特別企画
DAC内蔵ヘッドホンアンプとスピーカーではじめる

3万円で格段によくなるテレワーク時代のノートパソコン“音”環境

接続機器をグレードアップし、さらなる高音質環境を目指す

JBL「104BT-Y3」とiBasso Audio「DC02」を使った環境構築はいったん完成したが、しかしながら、一度完成すると、その先に進みたくなると言うのが人情というものだ。さらなる音質アップを目指し、まずはiBasso「DC02」をちゃんとしたライン出力を持つDAC内蔵ヘッドホンアンプに交換してみようと考えた。

いろいろな製品を探し、最終的にチョイスしたのがiFi audioの「ZEN DAC」だ。こちら、パソコンやスマートフォンと接続することで、ヘッドホン、イヤホンでさらなる良質なサウンドが楽しめるデスクトップ用製品なのだが、選んだのには理由がある。それは、この製品が4.4mm5極端子のバランス出力を持ち合わせていることだ。

さらなる高音質を目指すため、DAC内蔵ヘッドホンアンプをiFi audio「ZEN DAC」に変更してみた

さらなる高音質を目指すため、DAC内蔵ヘッドホンアンプをiFi audio「ZEN DAC」に変更してみた

「104BT-Y3」との接続には、「ZEN DAC」の4.4mm5極バランス出力を活用した

「104BT-Y3」との接続には、「ZEN DAC」の4.4mm5極バランス出力を活用した

先にも触れたが、「104BT-Y3」はフォーン入力、プロ用機器で利用されているグラウンド含む3極プラグ入力が用意されている。「ZEN DAC」は、変換ケーブルを用意する必要があるものの、こちらと接続することで、さらなる実力を発揮してくれるのだ。

実はこのフォーン端子、数10mという長いケーブルを利用すると発生しがちなノイズを回避のために利用されているもので、音質にはさほど影響はないともいわれている。しかしながら、機器によってはフォーン端子のほうが良質なサウンドになることもまれにあるため(もちろん逆の場合もある)「104BT-Y3」でも試してみたところ、オールミックスの場合では、RCAよりもフォーン入力のほうが音質的に多少有利に感じられた。これは、積極的に活用する必要があると、この「ZEN DAC」を組み合わせることとなったのだ。

結果としては、「DC02」に対してもかなりのグレードアップ、なかなか良質なサウンドを聴かせてくれるようになった。人の声については「DC02」でも十分だが、よく音楽を聴くのであれば「ZEN DAC」のほうが断然有利だ。

iFi「ZEN DAC」はUSBバスパワーで動作する製品だが、ACアダプター入力も用意されており、こちらを利用することも可能。iFi「iPower」を利用すれば、さらなる音質改善も見込める

ただし、ひとつだけ問題がある。それは、4.4mm−TRS(3極)フォーンの変換ケーブルがほとんど存在していないことだ。4.4mm5極−XLR、XLR−TRSフォーン変換プラグを利用すればいいのだが、変換を2つ使うのはさすがに考えさせられる。iFi audioの輸入元であるトップウイングに問い合わせてみたところ、現在ラインアップしている4.4mm5極→XLR変換ショートケーブル「White Barrel 4.4XLR」に加えて、4.4mm−TRSフォーン変換ケーブルも開発予定であるという(長さ/価格/発売時期未定)。

今回、1mほどの長さの試作ケーブルを借用して試聴してみたが、これがまたなかなかに良好で、パソコン内の楽曲を良質なサウンドで楽しむことができた。BGMとして楽しめるのはもちろん、本格PCオーディオとしての音質を十分に持ち合わせている。また、「104BT-Y3」のヘッドホン出力は必要最低限といえるレベルで、上級クラス・ヘッドホンとの組み合わせは荷が重かったりする。その点、「ZEN DAC」はイヤホンからヘッドホンまで、幅広い製品をいい感じに鳴らしてくれる懐の深さがある。本当、iFi audioはこういったハイコストパフォーマンス製品はとても得意だ。

4.4mm−TRSフォーン変換の試作ケーブル。今回はこちらを使って「104BT-Y3」と「ZEN DAC」を接続した

4.4mm−TRSフォーン変換の試作ケーブル。今回はこちらを使って「104BT-Y3」と「ZEN DAC」を接続した

ちなみに、「ZEN DAC」の実売価格は2万円前後なので、「104BT-Y3」を含めても4万円台半ば+ケーブル代の予算ですむ。ここまでの音が、5万円を大きく下まわる価格で実現できるのは驚きだし、大変うれしい話だ。

さらにもうひとつ、今回試してみたことがある。「104BT-Y3」のフォーン入力が好感触だったため、手持ちのDAP、Astell&Kern「KANN CUBE」とも組み合わせてみたのだ。「KANN CUBE」は、ミニXLR5ピンのバランス・ライン出力端子を持っていて、さらに別売りの純正XLR変換ケーブルも用意されている。こちらにXLR−TRS変換プラグを組み合わせてみたところ、これがまたすばらしかった。ライブ音源などを聴くと、会場の感動が伝わってくるかのよう。仕事そっちのけで、思わず音楽にのめり込みたくなる魅力的にサウンドだった。

Astell&Kern「KANN CUBE」とも組み合わせてみた

Astell&Kern「KANN CUBE」とも組み合わせてみた

「104BT-Y3」とは、Astell&Kern純正のXLR変換ケーブルとXLR−TRS変換プラグを組み合わせて接続

「104BT-Y3」とは、Astell&Kern純正のXLR変換ケーブルとXLR−TRS変換プラグを組み合わせて接続

「KANN CUBE」はそのものが高価なため、今回のほかとの組み合わせとは一緒に並べることはできないが、逆にいえば「104BT-Y3」が「KANN CUBE」ならではの音のよさをしっかりと感じさせてくれる良質さの確認にもなった。なかなか、マッチングのよい組み合わせだと思う。

まとめ

いろいろとこだわって最終的にできあがった環境がこちら

いろいろとこだわって最終的にできあがった環境がこちら

ここまで紹介してきたように、予算3万円あれば格段に良質なデスクトップ“音”環境が手に入り、Zoom会議なども圧倒的に楽になる。「104BT-Y3」にはオールミックスモードも付いてくるので、スマートフォンなどを接続してさらに便利な活用も可能だ。また、スピーカーを付けても音量を大きくできない、という人にも安心。実は、良質なスピーカーは解像感や抑揚のニュアンスが良質なため、小ボリュームでも人の声が聴き取りやすいのだ。

みなさんもぜひ、3万円、または4.5万円でストレスフリーな良音質環境を実現してみてはいかがだろうか。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

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