レビュー

テンキー付きでこの薄さ!? 使ってわかったロジクール「K950」の魅力

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「Signature Slim Keyboard K950」は、2024年4月の発売以降、価格.com「キーボード」カテゴリーの人気売れ筋ランキングで上位をキープする人気モデル。1万円近い金額の製品ですが、多くの人から選ばれています。本記事では、その人気の理由をレビューします。

ロジクール「Signature Slim Keyboard K950」、価格.com最安価格9,780円(税込、2025年8月7日時点)

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普遍的な操作性を薄型コンパクトで実現

「Signature Slim Keyboard K950」(以下、「K950」)の特徴をひと言でまとめると「コンパクトなフルサイズキーボード」。一般的なノートパソコンの内蔵キーボードと同じパンタグラフ方式を採用していて、フルサイズながらとてもコンパクトにまとまっています。

本体サイズは433.8(幅)×23.1(高さ)×134.8(奥行)mm。メカニカル方式のフルサイズキーボードと比較すると、3cmほど横幅が狭く、横幅120cmのテーブルの上でも扱いやすいサイズとなっています。フルサイズキーボードを使うとマウスが当たることがあるとお悩みの人も注目するべきサイズ感ではないでしょうか。

古くから使われてきたキーボードレイアウトそのもの

古くから使われてきたキーボードレイアウトそのもの

薄型なのも大きな特徴です。先述したように、本機はパンタグラフ方式のキーボード。電車が架線から電気を取り入れるパンタグラフと同じように、横から見るとX状の構造となっており、薄くともキーキャップをしっかりと支えてくれます。

多くの人がイメージするであろう外付けキーボードは、筐体もキーキャップも厚みがあって、打鍵時に指を上のほうまで持ち上げる必要があります。昔ながらのキーボードと同じスタイルではあり、古くからパソコンを使ってきた人にとっては一般的な扱い心地であっても、元々薄く作られてきたノートパソコンからパソコンに触れてきた人だと、長時間使っていると疲れやすいという印象を受けることもあるようです。

しかし、「K950」であれば、操作したときの感覚はノートパソコンと一緒。なだらかに、指を滑らせるようにして文字を入力できます。

23.1mmという薄さは、ノートパソコンのキーボードに慣れた手にやさしいと言えるでしょう

23.1mmという薄さは、ノートパソコンのキーボードに慣れた手にやさしいと言えるでしょう

キートップ面がフラットだと、数字のキー列やファンクションキーの列に指が届きにくいという場合は、底面部にあるティルトレッグを引き出しましょう。本機は、通常の状態でも奥側が高くなっていますが、ティルトレッグを使うことで+8度の傾斜をつけることができます。指と奥まったキーとの距離が近くなり、まるで指を迎え入れてくれるかのような感覚が得られます。

+8度の傾斜となるティルトレッグ

+8度の傾斜となるティルトレッグ

キーストロークは非公開ですが、一般的な外付けキーボードよりは浅いものの、モバイル用のノートパソコンよりは深く、やわらかさを感じるもの。この指にやさしいタイプ感が、フラットなノートパソコンよりもはるかに入力しやすい印象を生んでいます。

やさしい感触のため、指へ伝わる衝撃は控えめです

やさしい感触のため、指へ伝わる衝撃は控えめです

フルサイズキーボード最大の利点は、カーソルキーとテンキーが独立していること。キーキャップのサイズもほかの文字/数字キーと同じです。

ノートパソコンの内蔵キーボードはスペースファクターを重視しているために、14インチ以下であればテンキーは省かれるのが一般的ですし、カーソルキーはこぢんまりとまとめられることが大半。モバイル性を重視したモデルともなると、通常のキーキャップを横に半分に割ったサイズのキーキャップが使われており、カーソル位置の移動がしにくいものですが、本機であれは、Excel/スプレッドシートへのデータ入力や、Word/ドキュメントの入力位置選択にストレスを感じません。

実はWebページをよく見る人や、レポートやメールのチェックをすることが多い人にとっても、フルサイズキーボードには利点があります。それはhome/Page upなどのキー。homeは縦に長い書類/データの冒頭に移動できますし、Page up/downは1画面ずつのスクロールが可能です。ノートパソコンでは積極的に省かれるキーゆえに見覚えがない人もいるかもしれませんが、慣れてくると操作性の高さに手放せなくなってきます。

タイプ時のノイズが控えめな静音モデルであることも、本機の特筆するべきポイントです。静かなオフィスでも、周囲に迷惑をかけずにキーボード操作に没入できますよ。

カーソルキーとテンキーを搭載。しかも、操作しやすいように、余裕のあるレイアウトを採用しています

カーソルキーとテンキーを搭載。しかも、操作しやすいように、余裕のあるレイアウトを採用しています

キーボード操作に専念していると、本機のいいところを見つけました。それはタイプ時にキーボードそのものがずれたりしないことです。軽量な外付けキーボードは操作時にキーボード本体が左右に動くことがあり、大きなストレスになりがち。しかし、本機は通常状態で7か所、ティルトレッグ使用時でも5か所にゴム足があり、強めの摩擦力でもって使用時のズレを防いでくれます。

目立たない部分ですが、キーボードの使いやすさを支えてくれるゴム足

目立たない部分ですが、キーボードの使いやすさを支えてくれるゴム足

乾電池駆動で持続時間は最大36か月

「K950」はワイヤレス接続専用モデルで、Bluetoothもしくはロジクール独自ワイヤレス
のLogi Boltに対応しています。USBポートは非搭載。バッテリーは内蔵せず、単4形乾電池2本で動作します。このあたりは割り切った仕様と言えるでしょう。スペック上の公称駆動時間は最大36か月と十分な長さです。

Logi Bolt接続用のUSBレシーバーは、USB Type-A形状のものが付属。ちなみに、2025年7月31日にUSB Type-CタイプのLogi Bolt USBレシーバーの発売が開始されています。

底面部にある乾電池ホルダー。その横にはUSBドングルが入るスペースがあります

底面部にある乾電池ホルダー。その横にはUSBドングルが入るスペースがあります

ペアリング数は3台
まで。独立キーのEasy-Switchボタンでペアリング先を切り替えられます。切り替えのために必要な時間は数秒といったところ。ストレスはありません。

なお、Bluetooth接続でも、気になるほどの遅延は感じませんでした。周囲でBluetooth機器を多用しており、チャンネルが枯渇気味の環境でもなければ、Logi Bolt接続ではなくBluetooth接続でよいでしょう。

現在ペアリングしている端末がわかるように、接続番号が付いたEasy-SwitchボタンのLEDが点灯する仕様です

現在ペアリングしている端末がわかるように、接続番号が付いたEasy-SwitchボタンのLEDが点灯する仕様です

背面には目立たないサイズ・形状の電源スイッチがあります。スイッチを入れたままでもバッテリーセーバーが利くようなので、普段はONにしたままでよいでしょう。

電源スイッチは目立たない場所にあります

電源スイッチは目立たない場所にあります

ファンクションキー+αのキーマップ設定が可能

「K950」は、ロジクールのキーボードやマウスを統括して管理できる専用アプリ「Logi Options+」でキーマッピングのカスタマイズが可能です。ただし、全部のキーの機能を変更できるわけではありません。ファンクションキーなどの最上列のキーと、home/page up/downなど一部のキーのみとなります。

ビジネスメールの本文を作ってもらうときに便利な生成AIの呼び出しをキーに割り当てることもできる

ビジネスメールの本文を作ってもらうときに便利な生成AIの呼び出しをキーに割り当てることもできる

複数のタスクを1回のキー操作で実行できるスマートアクション機能は、ロジクールアカウントへの登録が必要です。とはいえ、スマートアクションでカバーできる自動化作業は多岐にわたるので、積極的に使っていきたいところですね。特に本機はフルサイズキーボードゆえ、全部のキーをカスタマイズできないとはいっても、ユーザーによっては普段使わないキーもいくつかあるはず。そういったキーにスマートアクションを割り当てれば、作業の時短につながりますよ。

複数のキー操作や、タスクの自動化が行えるスマートアクション

複数のキー操作や、タスクの自動化が行えるスマートアクション

【まとめ】薄くて軽くて使いやすい、万人向きのキーボード

スタンダードなフルサイズキーボードなのに薄型でコンパクト。カスタマイズによる自由度の高さもあって、「K950」は、まさに万人向きの外付けキーボードです。軽すぎず重すぎない重量も、据え置きで使うなら歓迎すべきものですね。

ネガティブに感じる要素は、これといったものはないんですよね。重箱の隅をつついていいなら、充電式のほうが便利なことと、バックライトがなく暗めの場所では視認性が落ちることくらいでしょうか。

さまざまな作業を行わなくてはならないビジネスマンや、データありきのレポート制作で忙しい日々を過ごしている大学生であれば、キーボードに求めるものは生産性の高さ。ならばこそ、本機の性能・構造に魅力を感じることでしょう。

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武者良太
Writer
武者良太
1971年生まれのガジェットライター。出版社勤務の後、フリーライター/カメラマンとして独立。PCやスマートフォンのハードウェアレビューから、ガジェット市場を構成する周辺領域の取材・記事作成を担当する。元Kotaku Japan編集長。
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