レビュー
小さくなって加熱パワーがアップ! スマホアプリにも対応

人気の低温調理器に新モデル!「BONIQ 2.0(ボニーク2.0)」は格段に使いやすい

近年、ヒーターとかくはん用モーターを搭載し、鍋に装着して使うタイプの低温調理器への注目度が高まっています。「ステイホーム」をきっかけに、家で作る料理にこだわる人が増えたこともあり、一般家庭にも浸透してきました。

低温調理器が日本で広まるきっかけとなった製品のひとつが、葉山社中「BONIQ(ボニーク)」です。2017年4月のクラウドファンディングサイトでの発売を経て、同年11月に一般発売が始まると、クチコミで人気が広がりました。筆者も2018年にBONIQ初代モデルをレビューしましたが、そこで低温調理の魅力にハマり同機を購入。今も愛用しています。

そしてこの2月には、最新モデル「BONIQ 2.0」が一般発売されます。プロ仕様モデルの「BONIQ Pro」を経て開発された同機は、初代モデルと同価格帯ながら、パワーも使いやすさもグんと進化したとのこと。そこで今回は、「BONIQ 2.0」の使い勝手や機能などの進化ポイントをじっくりチェックしたいと思います。

新モデルはサイズを小型化しながら加熱パワーがアップし、スマホアプリにも対応!

初代モデルと「BONIQ 2.0」の違いは、まずその大きさ。本体サイズが約36%コンパクトになったことで、より扱いやすくなりました。

出力も800Wから1,000Wにアップし、短時間で設定温度に到達できるようになりました。さらに、専用アプリ「BONIQ Remote」に対応し、スマホ上で加熱温度と加熱時間の設定が可能に。これにともない、2品同時調理や温度設定を途中で変える調理も行えるようになりました。

「BONIQ 2.0」の本体サイズは53(直径)×315(高さ)mm。重さは約980g。クリップ式のホルダーのほか、取扱説明書、ガイドブックが付いています

「BONIQ 2.0」の本体サイズは53(直径)×315(高さ)mm。重さは約980g。クリップ式のホルダーのほか、取扱説明書、ガイドブックが付いています

実際に製品を手に取ってみると、印象的なのはやはりその小ささ! 初代モデルは実際手に持つとかなり大ぶりで、収納場所の確保が意外と大変(筆者は使用後に元の箱に毎回戻しています)。取り扱いにもやや難がありました。その点、「BONIQ 2.0」はふた回りも3回りも小さくなり、棚に置いたり、大きめの引き出しに入れての収納もしやすそうです。

なお、「BONIQ 2.0」は5〜15Lの鍋容量まで対応。鍋は付属しないので、20p程度の深さのある鍋やコンテナを用意する必要があります。

初代モデル(上)と「BONIQ 2.0」(下)の比較。「BONIQ 2.0」がかなり小型・軽量化していることがわかります。ちなみに、初代モデルのサイズは、約100(幅)×370(高さ)×95(奥行)mm、重さは約1.2kgです

初代モデル(上)と「BONIQ 2.0」(下)の比較。「BONIQ 2.0」がかなり小型・軽量化していることがわかります。ちなみに、初代モデルのサイズは、約100(幅)×370(高さ)×95(奥行)mm、重さは約1.2kgです

さらに変わったのは、鍋に取り付けるホルダーが「ねじ式」でなく「クリップ式」になったこと。従来はホルダーのネジをゆるめて、鍋に取り付けたらまたネジを閉めて、そのあと本体をホルダーにはめ込んで、という作業が地味にめんどうでした。「BONIQ 2.0」では本体にホルダーを装着し、ホルダーのクリップを鍋に挟めば装着完了。装着までを圧倒的に時短できます。

初代モデルに付属のホルダー(左)。このネジをゆるめたり閉めたりが思いのほか時間を食っていました。いっぽう、「BONIQ 2.0」(右)は、ワンタッチで鍋に装着できて本当にラクです

初代モデルに付属のホルダー(左)。このネジをゆるめたり閉めたりが思いのほか時間を食っていました。いっぽう、「BONIQ 2.0」(右)は、ワンタッチで鍋に装着できて本当にラクです

さらに、「BONIQ 2.0」は、本体のボトムカバーに強力なマグネットが入っています。鉄鍋を使う場合、鍋底に磁石がくっつくため、鍋に装着した時の安定性がさらに増します

さらに、「BONIQ 2.0」は、本体のボトムカバーに強力なマグネットが入っています。鉄鍋を使う場合、鍋底に磁石がくっつくため、鍋に装着した時の安定性がさらに増します

初代モデルと「BONIQ 2.0」の加熱速度の違いを検証してみましょう。2つの鍋に水温約21℃、水量約3.6Lの水を入れ、設定温度50℃に達するまでの時間を計ったところ、初代モデルは11分57秒、「BONIQ 2.0」は8分55秒でした。

鍋の大きさや材質の違いも影響している可能性はありますが、「BONIQ 2.0」は単純計算で初代モデルの約1.3倍のスピードで加熱できたことになります

鍋の大きさや材質の違いも影響している可能性はありますが、「BONIQ 2.0」は単純計算で初代モデルの約1.3倍のスピードで加熱できたことになります

まずは本体操作で豚肉を低温調理。サクモチ食感で安定の仕上がりです!

まずは、本体の操作パネルを使って調理してみましょう。作るのは「塩麹豚 ジェノベーゼソース」。BONIQの公式レシピサイトにアップされているメニューで、63℃で加熱します。

レシピでは厚さ3cmの肉を2時間加熱するように書かれていますが、使った豚肉の厚みが2cmだったので、サイト内の「加熱時間基準表」に従い、1時間20分加熱しました。

下準備として、肉に塩麹をもみ込んでフリーザーバッグに入れ、冷蔵庫にひと晩置きます

下準備として、肉に塩麹をもみ込んでフリーザーバッグに入れ、冷蔵庫にひと晩置きます

本体での操作は、天面の液晶パネルを使って行います。パネル左下の温度/時間設定ボタンを押して「温度設定」「時間設定」を切り替え、「+」「−」ボタンで温度と調理時間を調整します。温度設定は5℃から95℃まで0.5℃刻みで可能(温度誤差±0.1℃)。時間設定は1分から99時間59分まで可能です。

液晶パネル左下の「℃」と時計のマークが「温度/時間設定ボタン」。ボタンを押すごとに「温度設定」→「時設定」→「分設定」と切り替わります。初代モデルより液晶画面が小さくなり、最初は操作はがしづらいように感じましたが、慣れればそれほど問題ありません

液晶パネル左下の「℃」と時計のマークが「温度/時間設定ボタン」。ボタンを押すごとに「温度設定」→「時設定」→「分設定」と切り替わります。初代モデルより液晶画面が小さくなり、最初は操作はがしづらいように感じましたが、慣れればそれほど問題ありません

設定完了後に操作パネル右下のスタートボタンを押すと加熱開始。設定温度に到達すると低温調理開始のアラームが鳴るので、そのタイミングで食材を入れて空気を抜いたフリーザーバッグを投入します。この辺の手順は初代モデルとまったく一緒です。

なので、最初のアラームが鳴ってから低温調理開始となり、あとは調理終了のアラームを待つだけ。調理時間1時間20分とはいえ、その間、火加減を見る必要がなく完全にほったらかしでOK。ほかの料理を作ったりほかの家事をこなしたり、時間を効率的に使えます。

フリーザーバッグは、最初にキッチン台などでバッグ内の空気をある程度抜き、さらにバッグを鍋のお湯にゆっくり沈めながら水圧で空気を抜きます。バッグを口ギリギリまで沈めてバッグ内の最後の空気を出しつつジップ口を閉めると、きれいに空気が抜けます

フリーザーバッグは、最初にキッチン台などでバッグ内の空気をある程度抜き、さらにバッグを鍋のお湯にゆっくり沈めながら水圧で空気を抜きます。バッグを口ギリギリまで沈めてバッグ内の最後の空気を出しつつジップ口を閉めると、きれいに空気が抜けます

調理終了し、アラームが鳴ったらフリーザーバッグを取り出して、中の豚肉をスライス。わずかにピングがかったロース肉は中心までしっかり火が通っていて、パサついた感じもありません。

レシピにはジェノベーゼソースの作り方も書いてありましたが、今回は市販のジェノベーゼソースを使いました。バジルやニンニク、松の実、オリーブオイルなどの風味が豊かで、肉料理にもバッチリ合います

レシピにはジェノベーゼソースの作り方も書いてありましたが、今回は市販のジェノベーゼソースを使いました。バジルやニンニク、松の実、オリーブオイルなどの風味が豊かで、肉料理にもバッチリ合います

試食してみると、肉はほどよい弾力で、歯を立てるとサクッと切れる感じ。塩麹のしみた肉汁が口の中に広がります。ジェノベーゼソースがなくても十分に美味! まさに「ご飯が進む」系のおかずでした。もう少し手間をかけて、低温調理後に表面をフライパンで焼くと、塩麹が焦げてさらに風味がアップしそうです。

同じ豚肉でも、フライパンで焼くと肉質が硬くなり、このサクッモチッとした食感はなかなか出せません。前の日に塩麹に漬け込んでおけば、当日はフリーザーバッグごとお湯に投入して時間が経ったら取り出してカットするだけと恐ろしく簡単。それでいて絶妙な“火の通り”を誰でも実現できるのは大きな魅力です。

アプリを使って煮魚料理に挑戦! 煮崩れしやすい魚の煮付けもきれいに仕上がる

次は「BONIQ Remote」アプリを使っての調理をお試し。iOS版もしくはAndroid版のアプリをダウンロードし、ユーザー登録したあと、本体とWi-Fi接続します。なお、アプリ連携には2.4GHz帯のWi-Fi環境が必要で、また、アプリのためにスマホの位置情報の使用を許可する必要があります。

接続完了後にトップ画面に戻り、「BONIQ」の文字をタップすると調理設定画面になります。ここで「DIY」を選ぶと温度と加熱時間の設定画面に移行します。

調理設定画面で「DIY」をタップし(左)、温度・調理時間を設定します(右)

調理設定画面で「DIY」をタップし(左)、温度・調理時間を設定します(右)

ひとつとまどったのが、スマホと本体をWi-Fi接続する際に、本体を鍋に入れずにいきなりコンセントに挿すとエラー表示になること。Wi-Fi接続時には水を十分入れた鍋に本体を入れてから電源プラグを挿す必要があります。

初代モデルでは本体下部が水に浸かってない状態でコンセントを挿してもエラーが出なかったので、これにはちょっと焦りました。また、鍋の水の量が足りなくてもエラーになるので要注意。ただ、エラーが出ても、そのまま水が入った鍋に本体を装着すればエラー表示が消え、通常通り操作ができるようになります。

本体下部が水に浸かっていない状態で電源プラグをコンセントに挿すと「EE1」と表示されアラームが鳴ります。電源プラグを抜いて再度挿し直すか、スタートボタンを長押しすると電源OFF状態になり、エラーを解除できます

本体下部が水に浸かっていない状態で電源プラグをコンセントに挿すと「EE1」と表示されアラームが鳴ります。電源プラグを抜いて再度挿し直すか、スタートボタンを長押しすると電源OFF状態になり、エラーを解除できます

今回はアプリ操作で「カレイの煮付け」を作ってみました。設定温度は70℃で調理時間は20分。熱湯で湯引きしたカレイの切り身と調味料をフリーザーバッグに入れて“湯せん”するだけです。

フリーザーバッグに臭みを抜きしたカレイと調味料、スライスしたしょうがを入れて空気を抜きます

フリーザーバッグに臭みを抜きしたカレイと調味料、スライスしたしょうがを入れて空気を抜きます

アプリのDIY画面で温度を70℃、調理時間を20分に設定(画像左)。レシピ名を入れて保存をタップすると、「お気に入り」に温度と時間が登録され(画像中)、次回以降その設定をすぐに呼び出せます。「次へ」をタップし、設定温度と設定時間が反映されているのを確認後、スタートをタップ(画像右)。フリーザーバッグを鍋に入れたら、あとの調理はすべてBONIQにお任せです

アプリのDIY画面で温度を70℃、調理時間を20分に設定(画像左)。レシピ名を入れて保存をタップすると、「お気に入り」に温度と時間が登録され(画像中)、次回以降その設定をすぐに呼び出せます。「次へ」をタップし、設定温度と設定時間が反映されているのを確認後、スタートをタップ(画像右)。フリーザーバッグを鍋に入れたら、あとの調理はすべてBONIQにお任せです

調理終了のタイマーが鳴ったらカレイを取り出して皿に盛り、フリーザーバッグの煮汁をかけてできあがりです。煮崩れしやすいカレイもきれいに完成。ふんわりホロホロのやわらかい仕上がりになりました

調理終了のタイマーが鳴ったらカレイを取り出して皿に盛り、フリーザーバッグの煮汁をかけてできあがりです。煮崩れしやすいカレイもきれいに完成。ふんわりホロホロのやわらかい仕上がりになりました

カレイは身がやわらかい魚で、鍋などで煮ると取り出す時に身が崩れてしまうこともしばしば。その点、フリーザーバッグを使った低温調理なら身を崩さず取り出せます。何より、火加減を気にしてガス台の前で待機する必要がないのがうれしい。

肝心の食感はふんわりと申し分なく、やや薄味ながらしっかり身に味がしみていました。めんどうなイメージの煮魚料理ですが、火加減を気にせず、20分の加熱時間で簡単に作れるなら、夕食のおかずのレギュラー入りも考えていいと思います。

「温度2段階調理」で、さつまいもがこれまでに食べたことのないほどの甘さに!

「BONIQ 2.0」で注目の新機能のひとつが、低温調理中に設定温度を変え、2段階の温度で調理する機能。残念ながら、今のところこの機能を使った調理は公式レシピサイトにひとつしかアップされていませんが、今回はその「究極のさつまいも」の調理を行ってみます。このレシピでは、80℃で90分したあと、95℃で15分加熱します。

洗って濡れたままのさつまいもをフリーザーバッグに入れ、塩ひとつまみを加えて密封します

洗って濡れたままのさつまいもをフリーザーバッグに入れ、塩ひとつまみを加えて密封します

温度2段階調理はアプリ上でのみ設定可能です。まず、調理設定画面から「DIY」を選び、最初の設定温度と調理時間を入力。ここでは温度を80℃、調理時間を1時間30分に設定しました。最初の設定が終わったら「ステップ設定」をタップ。ここで2番目の設定温度と調理時間を入力します。

「カレイの煮付け」の設定でも使ったDIY画面でまず第1の設定を行い、「確定」をタップします(画像左)。次の画面で「ステップ設定」をタップすることで、2番目の設定が可能になります(画像中)。最初の設定とは違い、ここではテンキーを使って温度入力・調理時間入力を行いますが、正直こちらのほうが簡単かつ短時間に入力できました。最初の設定もこの方法のほうがいいかも。なお、ステップは3段階まで設定可能になっています(画像右)

「カレイの煮付け」の設定でも使ったDIY画面でまず第1の設定を行い、「確定」をタップします(画像左)。次の画面で「ステップ設定」をタップすることで、2番目の設定が可能になります(画像中)。最初の設定とは違い、ここではテンキーを使って温度入力・調理時間入力を行いますが、正直こちらのほうが簡単かつ短時間に入力できました。最初の設定もこの方法のほうがいいかも。なお、ステップは3段階まで設定可能になっています(画像右)

この2段階調理でできあがったさつまいもを食べてみましたが、これまでに食べたことのないほどの甘さでした。食感もねっとりしつつ中心にはややホクホクした食感も残っています。ちなみに、「95℃90分」の設定で調理したさつまいもと比較してみましたが、こちらも十分以上に甘かったものの、「80℃→95℃」調理に比べるとわずかに甘味が控えめに感じました。ただ、ねっとり感は「95℃90分」のほうが強かったです。

「80℃→95℃」で調理したさつまいもの断面。外側がねっとりした食感、中央のやや白い部分がホクホクした食感に仕上がりました

「80℃→95℃」で調理したさつまいもの断面。外側がねっとりした食感、中央のやや白い部分がホクホクした食感に仕上がりました

「95℃」のみで調理したさつまいも。中央までねっとりした食感に仕上がっています

「95℃」のみで調理したさつまいも。中央までねっとりした食感に仕上がっています

公式レシピサイトによると、さつまいもが甘くなるのはさつまいも内のβ-アミラーゼという消化酵素が麦芽糖を生成するためで、その生成がもっとも活発になるのが、70〜80℃の温度帯なのだとか。くわえて、92℃以上の高温になるとセルロースが熱分解し、甘みを感じやすい食感になるそうです。「80℃ 90分→95℃ 15分」という加熱にはそういう裏付けがあったのですね。

「温度2段階調理」で冷凍肉の“流水解凍”を再現し、そのまま60℃調理

2段階調理に関しては、別のテストも考えてみました。それは冷凍肉の低温調理。公式レシピサイトに、冷凍した鶏むね肉の調理比較実験の記事があるのですが、そこでは鶏むね肉を流水解凍したあと低温調理するのが、冷凍のまま一気に低温調理するより肉質がやわらかだったとのこと。

その「流水解凍」を低温調理で再現すれば、「BONIQ 2.0」のみを使ってひと手間でよりおいしい低温調理ができるのではないかと考えました。

厚さ2.5cm、重さ180gにそろえた2枚の鶏むね肉をそれぞれフリーザーバッグに入れて冷凍

厚さ2.5cm、重さ180gにそろえた2枚の鶏むね肉をそれぞれフリーザーバッグに入れて冷凍

公式サイトには流水解凍約20分と書かれていたので、水道水とほぼ同じ水温の20℃に設定し20分、その後60℃で1時間50分の2段階に調理設定しました

公式サイトには流水解凍約20分と書かれていたので、水道水とほぼ同じ水温の20℃に設定し20分、その後60℃で1時間50分の2段階に調理設定しました

もうひとつの冷凍肉も公式サイトにならい、60℃で8分解凍、その後60℃で1時間50分低温調理の合計1時間58分を一気に加熱。こちらは初代モデルを使って調理しました

もうひとつの冷凍肉も公式サイトにならい、60℃で8分解凍、その後60℃で1時間50分低温調理の合計1時間58分を一気に加熱。こちらは初代モデルを使って調理しました

どちらの鶏肉も加熱後すぐにフリーザーバッグを取り出し、塩をひとつまみ分振って2時間冷蔵庫に入れ、味をなじませました

どちらの鶏肉も加熱後すぐにフリーザーバッグを取り出し、塩をひとつまみ分振って2時間冷蔵庫に入れ、味をなじませました

2時間後、両方の肉を食べてみると、60℃で1時間58分加熱したほうも十分おいしかったですが、「20℃20分→60℃で1時間50分」加熱した鶏むね肉と比べると、わずかに硬いと言うか、肉にパサつきを感じました。

いっぽう、「20℃20分→60℃で1時間50分」と2段階で調理した鶏むね肉は実にやわらかく弾力のある食感。60℃のみのものと比べて、肉の味もより濃厚に感じました。

左が「20℃20分→60℃で1時間50分」の2段階加熱した鶏むね肉の断面。右が60℃で1時間58分加熱した鶏むね肉。左のほうが見た目にもわずかにみずみずしく、肉汁をしっかりキープしているように見えます

左が「20℃20分→60℃で1時間50分」の2段階加熱した鶏むね肉の断面。右が60℃で1時間58分加熱した鶏むね肉。左のほうが見た目にもわずかにみずみずしく、肉汁をしっかりキープしているように見えます

「煮込みハンバーグ」と「アヒージョ」の2品同時調理もスマホアプリで簡単!

「BONIQ 2.0」に搭載された機能でもうひとつ注目なのが「2品同時調理」機能。同じ設定温度で加熱時間が異なる調理を同時に行う機能です。

調理時間の短い料理の設定時間が終了すると、アラームが鳴って食材取り出しをうながし、もうひとつの料理はそのまま調理を続けます。低温調理を同時に複数できるので、かなり使い手がありそうです。

今回は公式レシピサイトの設定温度別レシピの中から、同じ65℃で調理する「煮込みハンバーグ」と「マッシュルームのアヒージョ」を作ってみました。

ハンバーグのタネを4等分して成型。フライパンで両面の表面に焼き色を付けたら、フリーザーバッグに合わせ調味料と一緒に入れます

ハンバーグのタネを4等分して成型。フライパンで両面の表面に焼き色を付けたら、フリーザーバッグに合わせ調味料と一緒に入れます

「マッシュルームのアヒージョ」は、フリーザーバッグに半分にカットしたマッシュルーム、ニンニク、鷹の爪、オリーブオイル、塩、オレガノ、ローリエなどを入れ、上からよくもみ込んでなじませます

「マッシュルームのアヒージョ」は、フリーザーバッグに半分にカットしたマッシュルーム、ニンニク、鷹の爪、オリーブオイル、塩、オレガノ、ローリエなどを入れ、上からよくもみ込んでなじませます

「2品同時調理」は、実は「温度2段階調理」の設定温度を同じにしただけのもの。

今回行う「煮込みハンバーグ」の調理時間は1時間10分、「マッシュルームのアヒージョ」の調理時間は30分なので、まずステップ1を「65℃ 30分」で設定し、次にステップ2を「65℃ 40分」で設定します(「煮込みハンバーグ」は30分+40分の合計1時間10分調理することになります)。ちなみに、ステップ設定は3段階まで可能なので、お湯の循環がうまくできれば3品同時調理も可能です。

最初に「65℃ 30分」の第1設定を行ったあと(画像左)、ステップ設定を選んで(画像中)、ステップ2に「65℃ 40分」と入力(画像右)。ステップ2を設定する際は、2品同時調理の調理時間の長いものから、短いものの調理時間を引き算する必要があります。できればユーザーはそれぞれの調理時間を入力し、“引き算”はアプリが自動で行ってくれるとスマートなのですが……

最初に「65℃ 30分」の第1設定を行ったあと(画像左)、ステップ設定を選んで(画像中)、ステップ2に「65℃ 40分」と入力(画像右)。ステップ2を設定する際は、2品同時調理の調理時間の長いものから、短いものの調理時間を引き算する必要があります。できればユーザーはそれぞれの調理時間を入力し、“引き算”はアプリが自動で行ってくれるとスマートなのですが……

設定温度に到達したらハンバーグとアヒージョのバッグをいっしょに湯せん。アヒージョのバッグが軽くて浮き上がってしまうので、どんぶりを重石にしました。うまくお湯が循環するか心配でしたが、結果は問題なしでした

設定温度に到達したらハンバーグとアヒージョのバッグをいっしょに湯せん。アヒージョのバッグが軽くて浮き上がってしまうので、どんぶりを重石にしました。うまくお湯が循環するか心配でしたが、結果は問題なしでした

最初のアラームが鳴ったら「マッシュルームのアヒージョ」のバッグを取り出し、皿に盛り付け

最初のアラームが鳴ったら「マッシュルームのアヒージョ」のバッグを取り出し、皿に盛り付け

これはまさに白ワインが飲みたくなる味! オリーブオイルやニンニク、唐辛子の風味に負けない、マッシュルームの濃厚な香りが堪能できます。マッシュルームのシャキシャキした食感も心地よいです。マッシュルームとガーリックの風味が溶け込んだオリーブオイルは、フランスパンにつけて食べても絶品です。

2度目のアラームが鳴ったら「煮込みハンバーグ」の完成。こちらも皿に盛り付けるだけで調理完了です

2度目のアラームが鳴ったら「煮込みハンバーグ」の完成。こちらも皿に盛り付けるだけで調理完了です

次にでき上がった煮込みハンバーグは、驚くほどふわっとやわらかい食感! 口の中で具材がホロホロとほぐれ、おいしさが口いっぱいに広がりました。タネに混ぜる玉ねぎはあらかじめじっくり炒めましたが、さらに65℃の低温でゆっくり加熱したことで、甘みとうまみがより濃くなったようです。

自宅でフライパンを使って焼くと、どうしても肉質が硬くなりすぎてボソボソとした食感になりがちですが、それがまったくありません。まさに“お店の味”が毎回失敗せずに作れるのはうれしい! これは夕飯のおかずのレギュラー入り決定です。

BONIQ公式レシピサイトの設定温度別レシピはメニュー数も多く、そこからメニューをいろいろ選べます。夕食のメニューを考える際にも大助かり。ともあれ、絶品の低温調理が2品まとめて作れるのですから、「温度2段階調理」機能は使わない手はないでしょう

BONIQ公式レシピサイトの設定温度別レシピはメニュー数も多く、そこからメニューをいろいろ選べます。夕食のメニューを考える際にも大助かり。ともあれ、絶品の低温調理が2品まとめて作れるのですから、「温度2段階調理」機能は使わない手はないでしょう

ちなみに、調理が完了するとアプリに下のようなメッセージが表示される……はずなのですが、実際使ってみるとメッセージの表示がある場合とない場合がありました。

どうも、調理完了時にアプリが起動・表示されているとメッセージが届くのですが、スマホ画面がスリープ状態になっていたりすると、うまくメッセージが表示されないようです。

メーカーに問い合わせたところ、これはアプリの不具合で、現在改修中とのこと(2021年2月12日時点)。メッセージがうまく届けば、別の部屋にいても料理ができあがったことがわかるので、メッセージ通知機能は早く不具合解消してほしいところです

メーカーに問い合わせたところ、これはアプリの不具合で、現在改修中とのこと(2021年2月12日時点)。メッセージがうまく届けば、別の部屋にいても料理ができあがったことがわかるので、メッセージ通知機能は早く不具合解消してほしいところです

お手入れは週1回の内部掃除と月1回のクエン酸洗浄だけ!

BONIQは基本的にお湯を沸かす製品。食材はフリーザーバッグに入っているため、ほぼ汚れません。それでもたまにフリーザーバッグから調味料などが漏れてしまう可能性もあり、週に1度の内部の掃除と、月に1回のクエン酸洗浄が推奨されさています。

内部掃除には細管用ブラシを使います。製品に付属してはいませんが、100円ショップなどにも売っているので、それを使うといいでしょう

内部掃除には細管用ブラシを使います。製品に付属してはいませんが、100円ショップなどにも売っているので、それを使うといいでしょう

クエン酸洗浄は鍋に「BONIQ 2.0」を設置し、最大水位付近まで水を入れて60℃1時間に設定して加熱。粉末クエン酸を水1Lに対して小さじ1杯程度入れればいいそうです。運転終了したら電源プラグを抜き、お湯につけたまま本体を冷まします

クエン酸洗浄は鍋に「BONIQ 2.0」を設置し、最大水位付近まで水を入れて60℃1時間に設定して加熱。粉末クエン酸を水1Lに対して小さじ1杯程度入れればいいそうです。運転終了したら電源プラグを抜き、お湯につけたまま本体を冷まします

「BONIQ 2.0」はIPX7の完全防水仕様。全体を丸ごと水洗いできます

「BONIQ 2.0」はIPX7の完全防水仕様。全体を丸ごと水洗いできます

ちなみに、初代モデルはステンレスカバーを外し、中の加熱パーツなどを拭き掃除することができました。いっぽう、「BONIQ 2.0」はカバーが外れない仕様になっているため、中の汚れが見えにくく、隅々まで目で見ながら掃除できないのが残念でした。

まとめ

初代モデルの購入を考えていた人にとっては、「BONIQ 2.0」は買って損のない製品です。本体サイズが小型・軽量化し、ホルダーもクリップ式になって、格段に扱いやすくなりました。ヒーター出力もアップして調理時間も短縮。筆者の場合、初代モデルを使う際は給湯器や電気ケトルである程度水温を高めてから本体をスタートさせているので、それほどメリットにはならないかなと思っていたのですが、設定温度2段階調理を行う場合は、ステップ2の設定温度により早く到達できるのはメリットでした。

スマホで調理設定ができるのも大きな魅力。特に2品同時調理はスマホを使ってしか設定できませんが、これを本体の液晶パネル上でやろうとすると操作が煩雑になりそう。スマホ操作に限定したのはよいと思います。ただ前述の通り、2段階調理の時間設定の際に頭の中で「引き算」する必要があるのはやや手間。

また、調理時間が30分と1時間の料理を同時に作ると、2品目が調理完了した時には1品目が冷めています。調理時間が短い2品目のフリーザーバッグ投入のタイミングをアラームで知らせ、2品が同時に完成するようにできる機能もあるといいなと思いました。

また、同じくスマホで設定する「温度2段階調理」機能で“蒸かした”さつまいもの甘みにはビックリ。鶏むね肉も“流水解凍”から60℃加熱を一度に行えて便利でした。「温度2段階調理」機能にはこれまでにない調理の面白さを感じるだけに、今後公式レシピサイトに、設定温度2段階調理で作れるレシピがどんどんアップされるのを期待したいです。

ちなみに、今回検証のために連続で低温調理を行なったのですが、1回目の調理を終えたあと、2回目の調理設定がすぐに行えないことが何度かありました。特に「このデバイスはオンラインではありません」と表示されることが多かったです。こうした場合に一番確実なのは、一度スタートボタンを長押しして電源OFFにし、Wi-Fi接続ボタンを押してからスマホのWi-Fi接続設定をもう一度行うことです。

SSIDやパスワードは前回入力したものが残っているので、再接続は簡単。今後アプリのバージョンアップで連続調理もスムーズにできるようになると思いますが、それまでは電源OFFからのWi-Fi再接続をまめに行うことをおすすめします(そもそも一般家庭で低温調理を連続で行うことは少ないかもしれませんが)。

「BONIQ Remote」アプリについての注文がやや多くなってしまいましたが、アプリの使い勝手は今後どんどん改良されていくと思います。「BONIQ 2.0」本体の使いやすさは文句ないですし、デザインも初代モデルに比べてスタイリッシュになり、所有する喜びを満たしてくれます。低温調理器をより使いこなしたい人や、初代モデルの大きさ・デザインに不満がある人は、「BONIQ 2.0」を買い増し、買い替えするのもよいでしょう。

平島憲一郎

平島憲一郎

雑誌やWEB媒体において、生活家電の紹介記事やお試し記事を執筆。家電ジャンルは調理家電から掃除機、美容・健康家電など幅広くこなす。夫婦共働きのため、調理など家事も応分に担当(ただしあくまでダンナ目線)。立食いそばも好き。

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