じデータ利用量の「くりこしプランM+5G」と並びます。ちなみに「くりこしプラン+5G」には「au PAYカードお支払い割」と「家族セット割」が適用されません。前述のとおり「トクトクプラン」は「くりこしプランM+5G」と比べて月額737円割高ですが、これらの割引を適用できる場合、新料金プランに移行してもコストアップを抑えることが可能です。
「ミニミニプラン」も同様で、「au PAYカードお支払い割」と「家族セット割」が適用されたときの月額料金は「くりこしプランS+5G」と並ぶ1,628円まで安くなります。毎月のデータ利用量は「ミニミニプラン」のほうが1GB多いので、2つの割引を適用できる場合は従来の料金プランよりも余裕を持ってデータ通信を利用できそうです。
「コミコミプラン」は「家族セット割」における家族人数のカウント対象プランにこそなっているものの、3種類の割引はすべて適用されません。しかし、「コミコミプラン」は元々の月額料金がほかの2プランと比べて比較的安く設定されており、「くりこしプランM+5G」に「増量オプションII」を追加してデータ利用量を毎月20GBまで増やした場合と同じ価格です。従来の料金プランで毎月20GB近く通信していた人は、準通話定額が含まれている「コミコミプラン」に変更することで、よりお得な通話料で利用できると言えそうです。
また、「コミコミプラン」に「増量オプションII」を追加してデータ利用量を毎月25GBまで増やした場合、「くりこしプランL+5G」と月額料金が並ぶとともに、データ利用量も揃います。従来の料金プランで「くりこしプランL+5G」を契約していた人も「コミコミプラン」に変更するのがお得です。
ただし、従来の「くりこしプラン+5G」でも「自宅セット割」を適用できる点に注目です。「自宅セット割」の割引が適用された場合の月額料金は、S/M/Lの順に990円/2,090円/2,970円、「増量オプションII」を追加した場合でも1,540円/2,640円/3,520円となります。新料金プランで「au PAYカードお支払い割」と「自宅セット割」を併用した場合と比べても「くりこしプラン+5G」のほうがわずかに安く済む水準です。
また、「au PAYカードお支払い割」と「家族セット割」の割引が両方とも適用できない人もいるでしょう。データ利用量を基準に考えた場合、「くりこしプランS+5G」や「くりこしプランM+5G」から新料金プランに乗り換えると、かえって割高になってしまいます。「自宅セット割」を利用できる人や、UQ mobileを1人で利用していてau PAYカードを契約するつもりがない人などは、従来の料金プランから新料金プランへの変更を急がなくてもよさそうです。
信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。