新製品レポート
非圧力炊飯器だからできる粒感のよさ!!

“高火力×泡”でおいしいごはん! しゃっきり感がアップした三菱電機「本炭釜 KAMADO」


純度99.9%の炭素材でできた内釜を採用した三菱電機「本炭釜」シリーズの最上位モデル「本炭釜 KAMADO」に、新モデル「NJ-AW109」が登場。2018年10月1日に発売されたばかりのNJ-AW109で炊いたごはんを試食する体験会が開催されたのですが、食べてわかるだけでなく、見ただけでもわかる粒感に衝撃を受けました。その秘密は、高火力と泡! NJ-AW109のこだわりを紹介します。

「本炭釜 KAMADO NJ-AW109」は炊飯容量0.5〜5.5合で、最大消費電力は1,380W。黒銀蒔(くろぎんまき)と白和三盆(しろわさんぼん)の2色がラインアップされています

おいしいごはんを炊くには高火力と泡が重要!

炊飯器作りにおいて、各メーカーとも直火で炊くかまどで炊いたごはんを目指しているのは周知の事実。ただ、炊飯器には100V/1,500Wという電力の制限があり、かつ、かまどのように吹きこぼれを無視して沸騰を続けることもできません。つまり、かまどと同じ炊飯を再現するうえで課題となるのが、高火力と連続沸騰なのです。この課題に対して各メーカーがさまざまな工夫で挑んでいますが、「本炭釜 KAMADO」は高い断熱性能と、発熱が早く熱伝導にもすぐれる炭素材の内釜、そしてその内釜を羽根釜形状にすることで高火力と連続沸騰を実現してきました。

2015年に登場した「本炭釜 KAMADO」から継承されている、羽根釜形状の内釜。高純度の炭ブロックをひとつずつ手作業で削り出し、約100日かけて完成させています

炭は、電気が深いところまで到達しやすく(磁力線の浸透深さ)、電気が通過した部分の抵抗(電気抵抗)が高いのが特徴。熱伝導率も高いため、素早く発熱し、その熱を伝えるのも早いことがわかります

炭、鉄、ステンレスそれぞれの素材をIH加熱すると、どれほど発熱に違いが出るのかを検証した動画が紹介されました(下の動画参照)。まず、加熱直後に炭素材は一気に熱が広がり、30秒過ぎたあたりで100℃を超えますが、鉄素材の温度は20℃前後、ステンレス素材は50℃ほど。50秒経過した頃には、炭素材148℃、鉄素材59.5℃、ステンレス素材28.7℃と大きな差が出ました。炭素材が広範囲で素早く、かつ、まんべんなく加熱されるのは間違いないようです。

内釜が発熱し、高火力を実現できても、その温度をキープできなければ理想的な炊飯はできません。「本炭釜 KAMADO」は建築物でも使われている断熱材を搭載し、高い断熱性能を実現

羽根釜の羽根が接する部分に密封性能を高める「熱密封リング」(赤い部分)も装備されています

羽根釜の羽根が接する部分に密封性能を高める「熱密封リング」(赤い部分)も装備されています

そして、羽根の上部が内釜をセットする部分(かまど内)からはみ出るようにすることで温度差を生み出し、沸騰した泡が吹きこぼれないようにしています

ここまでの構造は前モデルと同じですが、新モデルは側面のヒーターを7つから8つに増加。火力が約7%向上し、よりムラなく炊けるようになったといいます。さらに、内釜の底の厚みを変更。従来は中央部のみ肉厚にし、その部分にたくさん電気が流れるようにして強い火力を生み出していましたが、新モデルは中央のほか、左右にも肉厚になる部分を作ることでまんべんなく激しい対流が起こせるように改良されました。これにより、炊けたごはんのしゃっきり感が前モデルよりもアップしたそうです。

カットモデルを見てみると、内釜の中央とその両側が肉厚にされていることがわかります。これにより、下の動画のように大きな泡が中央、そして外側からも生まれ、全体が激しく対流しています
※見やすいように断面を白く塗っています

●従来モデルの沸騰

●新モデルの沸騰

ところで、炊飯時に出る泡は何でできているかご存じでしょうか。実は、泡は100℃を超えた過熱水蒸気で、この泡がごはんを通過することで、ごはんひと粒ひと粒に熱が伝わるのだそう。よく炊飯時に起こる対流で“米が踊る”ようなイメージを持たれていることが多いのですが、炊飯工程の段階では水はほとんどないため、実際に米が踊るように動くことはなく、ムラなくごはんを加熱するには大きな泡でごはんを貫くことが重要だといいます。その証拠に、昔ながらのかまどで炊いたごはんには「カニ穴」ができているもの。つまり、炊きあがったごはんにカニ穴ができている炊飯器は、おいしいごはんである可能性が高いというひとつの目安になります。

NJ-AW109で炊いたごはんを見てみると、カニ穴がいくつもできていました
※カニ穴が見やすいように玄米を炊飯しています

また、「本炭釜 KAMADO」の大きなこだわりでもある「非圧力式」も理想的な炊飯に欠かせない要素です。近年のIH炊飯器は圧力式が主流で、主要メーカーの中でフラッグシップモデルに非圧力式を採用しているのは三菱電機だけ。たしかに、圧力をかけるともちもちになりますが、その半面、やわらかい食感になりがち。これは、圧力をかけることで細胞が崩れてしまうためです。直火で炊くかまども圧力はかけていないことから、非圧力でかまどの炊き方を再現しているのだそう。

非圧力の炊飯器と圧力炊飯器で炊いたごはんを顕微鏡で見てみると、非圧力式のほうは細胞がキレイな状態のまま。この差が、食感の大きな違いになるのだそう

また、おいしいごはんの表面には「保水膜」ができるのですが、圧力IH炊飯器で炊いたごはんは保水膜がムラになっています。いっぽう「本炭釜 KAMADO」は、かまど同様にキレイな形状。保水膜が均一にあることで、みずみずしさと粒感のあるごはんとなり、かつ、冷めた時の乾燥や味の劣化も低減されます

保水膜がしっかりできているかの判断は、炊いたごはんをかき混ぜるとわかります。保水膜がくずれてべちゃついたごはんは、ごはん粒同士がくっついてしまう部分があるためしゃもじが通りにくく、かき混ぜるとごはんがつぶれてしまうことも。下の動画は、NJ-AW109で炊いたごはんを混ぜている様子ですが、ダマになった部分もなく、ごはん粒がつぶれることもありません。

複数人がしゃもじでかき混ぜたあとでも、つぶれている部分はなし! 米粒がしっかりしていることがうかがえます

試しに、ごはんを手に載せて軽く押してスライドさせてみると、圧力IH炊飯器で炊いたごはんは完全につぶれてしまいました。非圧力式のNJ-AW109のほうは、ごはんに弾力があるので簡単にはつぶれず!

このような状態を見ると、ごはんが硬く、パサついているのでは?と思えるかもしれませんが、しっかりとしたごはん粒には水分がたっぷり含まれているため、みずみずしさもバッチリ!

味や香りがわかりやすいように、冷めたごはんを試食。いろいろな炊飯器で炊いたごはんも食べ比べしたのですが、同じ米を炊いたにもかかわらず、香りや食感がまったく違います。やわらかく炊けたごはんでも冷めれば水分が飛んで表面は硬くなるのでは?と想像していたのですが、やわらかいごはんはやらわかいままでした……

NJ-AW109で炊いたごはんは冷めても十分みずみずしく、甘みもあります! ほかの炊飯器で炊いたごはんの中には、早くも乾燥しているものや、イヤなニオイがするものもありました

粒感がいいごはんなので、卵かけごはんが合う! ごはんが粒ごとに分離されるので、ひと粒ずつにしっかり卵がコーディングされます。下の動画のように箸に引っかかることもなく、「卵かけごはんは飲み物」と言えちゃうくらい、するすると喉を通っていってしまいました

その他の進化ポイント

NJ-AW109は炊飯の基本性能を向上させたほか、炊き分け機能が進化しました。「本炭釜 KAMADO」には米の銘柄に合わせて最適な炊飯プログラムを行ってくれる「銘柄芳潤炊き」モードが搭載されており、対応する銘柄を7つ追加。さらに、胚芽が通常の玄米の約3倍ある「金のいぶき」をおいしく炊くモードも用意されました。実は、「金のいぶき」は玄米のまま食べるために開発された初めての玄米。その他の玄米は精米して食べることを想定した米だったのですが、健康意識の高まりもあり、そのまま玄米として食べられていたのだそう。ゆえに、「金のいぶき」は通常の玄米よりも、水の吸収がよく、これまでの玄米モードで炊くとやわらかくなる可能性があるといいます。

だて正夢、はるみ、新之助、てんこもり、ハツシモ、夢つくし、くまさんの輝きといった特A米7銘柄が「銘柄芳潤炊き」に追加されました

「銘柄芳潤炊き」は銘柄を選んだあとに食感を好みで変えることができるほか、それぞれの米の特徴を知ることもできます

新たに追加された「金のいぶき」モード。食感を残しつつ、きちんと芯まで火が通るように炊飯工程前の水温を低めに設定するなど、「金のいぶき」に適した炊飯プログラムとなっています。この玄米専用の炊飯モードを搭載しているのはNJ-AW109だけ!

専用の炊飯モードで炊かれた「金のいぶき」も試食しました。プチプチとした食感と弾力は残しつつ、芯はなし。甘みも感じます。普通の玄米と価格はそれほど変わらないそうなので、せっかく玄米を食べるなら胚芽米が3倍の「金のいぶき」のほうがいいかも……

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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