Bluetoothスピーカーは、スマホやPCとワイヤレスで接続して使える便利なアイテムです。手軽に使えるにもかかわらず、期待できる音質改善効果は劇的。多くのメーカーから価格や見た目のバリエーションに富んだ製品が発売されています。
ここでは、価格.comで人気のJBL製Bluetoothスピーカーを集め、実機をチェック。音質だけでなく、操作性やバッテリーの持ち時間(連続再生時間)、防水機能などの使いやすさを総合的に検証し、おすすめモデルを選出しました。
JBLのBluetoothスピーカーは外観や仕上げが統一されているため、各機種の差がわかりにくいかもしれません。検証でわかった「どこが違うの?」「どう選べばよいの?」という疑問に正面から答えます。
〈レビュー・監修〉AVライター 小岩井 博
カフェ店員、オーディオビジュアル・ガジェット関連媒体の編集・記者を経てライターとして活動。黒物・白物を問わず家電製品、身の回りの生活に役立つモノ、インテリアなど幅広いジャンルで執筆を行う。
【価格.comマガジンがおすすめする理由】
1.深みのある力強い重低音のサウンドを楽しめる
2.スマホなどを充電できるバッテリー機能が便利
3.カラーバリエーションが豊富で好みに合わせて選べる
【ただし、こんな人には向きません】
1.迫力より繊細な音質が好み
2.コンパクトなBluetoothスピーカーが欲しい

JBLのBluetoothスピーカーで、いま最もおすすめなのが「CHARGE 6」です。いちばんの魅力は、なんと言っても深みのある重低音。量感たっぷりでパンチ力もあり、聴き応え抜群です。さらに、この低音が全体を下支えすることで、自然な音の広がりも感じられるのがよいところ。音離れがよく、ハツラツとした再現性は、アップテンポな楽曲にマッチします。
「CHARGE 6」ならではと言える大きな特徴は、スマホやタブレットなどを充電(チャージ)できること。本体の再生時間は最大約24時間(省電力モードで最長28時間)と容量は十分なので、いざというときのスマホ充電などモバイルバッテリーとしても活用できます。
カラーバリエーションが非常に豊富であることもおすすめポイント。インテリアや好みに応じて選択できますし、IP68の防水・防じん性能に加えて高い耐衝撃性能も備えているので、風呂場やキッチン、アウトドアなど、場所を選ばずに使えます。
ただ、音質がパワフルな半面、中高域にわずかな歪みが感じられ、繊細な表現はやや苦手。迫力よりも繊細な表現力を求める人には不向きと言えます。
JBLはBluetoothスピーカーで世界的シェアを誇るブランド。その魅力は、まずパワフルな低音にあります。手のひらサイズのコンパクトモデルから、大人数のパーティーにも対応できる据え置きモデルまで、製品の大小を問わず迫力のあるサウンドを楽しめます。
最新機種では、音楽信号をAIがリアルタイムに解析してスピーカーの性能を最大限に引き出す技術を採用していることも特徴です。これにより、ポータビリティを保ちながらサイズ以上のパンチ力を感じさせる再現性を実現しています。
また、高い防水・防じん性能を備えているほか、複数台のBluetoothスピーカーを連携させて同時再生できるなど、アウトドア/パーティーシーンに適した仕様も数多く取り入れられています。
豊富なカラーバリエーションも魅力のひとつ。単色に加え、カモフラージュ柄のような個性的なデザインを展開し、カラーを統一したハンドストラップやカラビナといった便利な付属品も用意されています。
家の中でもエネルギッシュに音楽を楽しみたい人にも、アウトドアに音楽は欠かせない人にも、JBLのBluetoothスピーカーはおすすめです。
Bluetoothスピーカーとは、スマホやPCとBluetooth(無線)接続して、音楽を再生するアイテム。スマホ本体から音を出すよりも断然高音質を期待できるうえ、バッテリーを搭載しているため持ち運んで使える手軽さも魅力です。
多くの製品は防水(と防じん)機能を備えているため、お風呂やアウトドアでも利用したい人は防水性能に注目するとよいでしょう。

Bluetoothスピーカーのメリットは、手軽に高音質を持ち運べること。防水機能があれば浴室やキャンプなど、どこでも使えますよ。
Bluetoothスピーカーのメリットを確認したところで、まずは基本的なBluetoothスピーカーの選び方を解説します。
迫力のある低音を出すためには、どうしてもスピーカーの大きさが必要なもの。つまり、音質のよいものが欲しい場合は、それなりに大きなサイズの製品を選ぶ必要があります。あくまで目安ではありますが、価格のほかにも本体のサイズや重量を気にしてみるとよいでしょう。
本体が大きいと音質に有利ないっぽうで、携帯性は下がります。手のひらサイズとも言える製品は非常に便利ですが、低音の再現性は期待できません。
また、メーカーや製品にもよりますが、本体が大きければ大きめのバッテリーを搭載する余裕も生まれやすく、より長時間の再生に対応できる可能性もあります。

本体が大きいほど音質には有利ですが、当然持ち運びにくくなります。バランスがよいのは500mlペットボトルくらいのサイズ。オールラウンドに使いやすいと言えます。
Bluetoothスピーカーの音質の良し悪しは、基本的にはスピーカーの設計に依存しています。しかし、音質を決定づけるのはそれだけではなく、実は対応するコーデック(音声データの圧縮方式)にも影響されます。使っているスマホ(音楽の送信機)とBluetoothスピーカー(音楽の受信機)がどちらも音のよいコーデックに対応していれば、さらに高音質を期待できます。
「iPhone」と「Pixel」シリーズなどのAndroidスマホでは対応コーデックが異なるので、それぞれ見ていきましょう。
・「iPhone」(Apple製品)ユーザーは……
AACに対応しているかどうかをチェック
「iPhone」などのApple製品は、SBCとAACのコーデックに対応しているので、製品ごとに細かく確認する必要がありません。BluetoothスピーカーがAACに対応していれば、「iPhone」と最高の相性と言えます。
・Androidスマホユーザーは……
aptX以上のコーデックに対応しているかどうかをチェック
Androidスマホは、製品によって対応コーデックがバラバラ。まずは使っているスマホがaptX以上のコーデックに対応しているかどうかを確認してみましょう。もし対応しているようならば、Bluetoothスピーカーも同じコーデックに対応しているものを選ぶと、より高音質を期待できます。

コーデックとは、Bluetooth通信での音声データ圧縮方式のこと。利用するには、スマホ(やPC)とBluetoothスピーカー双方が同じコーデックに対応している必要があります。
防水機能が欲しい場合は、「IPX7」以上の等級の製品が安心です。誤って水中に落としても(沈めても)壊れる可能性が低いため、あらゆるシーンで使えるでしょう。シャワーや少しの雨に対応していればよい場合は、「IPX5」や「IPX6」でも十分と言えます。
なお、細かなチリの侵入を防ぐ、防じん性能もある製品は「IPX」の「X」部分に数字が入ります。やはり数字が大きいほど性能が高く、最大等級は6。「IP67」であれば水もチリも防ぐため、砂浜などでも安心して利用できるでしょう。
なお、ここで紹介した製品はすべてIPX6以上の防水性能を備えていますから、どれを選んでも防水機能の面では安心です。
製品によって連続再生可能な時間はさまざま。外に持ち出すことも想定するならば、1日中使っても安心な20時間以上使えるものを選ぶとよいでしょう。
いっぽう、あくまで固定した場所で使う想定であれば、あまり気にする必要はありません。こまめに充電するのであれば、急速充電に対応しているかどうかも確認するとよいでしょう。
ここからは、AVライター小岩井博さんが実際に聴いて、“これは買い!”とおすすめする製品を紹介します。
・〈基準1〉音質
低域から高域までの音がクリアーに聴こえるか、音が左右上下に自然に広がるか、離れて聴いた場合にも音質が変わらないか、過度な低音が高音をじゃましていないか、などを総合的にチェックしました。
・〈基準2〉使いやすさ
本体に操作ボタンがあるか、その操作がスムーズか、などをチェックしました。そのほかにアプリが用意されているか、独自機能があるかを加点要素として検討しています。
・〈基準3〉連続再生時間
公称の連続最大再生時間を確認しています。
・〈基準4〉携帯性
大きさと重さのほか、持ち運びやすさに配慮されているかどうかをチェックしました。
冒頭で「究極の」BluetoothスピーカーとしておすすめしたJBLの「CHARGE 6」は、その名前のとおりモバイルデバイス(スマホなど)をチャージ(充電)できる、モバイル用バッテリー機能が特徴です。
本体の再生時間も最大約24時間(省電力モードで最長28時間)と長寿命で、IP68の防水防じん性能と耐衝撃性能も備えるなど、パワフルかつタフに使える1台と言えます。
音質はパンチ力だけでなく深みもある低音が魅力であるいっぽう、繊細な音楽表現はやや苦手。この点には注意しましょう。また、指向性が強く、スピーカー正面から外れると音質が大きく変わるため、設置場所には少し工夫が必要です。
とにかくパワフルなサウンドを聴きたい、屋内外を問わず広い空間でも迫力ある音楽を楽しみたいといった人には、最有力候補となるBluetoothスピーカーでしょう。
・広がりのある音が印象的で、特に低域の出方に余裕がある
※2025年10月21日時点の、価格.com「CHARGE 6」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
JBL「FLIP 7」は、ロングセラーシリーズ「FLIP」の最新モデル。JBLならではのポータビリティを保ちつつ、スピーカーの音質をリアルタイムで最適化する「AI Sound Boost」機能を搭載するなど、音質にも注力されたスタンダードな1台です。
エネルギッシュで力強いサウンドが魅力的。本体の両端に搭載されたパッシブラジエーターで増強された低音は、量感こそ控えめですが、サイズ感を遥かに超える迫力があります。そんな低音に埋もれることなく高音も主張し、歪みのないクリアーな音質を実現しています。スピーカーから離れて聴くと低音やボーカルがやや強調される傾向がありますが、音量の上げすぎに気を付ければ快適に楽しめます。
本体に備えられたボタンで基本操作はスムーズ。「JBL Portable」アプリでは4つのプリセット+カスタム1種のイコライザー(音質調整機能)が利用できるほか、ノートパソコンなどとUSBケーブルでつなげば最大48kHz/24bit(ハイレゾ)の音声入力も可能です。豊富なカラーバリエーションから、好みのデザインを選べるのもうれしいポイントです。
連続再生時間は最大約14時間(節電モードで16時間)とやや短めですが、IP68の高い防水・防じん性能に加え、落下耐性まで備えているため、アウトドアでも安心して使えます。カラビナやストラップの付け替えが可能と、携帯性にも配慮されています。
・「低音のJBL」と思っていたけれど、「クリアーな音質」という印象
・耳がよくなったような錯覚すら感じる。楽器の音の違いをしっかり聴き取れた
※2025年10月21日時点の、価格.com「FLIP 7」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
JBLのBluetoothスピーカーのなかでも、ポータブルに特化したようなカラビナ一体化デザインが特徴の「CLIP 5」。カラーバリエーションが豊富なだけでなく、ロゴやカラビナ部もデザインが統一されており、アウトドアで映えるルックスも魅力的です。
そのサウンドは、低音から高音までシャープでクリアーなバランス型。特に低音にはパンチがあり、ロックやダンスミュージックとマッチします。サイズからは想像できないほどの広がり感が得られるのも本機のメリット。離れて聴いても音の印象が大きく変わらず、ある程度自由なリスニングポジションが取れます。ただし本体を自立させられず、基本は横置きかカラビナで吊しての使用となるため、設置環境によっては音がややぼやけるケースもあります。
小さくとも本体には操作ボタンが用意され、「JBL Portable」アプリに対応するなど、基本機能は必要十分。IP67対応の防水・防じん仕様で、風呂場などでも安心して使えるタフネス設計になっています。本体に一体化されたカラビナは開きやすく、キッチンのタオル掛けや、バックパックなどさまざまな場所に吊して使用できます。
ただし、連続再生時間は最大約12時間、節電モードでも最大約15時間と、スタミナはそこそこ。クイック充電には非対応なので、本機の機動力を生かすためにも、事前の充電は欠かさないようにしたいところです。
・大きさからは想像できない迫力のある音がする
・カラビナ構造が便利で、特にキャンプに持ち出すと最高
※2025年10月21日時点の、価格.com「CLIP 5」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
「GO 4」は、JBLのラインアップのなかでも特にコンパクトで携帯性にすぐれた製品。ストラップが付属しており、好きな場所に気軽に吊して使える点も魅力です。
置き方や設置場所による音の変化が少なく扱いやすい半面、音質はやや粗く、ボーカルと楽器の分離が甘いため、クリアーさに欠ける印象があります。サイズの割には低音が出ており、ボリュームを上げても破綻しにくいのは好印象。騒がしい場所でも一定の聴き取りやすさが確保されています。
2つの面に分けて配置された操作ボタンにより、本体だけでも基本的な操作が可能。「JBL Portable」アプリからイコライザー機能が利用できるなど、シンプルながら使い勝手がよい仕様になっています。
IP67の防じん・防水性能を備えているのはメリットですが、連続再生時間は最大約7時間(節電モードで最大9時間)と短め。クイック充電にも非対応なのは惜しいポイント。ちょっとした外出に持っていくなど、手軽さを重視したい人にちょうどよいモデルです。
・聴きやすい音質でどんなジャンルの音源でもそこそこに鳴らしてくれる
・このサイズにしては低音がよく出ている
※2025年10月21日時点の、価格.com「GO 4」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
本記事ではJBLのBluetoothスピーカーを紹介しましたが、ソニーやBoseなど、すぐれた製品をラインアップするメーカー多数存在します。他ブランドの製品が気になるならば、以下関連記事もぜひ参照ください。
Bluetoothのバージョンには互換性があり、4.0以降のバージョンであれば、違うバージョン同士でも接続ができます。ただし、最新のBluetooth 5.0以降では、省電力化と通信の安定性が向上しているため、なるべく新しいバージョンを選んだほうが安心です。
はい、基本的には問題ありません。
通常は約10m程度が目安です。Bluetooth 5.0対応機なら通信がより安定し、壁越しでもつながりやすい傾向があります。
タブレットやパソコンのほか、Bluetooth対応テレビやオーディオプレーヤーと接続して使用可能です。アナログ音声入力(AUX端子)付きモデルならば、有線でも接続できます。
マイクを内蔵したハンズフリー通話対応モデルならば可能です。リモート会議用のスピーカーフォン代わりに使える場合もあります。