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4Kテレビの低価格シリーズがじわじわキテる。 58インチで15万円切りの東芝「REGZA 58M500X」が売れ筋首位に

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実はじわじわと売れてきている4Kテレビ。好調の主役は東芝勢

2016年は五輪イヤーということで、8月に開催されたリオ五輪に合わせて4Kテレビの普及が一気に進むのではないか、と一部で期待されていたが、以前にもお伝えしているように、この夏の薄型テレビ商戦は今ひとつ盛り上がらず収束してしまった感がある。期待の4Kテレビも売れ行きはあまりふるわず、価格.comの「薄型テレビ」カテゴリーの売れ筋ランキングでも、上位を占めているのはいまだに価格が安いフルHDテレビばかりという状況が続いてきた。しかし、この年末にかけて、実は薄型テレビ、なかでも特に4Kテレビがじわじわと売れてきているのである。

図1:「薄型テレビ」カテゴリーにおける閲覧者数推移(過去6か月)

図1:「薄型テレビ」カテゴリーにおける閲覧者数推移(過去6か月)

図1は、価格.comの「薄型テレビ」カテゴリーにおける閲覧者数(価格.comから販売サイトに移動したユーザーの数)の推移を、「価格.comトレンドサーチ」で示したもの。これを見ると、リオ五輪が行われた今年8月前後は、今年の中でも最低くらいにその数が落ち込んでおり、夏の商戦がふるわなかったことがわかる。だが、10月以降、数値自体は徐々に上がってきており、現在も上昇基調にある。実は、薄型テレビは今じわじわと売れてきているのだ。

図2:「薄型テレビ」カテゴリーにおける売れ筋ランキングベスト5(2016年12月7日時点)

図2:「薄型テレビ」カテゴリーにおける売れ筋ランキングベスト5(2016年12月7日時点)

図2は、2016年12月7日時点の「薄型テレビ」カテゴリーにおける売れ筋ランキングベスト5を示したもの。これを見ると、ベスト5中、1位、2位、5位の3製品が4Kテレビとなっている。冒頭でも述べたように、少なくともここ半年くらいの間、4Kテレビがこのように売れ筋ランキングの上位を過半数占めるというようなことはなかったため、かなり異例な事態と言っていいかもしれない。なかでも、2位のシャープ「AQUOS LC-60US40」については、以前から4K 60インチで20万円切りという高コストパフォーマンスから、ベスト5の常連ではあったが、1位と5位の両方にランクインしている東芝「4K REGZA」の2製品は、かなり目新しい存在といえる。

図3:「薄型テレビ」カテゴリーにおける売れ筋ベスト5製品のランキング推移(過去6か月)

図3:「薄型テレビ」カテゴリーにおける売れ筋ベスト5製品のランキング推移(過去6か月)

図3の、売れ筋ベスト5製品のランキング推移を見ても、フルHDモデルとして人気の「REGZA 40V30」と「AQUOS LC-60US40」については、ベスト5の常連モデルと言えるが、4Kモデルの「REGZA 49Z700X」については、かなり激しいアップダウンを繰り返しており、「REGZA 58M500X」については、10月までは全くランキング外であったものが、ここ1か月ほどで急激に人気を伸ばしてきており、現在1位。この「REGZA 58M500X」の急激な人気上昇が、この1か月では特に目立った動きとなっている。

図4:「薄型テレビ」カテゴリーにおけるメーカー別閲覧者数推移(過去3か月)

図4:「薄型テレビ」カテゴリーにおけるメーカー別閲覧者数推移(過去3か月)

こうした東芝勢の人気上昇は、数字からも見て取れる。図4は、「薄型テレビ」カテゴリーにおけるメーカー別閲覧者数の推移を示したものだが、東芝はここ数か月でアクセスを大きく伸ばしている。なお、ソニーやシャープ、そして最近、超低価格の4Kテレビで話題になったLGエレクトロニクスもアクセスを伸ばしているが、パナソニックだけはほぼ横ばいだ。この流れを見ても、現在の薄型テレビの好調は、東芝が中心になって起こっていることが見て取れる。

「4K REGZA」のボトムを担う新シリーズ「M500X」。高コスパと基本性能の高さから一躍人気に

東芝「REGZA 58M500X」

東芝「REGZA 58M500X」

さて、このように好調な東芝の「4K REGZA」シリーズであるが、その理由はどこにあるのだろうか。特に、ここのところ急激に人気を集めている「REGZA 58M500X」という製品は、どのような製品なのだろうか。

東芝の「4K REGZA」シリーズは、現在3つのシリーズ展開を行っている。主力モデルは、超解像エンジンと直下型バックライトによる高画質と、東芝が得意とする録画機能「タイムシフトマシン」による高機能を搭載した「Z700X」シリーズだ。このシリーズは、価格.com上でも伝統的に人気の高いシリーズであり、今でもその人気は健在だが、一時期に比べると、その人気はやや衰えが見える。この「Z700X」シリーズよりもさらに上位のプレミアムシリーズとして「Z20X」シリーズが設定されており、逆に機能を省いて低価格化を進めたエントリーシリーズとして、従来は「G20X」シリーズが設定されていたが、この「G20X」シリーズが、この夏、新たに「M500X」シリーズとして生まれ変わった。そのシリーズラインアップのひとつで、最も大きな画面サイズの58インチモデルとして登場したのが、今人気急上昇中の「REGZA 58M500X」である。

「M500X」シリーズは、4Kテレビの普及を狙ったエントリーシリーズということで、機能面では思い切った簡略化がなされている。たとえば、「Z700X」シリーズには標準搭載されている目玉機能の「タイムシフトマシン」が搭載されない。また、映像処理エンジンは1世代前の「4KレグザエンジンHDR」。バックライトも直下型ではなくエッジ型で、液晶パネルもIPSパネルではなくVAパネル、倍速にも対応していないなど、さまざまな部分で機能面は省略されている。しかしながら、価格面ではかなり思い切った低価格化を行っており、従来の4Kテレビでイメージされるような価格帯(15〜20万円前後)を大きく下回る価格設定を行っているのが特徴となる。

図5:東芝「REGZA M500X」シリーズ3製品の最安価格推移(過去6か月)

図5:東芝「REGZA M500X」シリーズ3製品の最安価格推移(過去6か月)

図5は、東芝「REGZA M500X」シリーズ3製品の最安価格推移を示したものだ。6月の発売時には、40インチの「40M500X」が16万円台、50インチの「50M500X」が20万円台、58インチの「58M500X」が26万円弱といった価格設定だった。これだけでもかなり安めではあるが、発売から5か月ほど経った現在では、「40M500X」が10万円を切る82,941円、「50M500X」が12万円を切る118,254円、「58M500X」が15万円を切る144,000円となっており、4Kテレビの中でもかなり破格の価格になっている(最安価格はいずれも2016年11月7日時点のもの)。

図6:「REGZA 58M500X」と、同等クラス製品の最安価格比較(過去3か月)

図6:「REGZA 58M500X」と、同等クラス製品の最安価格比較(過去3か月)

これがどれくらい安いのか、58インチモデルの「REGZA 58M500X」と、同等クラス製品の最安価格で比較したのが図6だ。ここには、55〜60型のライバル製品の最安価格を掲載しているが、これらの中でも「REGZA 58M500X」は圧倒的に低価格であり、ややサイズの小さい55インチクラスの製品よりも2〜3万円ほども安いということがわかる。コストパフォーマンス的には圧倒的な高さを示しているのだ。

図7:「REGZA 58M500X」のユーザー評価(2016年11月7日時点)

図7:「REGZA 58M500X」のユーザー評価(2016年11月7日時点)

しかし、これだけ安いと、性能面や機能面での不満もあるのではないだろうか、と誰もが気になるところだろう。しかしながら、現在売れ筋ランキングで1位の「REGZA 58M500X」のユーザー満足度は4.36(2016年11月7日時点)と、決して低いわけではない。項目別に見ていくと、やはり「機能性」の点では、平均を下回る3.64という低い評価になっているものの、そのほかの項目はすべて4.00以上で、気になる「画質」も4.27と、そこそこの評価を得ていることがわかる。

ユーザーレビューの内容をつぶさに見ていくと、やはりコストパフォーマンスの高さを高く評価する声が多い。「画質と大きさと値段に一番満足です。コスパはいいんじゃないでしょうか」「大型4Kテレビ初挑戦の私のような方には十分満足できるコスパ最強の機種だと思います」「4K58型で一番廉価帯なのに、このレベルの製品ができることに驚き」など、4K、しかも60インチに迫る大画面製品でありながら、14万円台という価格を実現したことに、ほとんどのユーザーが高い評価を与えている。

画質や機能についても、「量販店でZシリーズ2機種と比べると青の鮮やかさなどは劣るかなと感じましたが、VAパネルの黒の表現力が上位機種に負けておらず、そこが気に入り、この機種に決めた部分もあります」「スポーツ鑑賞にうるさい人には問題かもしれないが、たまにスポーツを見るくらいの私にはこれで十分。スポーツ以外の鑑賞では、画面の動きがカクカクする感じや残像感はなし」「上位機種のZ系2機種との差は正直わかりません。横において比べるとたしかに地デジの輪郭線などはZ系の方が綺麗でしたが、正直自分みたいな一般人は当機種で何も問題はないと思います」など、この価格帯で、液晶パネルの質も違うのは理解していながらも、さほど上位機種に劣るとは思わないといった好意的な見方が多い。むしろ、この価格帯でこれだけの高画質・高性能は驚きだという声が多い。

このように、機能性を思い切って省いたエントリーシリーズでありながらも、これまで培ってきた「4K REGZA」の高画質を受け継いだ「M500X」シリーズは、6月の発売当初こそ、さほど人気が出なかったものの、発売から半年近くを経て、他メーカーのライバル製品よりも大きく割安感が出たことで、今一気に人気を得てきている。これまでは、「4Kすなわち高画質・高性能」という、付加価値重視の製品作りが目立った4Kテレビ市場だが、コストパフォーマンスに対してシビアになってきている消費者の気持ちを納得させるためには、こうした思い切ったエントリーモデルを投入して、ユーザーの裾野を広げることも重要だ。「REGZA 58M500X」シリーズの好調は、今後の4Kテレビの向かうひとつの方向性を示しているのかもしれない。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.8.9 更新
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