レビュー
Lightning to USB Camera Adapterがなくてもつながる!

iPhoneとスマートに接続! CHORD「Mojo」のLightning直結アダプターを使ってみた

英国のオーディオブランドであるCHORDから登場したDAC搭載ポータブルヘッドホンアンプ「Mojo」。手のひらにおさまるコンパクトボディに11.2MHz DSDや768kHz/32bit PCMに対応するすぐれた再生能力を搭載し、音質についても評判になっているモデルだ。新製品が多いこのジャンルの中で、発売して半年経った今でも人気は高い。価格.comの「ヘッドホンアンプ・DAC」カテゴリーの人気ランキングでは、2016年4月4日時点において、売れ筋ランキングは2位、注目ランキングは1位ともに上位をキープしている。

そんな人気のMojoの機能を強化する純正アクセサリーがもしかしたら早くに登場するかもしれない。その第1弾となりそうなのがiPhoneと接続できるLightningアダプター(製品名が未定のため、本文中はLightningアダプターとしている)。煩雑になりがちなiPhoneとの接続をケーブル1本でできるスグレものになっている。今回は、Mojo専用のLightningアダプターの開発中サンプルを使うことができたので、特徴をレポートしたい。

※今回使用したのは開発中のサンプル品です。製品版では仕様が変わる場合があります。

2016年4月6日修正:記事公開時には「Lightningケーブルは固定されていて取り外し不可」と書きましたが、正しくは、「Lightning to USB Camera Adapter」を使用する方式となっており、取り外し可能です。使用には「Lightning to USB Camera Adapter」が必要になります。訂正してお詫びいたします。

今回使用したLightningアダプターを使用した接続方法。スマートな見た目が印象的だが、CHORD純正品という安心感もある

これまでのApple純正の「Lightning to USB Camera Adapter」を使用したiOSデバイスとの標準的な接続方法。ケーブルの取り回しが難点

Apple純正の「Lightning to USB Camera Adapter」。Lightning端子になる前世代のDockコネクタでも同様のものがあり、それが「Camera Connection Kit(カメラコネクションキット)」という製品名で発売されていたため、一部ユーザーの間では今でもそう呼ばれたり、頭文字をとってCCKと略して呼ばれることもある

FPGAを利用したDACとパワフルなアンプを手のひらサイズに搭載

まず、Mojoについてもおさらいしておこう。Mojoは、2014年に実売価格25万円という超高級機としてデビューし、音質のよさで注目を浴びた同社初のポタアン「Hugo」の遺伝子を引き継ぐモデルだ。Hugoに比べて端子数を減らし小型化軽量化したうえ、価格も1/4程度に抑えたコストパフォーマンスモデル。さらにコンパクトながら再生能力は向上しており、スマートフォンといっしょに使うのにちょうどいいモデルとなっている。

CHORD「Mojo」。球体部がスイッチになっており、Mの上に位置するのが電源スイッチ、その隣りがボリュームスイッチになっている。ちなみに、それぞれのスイッチは点灯し、その色によって動作状態を表している。電源スイッチが音源のサンプリングレート、ボリュームスイッチが音の大きさだ

最大の特徴は、オーディオ用ICを使わずに実現したDAC部で、そこにFPGA(Field Programmable Gate Array)と呼ばれるカスタムICを採用したこと。FPGAとは端的にいうとICチップのフレームワークみたいなもので、基本機能や制御構造が用意されたいわば半完成品状態のIC。それらの機能などを利用して電気的にロジックを書き換えることでICとしての機能をプログラムできるものになっている。高度な知識が要求されるいっぽうで、音の要といえるDAC部を独自のロジックによって深く作り込めるのが大きなメリットだ。ベースとなるFPGAはXilinx社の「Atrix7 FPGA」。低消費電力にもすぐれている。

本体重量は171gと小さい缶コーヒー1本分と同じくらいの重さだが、そうした強力なDAC部により小型ながら11.2MHz DSDや768kHz/32bit PCMに対応している。また、DACに隠れがちだが、インピーダンスの高いハイエンドヘッドホンをしっかりドライブできるアンプも注目で、最大800オームまで対応している。

しっかり留まるドッキング構造もなかなか

開発中サンプルのLightningアダプター

開発中サンプルのLightningアダプター

Lightningアダプターの使い方はとてもシンプル。Mojoへの装着は、ケーブルを使わずにドッキングする仕組みになっている。取り付ける際にポイントとなるのが、iPhoneとの接続では利用しないオプティカル端子を活用して、しっかりと固定する構造になっていること。アダプター本体を見てみると、2つのMicro USBコネクタ(通信用と充電用)に加えて、オプティカル端子側には樹脂でできたダミーのプラグが用意されており、これがMojoとの連結を担っているのだ。

そんな接続の仕方で外れないの?と不安に思うかもしれないが、そこはしっかりハマって簡単には外れない。逆に装着・着脱するときも踏ん張って取ることもなく、非常にいい感じの留まり具合になっている。Mojo本体はアルミ削り出し加工で重量感もあるが、アダプター本体は樹脂製のようで、本体重量はMojoに比べて約1/4程度となる40gと軽めに作られている。そのため簡単な留め方だが、それでもしっかり固定できているのだ。また本体材質はそれぞれ異なるが、表面の質感はMojoとマッチするように統一されている。取り付けても違和感のないデザインだ。

また、iPhoneとの接続は、Lightning to USB Camera Adapterをそのまま使用するようになっている。製品画像を見ると着脱できないように見えるかもしれないが、ケーブルの取り外しは可能とのこと。

実際にiPhoneに接続した状態で持ち運びながら聴いてみたが、音が途切れたり、止まったりすることはなかった。音源についても、試しに11.2MHz DSDを聴いてみたが、スムーズな再生ができており、開発機とはいえ非常にクオリティの高い試作品という感じがした。今後仕様については変更されるかもしれないが、このクオリティでも十分役立つ製品と言えるだろう。

接続はMojo本体の端子側に挿し込むだけ

接続はMojo本体の端子側に挿し込むだけ

アダプター装着時の総重量は211g

アダプター装着時の総重量は211g

。Lightning to USB Camera Adapterをそのまま使用しているため、ケーブルは取り外し可能隣のMicro USBポートはMojo充電用

Lightning to USB Camera Adapterをそのまま使用しているため、ケーブルは取り外し可能。隣のMicro USBポートはMojo充電用

iPod touchと実際に重ね合わせた様子

iPod touchと実際に重ね合わせた様子

音質インプレッション

今回、Lightningアダプターを使ってMojoの音質をチェックした。試聴環境は、プレーヤーがA8チップ搭載の第6世代iPod touch(16GBモデル)で、イヤホンは1964EARSの6ドライバー搭載カスタムインイヤーモニター「V6 Stage」を使用。プレーヤーはオンキヨーの高音質再生アプリ「HF Player」で、イコライザーとアップサンプリングはオフにしている。なお、Lightning to USB Camera AdapterとLightningアダプターどちらを使っても音質について違いはない。間に高級なオーディオ用USBケーブルを使えば別かもしれないが、基本的には同じだ。

そのサウンドの特徴は、なんといってもヘッドホンをしっかりドライブできる駆動力の高さにある。パワフルなサウンドが魅力で、アンビエンスにもすぐれており、音が平面的にならず空間の響きがよくでている。臨場感をより感じることができる音だ。ボーカルは低域と高域に比べればごく自然的でクセが少ない。けれどもパワフルなサウンドであるため、アーティストの声を素直に届けつつ、芯はしっかりしている印象だ。

低域はそれほどタイトではないが、フォーカスがほどよくリズミカルで気持ちよく楽しめる。高域の精細さは気持ち甘めだが、ほかの帯域に比べ少しシャープに仕上がっており、耳当たりはよく感じた。

まとめ Mojo+iPhone/iPod環境では役立つアクセサリー

アダプターを装着するとトータルで本体サイズは大きくかつ重くなるが、Lightning to USB Camera Adapterを使った接続と違って、ケーブルの取り回しで苦労することはない。Mojoと直結できるのは明らかにスマートだ。持ち運びに限らず、机の上に置いて使うときでも、その恩恵は大きいように思う。装着すると縦長になるスタイルは賛否両論あるだろうが、iPhoneやiPodを重ねた時のバランス感はわりといい。使い勝手としては良好だ。

開発中のベータ機であることを踏まえれば、今後仕様は変わるかもしれないが、あえて少し気になったことを挙げるとするなら次の2点だ。1つ目がiOSデバイスへの給電が行われないこと。電池の減りはゆるやかだが、やはりバッテリー残量を気にせず聴けたほうが便利だと思う。2点目が第6世代iPod touchを重ねたときにMojo本体の底面にあるフットがカメラレンズに接触してしまうこと。iPhone 6ではiPod touchより一回り大きいため、未確認だがおそらく接触するはことないだろう。

アダプターの発売日と価格は未定。Mojo+iPhoneユーザーには気になる存在といえるだろう。iPhoneやiPodでMojoを使うときにはあると便利なアクセサリーだ。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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