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周囲の音をどれだけしっかり聴けるかをチェック

ステイホームの強い味方! 音楽と周囲の音を両方聴ける“ながら聴き”できるイヤホン6機種を検証

ステイホームの強い味方! 音楽と周囲の音を両方聴ける“ながら聴き”できるイヤホン6機種を検証

ステイホームが続き、音楽やゲームといったエンタメ用途だけでなく、テレワークのビデオ会議にも活躍の幅を広げたイヤホン。周囲の音を遮断すれば自分の作業に集中できる……と思いきや、いざ一日中家にいると、イヤホンを装着した状態だと来客のインターホンに気づかなかったり、家族からの呼びかけに応えられなかったりと不便さもある。

そこでイヤホンを装着しならが周囲の音も聴ける“ながら聴き”に注目してみよう。以前は外でランニングする際に車の接近に気づきやすい……とスポーツ用途で語られることが多かったが、こうもステイホームが続くと周囲の人とコミュニケーションを図る上でも“ながら聴き”はやっぱり必要だなと思えてきた。そこで今回は、ながら聴き機能のあるイヤホン6製品の実用度をテストしてみた。

ながら聴き対応イヤホンの大多数派を占めるのが、機能として外音取り込み(アンビエントサウンドとも呼ぶ)のあるモデル。今回は完全ワイヤレスイヤホンの定番モデルからアップル「AirPods Pro」、BOSE「QuietComfort Earbuds」、ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 2」、AVIOT「TE-D01m」の4機種を用意した。

もう一派のながら聴き対応イヤホンが、耳を完全に塞がらない構造で自然と周囲の音が聴こえるイヤホン。音導管という特殊構造で音を伝えるソニー「SBH82D」、そしてサムスンの完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds Live」も耳を塞がず周囲の音を取り込む構造を特徴としている。

検証は各機種2パターンで実施。ひとつは「テレワークのビデオ会議用にイヤホン付けっぱなし」を想定した、無音状態で周囲をどれだけしっかり聴こえるかというもの。もうひとつは「スマホで音楽を聴いている」という状態で検証。音楽再生中は、アップル「AirPods Pro」でiPhoneの音量5の状態(他機種も聴感上で揃えている)で周囲の音を聴いて、インターホンとテレビ音声の気付きやすさ、判別しやすさを、両検証共通の基準の10点満点で評価している。

1. アップル「AirPods Pro」

ながら聴き対応の完全ワイヤレスの代表的なモデルが「AirPods Pro」だ。イヤホン形状は無印の「AirPods」と異なり、イヤーチップによるカナル型。ノイズキャンセリング性能とともに独自のH1チップによる自然な外音取り込みモードにも対応している。モード切り替えはスティック部分の長押しで可能だ。

無音状態 9点

発売時から評判のいい「AirPods Pro」の外音取り込み機能だが、音の強弱含めてほとんど周囲の音と変わらず、会話も問題なく可能だ。ただ細かな注文をつけるなら、人の声など中高域の聴こえ方は、イヤホンを外している状態より「AirPods Pro」装着中のほうがわずかに強め。それでも音は十分自然だし、装着したままの会話も全然問題ない。

音楽再生時 6点

音楽再生中でも周囲で音の存在は気付くし、頭内定位で頭中心に聴こえる音と、外音取り込みの音との分離もしっかり出ている。インターホンや家族からの呼びかけもまず気付くが、いざ会話となると音楽と重なるとやや聴きづらい。集中すれば会話も可能ではあるが、実際には音楽を止めるかイヤホンを外すことを推奨したい。

2. BOSE「QuietComfort Earbuds」

昨年10月に発売されたBOSE「QuietComfort Earbuds」は、発売以来ノイズキャンセリング性能で高評判のモデル。製品の機能名称として外音取り込みはないが、11段階で調整可能なアクティブノイズキャンセリングを0の設定に近付けると騒音低減効果が小さくなり、実質的に外音取り込み状態になる。

無音状態 10点

とにかく装着して無音状態の聴こえ方が自然ですばらしく、イヤホンを付け外ししても、周囲の聴こえ方に違いがわからないほどで、会話もまったく問題なし。「QuietComfort Earbuds」自体、キツくフィットして圧迫感ある形状であることも考えると、この周囲の音の自然な聴こえ方は感動モノだ。

音楽再生時 6点

サウンドが中低域強めなので音楽と被ると聴きづらくなるが、インターホンや呼びかけは気付けるし、外の人の声も集中すれば判別できる。声を意識すれば装着したまま会話も不可能ではないが、パワフルなサウンドにやや負け気味。会話する際にはやはり音楽を止めるか、イヤホンを外すことになるだろう。

3. AVIOT「TE-D01m」

完全ワイヤレスイヤホンの中でも、外音取り込み機能の音質が自然なモデルとしてピックアップしたモデルがAVIOT「TE-D01m」。“マイルドノイキャン”という控えめなノイズキャンセリング機能とともに、アンビエントマイク機能を搭載している。

無音状態 8点

無音状態では周囲の音を高感度にクッキリ拾っていて、耳でそのまま聴くと微細音まで気になりやすい。音色にも変化があり、人の声や中域が妙にリアルに際立つようだ。インターホンの音などもクッキリと聴こえる。周囲の音を聴く機能としては十分実用的だ。

音楽再生時 6点

音楽と周囲の音は上手く空間的にセパレーションしていて、インターホンや呼びかけはしっかり気付ける。マイク感度が高めで人の声が強めに立つので、そのおかげもあって人の声の呼びかけにも対応しやすい。ただ、そのまま会話には少々聴きづらいので、やはり音楽を止めるかイヤホンを外すべきだろう。

4. ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 2」

完全ワイヤレスイヤホンの中でも、高価格帯でサウンドに定評のあるモデルがゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 2」だ。あくまで高音質メインモデルであるが、アクティブノイズキャンセリングにも対応するし、外音取り込み機能も備える。音楽リスニング用に買い揃えたイヤホンでどれだけながら聴きに対応できるか、という観点から今回検証してみた。

無音状態 7点

外音取り込みをオンにすると音を拾っているのだが、無音状態でイヤホンを付けていると低い音でザーというノイズが常に流れていて集中する目的では若干気になる。声の聴こえ方はダイレクトさが落ちるし、ファン音など騒音もやや聴こえ気味。話し声やインターホンは問題なく気付けるが、普段耳から聴く音とは少し違ったバランスに戸惑うかもしれない。

音楽再生時 4点

再生中の音楽は空間を満たす高音質で流すのに対して、外音取り込みによるマイクの音はやや弱め。音楽リスニング中でもインターホンの音もほぼ気付けるし、呼びかけやテレビ音声は気付くのだが、集中しても内容を正確に理解するのは難しい。人の声をマイクがクリアに拾わないので、音量を小さめにしても会話には不向きだ。

5. ソニー「SBH82D」

“オープンイヤースタイル”という独自の形状で周囲の音を聴けるワイヤレスイヤホンがソニー「SBH82D」。鼓膜に向けて音導管から音を放出する構造で、耳を塞がない音楽リスニングが可能。耳の下に掛ける形状となるスタイルも独特だ。

無音状態 10点

耳が完全にオープンな状態なので、デジタル処理も何もなく、そのままダイレクトに聴こえる。厳密にいうと耳から少し離れた形に音導管の先があるのだが、音を塞がないように穴が空いているので、周囲の音の聴こえ方にはまったく影響を与えていないようだ。

音楽再生時 8点

耳元で流れる音楽と外から聴こえる音が、自然な距離感で別々に耳に入ってくる。インターホンの音や呼びかけも周囲の音として混ざることもなく、人の知覚というものはやはり優秀だと改めて気付かされる。少し音量を下げれば音楽を流したまま会話も可能。耳を塞がない構造というところも、話しかける側も気楽かもしれない。

6. サムスン「Galaxy Buds Live」

耳にはめ込むような独特の形状の完全ワイヤレスイヤホンがサムスン「Galaxy Buds Live」。装着部にイヤーピースがなく密閉しないオープンイヤー型ながら、アクティブノイズキャンセルにも対応していることが特徴。機能として外音取り込みの機能は存在しないが、自然に周囲の音を聴けるオープンイヤー型構造をながら聴きイヤホンとして利用して検証している。

無音状態 9点

耳の上をそっとふさぐ形になる「Galaxy Buds Live」だけあって、周囲の音は基本的に聴こえてくるが、音の入り口である耳の穴に遮へい物があるため、ダイレクトさが失われた状態で聴く音になる。それでも会話にはまったく支障がないし、テレビもそのまま見られるくらいに周囲の音もしっかり聴ける。

音楽再生時 5点

周囲の音は感じられインターホンも会話の音も聴こえるが、「Galaxy Buds Live」は中低域の空間を音楽で埋めるようなエネルギッシュな響きがあるので、音楽が漏れ聴こえる周囲の音をマスクしてしまう。装着して音楽を流したまま会話には予想以上に不向きだった。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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