筆者はブレンダーで作ったグリーンスムージーを愛飲しているが、“たまにはジューサーで作ったジュースもいいな”と思うことも。とはいえ、調理家電はけっこう場所をとる。ブレンダーとジューサーの2台持ちなんて考えたこともなければ、この夏購入した「ヨナナスメーカー」の置き場所すら確保できずにいるというのが現状だ。
そこで興味を引かれたのが、クビンスの「サイレントジューサー JSG-120」(以下、JSG-120)。3種類のストレーナーが付属し、それらを付け替えることで、ジュース以外にもスムージーやヨナナス風フローズンデザートを作ることができるという1台3役のスグレモノだ。しかし、多機能製品で気になるのが、“本当に1台で何役と言えるのか?”ということ。用途の切り替えが面倒で結局1つの機能しか使わないとか、できあがりがイマイチというのは、残念ながらよくある話。そこで今回は、すべてのアタッチメントを使い、ジュース、スムージー、ヨナナス風フローズンデザートを作って「JSG-120」の実力を検証してみることにする。
組み立てた状態のサイズは228(幅)×414(高さ)×208(奥行)mm。消費電力は240Wで、連続運転可能時間は30分となっている
セット内容は、本体、各種アタッチメント、お手入れ用品……さらには、豆腐を作るための豆腐セットまで付属しており、数が多い。なお、製品には写真で紹介している付属品のほかに、スムーズに入りにくい材料をドラム内に押し込むための押し込み棒も付属している。それに対して、操作ボタンはたった1つ。動作は、材料を押し下げながらジュースを搾る「正回転」と、材料を入れ過ぎてスクリューの回転が停止した際などに、スクリューを逆回転させてストレーナー内部の材料を押し上げる「逆回転」の2種類となる。
本体だけでも重量は約6.5kgとけっこう重いので、使用するたびに棚から出すというより、定位置に置いておくというのが現実的
本体側面にある操作部。操作はボタン1つですべて行う。といっても操作は「正回転」と「逆回転」のみで、スピード調節などの機能はない
ホッパー(手前)、容器ふた(左奥)、ドラム(右奥)
組み立てると写真のような形に。ジュース、スムージー、フローズンデザートのいずれを作る際にも同様に組み立てて使用する
「ウルテム」という耐熱性、耐久性、耐薬品性にすぐれた樹脂製のスクリュー。このスクリューを用いて石臼圧縮式で搾汁することで、摩擦熱による栄養素の損失を最小限に抑えることができるという
ストレーナーは写真左からジュース用、スムージー用、フローズンデザート用の3種類が同梱されている
ジュース用、スムージー用のアタッチメントと一緒に使用する回転ワイパー(フローズンデザート用のストレーナーを使用する際には不要)
搾り取られたジュースを入れるジュースカップ(写真右)と、ジュースを搾った後の繊維をキャッチする繊維質容器(写真左)
抽出口に取り付けるスマートキャップ。スマートキャップを閉めて搾汁すればドラム内でミックスジュースが作れたり、泡が出やすい材料でジュースを搾る際も、泡立ちを抑えることができる
豆腐型。型に布をかぶせて、そこににがりを混ぜた豆乳を入れれば、豆腐が簡単にできる
ストレーナーなどの手入れに使用する洗浄用ブラシ(右)と、回転ブラシ(左)も付属
取扱説明書のほかに、ジュース用、スムージー・シャーベット用のレシピブックがそれぞれ付属。ジュースのレシピは95種類と豊富で、中には「たまねぎジュース」「ピーマンジュース」(!)などなじみのないレシピも
ジュース用のレシピブックには材料の分量などの記載がないため、どのくらいの量の材料を使えばよいのかなどは試行錯誤が必要かも
では、実際に「JSG-120」を組み立てていこう。ジューサーとして使用する場合の組み立て方法は、取扱説明書にくわしく記載されている。また、用途を変える場合も、取り替えるのはストレーナーの部分だけなので、1度組み立ててしまえば、使用するたびに説明書とにらめっこということもないだろう。ただし、記載されているのはジュース用のストレーナーを使う場合のセット方法のみ。
ジュース用のストレーナーを使用する場合のセット方法からお手入れ方法まで、写真付きでわかりやすく記載されている
(1)回転ワイパー、ストレーナーをドラムにセットする
まずは回転ワイパーにストレーナーを入れ、それをドラムにセットする
ドラムにセットする際、ストレーナーの赤い●と、ドラムの赤い●が同じ位置に来るようにするのがポイント
(2)(1)にスクリューをセットする
スクリューの底にある突起が、ドラムの底中央にある穴にしっかりはまっているのを確認する
スムージー用のストレーナーを使用する際も、ストレーナーの赤い●と、ドラムの赤い●が同じ位置に来るようにセットする
フローズンデザート用のストレーナーを使用する際は、回転ワイパーは必要ないので、ストレーナーとドラムのみをセットすればOK
(3)ドラムに容器ふたをする
スクリューのセットが完了したら、ドラム用の容器ふたをセット。赤い●の表示点を合わせた後、時計回りに回してしっかり閉める
本体にセットが完了したドラムをのせる
容器ふたの▼と本体の△を合わせた後、▼と▲が重なるように回せばセット完了! 各段階で目印になるマークが付いているため、初めてでも迷うことなくセットできた
セットが完了したジューサーに、ジュースカップと繊維質容器(スムージー、フローズンデザート用のストレーナーを使用する際は不要)を置いてから使用する
まずは、にんじんとりんごのジュースを搾ってみよう。動作音やスピード、ジュースの味はどうだろうか。下準備は、材料を洗って種を除いてカットするだけ。薄い皮は付いたままでOKだ。なお、氷の使用は不可。
にんじんなどの根菜類は、厚さ1.5〜2cm未満、長さ10cm程度にカットし、りんごの種など硬いものは必ず除いておく。メロンやスイカなど皮が硬い材料を使用する場合は、皮も取り除く必要がある
作動スイッチの「−」を押して、回転が始まったのを確認してから材料を投入する
硬い材料、水分を多く含む材料を交互に入れると効率よく搾れるということで、今回はりんごとにんじんを交互に1つずつ投入した
<動画> りんごとにんじんを搾る
“しゃりしゃり……ごりごり……”と搾られていく様子が見ていて気持ちいい。動作音は40〜50dBと、ブレンダーのようにうるさくは感じない。投入したそばからどんどん搾り、りんご1個、にんじん1本であれば1分強で搾ることができた
りんご1個、にんじん1本で搾れたジュースはおよそ300ml
搾りかすはおよそ120gだった
ジュースはりんごの甘みが強く飲みやすいものの、にんじんの香りもしっかり残した健康的な味わい。飲み口もサラリとしていて、毎日でも飲みたいくらいおいしい!
搾りかすもむだにはせず、アップルキャロットケーキを作ってみた。水切りヨーグルトとシナモンを添えて、おもてなしにも使えそうな本格的なスイーツに
にんじんとりんごを搾った後のジュース用ストレーナー。網目に繊維が挟まって、洗うのが面倒そうだが……
ストレーナーにはめてくるくる回すだけの回転ブラシと掃除用ブラシを使用すれば、網目に詰まった繊維も簡単に取ることができた
これならストレーナーのお手入れがストレスになるという心配もなさそう
回転ワイパー、ドラム、スマートキャップのシリコン部分は取り外しが可能なので、細かい部分までしっかり洗うことができて衛生的
ドラム自体にも繊維が詰まっていることがあるので、その場合は綿棒などを使って小まめに取り除く必要がある