最近の筆者の趣味はランニング。原稿執筆や編集の合間に身体を動かすことが、心身のリフレッシュと仕事へのモチベーションにつながっています。
そんなランニングの相棒として購入を検討していたのが、スマートバンド。なかでも、「価格.comプロダクトアワード2025 スマートウォッチ部門」で金・銀・銅賞を受賞したモデルに注目していました。理由はズバリ、どれも価格が1万円以下とリーズナブルだから。しかも、実際に使用している価格.comユーザーが高く評価しているのですから、最新モデルではなくても検討しないわけにはいきません。
そんな折、価格.comマガジンの編集者から、「せっかくなら全部試してみませんか」とのオファーが。そこで実際に各モデルを1週間ずつ使用して、その感想をレポートしてみました。筆者同様に「リーズナブルなスマートバンドがほしいけど、どのモデルを選べばいいのか」と悩んでいた人の一助になれば幸いです。
金賞に輝いたシャオミ「Xiaomi Smart Band 9 Pro」(右下)。銀賞のサムスン「Galaxy Fit3」(右上)、銅賞のシャオミ「Xiaomi Smart Band 10」(左)
「Xiaomi Smart Band 9 Pro」(2024年11月発売)
「価格.comプロダクトアワード2025 スマートウォッチ部門」で堂々の金賞を獲得している、シャオミ「Xiaomi Smart Band 9 Pro」。価格.com最安価格は8,798円(2026年9月10日時点)です。
届いた製品をチェックしてみると、主張をほどよく抑えたミニマルなデザインながら、機能は豊富。“最新世代”の称号は2026年5月発売の後継機「Xiaomi Smart Band 10 Pro」に譲りましたが、「Xiaomi Smart Band 9」シリーズのなかでもワンランク上の性能・機能を備えた上位グレードの「Pro」モデルだけあって、最新世代と比べても多くのシーンで見劣りしないと思われます。
「Galaxy Fit3」(2025年1月発売)
銀賞を獲得しているのは、サムスン「Galaxy Fit3」。縦長の1.6インチ有機EL(AMOLED)ディスプレイを搭載し、ワークアウトはもちろん、日々の活動から血中酸素レベルまで、さまざまなライフログを記録できます。ケースの仕上げにも美しさが感じられる1台です。
残念ながら、記事作成中に終売となってしまった模様です。新たに登場するであろう後継機にも期待がかかります。
「Xiaomi Smart Band 10」(2025年6月発売)
銅賞を獲得しているシャオミ「Xiaomi Smart Band 10」は、3機種のなかで最もリーズナブルなモデルで、価格.com最安価格は5,709円(2026年9月10日時点)。上述の2機種とは異なる、楕円形の縦長1.72インチ有機EL(AMOLED)を搭載しており、ファッション性の高さが感じられます。
シルクニットストラップや、レザーストラップ、マグネティックストラップ、パールチェーンペンダントなど、交換可能なバンドが豊富に用意されているのも魅力です。
いずれもリーズナブルでありながら多機能なため、今回のレビューでは、次の7ポイントでチェックしてみました。各ポイントで「最もすぐれている」と感じたモデルを紹介しながら、各モデルの特徴や魅力をひも解いていきます。
プロダクトアワードを受賞した3モデルはどのモデルもラバーバンドを採用しており、ランニングやトレーニングで汗をかいても不快感がありません。手首にスッとなじむ軽快な装着感が得られ、甲乙つけがたいのですが、筆者が最も「心地よい」と感じたのは、「Xiaomi Smart Band 10」でした。
「Xiaomi Smart Band 10」は1日中着けていてもストレスを感じなかったうえ、楕円形のスリムな有機ELディスプレイが大きすぎず、小さすぎない絶妙なサイズ感。シャツの袖口に引っかかりにくい点が個人的に気に入りました。
3モデルのなかで唯一、突起部分にバンドの穴を合わせる機構を採用している「Xiaomi Smart Band 9 Pro」は、筆者の場合、装着のコツをつかむまでに少々時間がかかってしまいました。結果として、「Xiaomi Smart Band 10」が最もしっくりくると感じました。
「Xiaomi Smart Band 10」は、ほかの2モデルに比べてディスプレイがやや小ぶりに見え、最も軽やかな装着感が得られました。小さめと言っても、ディスプレイの視認性にシワ寄せが来ることはなく、見やすさも問題なし。装着感と視認性が両立された絶妙なサイズ感です
質感の高さは、高級感に、そして所有欲を満たすことにつながる要素です。この項目で筆者が特に注目したのは、ケースデザインです。
3モデルすべてがアルミニウム合金フレームを採用しており、素材に大きな優劣は見られませんが、「Galaxy Fit3」は、表面にサンドブラスト加工を施すことで、マットで洗練された横顔に仕上がっています。ほかの2モデルに比べて、仕上げの美しさという点で「Galaxy Fit3」が1歩リードしている印象です。
奇をてらわない、バックルタイプのスタンダードなバンドも好印象。フェイス、ベゼル、ケース、そしてバンドと、デザイン全体にまとまりがあり、プロダクトとしての美しさが光ります
ディスプレイの輝度は、「Xiaomi Smart Band 10」に軍配が上がりました。仕様上の最大輝度は、「Xiaomi Smart Band 10」が1500nit、「Xiaomi Smart Band 9 Pro」が1200nit、「Galaxy Fit3」は非公表となっています。
使っていて上記の輝度差を感じたのは、日中の晴天下でした。夏の強い日差しが当たり、ディスプレイの視認性が落ちやすくなるシーンでも、1500nitの「Xiaomi Smart Band 10」は、ほかの2モデルよりもくっきり、鮮明に情報を視認できました。
「Xiaomi Smart Band 10」の1.72インチ有機ELディスプレイは、真空封止技術によって2.0mmという極薄ベゼルを実現しています。73%の画面占有率も相まって、視認性にすぐれています。最大1500nitの恩恵も顕著で、夏の日差しの下でも、高い視認性を維持してくれました
「Xiaomi Smart Band 9 Pro」と「Xiaomi Smart Band 10」は、いずれもシャオミが販売するモデルで、スマートフォンとの接続には同一のアプリを使用します。そのため、スマートフォンとの接続方法に変わりはありません。スマートバンドのディスプレイに表示されるQRコードをスマートフォンのカメラで読み取り、ガイダンスに従っていく数ステップで接続が完了します。非常にシンプルでわかりやすい方式です。
「Galaxy Fit3」も基本的には同様の接続手順となっていますが、バンド全体の設定を行うアプリと、ヘルスケアやワークアウトを管理するアプリが分かれています。この点に、若干の煩雑さを感じました。アプリは1つに統一してくれたほうが、ユーザーフレンドリーだと感じます。
どのモデルもスマートバンドのディスプレイに表示されるQRコードをスマートフォンのカメラで読み取れば、数ステップで接続が完了。ガジェットに慣れていない人でも、簡単に接続できるはずです
対応するワークアウトは、「Xiaomi Smart Band 9 Pro」が150種類以上、「Galaxy Fit3」が100種類以上、「Xiaomi Smart Band 10」が150種類以上。これだけの数に対応していれば、ワークアウトのカバー数が足りないと感じる人はほとんどいないでしょう。
なかでも、「Xiaomi Smart Band 9 Pro」を「最もすぐれている」と評価したのは、本機だけがGPSを搭載しているためです。この価格帯のスマートバンドは本体にGPSを内蔵していないのが一般的で、ワークアウトルートのトラッキングはスマートフォンと連携させる必要があります。つまり、ランニング中も常にスマートフォンの携帯が必要になります。そう考えると、3機種のなかで唯一GPSを内蔵している「Xiaomi Smart Band 9 Pro」は注目に値すると言えます。
ランニングを始めとしたアウトドアアクティビティで活用するなら、「Xiaomi Smart Band 9 Pro」を選ぶと満足度が高まると思います。
内蔵センサーの種類は、GPSを搭載した「Xiaomi Smart Band 9 Pro」がひとつ頭を抜けています。加速度センサーやジャイロセンサーが備わるので、どのモデルも身体のフォームを立体的にとらえることが可能です
「Xiaomi Smart Band 9 Pro」は、5つの主要な衛星システム(GPS、GLONASS、Beidou、Galileo、QZSS:みちびき)に対応。スマートフォンとは独立して、ワークアウトルートをトラッキングできるのが◎
各種計測機能の測定精度は3モデルいずれも良好で、「最もすぐれている」モデルを選ぶのが難しい項目でした。そこで、手首に装着するスマートバンドにありがちな、心拍数の急な上昇に対するレスポンスの遅れが一番少ない「Galaxy Fit3」を最もすぐれたモデルと評価しました。
たとえば、全力疾走した際、最大心拍が表示されるまでには若干のタイムラグがありますが、そのタイムラグや心拍数のズレが「Galaxy Fit3」が一番少なく、実用的だと感じました。
なお、シャオミの2モデルも、平均ペースや、平均心拍数、最大心拍数、消費カロリー、歩数など、ランニングに必要な項目はひと通り計測できます。
測定精度は、ビギナーランナーにとってはどのモデルも「十分に高い」というのが率直な感想。3モデルの中では「Galaxy Fit3」が心拍数表示のレスポンス遅れが最も少なく、実用性が高いと感じました
バッテリー持ちは、「Xiaomi Smart Band 9 Pro」が最大21日間、「Galaxy Fit3」が最大13日間、「Xiaomi Smart Band 10」が最大21日間となっています。
筆者の実使用においては、1週間使用時点のバッテリー残量は、「Xiaomi Smart Band 9 Pro」が29%、「Galaxy Fit3」が23%、「Xiaomi Smart Band 10」が31%と、「Xiaomi Smart Band 10」が最もバッテリー持ちがよかったです。3モデルいずれも、コンパクトなボディとは裏腹にロングタイムバッテリー駆動が実現されおり、1週間レビューでは途中で充電する必要はありませんでした。
頻ぱんに充電を行うのはわずらわしいものですが、3モデルともにそんなわずらわしさは感じません。
筆者の生活においては丸1週間以上バッテリーが持つとありがたいのですが、いずれのモデルもこの条件をクリアしていました。ヘルスケア用途でも、ワークアウト用途でもログを途切れることなく記録できます
歩数や心拍数、運動状況、消費カロリー、睡眠の質などを手軽に記録できるスマートバンド。実際に使ってみると、身体の変化やワークアウト状況に「気づき」をもたらしてくれることがありがたいと感じます。
最近ランニングを趣味にし始めた筆者のようなビギナーランナーであれば、今回紹介したどのモデルを選んでも十分満足できるはずです。最新モデルではないものの、1万円を切る価格で、軽くて装着感がよく、ディスプレイも見やすい。そのうえ、バッテリーも長持ち。この価格でこのクオリティなら十分だと感心します。ただし、これらのモデルは、あくまで健康管理機能が中心のスマートバンド。電子決済や通話機能、地図機能、アプリの拡張性などを求める人の選択肢にはならないので注意してください。
最後に、筆者が今後のランニングの相棒として選んだのは、7項目中4項目で「最もすぐれている」と評価した「Xiaomi Smart Band 10」でした。今後は、本機を装着してランニングに出たいと思います。
最終的に筆者が選んだのは「Xiaomi Smart Band 10」でした