「SXFI AMP」を使うにあたっては、まずGoogle Playから「SXFI APP」のアプリをダウンロード。メールとパスワードを登録してクリエイティブの「Super X-Fi アカウント」にサインアップする必要がある。アプリを立ち上げるとチュートリアルが流れて、スマホのカメラを使って自分の耳を登録する流れに進んでいく。
Android版の「SXFI APP」を入れてセットアップを開始
そう、アプリの流れに従うと、選択の余地なく、いきなりパーソナライゼーションに必要なヘッドマッピングの実行になるのだ。登録の際にはアプリの画面に耳を認識するための枠と型が表示されるので、そこにカメラを通して映した耳が重なるようにすると自動で認識して次のステップに進む。右耳、顔、左耳と認識させたら完了だ。
……と簡単なことのように説明してしまったが、もし「SXFI AMP」のパッケージを一人で開封したら、このヘッドマッピングの流れをクリアするのは非常に難しい。僕もスマホのインカメラを活用して耳元にかざして頑張ってみたが、上手くいかなかった。仕方なく家族にスマホを渡して枠の中に合わせて映してと頼んだら、あっさり認識して先に進めた。家族でも友人でも、誰かの手を借りて進めることを強く推奨したい。
スマホのカメラをかざして耳の形状を認識させる
ヘッドマッピングで顔の形も検出
ヘッドマッピングについては登録時のスマホの画面を見れば一目瞭然だが、両耳それぞれと顔の形状を3Dモデルとして認識。クラウドにアップロードすると三次元空間の音響マッピングをして、その結果をアプリに返してくれる。
人間を音の空間的な広がりや位置を知覚するためには、左右の耳へ音が伝達する音の差分を用いている。そのシミュレーションにはモデル化された頭部伝達関数が用いられ、標準的なモデルで音を生成するのがバーチャルサラウンド技術だ。だが、厳密には個人個人で顔の大きさも、耳の形も異なるし、左右の耳に届く音は、常にその顔や耳の形状の反射や回折の影響を受けている。その個人差をカメラ撮影で補おうというのが、ヘッドマッピングの発想という訳だ。
「SXFI APP」のアプリ内からクラウドを経由でヘッドマッピングが完了したら、スマホに「SXFI AMP」を接続するとプロファイルが読み込まれる。これで「SXFI APP」のパーソナライズは完了だ。
ヘッドマッピングしたデータはプロファイルとしてアプリ経由でクラウドに保存される仕組み
さらにUSB接続を経由して「SXFI AMP」にパーソナライズを反映させる
「SXFI AMP」には、もうひとつのパーソナライズ的な機能もある。それが、ヘッドホン・イヤホンモデルの選択だ。組み合わせるヘッドホン・イヤホンはSuper X-Fi認定ヘッドホンと書かれている製品が推奨で、クリエイティブ製のイヤホン・ヘッドホン10製品、E-MU製(現在はクリエイティブの傘下の音響機器メーカー)のイヤホン2製品がSuper X-Fi認証済み。それ以外にも、AKG、オーディオテクニカ、Bose、ゼンハイザー、Shure、ソニーなど、38機種のプリセットも用意されており、2019年1月時点で合計50機種が選択可能だ(リストはこちら)。
50機種のヘッドホン・イヤホンをプリセットに用意
ただ、各メーカー内で全機種が網羅されている訳ではないことには注意したい。僕も手持ちのイヤホン・ヘッドホンで試してみようとしたが、例えばShure「SE846」はプリセットにあるが「SE215」も「SE535」もなかったり、ソニーの「MDR-1000X」はあるが「MDR-1000XM3」はなかったりと意外と合わない。僕の手元で上手くリストにあったのがOPPOのヘッドホン「PM-3」と随分とマニアックなチョイスだ。なお、未対応でも“Unknown Headphone”と“Unknown In-Ear”が用意されており、それらを使ってSuper X-Fiを利用可能だ。
今回メインに試聴したのは推奨モデルでもあるSuper X-Fi認定ヘッドホン”の「AURVANA SE」
プリセットのあったOPPOのヘッドホン「PM-3」
Unknown In-Earの設定で利用したのはShure「SE535」
試しにヘッドホンのプリセットをいろいろと変えてみると、音空間のエフェクト、帯域バランスと機種毎のカスタマイズ内容も大きい。ただし、この機種毎の最適化はあくまでSuper X-Fi技術のサラウンドのためのもので、ボタンでSuper X-FiをOFFにするとヘッドホン毎のチューニングもデフォルトに戻るようだ。