なお、シャープ「AN-SS1」もJVC「SP-A10BT」も、どちらもホームページの利用シーンとして音楽での利用を紹介しているので実際に試してみた。ポケットのスマホから米津玄師の「Lemon」を流して黄昏れながら街を歩くというシチェーションだ。
スマホと一緒に持ち出すだけなので技術的なハードルはまったくナシ。ただし、“ながら聴き”は、音を漏らさないものではなく、周囲に音は丸聴こえなので、周囲からの注目度も抜群になる。野外では環境音もあるので最低の音量1段階目では自分一人でも聴き取りづらいし、2段階目の時点ですれ違う人には音楽が聴こえてしまう。
製品ページにある通り、屋外で散歩しながら音楽を聴いてみた
ではその実用性はどうか? というと、検証と撮影に協力してもらった家族の言葉を借りると「たまに、外でラジオを爆音で流しながら歩いてるおじさんって居るよね……ああいう人みたい」とのことだ。確かにウェアラブルネックスピーカーなら両手も自由もなるし、爆音ラジオおじさんのリスニングスタイルもより洗練されたものに出来そうだ。
いずれにせよ、屋外という利用シーンでは、僕のような小心者が周囲に聴こえていないか気にしつつコソコソ使うアイテムではないと断言したい。素人目線では、黄昏れる感じよりも、爆音ラジオおじさんのように受け止められてしまうのも盲点だった。やはり、堂々と“俺は音楽(ラジオ)を流しながら活動しているんだぜ!!”と振る舞える、強い自己を持った人こそ活用できるアイテムということだろう。
小型・軽量のウェアラブルスピーカーとしてライバル機にあたるシャープ「AN-SS1」vsJVC「SP-A10BT」、どちらを買うべきか。冒頭でも説明してしまった通り、ライバルかと思ったら兄弟機だったので、迷ってしまう人も多いと思う。
ただ数少ない差分で考えるなら、JVC「SP-A10BT」はapt-Xコーデック対応なので、Androidスマホ対応ならJVCが優位。いっぽう、テレビ接続を考えているならBluetotoh送信機を同梱するシャープ「AN-SS1」を選ぶべきだろう。
お得感でいうと実売価格次第だが、4月下旬時点でシャープ「AN-SS1」とJVC「SP-A10BT」の差額は小さいので、iPhoneユーザーなら付属品分だけシャープ「AN-SS1」を選んだ方が得。あとはシャープだとブラック、ホワイト、ブルー、新色としてローズゴールド(今回のレビューで使用)とミントグリーンと合計5色のカラバリ、JVCはブラックとホワイトというスタンダードな2色のみという所も判断基準となりそうだ。
小型・軽量のウェアラブルスピーカーという製品カテゴリは僕自身とてもコスパの高い製品カテゴリだと思うので、興味を持った人はシャープ「AN-SS1」、JVC「SP-A10BT」どちらでも手にとってみてほしい。