レビュー
デスクトップに最適化されたハイレゾ対応システムの設置性&音質をチェック

“狭小書斎”でソニーの小型オーディオ「CAS-1」を使ってみた!

これ↓、筆者の自宅の書斎です。

モニターは27型。写真では見えていませんが、イスの横にタワー型のデスクトップPCがあります

モニターは27型。写真では見えていませんが、イスの横にタワー型のデスクトップPCがあります

狭さを自慢するわけではないのですが、狭さが伝わるでしょうか。書斎の幅はおよそ90cmで、奥行は180cmほど(設計図上のスペックは幅88×奥行174cm)。狭小住宅ならぬ「狭小書斎」と言っても差しつかえない狭さだと思います。リフォームの際に玄関脇に筆者用の書斎を新設したのですが、ワンルームマンションの狭い我が家では、これが限界のスペースでした……。好んで狭くしたわけではないのですが、ここにいると妙に気分が落ち着くのが不思議なところです(笑)。

この狭小書斎でもスピーカーで音楽を楽しみたいと思い、デスクトップオーディオ作りをあれこれと試しているのですが、機材選びやセッティングで難しいところがあり、なかなかこれ!といったものが見つかっていません。コンパクトなPCスピーカーを使ったり、無謀ながらUSB DAC&プリメイン経由で古いパッシブスピーカーを活用したり、としてきましたが、どうにも狭すぎる……。なかなか思うような音にたどりつかないのが現状です。

そこで今回目をつけたのが、小型スピーカーとUSB DAC搭載&Bluetooth対応ユニットがセットになった、ソニーのコンパクトオーディオ「CAS-1」。デスクトップオーディオでの利用に最適化したシステムで、そのよさはソニーの製品内覧会でも体験済み。前から気になっていた製品なのですが、実際に自宅の狭小書斎で試してみました。

※CAS-1の詳細特徴は、新製品レポート『デスクトップを“極めた”小型オーディオ、ソニー「CAS-1」が面白い!』をご覧ください。

これがCAS-1です。小型のブックシェルフ型2Wayスピーカーと、ハイレゾ対応のUSB DACや、「PHA-2」相当のヘッドホンアンプ、さらにはBluetooth/NFCまで搭載する多機能なメインユニットを組み合わせたセット品です。アナログ入力には非対応で、パソコンと接続して利用するのが前提のオーディオシステムになっています

設置してみた

筆者の狭い書斎で、何をどう設置していいのか困っているのがスピーカーです。机の上には27型相当の液晶モニターがあり、左右のスペースは20cmほどしかありません。机からモニターのベゼルまでの高さは25cm程度。幅20×高さ25cm程度のところにスピーカーを置かなければならず、選べる製品も限られてしまいます。ノートPCに代えることで机の上で使えるスペースは広がりますが、写真や動画の編集をすることが多いため、大きなモニターの利用は外せません。モニターの下にワンボックスタイプのスピーカーを置くのもいいとは思いますが、できれば、左右が独立したステレオスピーカーが欲しいと思っています。

スペースに制約の多い環境なわけですが、CAS-1を設置してみるとこうなりました。

CAS-1のスピーカーとメインユニットを設置してみました

CAS-1のスピーカーとメインユニットを設置してみました

どうでしょう? とてもすっきりと置けていると思います。メインユニットは縦置きに対応していて、そのサイズは約5.5(幅)×17.8(高さ)×21.0(奥行)cm。ちょうど辞書と同じようなサイズ感なので、モニターの下にうまく収まりました。また、スピーカー1本のサイズは約9.5(幅)×17.8(高さ)×17.2(奥行)cm。幅が10cm程度しかないので、狭いスペースでもスピーカーを内側に向けることもできます。スピーカーとメインユニットのセットシステムでここまでコンパクトなサイズ感が得られるのは魅力的です。

また、CAS-1は、ホワイトカラーが用意されているのも見逃せないポイントです。白い机とイス、けいそう土で仕上げた壁ともよくマッチしていると思います。

音を聴いてみた

続いて、狭小書斎で使ってみてのCAS-1の音質をレポートしたいと思います。

CAS-1の音の特徴は、定位感と響きのよさだと感じました。製品内覧会では心地よい響きを感じることができましたが、実際に使ってみて、ここまで高い定位感が得られるとは思いませんでした。スピーカーから1mもない距離での試聴になりますが、ニアフィールドで最適化された音質設計が徹底されているためでしょうか、ステレオスピーカーの醍醐味である定位感がよく、楽器やボーカルなどの音がリアルで実在感を強く感じます。そのうえで、全体的にノイズが少ないことと、豊かな低域が楽しめるのもポイントで、デスクトップオーディオながら、高級オーディオのような雰囲気のピュアな音を楽しめます。この感覚は、これまで試したPCスピーカーとは一味違ったもので、もの足りなさはありません。

こうしたCAS-1の音のよさは、「スピーカーの底」が重要な鍵をにぎっています。付属スピーカーは底のスパイクを差し替えられるようになっており、付属の仰角8度のものにすることでスピーカー面を上向きにできます。スピーカーからの距離が短い場合は、こうすることで、よりクリアな音が楽しめるのです。加えて、バスレスポートが底面にあるもの特徴。ウーハーに近い位置にすることでニアフィールドでも広がりのある低音再生を実現しているのです。あわせて、スピーカーの下に設置するための、付属のスチール板も重要なアイテムです。スチール板を挟まずに、木材の机の上に直接設置して比較してみましたが、板を使ったほうが響きがよくなり、低域の厚みも増しました。

スピーカーのスパイクは差し替えられます。また、バスレフポートは底にあります

スピーカーのスパイクは差し替えられます。また、バスレフポートは底にあります

高さのあるスパイクにして、スチール板を置くとこうなります

高さのあるスパイクに代えて、付属のスチール板をスピーカーの下に置くとこうなります

最終的にはこうなりました。モニターの台に置いてあるのは付属リモコンです

最終的にはこうなりました。モニターの台に置いてあるのは付属リモコンです

また、筆者の書斎は、マンション内の通路に面したところにありますので、大音量で音を出すわけにはいかない環境になっています。そこで威力を発揮したのが「ローボリュームモード」。音量にあわせて聴こえにくくなる周波数帯の音圧を補正することで、聴感上の周波数特性を改善する独自機能です。端的に言えば、小音量時にも高音質で楽しむための機能なのですが、この機能を使うと、音を絞ることで低域や高域が細くなる感じがなくなります。スピーカーから少し離れたところだと効果が薄まりますが、1m程度のニアフィールドではとても効果的で、音の帯域バランスが大きく崩れないため、不自然な感じがないのもいいところです。筆者の書斎の環境では、常にオンで使用したいと思いました。

付属リモコンからの操作が可能。入力切り替えやボリューム調整、「ローボリュームモード」のオン・オフなどが可能です

機能をオンにすると、メインユニットのボリュームノブのLEDが左から右に光って知らせてくれます。オフにすると逆に右から左に光ります

まとめ

CAS-1のよさをまとめると以下のとおりになります。

・コンパクトで設置性が高い。狭いデスクトップにも設置できる
・ニアフィールドに最適化された音質は本物。ハイレゾ音源も高音質に楽しめる
・「PHA-2」相当の高音質なヘッドホンアンプも内蔵。Bluetoothにも対応

デスクトップ用をうたうだけあって、CAS-1は狭いところでもよさを発揮するシステムです。筆者の書斎にとてもフィットする製品だと思いました。音質については定位感と響きのよさが特徴で、ピュアな音を楽しめると思います。さらに、WAV系は192kHz/24bitまで、DSD は2.8MHz(リニアPCM変換)のハイレゾ音源に対応していますが、ハイレゾのよさもしっかりと出るシステムです。響きのよさとノイズの少なさによって、ハイレゾの空気感がうまく再現されました。DSDなどのハイレゾ音源を再生したときにありがちな音圧が弱くなるような感じもありません。ハイレゾを高音質に楽しめるパッケージだと思います。

加えて、CAS-1のメインユニットは、ポータブルアンプ「PHA-2」と同じ高音質パーツを採用したヘッドホンアンプを、スピーカーアンプから独立して搭載しています。Bluetoothも内蔵しているという大盤振る舞い! 筆者は、書斎ではヘッドホンを使うことがあまりなく、スマホからのBluetooth再生を利用することも想定していないため、これらの機能はノーマークでしたが、必要な方にとっては魅力を感じるはず。ワンパッケージでここまで多機能かつ高音質なユニットは、ほかにはないのではないでしょうか。試しにヘッドホンアンプも使ってみましたが、タイトな低音と奥行き感が増すサウンドが好印象でした。

注意点としてはアナログ入力に対応していないことです。あくまでもパソコンとの接続をメインにした製品になっています。

で、「CAS-1が欲しい」と思っているのですが、少々気になるのが、このパッケージだからこそ得られる高音質だということです。いろいろと組み合わせて楽しみたいとも思っているため、今の悩みをスパッと解決するには非常にいい製品なのですが、これで狭小書斎でのデスクトップオーディオ作りが終わってしまうはもったいないな、と。わがままでしょうか……。

USB DAC搭載のコンパクトなプリメインアンプもいくつか所有しているため、この資産を生かしたいとも思っています。そこで気になるのが、CAS-1の付属スピーカー。とてもよくできているスピーカーで、試しにほかのアンプで聴いてみましたが、なかなかいい音を響かせてくれました。これ単体で手に入れてみたい……! ソニーさん、このスピーカーをバラ売りしてくれませんか〜(しかも安く)。

ヘッドホン接続用のステレオミニ端子は、金メッキ処理が施されています

ヘッドホン接続用のステレオミニ端子は、金メッキ処理が施されています

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

体力勝負ならそこそこ強い編集部デスク。カメラやAV家電を中心に製品のレビュー記事を担当しています。撮られるのは苦手ですが撮るのは好きです。

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