レビュー

Synologyの人気NASキット「DiskStation DS216j」を試してみた!

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使い勝手のいい DSM。パッケージセンターで機能を後から追加できる!

先述したとおり、DS216jでは、WebブラウザーからアクセスするSynology 独自の NAS用OSのDSMが利用できる。DSMでは、Webブラウザー内にOSのデスクトップ環境のようなGUIが表示され、アクセスするデバイスのOSやWebブラウザーの種類に依存することなく、NASの機能を操作することができる。

DSM 6.0のUI。OSのデスクトップ環境がまるまるWebブラウザー上で動いているようなイメージだ

DSM 6.0のUI。OSのデスクトップ環境がまるまるWebブラウザー上で動いているようなイメージだ

上部ツールバー上にあるアイコンをクリックすると、メニュー画面が表示され、ここから各種機能にアクセスできる

よく無線LANルーターなどで同様の機能を見ることがあるが、DSMはホントに細部までよく作り込まれている。しかもDSMがすごいのは、Webブラウザー上で動いているとは思えない機能性の高さだ。標準でインストールされるファイル管理ツール「File Station」では、Webブラウザーにファイルをドラッグ&ドロップするだけで2GBまでのファイルを簡単にアップロードすることができる。あらかじめ外部ネットワークからの接続に必要なQuickConnectIDを設定しておけば、宅外のネットワークに接続したパソコンのWebブラウザー上からもファイルをドラッグ&ドロップするだけでファイルをアップロードできるので、ちょっとしたファイルのバックアップに重宝しそうだ。

ファイル管理ツール「File Station」は、検索機能もかなり強力。大量のファイルが保管されているNASでも、高速かつ正確に検索できるのはうれしいポイントだ

また、初期設定時にインストールの有無を聞かれた推奨パッケージもかなり便利なツールが揃っている。たとえば、音楽ファイルを管理できる「Audio Station」では、NASに保存されている音楽ファイルに加え、NASと同じネットワークにあるDLNAサーバーのファイルを再生することができる。こちらもあらかじめ設定しておけば、外部ネットワーク上にあるPCのWebブラウザーで音楽ファイルを再生可能なほか、スマートフォン向けの純正アプリ「DS audio」をスマートフォンにインストールしておけば、アプリ経由で音楽ファイルを楽しめるし、NAS本体のUSBにUSBスピーカーを取り付ければ、USBスピーカーから音楽ファイルを再生することも可能だ。対応するファイル形式もかなり豊富で、最近流行りのハイレゾ音源などで使われているflac形式のファイルや、DSDファイルの再生もでき、オーディオ用途でも使えそう。

音楽ファイルを管理できる「Audio Station」。アルバム単位やアーティスト単位や音楽を管理できるほか、インターネットラジオも聴ける

対応ファイルも非常に豊富で、flacやDSD形式のファイルも普通に再生できす

対応ファイルも非常に豊富で、flacやDSD形式のファイルも普通に再生できす

写真を管理できる「Photo Station」についても、スマートフォン向けの純正アプリ「DS photo+」が用意されており、あらかじめ画像のバックアップ設定をしておけば、スマートフォンで撮影したデータをNASに自動でバックアップしてくれる。「iPhone」の16GBモデルなど、ストレージ容量の少ないスマートフォンを使っていると、撮影したデータを定期的にバックアップしたりして容量を確保する必要があったが、DS216jを持っていれば、「DS photo+」が勝手にバックアップを取ってくれる。

純正アプリ「DS photo+」。撮影日単位で画像を表示できたりなかなか高機能だ

純正アプリ「DS photo+」。撮影日単位で画像を表示できたりなかなか高機能だ

マルチメディア機能以外だと、「Cloud Station」が便利だ。あらかじめ設定しておく必要があるが、任意のフォルダーをNAS上のフォルダーと自動的に同期してくれる。スマートフォン向けの純正アプリ「DS cloud」を使えば、スマートフォンの任意のフォルダーのバックアップをNASに取るといった使い方もできて便利だ。

「DS cloud」であらかじめ設定しておけば、スマートフォン内にある条件にあったファイルだけをNASにバックアップするといったことも可能だ

このほかDSMは、スマートフォンやタブレットのように、「パッケージセンター」で好みの機能のパッケージをダウンロードし、あとから必要な機能を追加できるのも大きな特徴だ。同一ネットワーク内にあるパソコンにインストールされているiTunesの音楽ファイルをNASにまとめて管理できる「iTunes Server」や、テレビやレコーダで録画した番組をNASに転送できる「sMedio DTCP Move」(有料)など、現時点で70種類以上のパッケージが公開されている。数も多いので、個人利用ですべての機能を使うことはまずなさそうだが、これだけでもかなり遊べそう。インストールボタンを押すだけでインストールしてくれるし、不必要になったらアンインストールすることもできるので、気になったものがあったらまず試してみるのもよさそうだ。

パッケージセンター では、Synologyだけでなく、サードパーティが開発したパッケージもあり、現時点で70種類以上のパッケージが公開されている

ダウンロードしたパッケージはパッケージセンターで一元管理されており、アップデート等があった時もここから最新版に更新できる

まとめ

DS216jを自宅に設置していろいろと使わせてもらったが、パソコンのデスクトップのようなGUIで使いやすいDSMや、スマートフォンやタブレット向けの純正アプリの用意など、NAS初心者でもさまざまな機能を簡単に使えるというエントリーモデルとしての基本的なところは抑えつつ、パッケージセンターを使って欲しい機能を追加できることで、エントリーモデルとは思えない可能性を秘めた1台に仕上がっていた。今回は期間が短かったため、試せていない機能やサードパーティ製アプリがまだまだたくさんあるが、今回ご紹介した内容だけでもかなりのことができるので、使い方次第ではさらに楽しい使い方ができそうだ。もっとお金を出せばさらに高性能なNASを買うこともできるだろうが、個人利用で価格を抑えつつRAIDにも対応し、かつNASのいろいろな機能も使ってみたいということであれば、DS216jは間違いなくいい選択肢になるだろう。

遠山俊介(編集部)
Writer / Editor
遠山俊介(編集部)
2008年カカクコムに入社、AV家電とガジェット系の記事を主に担当。ポータブルオーディオ沼にはまり、家にあるイヤホン・ヘッドホンコレクションは100オーバーに。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットにも手を出している。家電製品総合アドバイザー資格所有。
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