低価格イヤホン“良品”コレクション

音質がいいと評判な3,000円のイヤホン「Piston Classic」をiPhone SEでじっくり聴いてみた!

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イヤホンやヘッドホンを中心に扱っている「1MORE」(ワンモア)という、音響機器メーカーをご存知だろうか。2016年に日本国内に本格上陸を果たし、手頃な価格と音質のよさで好評をえている。コストパフォーマンスにすぐれる低価格なイヤホンを紹介する連載記事「低価格イヤホン“良品”コレクション」の第10回では、1MOREのカナル型イヤホン「Piston Classic」を取り上げたい。

「Piston Classic」

「Piston Classic」

メタルボディでiPhoneに合わせやすいカラーリング

中国/深センを本拠地とする1MOREは2013年に設立された新興メーカー。電子機器の生産を請け負う大手「Foxconn」に勤めていた4人のスタッフが共同で立ち上げ、オーディオ機器を中心に手がけている。

「Piston Classic」は、ダイナミックドライバーを搭載したカナル型イヤホンで、中国のスマートフォンメーカー「Xiaomi」(シャオミー)から発売されていた「Piston2」の復刻版。当時日本では流通していなかったため、知る人ぞ知るというアイテムだったが、ワールドワイドではコストパフォーマンスの高さで評判となり、「2015年3月までに累計出荷数450万個以上を記録した」というほどの人気商品となった。そんな高い人気もあってか、通販ではニセモノが多く出回り、入手しづらいという一面もあったが、本モデルでは日本の代理店が窓口になっているため安心して購入できる。

それでは製品について見ていこう。まず注目したいのが円筒形のメタルボディ。というのも、3,000円くらいで買える低価格イヤホンの多くは、樹脂製ボディが一般的だからだ。「Piston Classic」はフルアルミのボディになっており、樹脂製並みに13gと軽くかつ頑丈。振動対策や金属的な音響効果などの音質的なメリットも多い。またデザインもシンプルだ。スピン加工で仕上げられており、3,000円とは思えないほど落ち着いた質感になっている。そのうえ長期間使っていても色の変化が起こりにくいコーティングを施すなど、徹底して見た目に配慮されている。

さらにうれしいのは、3色のカラーバリエーションを用意していること。色は、スペースグレー、ローズゴールド、シルクゴールドと、まさにiPhoneにピッタリなカラーリングとなっている。

背面部にはメーカーロゴが一切ないシンプルなデザイン

背面部にはメーカーロゴが一切ないシンプルなデザイン

スペースグレー、ローズゴールド、シルクゴールドの3色のカラーバリエーションを用意する

スペースグレー、ローズゴールド、シルクゴールドの3色のカラーバリエーションを用意する

気になる着け心地は快適だ。イヤーピースがぴたりとハマり、しっかりと固定される。円筒形の外観だが耳へのおさまりも意外とよかった。フィット感が高いため遮音性も高い。また、こうした低価格イヤホンではイヤーピースは3サイズ(S/M/L)付属するのが標準的だが、「Piston Classic」では全4サイズ付いており、細かく選べるのもありがたい点だ。

ただ、少し気になったのは、耳からはずすとき誤って筋状のスピン加工をツメで引っ掻いたときに、思いのほかタッチノイズが大きかったことだ。着脱するときに注意すればいいだけなので大きな欠点ではないが、すべりのいい樹脂製ボディにはないタイプのノイズだったのでやや驚いた。

左が付属していた交換用イヤーチップ(手前からS/M/L)。右が本体に標準で付いていたイヤーチップで、標準で付いていたイヤーチップのサイズはちょうどMとLの間くらいになっている

ラテン・グラミー賞授与のサウンドエンジニアとのコラボで、アーティストのプレイを忠実に再現

搭載するドライバーユニットもこだわっている。航空機用チタン素材とPET素材を組み合わせた独自の振動板を採用。航空機用のチタン素材が高音域での高いパフォーマンスを引き出すとともに、PET素材が中音域を豊かにするという。また本体中央に設置された振動板を境に、ノズル側と背面側の空気室のそれぞれに不要な音圧を逃すバスポートを装備。反射を抑えたことにより、クリアなサウンドを実現している。

また、音質のチューニングには、ラテン・グラミー賞受賞のサウンドエンジニア ルカ・ビグナルディ氏とコラボレーション。アーティストのプレイを忠実に再現するような調整が図られているのも魅力だ。

背面とノズル部に用意された、不要な音圧を逃すバスポート

背面とノズル部に用意された、不要な音圧を逃すバスポート

本体内部のデュアル防振システム。振動板を境にノズル側と背面側に内部空間が仕切られている

本体内部のデュアル防振システム。振動板を境にノズル側と背面側に内部空間が仕切られている

またiPhoneで使えるマイク付きリモコンを搭載(Androidは一部機種のみ対応)。ハンズフリー通話が行えるだけでなく、ボリューム調整や楽曲の一時停止や進む/戻るといった操作も行える。なお、ケーブルはリモコンを境に、プレーヤー側に丈夫なケブラーファイバーを、イヤホン側には摩擦を軽減するラバータイプのTPE素材を使用。からみにくいほか、タッチノイズの影響も少なくしている。実際にタッチノイズが皆無というわけではないが、このクラスとしては価格相応だ。

そのほか、持ち歩くときに便利なシリコン製のイヤホンホルダーや、ケーブルクリップも付き、付属品も充実している。

ケーブルはリモコンを境に、プレーヤー側に丈夫なケブラーファイバーを、イヤホン側には摩擦を軽減するラバータイプのTPE素材を使用している。こうした細かい部分への配慮も低価格イヤホンではあまり見られないもの

ハウジングにつながったケーブルの根元(ブッシュ)にあるチャンネルの表示。光の当たり方によっては見えにくいことも

付属品は、シリコン製のイヤホンホルダー、全4サイズのイヤーチップ、ケーブルクリップ

付属品は、シリコン製のイヤホンホルダー、全4サイズのイヤーチップ、ケーブルクリップ

手ごろな価格でいろいろな楽曲を楽しみたい方に最適

それでは実際に音質をチェックしていこう。今回は、プレーヤーとしてアップルのスマートフォン「iPhone SE」をメインで使用したほか、ハイレゾプレーヤーのAstell&Kern「AK380」でもチェックを行った。また、3,000円台の代表的なイヤホンであるアップルの「EarPods」とPHILIPSの「SHE9710」で聴き比べている。

まず、「EarPods」と「SHE9710」の音だが、両者はともに音源を忠実に再現するというよりかは、聴こえのよい音にした個性派だ。「EarPods」は奥行や左右の広がりがある響き方が特徴的で、音に包みこまれるような独特な雰囲気がある。いっぽうの「SHE9710」はくっきりと音を出すドンシャリイヤホン。低音は強く、高音は刺さるほどだが、ガツンとくるボーカルが熱気の高いサウンドを生み出している。

これらに比べると「Piston Classic」は音源を忠実に再現するようなタイプだ。フラットな傾向のためちょっと聴いただけではとても地味に思えるが、帯域バランスと音像の自然さは大きな魅力。特に前述の2モデルに比べてクリアな音質が特徴的で、解像感も高めだ。シンバルの立ち上がりや余韻はその質感をうまく再現している。また、ドラムスのキックではただ迫力があるだけでなく、音の芯も捉えていた。さらに単調になりやすいウッドベースの沈み込むような低音も違いを感じられる。音数の多い楽曲でも破たんすることなくバランスよく再生しているうえ、楽器の音色を細かく表現するなど、情報量の多いサウンドになっていた。クラシックなどもそつなく聴けたのはうれしいところだ。

ただ、曲調によっては高域の伸びやきらびやかさ物足りないところもある。また、音場感は「EarPods」のほうがいいと思うし、「SHE9710」のような熱気はない。そういう好きな音色が決まっている方にはおそらく合わないだろう。逆にいろいろなジャンルの楽曲を聴くという方には、幅広くカバーできる本機の再生能力の高さは見逃せない点だ。

まとめ

1MORE「Piston Classic」は、スマートフォン特にiPhone付属のイヤホンから買い替えるならピッタリの製品だろう。音質的なメリットもあるメタルボディと、iPhoneに合わせやすいカラーバリエーションを用意するなど、音質とデザインの両方にこだわっている。また、iPhoneに対応したマイク付きリモコンを備えるなど、実用面でもしっかり備えている。価格相応と言われやすい低価格イヤホンの中では、必要なところを押さえたモデルとなっている。

もちろん、L/Rチャンネル表示のわかりにくさや、高域のクセなど気になるところもあるが、それでも、価格.com最安価格で税込2,980円(2016年12月2日時点)というコストパフォーマンスは大きな魅力。スマートフォン付属のイヤホンから、ちょっといいイヤホンに買い替えたいときには、試してほしい1台だ。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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2017.11.17 更新
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