Googleからスマートウォッチの最新モデル「Google Pixel Watch 5」が登場しました。次世代AI「Gemini Intelligence」への最適化やGPSトラッキング精度の向上など、着実な進化を遂げています。
しかし、新機能の多くは前モデル「Pixel Watch 4」にも順次展開されるため、「新旧どちらを選ぶべきか?」と悩む人も多いはず。そこで本記事では、スペックや機能の違いを詳しく比較。実機レビューによるリアルな使い心地を踏まえ、「失敗しない選び方」をわかりやすく解説します。
2026年8月20日に発売が開始された「Pixel Watch 5」。Google Storeでの価格は62,800円(税込)〜
まずは「Pixel Watch 5」のハードウェアの仕様を確認しましょう。
プロセッサー:Snapdragon W5 Gen 2 高性能版
メモリー:3GB相当
ストレージ:64GB(eMMC)
ディスプレイ:AMOLED LTPO
OS:Wear OS 7.0
ケースサイズ:41mm、45mm
ハードウェア面では、前モデル「Pixel Watch 4」からプロセッサー、メモリー、ストレージが強化されました。プロセッサーは「Snapdragon W5 Gen 2」の高性能版になり、メモリーは2GBから3GB相当へ、ストレージは32GBから64GBへ拡大。Googleの発表によると、CPU性能は12%、処理速度は20%向上しています。
ディスプレイは前モデル同様のAMOLED LTPOで、ピーク輝度も3000nitsで据え置かれています。
「Pixel Watch 5」の45mmモデル
バッテリー容量は、41mmモデルが332mAh、45mmモデルが465mAh。公称の駆動時間は、41mmモデルが常時表示で最長30時間(バッテリーセーバー時最長48時間)、45mmモデルが常時表示で最長40時間(バッテリーセーバー時最長72時間)となっています。
前モデル(41mm:325mAh、45mm:455mAh)と比較するとわずかに増加していますが、満充電までの所要時間(41mm:約45分、45mm:約60分)も含め、実質的な進化はごくわずかです。
測位システムには「デュアル周波数GPS」(GPS、Galileo、Glonass、Beidou、QZSS)を採用。センサー類は、マルチパス光学式心拍数センサー、血中酸素測定用センサー、心電図アプリ用電気センサー、皮膚コンダクタンス(cEDA)センサー、皮膚温センサーなどを網羅しています。防水・防塵性能は5ATMおよびIP68に対応します。
各種センサーは中央部に配置
OSは「Wear OS 7.0」
バンド込みの重量は実測63.76g
ソフトウェア機能のうち、「手をあげて話す」によるGemini起動、ダブルピンチ、手首をひねるジェスチャー操作などは「Pixel Watch 4」でも利用可能です。また、血管ストレスや代謝ストレスの傾向、睡眠時の呼吸の質を分析する「Health Guardian」も、「Google Fitbit Air」を含む各ウェアラブル製品に順次展開予定となっています。そのため、公式サイトに掲載されている新機能のすべてが「Pixel Watch 5」専用というわけではありません。
手首を上げて顔に近づけると、音声入力待機状態になったことを示すライトバーが下部に表示される
「手をあげて話す」、ダブルピンチ、手首をひねるなどのジェスチャーは設定でオン・オフできる
これはスマートフォンに接続している状態で、Geminiに「Watch 5とWatch 4のどちらを買ったほうがいいか?」と聞いたときの画面。手をあげて話すだけで、数秒でこの回答が出てくるのは本当に便利です
いっぽう、「Pixel Watch 5」限定の機能も存在します。代表的なのが「オフラインGemini」です。オフライン環境であっても、タイマー設定やアプリ起動、ワークアウトの記録開始といった基本操作を音声で実行できます。
ネットワークに接続していなくても、「オフラインGemini」によりタイマー設定が可能
この機能を利用するうえでややこしいのが、「スマートフォンに接続していない状態」と「インターネットに接続していない状態」は別物だということです。筆者は「Pixel Watch 5」で、スマートフォンと接続していなくても、Wi-Fi経由でGeminiに質問して回答を得られることを確認しました。Googleの公式ヘルプにはLTE経由でのGemini利用も可能と記載されています。
つまり、「オフラインGemini」が生きるのは、スマートフォンが手元になく、Wi-FiやLTEも利用できない場面です。そうした場面でタイマー設定やワークアウト開始などを音声で操作したいかどうかが、「Pixel Watch 5」を選ぶひとつの判断材料になります。筆者はジムなどには通っておらず、サバゲーでもチェストリグやダンプポーチなどの装備にスマホを入れているので、正直なところ「オフラインGemini」を使う機会はほぼなさそうです。
また、AIによる返信機能「スマート リプライ」も強化されています。スマートフォン非接続時、「Pixel Watch 4」で生成できる返信候補が1件のみであるのに対し、「Pixel Watch 5」では最大3件まで提示されます。AI返信そのものは「Pixel Watch 5」専用ではありませんが、ウォッチ単体で生成できる候補数が異なるわけです。
スマートフォンに接続していないときでも、最大3件の返信候補を生成できます
なお、AI返信機能の利用には対応するPixelスマートフォン(「Pixel 8 Pro」以降、廉価モデルを除く)が必要です。日本語対応も記事執筆時点(2026年9月14日)では「Pixel 11シリーズ」に限られています。今後の「Pixel Drop」(定期的な機能追加・アップデート)によって「Pixel 10シリーズ」などへも順次提供予定とされていますが、組み合わせるスマホの動作条件には注意が必要です。
今回は「Pixel Watch 5」の45mmモデルを試用しました。
まず気になったのは、目玉機能である健康管理の新機能が「2026年秋提供予定」となっている点です。近頃のデジタル機器では発売後にアップデートで機能追加されるケースが増えていますが、製品の主要機能が発売日に使えない点には、やはりやや物足りなさを感じます。
製品ページで大きく紹介されている機能(健康管理ツール)が発売日時点で利用できないのは残念です
いっぽうで、Geminiの音声操作については、非常に自然に使えます。手首を上げて話しかけるだけで、さまざまな質問や指示ができるのはすこぶる便利。急いでいるときにウェイクワード(OK Googleなど音声アシスタント機能を起動するための合言葉)を口にするのは面倒。そろそろウェイクワードから解放されたいなーと強く思います。私としては、オンデバイスAIが常に私の言葉を聞いているぶんには一向に構いません。
ウォッチ経由でGeminiに質問した際には、回答を短くまとめてくれます。ちなみにWeb版で聞いた際には596文字で回答が表示されました
指先のダブルピンチや手首をひねるジェスチャー操作については、最初はちょっとピンときませんでした。何か操作しようと思ったときには画面を見ているので、ついついタップしちゃっていたんですよね。でも、画面を見てダブルピンチすると通知をすぐに開けることに気づいてからは感想が一転。いやーこれ超便利ですね。
ホーム画面からいつでもダブルピンチで通知を表示できるのが実に快適です
GPS精度については今回直接の比較検証を見送りましたが、東京駅周辺でGoogleマップのナビを利用した限り、現在地や進行方向は概ね正確に表示されました。場所によっては向かい側の歩道にいるように表示されることがありましたが、45mmモデルの大画面は地図の視認性が高く、歩行ナビとしても扱いやすい印象です。あくまでも歩行ナビとして使った際の印象にすぎませんが、ご参考までにお伝えいたします。
45mmモデルでは画面が大きいぶん、地図の視認性が高いですね
最後にどうしても進化がピンとこなかったのがアクティブバンドです。
前述のとおり素材が変更されているのですが、「Pixel Watch 5」と「Pixel Watch 4」のバンドを装着しても、触り比べても、筆者には違いはわかりませんでした。汗をかいたときの蒸れ感も同じ。個人的には、このタイプのゴム系バンドはかなり好き嫌いが分かれると思っています。ウォッチ本体を単体で販売し、バンドは自由に選べるようにしてほしいなーと強く思います。
個人的にはゴム系バンドは蒸れるので苦手です
Google Storeの通常価格で比較すると、同サイズ・同通信方式の場合、「Pixel Watch 5」は「Pixel Watch 4」より41mmモデルで1万円、45mmモデルで8,000円高く設定されています。
この価格差なら、最新機能を使いたい、少しでも長くアップデートを受けたいのであれば「Pixel Watch 5」を選んだほうがいいでしょう。しかし、普段からスマートフォンを持ち歩くのであれば、少なくとも筆者の使い方ではユーザー体験の差はそれほど大きくなく、「Pixel Watch 4」のほうがコストパフォーマンスは高いと思います。
筆者であれば「Pixel Watch 5」単体を選ぶより、出費は増えますが、睡眠や健康状態を途切れず記録するために、「Pixel Watch 4」とディスプレイレスのフィットネストラッカー「Google Fitbit Air」を組み合わせるのもいいかなと考えます。
最新機能を追求するなら「Pixel Watch 5」、コストを重視するなら「Pixel Watch 4」、継続的なログ計測を重視するなら「Pixel Watch 4 + Fitbit Air」。用途に応じたこの3つのパターンが「失敗しない選び方」の結論です。