レビュー
さまざまなタイプのイヤホンでテストしてみました!

ベストな組み合わせはどれ?Shure「RMCE-BT2」と他社製イヤホンとの相性を調べてみた

Shureの大人気Bluetoothリケーブル「RMCE-BT2」。発売から品薄状態が続いている。確実に手に入れたいのであれば、お店で予約することをお勧めする

この冬発売されたShureのBluetoothリケーブル「RMCE-BT2」は、MMCX端子による着脱式ケーブル採用のShure製イヤホン全モデルに対応する交換ケーブルだ。これまでにもShureはBluetoothリケーブル「RMCE-BT1」を発売しており、このケーブルとのセットモデルなどもラインアップされている。その「RMCE-BT1」に対して、「RMCE-BT2」は上位モデルに位置しており、「SE535」「SE846」などのハイエンドモデルでも実力を最大限発揮できるよう、Shure独自設計となる高性能ヘッドホンアンプを搭載。同時にaptX HDコーデックにも対応するなど、音質に関してはかなりのこだわりが投入されている。

また、高音質化による消費電力の増加に対応するため、「RMCE-BT2」には大型バッテリーが搭載されている。これにより、連続再生時間が最大10時間となり「RMCE-BT1」を越えるスペックを手に入れることとなった。

そういった充実した内容を持つこともあってか、「RMCE-BT2」は10月末の発売以来大いに人気を集め、12月中旬の現在も入手が厳しい状況が続いているようだ。Bluetoothリケーブル製品としては、格別の注目株といえるだろう。

ちなみに、筆者はここ2か月ほどで「RMCE-BT2」をいろいろなShure製品と組み合わせて聴かせてもらったが、ベストな組み合わせはメーカーサイドの言うとおり「SE535」と「SE846」の2機種だった。なかでも「SE846」との相性がよく、「RMCE-BT1」に対して格段にクオリティアップし、有線ケーブルの印象にあまり遜色を感じない良質なサウンドを楽しませてくれた。いっぽうで、「SE215」との組み合わせでは解像感こそ高まるもののそこまで顕著な違いは見られず、やはり「SE535」と「SE846」をメインターゲットとした製品なんだなと感じた次第だ。

メーカーサイドの言う通り、「RMCE-BT2」と「SE846」の組み合わせはかなりよかった

メーカーサイドの言う通り、「RMCE-BT2」と「SE846」の組み合わせはかなりよかった

そこで気になるのが、他社製イヤホンと組み合わせると、どんな音になるのだろう、ということだ。メーカーは保証していないが、MMCX端子は数多くのメーカーが着脱式ケーブルに採用しており、汎用性は高い。もちろん、コネクター外周のデザインなどにより、装着できるできないはあるし、音色傾向としても合う合わないがありそう。ということで、手元にあるMMCX端子採用のイヤホンに「RMCE-BT2」を接続し、どんな音を聴かせてくれるのかテストを行った。

最初に試してみたのは、AKG「N40」だ。こちら、コンパクトなサイズの筐体に中高音域用BA型ドライバーを1基、低音域用8mm口径ダイナミック型ドライバー1基を搭載するハイブリッド構成をもつカナル型イヤホン。3種類のメカニカル・チューニング・フィルターで音質の調整が可能など、フラッグシップモデルの技術が投入されているのが特徴だ。こちらに「RMCE-BT2」を装着し、Astell&Kern「KANN」とaptX HDコーデックで接続。ポップスやロックのハイレゾ音源をメインに、さまざまな楽曲を試聴した。

なかなかよい相性だ。スネアの音がやや軽い印象もあるが、スピード感があってメリハリのハッキリした、「N40」らしいストレートな表現のサウンドが楽しめる。女性ボーカルも本の気持ちハスキーではあるが、ニュートラルで自然な歌声に感じられる。有線ケーブルと聴き比べるとやや声の厚みに変化が感じられるが、違和感はない。この組み合わせはオススメだ。

AKG「N40」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。「N40」らしいストレートな表現のサウンドを楽しめた

AKG「N40」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。「N40」らしいストレートな表現のサウンドを楽しめた

続いて、Westone「W80」との組み合わせを試してみる。こちらは、BA型ドライバーを6基搭載するWestoneのフラッグシップモデルで、端正で緻密なサウンドが特徴の製品だ。

しかし「RMCE-BT2」を組み合わせてみると、普段より幾分勢いのある、パワフルなサウンドが再生された。歌声の細やかな表現までしっかり伝わる自然な音色のサウンドはそのままなのだが、幾分温度感が増したかのような、熱気あるサウンドだ。また、中域に厚みがあって音の広がりもスムーズだが、ややフォーカスがにじんでいるようにも思える。ただし、この圧倒的な押し出し感とパワフルさを持ち合わせているので、これはこれで悪くない。好みが分かれるかもしれないが、悪くない組み合わせだ。

Westone「W80」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。有線接続時とサウンド傾向が若干変わるが、これはこれで悪くない

さて、ダイナミック型ドライバー搭載モデルとの相性はいかがなものだろう。ということで、まずはJVCケンウッド「SOLIDEGE HA-FD01」を試してみた。

普段のメリハリのしっかりした深みのあるサウンドから、ややライトな表現の、爽やかさを感じるサウンドキャラクターに変化する。女性ボーカルはややファニーな、可愛らしい印象の歌声になる。とはいえ、音に雑味を感じることもなく解像感もしっかり確保されているので、満足感は充分。屋外や電車内などで、半分BGMとして楽しむのだったら充分イケる。

とはいえ、「HA-FD01」には純正Bluetoothケーブル「SU-ARX01BT」がラインアップされており、こちらとの相性がよいため迷うところ。ケーブルタイプがいい、aptX HDの良音質は捨てがたい、という人は「RMCE-BT2」を選ぶのがよさそうだ。

JVCケンウッド「SOLIDEGE HA-FD01」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。有線接続時よりもややライトな表現になった

JVCケンウッドのウッドドームシリーズとの相性も気になったので、少し以前の製品だが「HA-FX1100」も試してみた。こちらとの組み合わせは、ややウォーミーなサウンドになる。決して悪くないまとまりのバランスだが、好みは分かれそうだ。

JVCケンウッド「HA-FX1100」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。ややウォーミーなサウンドになり、好みが分かれそう

JVCケンウッド「HA-FX1100」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。ややウォーミーなサウンドになり、好みが分かれそう

同じくダイナミック型のAZLA「HORIZON」を試してみる。何気なく引っ張り出してきたのだが、いやはや、これがなかなか。本来の丁寧さとメリハリのよさを合わせる生き生きとしたサウンドが、「RMCE-BT2」でも存分に楽しめるのだ。AKG「N40」に次ぐ、相性のよさかもしれない。

AZLA「HORIZON」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。生き生きとしたサウンドが魅力的だ

AZLA「HORIZON」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。生き生きとしたサウンドが魅力的だ

最後に、手持ちのカスタムIEMもいくつか試してみた。とはいっても、MMCX端子を採用するカスタムIEMはそれほど多くないため、メーカーはWestoneやJustear、オンキヨー、くみたてLabなど、思ったよりもメーカーは限られてしまう。

まず、Westone数モデルを試した見たところ、「ES60」との相性がよかった。高域が強めになるが、パワフルなサウンドが楽しめる。「ES80」では逆に大人しい柔らかなサウンドとなった。Justearとの組み合わせはやや個性がぶつかり合った印象だ。低域がやや大味なのは、ダイナミック型ドライバーがコントロールし切れていない結果だろうか。全体的に、雑な音になってしまっている。

Westone「ES60」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。高域が強めになるが、「ES60」らしいパワフルなサウンドが楽しめた

抜群の相性だったのが、次に聴いたオンキヨーだ。特に2BAドライバー構成の「IE-C2」は、音色がとても自然なうえ、キレのあるメリハリのよい抑揚表現を持ち合わせているので、聴いていてとても楽しい。下手なハイレゾ対応DAPを組み合わせるより、「RMCE-BT2」で聴くほうが楽しいかもしれない。カスタムIEMのなかではベストな組み合わせだった。

オンキヨー「RMCE-BT2」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。今回組み合わせたカスタムIEMのなかではベストだった

オンキヨー「RMCE-BT2」と「RMCE-BT2」の組み合わせ。今回組み合わせたカスタムIEMのなかではベストだった

ちなみに、3BAドライバー構成の「IE-C3」との相性もなかなかで、ニュートラルな音色の良質なサウンドが楽しめた。くみたてLabのハイブリッドモデル「KL-REF」も、なかなか良好な相性だった。「KL-REF」らしい、素直で丁寧な音が楽しむことができた。

このように、「RMCE-BT2」はShure以外のイヤホンを組み合わせても、製品によって良好な相性を示す、イコール、本来の実力を十分に発揮してくれるものがいくつかあることを確認できた。もちろん、メーカーはShure製品以外の組み合わせを想定していないし、チェックもしていないので保証もないが、せっかく良質なaptX HD対応Bluetoothリケーブルがあるのだから、存分に楽しみたいところ。みなさんも、今回の記事を参考にしつつ、いろいろな組み合わせを試してみて欲しい。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
ご注意
  • Shure製イヤホン以外のイヤホンの取り付けはメーカー保証の対象外となります。他社製イヤホンの取り付けはあくまで自己責任のもとで実施してください。
関連記事
価格.comマガジン タイムセール
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る