「そろそろ新しいiPhoneに買い替えようかな」と思ったら、最新のiPhoneは思った以上に価格が高い。そう感じた人はAndroidスマートフォンも乗り換え先の候補に入れてはどうだろうか。そこで、今回はメーカーから機能まで選択肢が豊富なAndroidスマートフォンから、iPhoneユーザーが安心して使える乗り換え候補を、10万円以下と3〜4万円台の2カテゴリーで選抜しよう。
iPhoneは価格が高いとはいえ、スムーズな操作性に、先進的な機能が搭載されたハイエンドなスマートフォンだ。だからこそ、安くしたいというだけで低価格なAndroidスマートフォンを選んでしまうと、スペックの違いに不満を抱くかもしれない。とはいえ、Androidスマートフォンでも10万円を大きく超えるようなハイエンドなモデルだと、iPhoneの旧機種を買ってもさほど価格が変わらなかったりする。
では、10万円以下ならどうだろうか。もちろん「iPhone 16」のような最新モデルと比べればスペック的に見劣りするが、普段使いには十分すぎるスペックを備えており、むしろコスパの高いモデルもある。
そこで、10万円以下(税込)で、できるだけハイスペックなAndroidスマートフォンを厳選した。
Google「Pixel 8a」、価格.com最安価格(税込。SIMフリー。以下同)64,329円、2024年5月14日発売
販路:NTTドコモ、au、ソフトバンク、UQモバイル、ワイモバイル、SIMフリー
Googleより、2024年5月に発売された「Pixel 8」の廉価版モデル。カメラセンサーのサイズを小さくするなど、コストダウンは見られるが、搭載するCPUは「Pixel 8」と同じ「Google Tensor G3」であり、その性能は総じて高い。
カメラ性能もそつがないうえ、話題のAI機能は、Googleの生成AI「Gemini」を筆頭に、写真加工の「消しゴムマジック」やボイスレコーダーの文字起こしなど充実している点は魅力。また、売れ線モデルなので、カバーも豊富に販売されており、着せ替えも容易だ。
コスパが売りの「Pixel a」シリーズも、円安影響の値上がりによりその恩恵はいくぶん薄れた印象だが、引き続き乗り換え先候補の筆頭だろう。
ソニー「Xperia 10 VI」、62,525円、2024年7月5日発売
販路:NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル、UQモバイル、SIMフリー
ソニーの「Xperia」 は、Androidスマ-トフォンの中で、ファンの多い安心のブランドだ。2024年7月に発売された廉価版シリーズの第6世代「Xperia 10 VI」は、「Xperia」らしく映像の視聴に長けた縦長のディスプレイを搭載し、サウンド性能も高評価。ややコンパクトなサイズ感は、大型化が進むスマホ市場では貴重な一台である。
望遠レンズを廃したことで、カメラ性能はやや薄味だが、ほどほどの価格で「Xperia」の魅力を存分に味わえるのは、むしろ好材料と言える。
Nubia「Flip 5G」、72,546円、2024年3月下旬発売
販路:SIMフリー
スマートフォンの次なるトレンドとしてにわかに盛り上がってきた折りたたみ型は、まだiPhoneにはないため、Androidスマートフォンに乗り換える理由のひとつだ。そんな折りたたみスマートフォンは、まだまだ高価なモデルが多いなか、比較的手ごろな価格で手にできるのがNubia「Flip 5G」である。
性能はミドルクラス相応なので、高いスペックを要求されるゲームには負荷が重たいだろうが、一般的な使用において困ることはなさそうだ。
完全に折りたためば、手のひらに収まるサイズになり、本体を90度曲げた状態であれば、スマートフォンを手に持たず写真撮影ができるなど、折りたたみスマートフォンならではの利便性を楽しめる。
シャープ「AQUOS sense9」、56,800円、2024年11月7日発売
販路:NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル、UQモバイル、SIMフリー
コンパクトサイズのボディに必要な機能がすべて揃っているうえ、タフネスボディ、ロングバッテリーと完成度が高い一台は、日本人になじみのあるシャープだからこその使い勝手のよさが光る。
音声通話時には、AIによる文字起こしと要約機能が使えるので、ビジネスで通話をひんぱんに行う人にとってはありがたい。
手に持ちやすいコンパクトサイズは、好みが分かれるが、根強い人気を誇る「iPhone SE」からの乗り換え先候補としてもよいだろう。
ここからは、3〜4万円台で買えるAndroidスマートフォンを紹介。スペックは価格相応でありハイエンドモデルとは比較できない。iPhoneと比べると、スペック的な物足りなさを感じるのが正直なところだ。しかし、今回4モデルを厳選したところ、それぞれ完成度が高く、コストパフォーマンスも高い。そこまで負荷の高い作業を行わず、iPhoneだとオーバースペックだと感じる人はチェックしてほしい。
FCNT「arrows We2」、36,100円、2024年8月16日発売
販路:NTTドコモ、au、ソフトバンク、UQモバイル、SIMフリー
FCNTは富士通の携帯電話事業を担ってきたデバイスメーカーであり、富士通時代からの伝統であるタフネスボディは「arrows We2」にも継承されている。落下テストなど、米国の軍用規格にも準拠していることはポイントだ。
横幅サイズを抑えることで、文字入力も片手で行えるサイズ感であり、大きいスマートフォンの扱いに慣れない人にとっても魅力だろう。
カメラ性能は、決して高くないが、ライトユーザーにとって必要な機能はひと通り揃っているので、こだわらずに安心して使えるモデルを探しているのなら、お手頃な選択肢と言える。
OPPO「Reno 11 A」、36,099円、2024年6月27日発売
販路:楽天モバイル、ワイモバイル、SIMフリー
日本市場専用として設計されたOPPO「Reno 11 A」は、操作性もUIもiPhoneに似た部分があり、iPhoneから乗り換えても、変化が少なく扱いやすいはず。デザインもすっきりしており、全体的なバランスがよいことも、iPhoneユーザー好みである。
カメラ機能は、撮影環境の影響を受けがちだが、こだわりの強い人でなければ、満足できる性能と言える。AIによる画像編集機能「AI消しゴム」の搭載もうれしいポイントだ。
Nothing「Phone (2a)」、48,838円、2024年4月22日発売
販路:SIMフリー
おしゃれなデザインの製品を次々と生み出すNothingの廉価版スマートフォン「Phone(2a)」。周辺器機や操作画面などトータルでおしゃれ感満載なので、持っていて格好よいスマートフォンを求めている人にはおすすめだ。
クリアボディとライトを搭載した構成的な背面デザインに目が行きがちだが、ディスプレイも高品質で、操作もスムーズ。また、Nothing製のイヤホンを接続することで、ChatGPTと連携し、声をつかってスマートフォンを操作できるのも、ほかメーカーのスマートフォンにはない魅力である。
新興メーカーゆえに、周りの人と違うスマートフォンをいち早く手にしたいという天邪鬼な気持ちにも応える一台だ。
iPhoneの代わりになるコスパの高いAndroidスマートフォンを、10万円以下と3〜4万円台の2つのカテゴリーに分けて紹介した。10万円以下のカテゴリーは、総合的に弱点の少ないモデルであり、いっぽうの3〜4万円台のカテゴリーは、一部の機能をそぎ落とすことで、価格を下げたモデルだ。いずれも2023年以降に発売された新しいモデルではあるので、古いiPhoneを使い続けているのであれば、機能面の進化を感じるはず。これを機にAndroidスマートフォンへの乗り換えを検討してみよう。