各メーカーごとにいくつものラインアップがあるアクションカムの中から、“選ぶ価値あり!”なアイテムを厳選してみた。
目次
・ソニー「HDR-AS300R」
・GoPro「HERO Session」
・パナソニック「ウェアラブルカメラ HX-A1H」
・リコー「WG-M2」
・オリンパス「STYLUS TG-Tracker」
・コダック「PIXPRO SP360 4K」
今、市場にあるアクションカムの中で、映像のクオリティと使いやすさがもっともすぐれていると思われるのが「HDR-AS300R」だ。同社のビデオカメラ「ハンディカム」シリーズに搭載される「空間光学手ブレ補正」を採用したHDR-AS300Rは、自転車やバイクにセットして撮っても映像のブレが少なく、なめらか。くわえて、HDR-AS300Rには腕時計のようにして着けられるライブビューリモコンも付属しているので、画角の確認や録画のON/OFFも行いやすい。また、細かい部分ではあるが、録画中を知らせるランプがボディの3か所に装備されているのも非常に便利だ。このような性能を有しながら、価格は5万円を切っている(2016年8月24日時点の価格.com最安値)。さらに、ライブビューリモコンのない本体のみの「HDR-AS300」であれば価格は4万円弱。オンリーワンの空間光学手ブレ補正機構を備えたうえに、この価格帯はかなりお買い得! ちなみに、HDR-AS300Rは4K撮影非対応なので、4Kで撮りたい場合は上位モデル「FDR-X3000R」をチョイスしよう。
「HDR-AS300R」●サイズ:29.4(幅)×47(高さ)×83(奥行)mm ●重量:109g(ハウジングセット時:167g) ●防水性能(ハウジングセット時):60m ●最高画質:フルHD(60fps) ●画角:170° ●ブレ補正機能:空間光学式
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2016年8月にラインアップが一新され、現在3モデル展開となっているアクションカムの元祖的メーカー「GoPro」の中から1モデルを選ぶとすれば、「HERO Session」を推したい。その魅力は、圧倒的にコンパクトなボディとシンプルな操作性。激しいスポーツで使用する機会の多いアクションカムにとって小型・軽量であることは、動きのじゃまにならず撮影できるシーンを広げることにつながる。さらに、天面の録画開始ボタンを1回押すだけで電源ON+撮影開始となるUIもすばらしい。GoProシリーズで撮った映像は、急に日陰に入った場合などに発生するブロックノイズが少ない印象がある。明るさがめまぐるしく変わるフィールド上では、大きなアドバンテージとなるだろう。
「HERO Session」●サイズ:38.2(幅)×38.2(高さ)×36.4(奥行)mm ●重量:74g ●防水性能(本体):10m ●最高画質:フルHD(60fps) ●画角:170° ●ブレ補正機能:非搭載
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ボタンひとつで撮影時の主な操作が行える「HERO Session」だが、タッチ操作できるモニター付きのGoProが欲しい人もいるだろう。そんな時は、価格が抑えめな「HERO+ LCD」がベスト。画質や撮影可能なフォーマットはHERO Sessionと大きな差はないが、選べる画質・機能が絞られることでアクションカム初心者でもとっつきやすくなっている。また、ハウジングが一体化しているので、付け外しの手間もない。HERO+ LCDは生産終了となってしまったので、欲しい人は早めにゲットしよう。
「HERO+ LCD」●サイズ:67.5(幅)×71(高さ)×39(奥行)mm ●重量:128g ●防水性能:40m ●最高画質:フルHD(60fps) ●画角:約170° ●ブレ補正機能:非搭載
GoProシリーズの中で、より細かく自分好みの設定を行いたい場合や4K撮影が行いたいなら、4K/30fpsの高画質で撮影が可能な「HERO4 Black」や、4K/15fpsで撮れるタッチ式液晶モニター搭載の「HERO4 Silver」を選ぼう。
「HERO4 Black」●サイズ:59(幅)×40.5(高さ)×30(奥行)mm ●重量:88g(ハウジングセット時:151g) ●防水性能(ハウジングセット時):40m ●最高画質:4k(30fps) ●画角:約170° ●ブレ補正機能:非搭載
「HERO4 Silver」●サイズ:59(幅)×40.5(高さ)×30(奥行)mm ●重量:83g(ハウジングセット時:146g) ●防水性能(ハウジングセット時):40m ●最高画質:4k(15fps) ●画角:約170° ●ブレ補正機能:非搭載
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スティック状のカメラを耳にかけるように装着できるパナソニックの「ウェアラブルカメラ」シリーズは、自分の目線に近いアングルで映像を撮れるのが特徴。もともとはカメラ部と本体(記録ユニット)をケーブルでつなぐセパレートタイプだったが、カメラ部だけですべてを補う「HX-A1H」の登場により、使い勝手が劇的に高まった。一体型のため、身体に装着してもわずらわしさがないうえに自転車などにも取り付けやすい。ハウジングには入れられない仕様なので防水は1.5mまでとなるが、重量約45g、26(直径)×83.1(長さ)mmのサイズ感は大きな魅力。また、同社のビデオカメラ「HC-WX970M/HC-W870M/HC-W570M」の映像にHX-A1Hで撮った映像をワイプとして挿入し、同時記録することもできる。ハードなシーンで使うだけでなく、日常の中でも活用したいアクションカムだ。
「HX-A1H」●サイズ:26(幅)×26(高さ)×83.1(奥行)mm ●重量:45g ●防水性能(本体):1.5m/IPX 8 ●最高画質:フルHD(30fps) ●画角(ワイドモード/スタンダードモード):150°/120° ●ブレ補正機能:非搭載
−10℃の耐寒、水深20mまでの防水、2mの高さから落下しても耐えうるタフネスな本体は、ハウジングいらず。ハウジングに入れずに使用できるのでサイズが抑えられるほか、クリアな音声も期待できる。天面には液晶モニターも装備しており、アングル確認もバッチリ。そして、映像は超広角! 上で紹介した数々のアクションカムの画角が約170°なのに対し、「WG-M2」は約204°。広角になるほど映像のスピード感が増すため、より迫力ある映像が残せる。くわえて、「モノトーン」「銀残し」といったエフェクトや水中撮影時の自動ホワイトバランス調整、カメラ内での動画編集などカメラメーカーらしいこだわりも満載。ちなみに、前モデルでは下の写真のような使用スタイルだったが、WG-M2では縦位置(モニターが側面にくる状態)でも撮影できるようになった。装着の幅が広がったことは、選ぶうえで大きなメリットとなるだろう。
「WG-M2」●サイズ:54.7(幅)×34.1(高さ)×77.8(奥行)mm ●重量:136g ●防水性能(本体):20m ●最高画質:4k(30fps) ●画角:204° ●ブレ補正機能:電子式
本体のタフネス性能は、前述のリコー「WG-M2」よりも「STYLUS TG-Tracker」のほうが上。ハウジングなしで、水深30mの防水性能、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgfとなっており、かなりハードに使えそう。STYLUS TG-Trackerのもっともユニークな点は、GPSや加速度、方位、温度、気圧といった多様なセンサーを搭載していること。映像と一緒に高度や位置情報が見られることで達成感が味わえる。さらに、時系列で変化する情報とSTYLUS TG-Trackerで撮っているリアルタイムな映像をスマートフォンで楽しむことも可能。映像に関しては、動きの速いアクションへの追随性が他社モデルに比べると少し弱い印象を受けたが(筆者が自転車でオフロード走行した際の所感)、まだ試していないウインタースポーツや水中撮影などでは電子5軸手ぶれ補正が効果的に作用するかもしれない。また、同梱のクリップを装着すれば、かつての名機、三洋電機「ザクティ」のように撮影できるスタイルになるが、これにそそられる人も多そうだ。
「VIRB-J XE」●サイズ:35(幅)×56.5(高さ)×93.2(奥行)mm ●重量:180g ●防水性能(本体):30m ●最高画質:4K(30fps) ●画角:204° ●ブレ補正機能:電子5軸手ぶれ補正
360°の全天球映像が撮れるカメラといえばリコー「THETA」が有名だが、ハードなシーンで使うなら本体のみで防滴・防塵・耐衝撃(2m)・耐低温(−10℃)に対応する「PIXPRO SP360」を選びたい。PIXPRO SP360のおもしろさは、本機で撮れる映像にある。水平方向360°、垂直方向235°で撮影できるので、たとえば自転車に装着すれば、レンズは進行方向を向いているにもかかわらずライダーや周囲の風景、空まで映像に納めることができるのだ。そして、さらにその映像を専用ソフトで編集すれば、円形やパノラマ、リング状などさまざまな形態に切り出すことが可能。見え方が変わると、同じ映像でもまったく違う楽しさが味わえる。4K撮影には対応していない前モデル(PIXPRO SP360)を筆者も試したことがあるが、クリックするだけでできる映像編集はかなり遊び心がくすぐられる。あれもこれも撮りたくなるので、使用頻度が高くなりそうな一品だ。
「PIXPRO SP360 4K」●サイズ:48(幅)×50(高さ)×52.5(奥行)mm ●重量:102g ●防水性能(本体):防滴/IPX5相当 ●最高画質:4K(30fps) ●画角:360°×235° ●ブレ補正機能:電子式