ポータブルプレーヤー初採用となる旭化成の新型DACチップを搭載

COWONの高級ハイレゾプレーヤー「PLENUE 2」を聴いてみた!

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COWON販売の高音質ポータブルオーディオプレーヤー「PLENUE」シリーズから、新型のハイエンドモデル「PLENUE 2」が登場した。ポータブルプレーヤーでは初となる旭化成エレクトロニクス製の最新高級D/Aコンバーターを採用し、音質にさらに磨きをかけたモデルだ。コアなポータブルオーディオファン注目の同製品の音を聴いてみた。

「PLENUE 2」は、「PLENUE」シリーズの最上位モデル「PLENUE S」に続く、ハイエンドモデル。2017年4月10日時点の価格.com最安価格は149,750円(税込)で、価格的には「PLENUE S」(価格.com最安価格は194,980円(税込))の下位にあたる製品だ。ただ、D/Aコンバーター部が一新されているため、単純な下位製品とも言い切れない。

COWONの高音質ポータブルオーディオプレーヤー「PLENUE 2」

COWONの高音質ポータブルオーディオプレーヤー「PLENUE 2」

搭載されるオーディオチップは、旭化成エレクトロニクス(AKM)の「AK4497EQ」。AKMの高音質技術「VELVET SOUND」を採用した製品で、100万円オーバーのハイエンドオーディオ機器への搭載実績を持つフラッグシップチップだ。PLENUEシリーズといえば、これまでオーディオチップにバーブラウン製チップを採用(PLENUE Dは非公表)し続けてきたが、ここを一新することにより上位モデルに匹敵するほどの高音質を実現している。

「PLENUE 2」のS/N比は123dB、THD+N(ひずみ率)は0.0005%、ステレオクロストークは最大-139dBと、静寂感、出力波形のひずみ、チャンネルセパレーションのいずれも「PLENUE S」とほぼ互角。S/N比にいたってはわずかに上回っているほどだ。

さらにオーディオチップ内蔵のデジタルフィルタ機能により、音色を細かく調整できるのも新しいところ。6種類の中から自分の好みの音色を選べるが、セッティングが細かすぎて高性能なイヤホンやヘッドホンではないと違いを聞き分けるのも難しいレベルだ。腰を据えてじっくり楽しみたい向けの機能だろう。また、これに加えて、音響効果を変えるCOWON独自のイコライザー機能「JetEffect 7」も引き続き搭載されている。音質はのちほどレビューするが、1音1音をハッキリと感じられる粒立ちのいい音になっている。

デジタルフィルタは、ナチュラルトーンの「Supler Slow Roll-off」、アコースティックトーンの「Short Delay Slow Roll-off」、トラディショナルトーンの「Slow Roll-off」、ハーモニックサウンドの「Low dispertion」、アコースティックサウンド「Short Delay Sharp Roll-off」、トラディショナルサウンドの「Sharp Roll-off」の6種類が用意されている

再生対応ファイルは、DXD、DSD(DFF,DSF)、FLAC、WAV、AIFF、ALAC、APE、MP3、WMA、OGGなど。最大384kHz/32bitまでのリニアPCM(ネイティブは192kHz/24bitまで。352.8kHzと384kHzは1/2サンプリング)に加えて、5.6MHzまでのDSD(DSD 64、DSD 128)に対応。DSDはデータをそのまま転送しオーディオ信号に変換することで原音に近づけるという「Native TX DSD」方式を採用した。

※訂正:初掲時に「22.4MHzまでのDSDに対応」という記載がありましたが、正しくは「5.6MHzまでのDSD(DSD 64、DSD 128)」でした。お詫びして訂正いたします(2017年4月17日)。

ハイエンドプレーヤーながら200gを切る軽さ

ハイエンド機器に採用されるオーディオチップ「AK4497EQ」は、チップ自体も大きめだ。そのため、プレーヤー自体のサイズも大きくなりそうだが、実物はいたってコンパクト。本体サイズは、67.9(幅)×116.7(高さ)×16.5(奥行)mmで、デュアルチップ構成の「PLENUE S」の本体サイズ64.5(幅)×118.9(高さ)×17.8(奥行)mmと比較しても、ほとんど変わらない。重量については192gと、「PLENUE S」の204gからさらに軽量化されている。スペックや価格帯も近い他社のライバル機と比べても軽いほうだ。しかも軽くなってはいるが、高強度のメタルボディにヤワさは感じられない。

身長152cmの小柄な女性が持ってみても手に収まるサイズ。ただ、片手で操作するにはちょっと大きいサイズかもしれない

インターフェイスについては、タッチ操作対応の3.7型(480×800ドット)有機ELパネルのほかに、物理キーやホイールを搭載。特に本体右上部にある「デュアルコントロールホイール」が特徴で、右側はボリューム調整(140段階、0.5dB単位)、左側はユーザーが設定可能なマルチホイールとなる。このマルチホイールには、選曲操作やデジタルフィルタ変更機能を割り当てでき、素早く操作できるのがうれしいところ。しかし、このホイールがあるためか、ヘッドホン出力は本体下部に設けられており、ポケットに入れて聴くときに収まりが悪いという面もある。

本体右上部に搭載されたデュアルコントロールホイール。右側はボリューム調整、左側はマルチホイール。付け根にはLEDが仕込まれており、充電中はボリュームホイールが赤色に、操作中のときはマルチホイールが白色に点灯する。ちなみに、個体差かもしれないが、タッチ操作していると、ホイールが揺れて干渉しコツンコツンとした感じがある

本体の左側面には、上から順に、電源ボタン、選曲ボタン(前曲、再生/一時停止、次曲)の物理ボタンが用意されている。マルチホイールに選曲操作を割り当てなくても、こちらからもダイレクトに選曲を行える

ヘッドホン出力は、3.5mmのステレオミニアンバランス端子(光同軸出力兼用)に加えて、2.5mm4極バランス端子も搭載している。PCとの接続はUSB 2.0(micro USBポート)。ストレージは、内蔵メモリーが128GBで、このほかにmicroSDカードスロットを1基備えており、最大256GBまでのmicroSD/SDHC/SDXCカードが使用できる。

下部のインターフェイスは、左からmicro USBポート、2.5mm4極バランス出力端子、3.5mmステレオミニ出力端子となる。Texas Instrumentsの高性能オーディオアンプ「SoundPlus」を備えている

本体背面は見た目にもこだわっている

本体背面は見た目にもこだわっている

ハイレゾ音源の繊細さや密度のある空気感を楽しめるサウンド

ではまず音を聴いてみよう。はじめにシングルエンド駆動で聴いてみた。使用したイヤホンは1964EARSの6ドライバー搭載のカスタムインイヤーモニター「V6 Stage」で、音源には、ハイレゾ音源(DSD 5.6MHz、192kHz/24bit、96kHz/32bit、48kHz/24bit)を中心に、CD音源も使用した。

サウンドの質としては、カタログスペックどおりのS/Nの高い、解像感の高さが特徴的。音の立ち上がりから余韻までていねいかつシャープに出ており、楽器の質感がよく感じられる。上原ひろみの「Alive」(96kHz/24bit)を聴いたときには、打鍵力のある速くてキレのあるピアノの音や、音色のきれいさが際立った。また、ディテールが甘くなりがちなクラッシュシンバルやハイハットシンバルの音も、ゴチャッとすることなくそれぞれの音がしっかり感じられる。続いて、ノラ・ジョーンズの「Cold Cold Heart」(192kHz/24bit)を聴いてみたが、ボーカルは自然で明るくたっぷりとした量感がある。距離感も近すぎず遠すぎといった感じでちょうどよい。少し気になったのはウッドベースの低い音が、やや控えめな気がすること。全体的なパワー感はやや弱いという印象だ。

次はバランス駆動のサウンドを聴いてみた。こちらではシングルエンドより締りのある低音に変わり、スピード感も高まったように思う。TOTOの「I Will Rember」(CD音源)では、冒頭の重厚なドラムソロをノリよく楽しめた。また、包み込まれるような音の表現が特徴的なシェリル・ノーム starring May'nの「ダイアモンドクレバス」では、広い空間に音が広がっていく様子をしっかり感じとれた。

素の音では「PLENUE S」よりパワー感は劣る印象がある「PLENUE 2」だが、S/Nのよさや解像度の高さはほぼ互角。「PLENUE 2」では、「PLENUE S」と同様、高品位なイコライザー機能「Jeteffect 7」が搭載されているため、このイコライザーを使って弱いところを補えば、ある程度サウンドクオリティを近づけることもできそうだ。

まとめ

「PLENUE 2」は、COWONの最上位ポータブルオーディオプレーヤーではないものの、シングルチップ構成の最上位モデルと言える仕上がりになっている。サウンドに関しては、中低音に少し不足感はあるものの、S/Nのよさや解像度の高さは「PLENUE S」に匹敵する性能を持っているのは確かだ。また、マルチホイールといった新しいギミックを搭載し、使い勝手にも進化が見られる。実売価格は約15万円と高価だが、ハイレゾ音源の繊細さや空気の密度感をここまでよく感じられるのは大きな魅力だ。ポータブルプレーヤーでAKM「AK4497EQ」の音を体験できるのは現時点では本機種だけなので、買う買わないは別として一度店頭などで、試聴してみてはいかがだろうか。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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2017.10.11 更新
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