内部にさまざまなセンサーを搭載した指輪(リング)を指にはめて、健康管理や運動記録などが行えるスマートリング。スマートウォッチよりもさらに小型なウェアラブルデバイスと言えますが、軽量で装着感が少ないうえ、近年の健康意識の高まりとも相まって、いま着実に注目度を高めています。
そんなスマートリングのなかから、今回は、2026年7月に発売されたRingConn(リンコン)の新モデル「RingConn Gen 3」に着目。約1か月間使用してみて感じた印象をレポートします。
RingConnの最新スマートリング「RingConn Gen 3」
「RingConn Gen 3」は、心拍数や睡眠の質、血中酸素などを計測できる、ヘルスケア機能に特化したスマートリングです。他社のスマートリングのなかには、サブスクリプションによる月額課金を前提としているものもありますが、「RingConn Gen 3」は、すべての機能をサブスクリプション不要で使えます。
価格は59,800円(税込、価格.com最安価格、2026年10月2日時点)と、一聴すると「高い」と思うかもしれませんが、サブスクリプション型の人気モデルはほぼ同等の本体価格に加えて、1,000円程度の月額料金がかかるため、数年間使い続けることを考えても、決してコストパフォーマンスで劣っているわけではありません。
内側は丸く、外側は四角い特徴的なデザイン。内側にさまざまなセンサーが並んでいることが見て取れます
注文するとサイジングキットが届き、選んだサイズの製品が送付される仕組み。サイジングキットにはサイズ6〜15(US6号〜15号)までの10個のサンプルリングが入っていて、自分に合うサイズを見つけられます。どの指に着けるかあらかじめ決めておくのが、サイズ選びで失敗しないためのポイント
届いた「RingConn Gen 3」を手に取ってすぐに感じるのが、ハイエンドモデルらしい高級感。素材には金属チタンとエポキシ樹脂が使われており、表面にはPVDコーティングが施されています。
筆者がチョイスしたシルバーカラーは光沢感があり、上質なたたずまい。幅が約6.8mmとやや太めで、金属素材をしっかり使用しているがゆえの硬さと重さがあるものの、1か月間装着してみて日常生活でストレスを感じるほどではありませんでした。アクセサリーとしての高い質感と、軽快な装着感を上手にバランスさせている印象です。
本体サイズは、約2.3(厚さ)×6.8(幅)mmで、筆者が注文したサイズ10(US10号)の重さは約2.7g。金属素材ならではの硬質な雰囲気が漂います
筆者は、左手の人差し指に装着しました。人差し指はリングの測定精度が高いとされるうえ、利き腕と反対ならじゃまになりにくいからです。やや太めのリングながら、日常生活のなかでマグカップを持ったり、タイピングしたり、スマートフォンを握ったりしても、違和感を覚えることはありませんでした
金属素材を使用しているので、皿などを持つと、時折コツンと音がすることが。それでも、1か月間でリングに目立った傷が付くことはなく、堅牢性は高いです。長く、きれいな状態で使い続けられそうです
IP68/10ATM(水深100m相当)の防水性能を備えているため、手を洗ったり、皿洗いをしたりするたびにリングを外す必要はありません。リングを装着したまま、安心してシャワーも浴びられました
「RingConn Gen 3」の最大のトピックとも言えるのが、血管のコンディションの傾向を可視化する「血管ヘルス傾向」機能です。血圧そのものを測る機能ではなく、あくまで日々の傾向を参考情報として可視化するものですが、昼間や夜の血管の負荷、ストレス、睡眠、運動などのデータを組み合わせて、血管のコンディションの変化を把握できます。
1点、注意が必要なのは、「血管ヘルス傾向」機能を有効にするには、初回セットアップ時に一般用血圧計などを使って、血圧を測定する必要があること。実際の血圧値をアプリに入力し、個人のベースラインを校正(キャリブレーション)する仕組みになっています。
筆者の自宅には一般用血圧計があるため、この点に問題はありませんでしたが、血圧計が自宅にない人がこの機能を利用するのは少々ハードルが高いかもしれません。血圧計を持っていない場合は、クリニックや街中の薬局などで計測するといいでしょう。
「血管ヘルス傾向」機能を有効にするには、初回セットアップ時に一般用血圧計などで測定した「実際の血圧値」をアプリに入力し、個人のベースラインをキャリブレーションする必要があります
「血管ヘルス傾向」機能では、血圧の「夜間平均値」「昼間平均値」「昼夜のリズムの適応度」「睡眠時の呼吸コンディション」「運動後の血管回復度」「血管コンディション安定度」を確認できます。常時血圧計を着けて生活するのは不可能なので、「これはありがたい」と、素直に感心しました。
医療用の血圧計を代替するものではありませんが、血圧の問題など、「身体の小さな変化」に気づき、対応するには十二分に有効な機能と言えるでしょう。
セットアップが完了し、一夜経過して表示された「血管ヘルス傾向」の画面。「大きな変化」と指摘され少し驚きましたが、身体のサインを見逃さず、知らせてくれるのはありがたいです
血圧の夜間平均値、昼間平均値を確認できます。「血管ヘルス傾向」機能には、医師の診察を推奨するアラートを出す機能も搭載されています
一般に、スマートリングは、何らかの異常を検知しても、スマートフォンのアプリ画面を見るまでユーザーは異常に気づけません。しかし、「RingConn Gen 3」には、極小のハプティックモーターが内蔵されており、ヘルスケアトラッキングにおいて何らかの異常を検知すると、リング本体が振動して知らせてくれます。
振動するのは、以下の5つのケースです。
(1)日活動時に心拍数が10分以上高値を示した場合(高心拍数アラート)
(2)心拍数の急増や心拍変動(HRV)の乱れから、過度なストレス、脱水、頭痛の兆候などを検知した場合(健康アラート)
(3)デスクワークなどで50分以上動きがない場合(座りすぎ防止アラート)
(4)20分以上リングを装着して、有効なデータが検出されない場合(リング装着アラート)
(5)バッテリー残量が少なくなった場合(バッテリー残量アラート)
SNSの通知を絶え間なく知らせるのではなく、健康に直結する重要なアラートを中心に知らせるのが、一般的なスマートウォッチとは異なる点です。健康管理を重視する人は、使い勝手がいいと感じるはずです。
筆者がリングを装着していてたびたび振動通知されたのが、「座りすぎ防止アラート」。デスクワークに集中していると、つい時間を忘れて作業してしまい、座りっぱなしになってしまうので、「そろそろ体を動かしませんか?」と提案してくれます。スマートウォッチでも重宝していた機能が本機にも備わっているのは、ありがたい限り
アプリのトップ画面。睡眠、バイタル、リラックス度、アクティビティという4つの項目がクローバー形のチャートで表示され、身体の状態がひと目でわかります
ランニングをはじめとするワークアウト機能も搭載していますが、たとえば、ランニングの計測には、スマートフォンを一緒に持ち出し、スマートフォン側で計測の開始操作をする必要があります。スマートウォッチとは違い、画面がないので、計測中に走行距離や心拍数をリアルタイムで確認することはできません
ヘルスケア機能に特化しているだけあって、睡眠の計測結果も細やかに分析してくれます。睡眠スコアが表示されるだけでなく、覚醒、レム睡眠、浅いノンレム(コア)睡眠、深いノンレム睡眠という4つのステージで結果を分析してくれるのがポイント。それぞれの最適範囲が示されるので、自分の睡眠が正常範囲に収まっているかどうかがわかりやすいです。
この日の睡眠スコアは46で、「改善の余地あり」という判定。合計睡眠時間は3時間57分、ベッドにいた時間は4時間36分と、睡眠時間が短かったのが大きな原因です。それでも睡眠効率は悪くなく、86%で正常と表示されました
また、睡眠中は、心拍数、血中酸素飽和度、心拍変動、呼吸率、皮膚温度などが計測されるほか、「睡眠時呼吸モニタリング」機能も備え、睡眠時の呼吸のスコアを見て、睡眠時無呼吸症候群の可能性がないか、情報を提供してくれます。ちなみに、この日の睡眠時呼吸モニタリングの結果は、アプリ上の表現では「軽い疑い」でした。
AHI(無呼吸低呼吸指数)は6.8、無呼吸の合計回数は20回、有効なモニタリング時間は3時間4分と記録されています。筆者の場合、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると自覚していましたが、こうした客観的な数値を見ると、「やはり一度診察を受けてみよう」という気持ちになりました。
※ あくまでデバイスによる推計値です。医療診断ではありません。
睡眠時呼吸スコアは「軽い疑い」。低酸素血症リスクという、血中酸素濃度が低すぎる場合に出るリスクの評価も表示され、これは「中程度の疑い」でした
気になるバッテリーの持続時間は、カタログスペックで最長14日間(振動有効時:10〜12日、無効時:11〜14日)。装着を始めた2026年8月28日時点のアプリの表示は100%、残り12日10時間でした。装着11日目の9月7日に残量10%となり、アプリに充電案内が表示されました。
フル充電から12日前後で充電が必要になる計算で、これはカタログスペックの10〜14日間と一致します。急速にバッテリー残量が減るような不安定さはありませんでした。
なお、リングの充電はUSB Type-C対応の付属のケースを経由して行う仕組みで、リング単体のフル充電にかかる時間は約90分。充電ケースのバッテリー容量は500mAhとなっており、リングを約15回分充電できます。ケース表面の光沢感は控えめで、ブランドロゴがさりげなくあしらわれています。リング本体だけでなく、ケースの質感も高く、所有欲を満たしてくれました。
バッテリー持続時間は、振動フィードバックを有効にした場合で10〜12日間、無効の場合が11〜14日間です
ケース単体で、ケーブルレスでリングを充電できます。コンパクトかつスタイリッシュで、持ち運んでも苦になりませんでした
サブスクリプション不要で、ランニングコストを抑えられる「RingConn Gen 3」。このリングの真の価値は、「日常全体の身体の変化を途切れなく計測し続けられること」にあります。アプリを開くと、睡眠の質やバイタルなどをひと目で把握できるうえ、血管コンディションの変化まで把握でき、重要なサインは振動アラートで知らせてくれます。また、バッテリーは1日で約8〜10%減る程度で、充電を意識する場面はほとんどありませんでした。
血圧計がないとフル機能を使えない、ランニングなどのワークアウト計測にはスマートフォンが必要になる、という点はありますが、ワークアウト用途については、スマートウォッチと併用するのもひとつの手。アクセサリーとしての質感にもこだわりたい、24時間365日、体調のトレンドを把握したい、頻繁な通知にわずらわされたくない、睡眠トラッキングの充実度を重視したい、そんな要望を満たすスマートリングを探している人なら、「RingConn Gen 3」を選んで後悔することはないでしょう。