いいモノ調査隊
素人女子の物撮り修行! #2

「売れる商品写真」の撮り方を、アクセサリー作家に教えに行った

えーーー「素人女子のブツ撮り修行!」の第2回です。

>1回目の記事はこちら

今回の修行者は、ハンドメイドのステッチング作家、ちる子さん。
日々、ご自宅のアトリエ部屋で「ステッチング作品」を作っておられ、出来上がった作品を昼間の窓の光を使って「iPhone5s」で撮影し、ハンドメイド作品の個人売買マーケットminne(ミンネ)で出品されているそうです。

ちる子さんはこういう作品を作って販売されております。


ちる子さんのアカウント:
https://minne.com/@chiru-stitch
https://www.instagram.com/spirit5mg/

minne(ミンネ)
個人間でハンドメイド作品(アクセサリーやバッグ、財布、服飾小物など)の売買ができるプラットフォーム。2018年9月末現在、47万人の作家が867万点に及ぶ作品を販売している。
https://minne.com/


minneに掲載の写真を見ると、素人の方が撮った商品説明写真としてはなかなかのでき具合といえます。ただ、「向かって右側がいつもやや暗い印象」になっているようですね(現場に行く前に、早くも問題と思われる点を見つける……)。

そこで我々は、ちる子さんのアトリエにおじゃまして、どのように「出品用写真」を撮っていらっしゃるのか? そして、困ったことがないのか? を聞き、たとえたいして困っていなくても、無理やりこの「修行」に参加してもらうことにしました(余計なお節介かも……)。

ちる子さんは、ステッチング(刺しゅう)作家さんでおられます。布だけでなく、皮革にも針と糸でステキな模様を表現していきます

“西日”の入る部屋でどう撮るか?

事前情報によると、撮影しておられる部屋の窓は西向きで、まともに「オレンジ色の西日」をくらうそうでして、それを避けるために日が高いうち、つまり日中に撮影する必要があるようです。

光源は窓からの外光。その近く、部屋の隅に撮影ブースを設置しておられます

光源は窓からの外光。その近く、部屋の隅に撮影ブースを設置しておられます

伺ってみると、立派な占有のアトリエ部屋でして、西向きながら日中は十分光の入る「大きな窓」があり、作品の撮影には恵まれた環境に思えました。

ここで窓際にテーブル(撮影台)を置き、大きな「セーム革(鹿革)?」を垂らし、背景として利用されているようです(革のテクスチャーで背景に味がでるのではないかと判断されたそうです)。


ちる子さんは「素人女子」というにはいささか憚(はばか)れるほど、すでに写真撮影のことがよくおわかりになっていらっしゃる様子で、普段の撮影台にも工夫が見られました。

まずは、被写体にサッシの影が影響して暗くなることを回避するため、テーブルを木片で「嵩(かさ)上げ」されておりまして、感心してしまいました。

「マズい! 我々がお教えできることがないかもしれない!」というわけで、師範側としては、一抹の不安がよぎります。

とはいえ、こっちとて、その道のプロです。すかさずこのセットの弱点を見つけました。

このお宅に限らず、たいていのお家の窓は部屋の端まではなく、部屋の端は影となってしまいます。


本来であれば、撮影台を少し前に出し「うしろ面を窓に合わせる」がベストポジション!なんですが……。


この現場では、あいにくこの位置で背景の棒を吊り下げるきっかけの張りなどがなく、この位置で設置するのが困難でした。


そこで「妥協策」として、背景の棒を斜めにして、背景にできる影を回避することにしました。


つまり、こーゆーこと。

とりあえずこの状態で、ちる子さんに通常おこなっておられる撮影作業を続けてもらいました。

「レフ板のサイズが足りない問題」


すると、なんとここで「自作の白いレフ板」が登場します!(やはり、彼女侮れない……)なんでも、このレフ板は普段からお使いのようでして……。


しかしながら、こっちとてプロのはしくれ! すかさず、「被写体に対してレフ板の大きさが足りない問題」を発見します。

この場合、高さが足りないために作品の上部がちゃんと照らされていません! このように素人さんは「レフ板のサイズが足りない問題」を起こしてしまいがちです。


そこで、前回の「ブツ撮り修行」でお教えした「秘伝のレフ板」と同じく「B4スチレンボード」を使います。

前回はB4ボードを縦に繋(つな)ぎました。これは、小物用に多く使えるサイズでとても便利です。しかしながら、今回の被写体はサイズが大きくそれでは対応できません(細すぎる……)。

今回はB4ボードを「横繋ぎ」にして対応しましょう。今回使っている「頭部だけトルソ」の倍ほど高さがあるようになったことがわかります。
レフ板は、あなたが思っているよりデカいのを使え! です。

「被写体全体をカバーするには、被写体倍ほどの長さのレフ板が必要!」← このことを覚えておくと、きっと役に立ちますからね。

※頭部トルソが「幅:20cm」「奥行:20cm」だとすると、
長さ比でその倍「40cm×40cm」程度以上の「白レフ板」が必要となる!

B4の長辺は36cmほど、なので継げば36cm×36cmのレフ板になる。(40cmには届かないが、ま、いいでしょう)


そしてもう1つ肝心なこと!
レフ板は撮影写真のフレームに入るくらいギリ(とはいえ、入らない程度ね)まで寄せましょう!

だいたい、素人さんはレフ板を寄せないことが多いので、しつこめに言っております。

こうしてレフ設置まで終わりましたが、ここで「さらに美しく撮れる方法」を思いつきましたので、実践することにしました。

光とレフ板は「逆ハの字」が正解


こんなこともあろうかと、「紗幕(しゃまく)」という光を透過する「撮影用の薄い布」を持ってきておりました。カメラ側の「紗幕」を、窓から離して撮影カメラまで引っ張ってきます。


「光源面」を窓の位置より有利な場所まで「引き込んだ」ことになります。なお、今回紗幕を使いましたが、同じ面積があれば「トレーシングペーパー」や「障子紙」などの光を半透過する紙を使ってもかまいません。ただ、紙の場合、この位置に設置するには、それなりの工夫が必要でしょうけど……。

※今回の「紗幕」のサイズは、200cm×130cm。絶妙にいいサイズでしょう。

紗幕200cm×130cm
http://panproduct.com/?p=14812


そして先ほど作った「レフ板」を元に戻し、設置します。


これで、左の「面光源(紗幕)」と右の「レフ板」の関係が「逆ハの字」になり、理想的なセットになりました!


光源面とレフ板(白)の配置を「逆ハの字」にせよ!!

やっぱり「背景」は白がいいのか!?

ちる子さんは作品を撮るにあたり、背景には味がある生成り色(ベージュ)の「鹿革」がいいと思い疑わず使っておられました。

師範の中居としては「ブツ撮り」には基本の「白背景」を使うことを推しています。なので、お節介にも「白ケント紙(四六判)」を用意しておりまして、試しに使っていただくことにしました。


鹿革背景が良いと思い込んでいた「ちるこさん」ですが、初めて無背景の白ケント紙の使ってみたところ、開口一番「白がいい!」との意見をいただきました!

やっぱ、白背景って基本ですよね。


このとおり、作品がスッキリ見えますもん(でしょ?)

やっぱり「背景」は白が基本のようです!

背景の話とは関係ないですが、スマホで撮影するときでも「固定撮影」するほうが、結果楽になります。ちる子さんは、そのあたりわかっておられるようでして、ブレないように「レリーズ」まで使って撮っておられることには、大変感心いたしました!(もはや、素人女子ではないですね……)
※iPhoneでは、イヤホンの「+」ボタンでシャッターが切れます。覚えておきましょう。


今回のまとめ

【掟1】「窓の光」を「サイド光」で使う場合、部屋の端の影に注意して撮影台をつくれ!
【掟2】レフ板は、被写体の2倍サイズ(長さ比)は必要!
【掟3】光とレフは「ハの字の逆」に、ギリまで被写体に寄せて配置すること。
【掟4】背景にはテッパン「白ケント紙」を使え!

【余談】家にあった電球を照明に使ってみると……

話は少しずれますが、たとえば夜など窓の光が使えない場合、何らかの照明(光源)が必要となりますが、ちる子さんはどう工夫していたのか!?

それは、お家にあった電球類をすべて集め、向こうから豪快に照らすというもの。

素人の方が考えることは、私たちプロから見て「完全に斜め上をいっている」ことに驚きます。


ちる子さんはステッチング作品だけではなく「小さな革細工アクセサリー」も作っておられ、それをこの豪快ライトで撮ってみることにしました。


思った感じの出来栄えかなぁ。雰囲気はあるものの、作品の色がよくわかりません……。
そこで、今回、私がこっそり持参した「必殺の照明機材」を使ってみましょう。


iPhone5sでこんなにキレイに撮れるのかぁ!?(驚き!)

「必殺の照明機材」とはどんなんだ??? 気になるぅ〜!!


素人の皆さん〜、これらしいスよぉ〜。
期待を持たせつつ、次回以降に続く……。

【スマホでもOK!】美しい光の撮影照明キット
http://panproduct.com/?p=24830

有限会社パンプロダクト代表 
中居中也(なかい・なかや)のショップとブログ

「使える機材のセレクトショップ」
「使える機材Blog!」

中居中也

中居中也

銀塩カメラマンとして広告や雑誌でキャリア開始。2010年より「唯一無二の撮影機材通販」にも参入。写真が上手になると定評があるブログを参考にするカメラマン続出中!

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