「Bose Noise Cancelling Headphones 700」のノイズキャンセリングは、合計8マイクを使用する。8つのうち音楽リスニングのノイズキャンセリングに用いるのは6マイクで、片側にフィードフォワード×2、フィードバック×1を用いる仕組みだ。「QC35 II」は片側2基の4マイク仕様だったことを考えると、作り込みは規格外だ。
さっそく、「Bose Noise Cancelling Headphones 700」と比較対象の「QC35 II」を持ち出して、電車の中でノイズキャンセリング効果をチェックしてみた。
電車内に「Bose Noise Cancelling Headphones 700」を持ち出してノイズキャンセリングを検証
まずは「QC35 II」で騒音低減を試してみると、電車の走行音にともなう振動のような重低音の騒音低減効果は、今体験してもハイレベル。不快な低音は聴こえることがなくなり、レールと電車が軋みを上げる甲高い音のみが響くようになる。ただし、ノイズキャンセリングの副作用である、吸い込まれるような違和感も強めに出る。
前機種の「QC35 II」のノイズキャンセリングを検証
※お詫びと訂正:記事初出時に誤った装着方法の写真を掲載しておりました。お詫びし訂正いたします。[2019年10月25日16時]
続いて「Bose Noise Cancelling Headphones 700」を試してみると、やはり電車の騒音軽減は素晴らしく、中〜低域の騒音はほとんど気にならなくなる。いっぽう、甲高い金属音や車内アナウンスなどは「QC35 II」より少し抑えられるようになったところが、騒音低減としての性能向上のポイントだろう。
「Bose Noise Cancelling Headphones 700」の騒音低減もテスト
「Bose Noise Cancelling Headphones 700」にしかないよさが“違和感のなさ”。「QC35 II」にはノイズキャンセリングの副作用である吸い込まれる感覚が強めに出ていたが、「Bose Noise Cancelling Headphones 700」ではそのストレスがない。常にノイズキャンセリングONの状態で身に付けていられるので、普段使いするヘッドホンとしての実用度アップの幅は大きい。
「Bose Noise Cancelling Headphones 700」はノイズキャンセリングの副作用がなく街中で普段使いできる
ちなみに、「Bose Noise Cancelling Headphones 700」のノイズキャンセリング効果は「Bose Music」アプリから0〜10で調整可能だ。調整の際にはアプリから選択するとノイズキャンセリングの強さをボイスで読み上げてくれる。なお、言語を日本語にしておくと“1”なら日本語で“イチ”、“5”なら“ゴ”と日本語化の徹底ぶりも素晴らしい。
「Bose Music」からノイズキャンセリングを操作
実際にアプリの強さを操作してみると、1-10の中間の設定は概ね数字通りのイメージでノイズキャンセリング効果が弱くなる。標準が10なので、5まで下げると電車の走行音カット効果も半分程度になって中音量で騒音が残るし、10では完全に消えていたエアコンの騒音も聴こえる。8ではノイズキャンセリング効果がわずかに弱まる、1では少しだけ騒音を低減する程度。この設定値は外音取り込みバランスではないので騒音低減を求めるなら常に10を推奨したい。
ただし、ノイズキャンセリング10の設定では人の声も多少抑えるので(あくまで、人の声の通りが悪くなる程度)、騒音は低減しつつ人の声はある程度聴こえるようにしておきたい、というケースが中間設定の活用ポイントだ。
また、0の設定はノイズキャンセリングではなく、周囲の音を聴く外音取り込みの設定に当たる。0の設定では音楽を流しつつ外の音もクリアに聴けたので、街中では0の設定をメインにすると安全と周囲の配慮を確保しつつ音楽に浸れる。
これらのノイズキャンセリングの設定値は「Bose Music」から3つお気に入りに登録でき(デフォルトは10、5、0がアサイン)、ヘッドホン左のボタンから切り替え可能。なお、ヘッドホン左のボタンは長押しすると音楽を止めて外の音を聴く会話モードも利用できる。
アプリからノイズキャンセリングの強さをお気に入りに登録できる
登録後はボタンからワンタッチで呼び出し可能だ