2017年の登場から一気にメジャー化の進んだウェアラブルネックスピーカー。ソニー、Bose、JBLと先行した3社は振動する機構も含めて200g以上と本格志向を打ち出していた。そんななか、シャープからウェアラブルネックスピーカーとして「AQUOSサウンドパートナー AN-SS1」、そしてJVCから「NAGRAKU SP-A10BT」が昨年11月に発売され、小型・軽量の第二世代モデルを形成。価格も第一世代の2万円以上から下がり、2019年4月下旬時点の価格.com最安値では12,000円を割り込む。
小型・軽量化とともに手に取りやすい価格となった第二世代のウェアラブルネックスピーカー。どちらを購入すればよいのか、実機を用意して比較検証を試みた。
さあ、本気でレビューしようと僕の自宅に届いたシャープの「AN-SS1」、JVCの「SP-A10BT」がこちら。
シャープの「AN-SS1」とJVCの「SP-A10BT」。いずれも4月下旬時点の価格.com最安値は12,000円円以下だ
早速シャープの「AN-SS1」、JVCの「SP-A10BT」と2製品のパッケージを開き、撮影をしながら開封していて、あれっ?と気付いてしまった。外箱を開けて製品が現れたクッション、そして付属品の収まり方まで似ているぞ、と。むしろ、ウェアラブルネックスピーカーの製品だけ取り出して入れ替えてもキレイに収まるほどコンパチブルだ。
そしてパッケージの収まりまでもソックリな2製品
まさかと思いつつ、シャープの「AN-SS1」、JVCの「SP-A10BT」を並べて、ウェアラブルネックスピーカーの各部を撮影してみる。
上から並べてみると本体の形状はソックリ
JVCではロゴマークの入る右側
スピーカーユニットが配置された内側にはシャープは「PREMIUM SOUND」の文字
シャープはネックバンドの背の部分にロゴマークも入る
音量操作と振動機能のON/OFFをするジョグ部分
左側の再生/停止ボタン部にはシャープ、JVCとも製品名が入る
メーカーが違うのでロゴやカラーリングは異なるのだが、これは似すぎている。
もちろん、外見だけで判断してよいものではないので、両機種ともある程度まで実機検証も行った。だが、操作時の英語のガイド音声も、はたまたLEDの色や光り方のパターンも同じ。ボタンアサインもまったく同じ。電子はかりで測った重量も0.01gの精度で一致した。もしかしたらサウンドチューニングだけでも違うのでは? と時間をかけて聴き比べてみてもiPhoneの試聴では有意な差はなかった。ただスペック面ではJVC「SP-A10BT」のみapt-XによるBluetoothコーデックに対応している。
比較レビューとはいえ、ごく一部のスペックを除き同一ハードウェアのものを比較するのは非合理だ。僕の認識として2機種の中身は同一で同じOEM元のもので、製品仕様に応じて若干のカスタムをしているのだろう。
ただし、パッケージングには決定的な違いがある。シャープ「AN-SS1」はテレビと接続するためのBluetooth送信機を同梱しているのに対して、JVC「SP-A10BT」には同梱していない。いっぽう、JVC「SP-A10BT」はBluetooth接続の際にクアルコム社のaptXコーデックに対応している。シャープがテレビ接続用に低遅延のFastStream(これもクアルコム社のコーデック)を採用したことのトレードオフとして手に入れたということだろう。
JVCが充電用USBケーブルのみ同梱に対して、シャープはBluetooth送信機とその付属ケーブルも同梱
付属の説明書は、JVCは大きく開ける1枚の冊子に対してシャープは平綴じの小冊子
シャープ「AN-SS1」単体のレビューはすでに価格.comマガジンでも行われているが、そもそもこれら2製品は買いなのか? という視点から、僕なりに改めてシャープ「AN-SS1」、JVC「SP-A10BT」の合同レビューをお届けしよう。