牛島義之のアウトドアのススメ

カセットガスで冷やせるドメティックのポータブル冷蔵庫「COMBICOOL」の保冷力はどれほど?

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キャンプやBBQなどのアウトドアレジャーに欠かせないクーラーボックス。しかし、食材やドリンクを冷やすために氷や保冷剤を準備しなければならないうえに、保冷力が時間とともに低下する心配があります。そんな心配をしたくないなら、持ち運びできる冷蔵庫を使ってみては? 今回は、カセットガスで冷却できるドメティック「ポータブル 3way冷蔵庫 COMBICOOL(コンビクール) ACX35G」(以下、COMBICOOL)を実際にフィールドに持ち出し、どれほどの保冷力があるのかを調査してみました。

構造をチェック

COMBICOOLは庫内容量31Lの小型冷蔵庫で、AC100V・DC12V・カセットガスの3Wayで冷却ができるのが最大の特徴。アンモニアを加熱して気化させ、その際に生じる気化熱で庫内を冷却する「アンモニア吸収方式」を採用しており、家庭用冷蔵庫の多くに採用されている「コンプレッサー方式」ほどの冷却性能はないものの、一般的なポータブル温冷庫が採用している「ペルチェ方式」よりも冷却性能にすぐれています。コンプレッサーやファンなどの駆動部分がないため、無音で稼働するのも魅力。ただし、液体を循環させているので、本体を水平に置いておかないと冷却効率が下がるので注意しましょう。

サイズは500(幅)×440(高さ)×443(奥行)mmで、重量は14kg。中に食材を入れていない状態でも、それなりに重量感があります

背面にAC/DCの電源コードやカセットガス収納部があります

背面にAC/DCの電源コードやカセットガス収納部があります

上部にある操作部には、AC電源やカセットガスで稼動させる時に利用するスイッチや冷却パワーの切り替えがあります。なお、DC電源の場合はプラグを電源ソケットに差し込むだけで運転が始まるので、スイッチ類はありません

容量31Lの庫内にはペットボトル(2L)が8本入りました。ただし、隙間なく詰め込むと冷却効率が下がるので、実際に使用する時には気をつけましょう。上部にある出っ張りは外せません

取り外せなくてじゃまに感じた庫内上部の出っ張りは、氷を作る製氷皿を乗せるためのスペース(製氷皿台)でした(笑)。付属の製氷皿を置いておけば氷を作ることができます

実際に氷が作れるのかを試してみました。AC電源で7時間稼動させたところ、見事な氷に! ただ、量が少ないのであまり実用的ではないかもしれません

ちなみに、COMBICOOLの前身となる製品が1990年代にイワタニとエレクトロラックスの共同開発で「モービルクール」として販売されていました。しかし、2001年にエレクトロラックスからレジャー部門が切り離されたことにより、モービルクールも姿を消すことになるのですが、エレクトロラックスから独立したドメティックが技術を受け継ぎ、再び製造を開始。その新モデルが、今回紹介するCOMBICOOL なのです。

屋外で使う前に準備が必要!

さっそく、COMBICOOLの保冷力を屋外でチェックしてみましょう! と思ったら、食材を入れる前に7時間ほど運転し、庫内を冷やしておく準備が必要でした。カセットガスを動力にして冷却してもかまいませんが、ランニングコストや効率のよさからAC電源での冷却が推奨されています。

庫内には何も入れず、空の状態で冷やします。中に入れる飲み物や食材は、別の冷蔵庫で冷やしておいてください

「AC サーモスタット」のダイヤルをMAXにして7〜8時間稼動させ、庫内を十分冷やしましょう。庫内が十分に冷えたら温度域を変えていいそうです(標準は4〜5)

9時間ほど稼動させたところ、スタート時は約28℃だった庫内が−2℃まで下がりました

9時間ほど稼動させたところ、スタート時は約28℃だった庫内が約−2℃まで下がりました

製氷皿台には霜がつくほど庫内は冷え冷えです。十分に庫内が冷えたので食材などを入れてOKですが、食材や飲み物も冷やしておくことを忘れずに!

しっかり冷やした飲み物を入れましたが、COMBICOOLのフタを開け閉めしたため、庫内の温度は約7℃まで上昇してしまいました

このままAC電源で2台目の冷蔵庫として家の中で使い続けることもできます。定格消費電力は75Wなので、1日24時間、1か月間(31日)稼働させると電気代は約1,500円(1kWhあたりの電力量料金は27円で算出)。定格消費電力とはその製品の最大消費電力のようなものなので、温度帯を標準の4〜5に設定しておけば、もっと電気代は抑えられるでしょう。

とはいえ、今回は外に持ちだすことが目的です。自宅近くの屋外で使う時は電源コードを抜いて運べばいいだけですが、自動車で移動するような距離の場合は自動車の電源ソケットから給電し、COMBICOOLを冷却しながら運ぶのが得策。

DV12V電源に対応しているので、DV24車の場合には別売のDC-DCコンバーターでDV12に変換してください

DV12V電源に対応しているので、DV24車の場合には別売のDC-DCコンバーターでDV12に変換してください

筆者の自動車はミニバンなので、価格.comマガジンのスタッフの軽自動車にも入るかを試してもらいました。結果はご覧のとおり!

サービスエリアで休憩するなどでエンジンを切るとCOMBICOOLに給電できなくなるほか、車内の温度も上昇してしまうのでCOMBICOOLの庫内温度も高くなります。その後、エンジンをかけて給電が始まれば冷却されますし、車内が涼しくなるにつれCOMBICOOLの庫内温度もどんどん下がってくるので安心してください

屋外で使ってみよう!

いよいよ、屋外での検証です! カセットガスを装着して冷却するのですが、COMBICOOLは周囲環境温度が30℃を超えると冷却力が急減に低下することもあるのだそう。とはいえ、季節は夏。比較的、日差しが強くない日にレビューしたものの、気温は30〜33℃でした。取扱説明書どおりであればかなり適さない状況ですが、30℃を少々超えると効果が発揮できないのは結構困るので、とりあえず検証を強行! 筆者所有のクーラーボックスにも同じ分量の食材とドリンク、そして保冷剤をセットし、保冷力を比較してみました。

容量がCOMBICOOLよりも少し大きいクーラーボックスと保冷力を比べます。なお、COMBICOOLは直射日光が当たらない場所に置くことが指定されています。また、防水でもないので突然の雨にも対応できるところに設置しましょう

なお、クーラーボックスにはこのように飲み物と保冷剤をセット。中央にあるコーヒーの温度を後で測って冷え具合を検証するため、コーヒーに保冷剤が接しないようにしています

屋外にCOMBICOOLを持ち出したら、庫内の温度が上がらない内にカセットガスで稼動させましょう。推奨されている「イワタニ カセット ガス」をセットし、ガスのダイヤルを「強」にあわせて10秒間押し続けながら「点火ボタン」を連続で押すと運転が始まります

稼動したことを知らせる点灯ランプなどはないうえに、運転音がまったくしないので「点火ボタン」をどれぐらい押せばいいか正直とまどいましたが、本体背面にある窓で着火を確認できればOKとのこと

ときどきフタを開けたりしながら(実際には物を取り出すなどするため)、約6時間放置。庫内や飲み物の温度がどのぐらいになったのかを測ってみました。

フタを開けて閉じた1時間後の庫内温度は、COMBICOOLが約8℃で、クーラーボックスが約16℃。庫内温度が上昇してから冷えるまでの時間は、保冷剤(クーラーボックス)よりもCOMBICOOLの冷却のほうが早いことが確認できました

中に入れておいた飲み物の温度を測ってみると、COMBICOOLのほうが1℃ほど低い程度の差でした。庫内温度ほどの差は出ないようですね

まとめ

カセットガス1本で20時間の保冷できる点が魅力のCOMBICOOLですが、気温に影響されやすく、自動車を利用した移動では給電ができない時に温度が上昇するなど、使い方には少し工夫が必要な印象。事前準備にも時間がかかるので、手軽さと本体価格(COMBICOOL の価格.com最安価格は約5万円強/2017年9月1日時点)を総合するとクーラーボックスのほうがコストパフォーマンスはよさそうです。しかし、COMBICOOLを常に家で稼働させておけば事前に冷やす手間はなし! 室温が30℃以下の場所では満足度の高い冷却力を発揮してくれるので、2台目の冷蔵庫として常備しておき、外にも持ち出すという使い方もいいのではないでしょうか。また、コンセントがない屋内で食材や飲み物を保冷したい時にも役立つはず。夏場のアウトドアには厳しい部分もありますが、秋や春なら気温も気にせずに済みそうですし、今回の検証よりももっといい結果を出してくれると思います。

牛島義之

牛島義之

アウトドア雑誌の副編集長職を経てフリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行などレジャー関連を中心に執筆している。

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2017.11.17 更新
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