ひと粒ひと粒のおいしさまで生かす、新しい炊飯方式を開発

“蒸気で炊く”バルミューダの炊飯器「BALMUDA The Gohan」の粒感がヤバイ!

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2015年に発売した高級トースター「BALMUDA The Toaster」で、調理家電市場に参入したバルミューダ。スチームと温度制御で焼き上げるトーストの味は別格で、そのおいしさから、高価格製品にもかかわらず大ヒットしました。そして、2016年にはコーヒーのハンドドリップに適するカタチを追求した電気ケトル「BALMUDA The Pot」をリリース。これらのキッチンシリーズで着実にファンを増やしていった同社の2016年の売上高は55億円、調理家電市場に参入する前(2014年)の倍になったと言います。そんな同社のキッチンシリーズ第3弾は、炊飯器「BALMUDA The Gohan」。これまで同社が手がけた製品の中でもっとも長い開発期間(1年半)をかけた炊飯器には、“蒸気で炊く”という新しい炊飯方式が採用されました。発表会で見てきたその仕組みと、実際に炊いたごはんの味をお伝えしましょう。

「BALMUDA The Gohan」にはブラックとホワイトの2色がラインアップ。市場想定価格は41,500円(税抜き)で、2017年2月下旬より出荷予定となっています

炊きたてのごはんと冷えたごはんを試食してきました。味のレポートは、記事後半で!

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土鍋を超える炊飯器の鍵は“蒸気”にあり!

一般的に電気炊飯器は、かまどで炊いたようなごはんを目指して開発されています。しかし、なかなかその域までは達していないのが事実。家庭でおいしいごはんを食したい場合、手間はかかりますが、味を優先したいから土鍋で炊いているという人も多いでしょう。つまり、残念ながら直火の炊飯に電気炊飯器は追いつけていないのです。そもそもガス火に比べ、電力の熱エネルギーは1/3しかありません。非力なエネルギー(電力)でおいしく炊くために各社が内釜の素材や厚みにこだわり、内釜の中で起こる対流にも研究を重ねていますが、バルミューダが着目したのはもっと根本的な部分。熱エネルギーの使い方です。ただ内釜を熱するのではなく、“蒸気のチカラ”を利用した炊飯方式こそが“土鍋の味”を再現する鍵であるという結論にたどり着きました。

自身も家では土鍋炊いたごはんを食しているという同社代表取締役社長 寺尾玄さん

自身も家では土鍋炊いたごはんを食しているという、バルミューダ代表取締役社長 寺尾玄さん

「BALMUDA The Gohan」の構造解説に移りたいところですが、炊飯に蒸気を用いることになるまでのヒストリーが非常におもしろいので紹介させてください。2015年にトースターを発売するまで調理家電を作ったこともないバルミューダには、炊飯器づくりのノウハウはありませんでした。真っ白な状態からスタートした1か月後、“おいしいごはんは、炊飯方式ではなく高いお米を用意することである”という、炊飯器とはまったく異なる結論に! そこからは、“おいしい冷凍ごはん”を追求。急速冷凍機を調べたり、液体窒素を使った冷凍実験を行ったり、冷凍ごはんをパッケージにした超小型電子レンジ販売の企画が出るなど迷走を極めました。そんな紆余曲折を経て、“冷凍して解凍したごはんより、炊きたてのほうがおいしい”と原点に立ち返り、本来の炊飯器づくりが再スタートしたのです。

迷走していた頃には、液体窒素を使った実験も行われました

ようやく炊飯器の開発に戻った同社はいろいろな炊飯方式を試し、“土鍋で炊くよりもおいしい”と言える炊き方をついに発見。それが、蒸気を利用した“蒸気炊飯”です。下の写真のように「米と水を入れた鍋」と「水だけの鍋」を用意し、細い管で接続。「水だけの鍋」を電気ヒーターで温め、発生した蒸気を「米の入った鍋」へと送って“蒸気のチカラ”だけで炊いたものが、もっともおいしかったそう。「BALMUDA The Gohan」は、この2つの鍋を使った蒸気炊飯を1つのカタチにした炊飯器です。大きなポイントは、米と水を入れる内釜と水を入れる外釜があること。内釜は外釜の中に設置する仕様となっており、宙に浮いた状態となります。つまり、内釜自体はヒーターで加熱されることはありません。熱された外釜から生まれた蒸気により、ごはんが炊かれるというわけです。

土鍋以上のおいしさを実現した2つの鍋による蒸気炊飯が、「BALMUDA The Gohan」の原点

土鍋以上のおいしさを実現した2つの鍋による蒸気炊飯が、「BALMUDA The Gohan」の原点

「BALMUDA The Gohan」のフタを開けてみても、一見普通の炊飯器のようにしか見えませんが……

内釜を外すと、もうひとつの釜「外釜」が現れました。炊飯する際には外釜に200ccの水を入れ、米と水を投入した内釜をセットします

内釜と外釜をセットした状態をカットモデルで見てみると、内釜が宙に浮いていることがわかりますね。内釜は外釜にある水にも触れないので、完全に蒸気のチカラのみで炊飯されます

蒸気が内釜を包み込むように広がり、加熱。釜が薄いうえ、蒸気のチカラだけだと加熱不足になりそうな印象ですが、蒸気は分厚い金属釜と比べて数倍から数十倍の断熱性があるそう

蒸気を利用する以外にこだわったのが、温度制御です。急激な温度変化を起こさず、100℃を超えないようにゆっくりと炊飯することで米の傷つきを低減。煮崩れも防げるので、香りとうまみを米の中に閉じ込めたまま炊き上げられるとのことでした

蒸気で炊くというので炊飯器からどれほど蒸気が出るのか心配でしたが、一般的な炊飯器とほぼ同じぐらいですね

白米のほか、玄米やおかゆも炊けるようになっています。炊飯時間は「白米」が53〜68分、「白米早炊」が32〜39分、「玄米」が75〜104分、「炊込」が53〜68分、「おかゆ」が51〜67分。炊飯時間には浸水も含まれるので、まずまずの早さではないでしょうか。ちなみに、タイマー予約はできますが、保温はできません

蒸気炊飯で炊いたごはんの味は?

「BALMUDA The Gohan」で炊いたごはんは、そのまま食べてもおいしいけれど、おかずとの相性がバツグンだといいます。その味を試食でチェックしてみました。

炊き上がったあと、ほぐしたごはんがテーブルに運ばれてきました。IH炊飯器で炊いたごはんに比べると、艶やかさは控えめです

お茶碗半分ほど食べてみましたが、潰れている米粒はなく、どれもピンと立っています。口に入れてすぐは硬めな印象ですが、噛むとほどよいやわらかさと甘みを実感。寿司めしっぽい感じです。弾力があるので、硬めのごはんが好きな人にはたまらないかも!

おかずとの相性を確かめられるように、海苔やふりかけ、明太子などいろいろなトッピングが用意されていました

ごはんでこのようなコメントをするのは初めてなのですが、口の中でほぐれる感じがすごい! 米粒同士がくっついていないため、噛む前に米粒がほぐれます。粒感がしっかり残ったままなので、おかずと一緒に食すると食感の違いが楽しい。米の香りや甘さが強く主張してこず、おかずの味も生きています

試食した中でも最高だったのは、たまごかけごはん。ごはんがダマになっているところがなく、サラサラと流し込めます。粒感があるので、のど越しもいい! カレーライスやお茶漬けにしても合いそうです

最後に食したのは、おにぎり。朝9時に炊き上がったごはんを握ったものを、4時間後にいただきました。おにぎりというと、どうしてもごはんが潰れ、ベチャッとした部分があるものですが、「BALMUDA The Gohan」で炊いたごはんでは中心部まで粒の崩れがありません。おにぎりでも粒感を感じられるとは、びっくりです

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌の白物家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

製品 価格.com最安価格 備考
The Gohan K03A 40,090 蒸気のチカラだけで炊き上げる炊飯器
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2017.4.27 更新
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