スマートフォンの通信費を大幅に引き下げてくれる格安SIMカード。その中でも、NTTコミュニケーションズ、ケイ・オプティコム、インターネットイニシアティブ、DMM.com、ビッグローブ、楽天、b-mobile、FREETEL、UQ mobile、U-mobileの人気10社の音声通話対応SIMカードについて、2015年12月9日時点の最新情報をまとめてみた。
※本記事中の価格は特記のない場合は税別価格で統一しています。
※2015年12月18日に、bmobile、FREETEL、UQ mobile、U-mobileの4社を追加しました。
NTTコミュニケーションズの格安SIMカードである「OCN モバイル ONE」は、データ通信専用、音声通話対応、SMS対応データ通信専用、IP電話の「050 plus」付きといったさまざまなプランを選べる。
音声通話対応SIMカードとして、6種類のプランが用意されているが、その中でもユニークなのは、「110MB/日コース」と「170MB/日コース」の2種類の日次プランだろう。日次プランは、月間に使えるデータ容量が大きい割に料金は安く抑えられており、トータルで見るとコストパフォーマンスが高い。
また、使い切れなかったデータ容量は、日次プランは翌日まで、月次プランでは翌月まで繰り越すことも可能だ(500kbpsコースに限り繰り越しは行えない)。
なお、いずれのプランも、最大4個のSIMカードの追加に対応している。
※いずれのプランも、SIMカードの追加が可能。データ通信専用SIMカードとSMS対応SIMカードの追加にかかる初期費用は1枚につき1,800円、月額料金はデータ通信専用SIMカードが450円、SMS対応SIMカードが570円。音声対応SIMカードは初期費用3,000円、月額費用が1,150円となる。なお、1契約あたり4枚まで追加できる。
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数ある格安SIMカードサービスでも、飛び切りユニークな存在が、ケイ・オプティコムの「mineo」だ。mineoは、auのネットワークを使う初の格安SIMカードとしてスタートしたが、今年2015年9月より、NTTドコモのネットワークにも対応し、両方のネットワークを切り替えて使うことができるようになった(詳細は「auに加えドコモもOKの「mineo」の使い方に迫る」を参照)。これにより、iPhoneシリーズにもフル対応を実現したばかりか、MNP手続き不要で、NTTドコモとauの間で回線を切り替えられるようになった。
なお、au回線向けの「aプラン」では、新たにVoLTE対応端末で使用するSIMカードの最新バージョンである「au Nano IC Card 04」を選べるようになり、auのVoLTE対応最新スマートフォンやタブレットでもmineoが利用できるようになった。
なお、1契約で複数のSIMカードを使用できないが、最大5契約までの「家族割」が用意され、1契約につき月額54円(税込)が割り引かれる。
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インターネットイニシアティブの「IIJmio」の音声通話付きSIMカードは、NTTドコモのネットワークを使用する「みおふぉん」だ。
みおふぉんは、通信容量がバンドルクーポンという形で提供されており、IIJmioホームページ、またはiOSおよびAndroidアプリから”クーポンを使う””使わない”を切り替えることで、フルスピードの通信と200kbpsのミニマムな通信を切り替えられる。なお、200kbpsの通信時でも通信開始数秒だけフルスピードが使える「バースト転送」機能を備えており、テキスト中心のコンテンツならストレスの少ない通信が行える点が良心的だ。ちなみに、使い切れなかったバンドルクーポンは、翌月まで繰越しが可能となっている。
容量10GBの「ファミリーシェアプラン」に限って、最大3枚までのSIMカードで通信容量をシェアできる。ファミリーシェアプランの帯域制限は、SIMカード個別に行われる。
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新興ながら意欲的な価格設定で高い人気を誇るDMM.comの「DMM mobile」。こちらもNTTドコモのネットワークを使用するサービスである。
DMM mobileの特徴は、細分化されたきめ細かい料金プランだ。通信速度200kbpsの「ライトプラン」から、20GBという大容量まで10個ものプランが用意されている。価格の面でも概して優位性が高く、たとえば1GBプランは月額1,260円で、今回取り上げた他社と比較しても最安である。
もちろん、使い切れなかったパケットは翌月まで繰り越せる。帯域制限についても200kbps通信時で直近3日の通信が366Mbpsを超えた場合に発生するという条件で、競合他社と比較しても著しいハンデはない。また、アプリによる通信速度の制御が可能なほか、200kbps通信時の初速を早めるバースト通信機能にも対応している。
なお、最大3枚までのSIMカードを利用できるシェアコースもこれとは別に用意されている。(詳細はDMM mobileのページを参照 )
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ビッグローブの格安SIMカード「BIGLOBE SIM」。NTTドコモのネットワークを使用し、音声通話付きSIMカードは、1GB、3GB、6GB、12GBという4種類の料金プランが用意されている。
これらのうち、6GBの「ライトSプラン」では2枚まで、12GBの「12ギガプラン」では4枚までのSIMカードの追加が可能。特に12GBプランは、合計5枚までのSIMカードが追加できるため、子供を含めた家族全員を1契約でまかなうことができ、家族が多い場合や利用する端末が多い場合に経済的だ。
また、ビッグローブのWi-Fiスポットを利用できるのもポイント。対応するWi-FIスポットは、この12月1日より従来の約5200か所から77200か所へと大幅に増加した。ただし、このWi-Fiスポットの利用料金が来年2016年2月1日より一部が、月額250円の有料に変更される。有料となるのは、エントリープラン、音声通話スタートプラン、ライトSSプラン(新規受付け中止)。12ギガプラン、ライトSプラン、新規受付け中止のライトMプランおよびスタンダードプランについては、1台分のみ無料となる。
※ SIMカードの追加には1枚3,000円の追加手数料と、月額900円の使用料が必要
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楽天の「楽天モバイル」は、NTTドコモのネットワークを使用する格安SIMカードサービスだ。音声通話対応SIMカードプランとして、最安の「ベーシックプラン」から大容量の「10GBプラン」まで4種類のプランが用意されている。
使い切れなかった通信容量は翌月まで繰り越しが可能。帯域制限の条件は、いずれも3日当りで、3.1GBプランでは540MB、5GBプランでは1GB、10GBプランでは1.7GBを越えた場合となっている。
また、毎月の支払いの中から100円につき1ポイントの「楽天ポイント」が貯まるほか、契約期間中に楽天で買い物をすると楽天ポイントが2倍になるキャンペーンも実施中だ。楽天を利用することの多いユーザーにとって、これらの特典はなかなか魅力に映るだろう。
楽天モバイルは、複数のSIMカードでの共有には対応しておらず、大容量プランでも1枚のSIMカードで使うことになる。1台の端末を重点的に使いたい場合に適しているといえるだろう。
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国内の格安SIMカードでは草分けとなる日本通信の「b-mobile」。多くの製品を抱える同社だが、現在、音声通話付SIMカードは、「b-mobile おかわりSIM 5段階定額 音声付」と、「b-mobile SIM高速定額 音声付」およびそのバリエーションの「b-mobile SIMライトプラン 音声付」の大きく2種類をラインアップする。
その中でも注目なのは、データ専用だった「おかわりSIM」に音声通話機能のついたb-mobile おかわりSIM 5段階定額 音声付だ。通常のSIMカードでは、あらかじめプランを選んでおくが、おかわりSIMでは、1GB〜5GBの5段階で、月々の使った分だけ請求が発生する。最低となる1GBでは音声通話基本料金込みで1,300円。格安SIMには興味があるが、どの通信容量を選べばいいのか分からないユーザーに適している。
もうひとつの、b-mobile SIM高速定額 音声付は、月額2,780円でデータ通信の容量と通信速度が無制限。こちらはヘビーユーザーにとってはかなり魅力的なプランだ。
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プラスワン・マーケティングが展開する「FREETEL」の音声通話付きSIMカードは2種類。そのうち1種類は、アップルの「iPhone」および「iPad」専用というユニークな製品だ。この専用SIMカードは、「App Store」からアプリをダウンロードするときの通信料がかからないのが特徴だ。しかも、料金は通常プランと変わらない。
料金については2種類とも共通で、使用した通信容量に従って6段階で課金される。基本的な考え方は日本通信のおかわりSIMとよく似ている。
月間100MB以下というほとんど使用しない場合は月額999円で済むいっぽうで、最高だと月額3,170円で10GBという大容量まで利用できる。ライトユーザーからヘビーユーザーまでカバーする、フレキシブルな料金プランと言えるだろう。
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「UQ mobile」は、ケイ・オプティコムの「mineo」の「aプラン」とともに、数少ないauのネットワークを利用した格安SIMカードだ。
音声通話付プランは、月間3GBの高速通信が可能な「データ高速+音声通話プラン」と、最大通信速度500kbpsに制限されるが通信容量無制限の「データ無制限+音声通話プラン」の2種類。mineoにはない、通信容量無制限プランは、auスマホのヘビーユーザーにとって、貴重な選択肢になるだろう。
なお、VoLTEにも対応済みで、auの最新Androidスマートフォンでも利用可能。iOS系は、OSのバージョンや端末の種類などによって機能の一部に制限が生じることがあるので注意したい。
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「U-mobile」では、容量無制限3種類を含む合計6種類の音声通話付きSIMカードのプランを用意する。ユニークなのは容量無制限コースの豊富さだ。最低契約期間が6か月の「LTE 使い放題」と、12か月の「LTE 使い放題2」という2種類に加えて、音楽聴き放題サービス「スマホでUSEN」とLTE 使い放題をセットにした「USEN MUSIC SIM」という3種類が用意されている。USEN MUSIC SIMは、それぞれを単体で契約するより月額490円割安になる。通信容量無制限ということもあり、いつでもどこでも存分に音楽のストリーミング再生を楽しめる、音楽ファンにとっては魅力的なプランと言えるだろう。
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