自動車ライターのマリオ高野です。クルマ好きで洗車も好きという人が多いですよね。ワタシも基本的に洗車は大好きでして、昔は休日のたびに洗車していました。丸一日を洗車やワックスがけに費やすこともしばしばです。しかし、齢40を過ぎてからは、急激に洗車が面倒に思えるようになりました。
24年落ちの愛車は青空駐車にて維持。いや応なく風雨にさらされるため、きれいな状態を保つのは難しいのですが…
クルマがきれいになること自体の喜びは変わりませんが、洗車をしている時間がもったいなく思えるようになったのです。残り少ない人生、洗車をする時間があったら、ほかにもっといいことがしたい。洗車に費やす時間は1秒でも短いほうがいいと。あと、冬場や春先は水が冷たすぎて間違いなく体に悪いですよね。手先の血行不良により、体全体の老化現象がますます早まりそうな気がすることでも洗車がおっくうになりました。
そこで、洗車マニア時代は見向きもしなかった“ドライウォッシュ”系のシャンプーに手を出します。水を使わず、吹き付けて拭くだけで洗車完了というものです。今回選んだ商品はミラリード社の「ペルシード ドライウォッシュ」。
拭き取り用のウエスが付いてきます
製品のうたい文句としてはかなり強気で万能ぶりをアピールしているので、テストをするにあたり、最も厳しい条件を用意しました。
被験対象は、ワタシの2台の愛車の1つ、24年落ちの初代インプレッサWRX。怠慢により1年以上洗車をしていないという最悪の外装コンディションですが、そんな劣悪ボディーがどこまできれいになるのか見ものです。
実施したのは3月中旬。天気は曇り。気温は7度ほどの寒い日で、絶対に水は使いたくない状況です
徹頭徹尾「スプレーをして拭くだけ」でやりました
ウエスの汚れっぷりにより、洗浄効果がかなり高いことを実感。1年分の汚れの大半が落ちました
ボンネットの右半分が作業後。うたい文句どおりコーティング効果も得られましたが、“ボディーの状態がひどすぎる”せいか耐久性の高さは今回のテストでは実感できず
超劣悪な状態のボディーとしては、作業後の光沢はまずまずです。しかし、結構時間がかかったし疲れました
作業の前後で愛車のボディーがどうなったかをお見せしましょう。24年落ちで“野ざらし1年”のスバル・インプレッサWRXの劣悪ボディーを、ドライウォッシュはどのように洗いあげたのか…?
恥ずかしながら、汚れ成分のコーティングに包まれているような惨状です
空の写り込みが明らかにクリアーな感じになりました。元が汚すぎたとはいえ、きれいになる効果はまずまず。覚悟していた洗い傷は、意外に確認できません。元々が小傷だらけという状態ではありましたが
作業時、および作業後の印象をまとめると、以下のようになります。
・作業は簡単で労力は最低限ながら、1台分丸ごと洗うとなると、それなりの時間と労力を費やす
・1年以上洗車していない状態からでも、「やっぱり水が必要!」と思うことはあまりなかった
・容量が決定的に足りないので2本は必要となると、3000円近い出費になる
・「きれいになった感」はまずまず。感覚としては、水を使う普通の洗車の6割ぐらい
・コーティングの効果はかなり微妙。ただし、ボディーの状態がもっといいクルマならそれなりの効果が得られたはず
・「磨き傷」は確実に増えそうなので、新車には不向き。多少の磨き傷は気にならない老骨車や、白やシルバーのボディー、または営業車には向いている
・1台丸ごと洗うというより、鳥フン爆撃を食らったときなど、ピンポイントで汚れをサッと拭き取りたいときが一番重宝する
・クラシックカーなど、できるだけぬらしたくない、水にさらしたくないクルマにもおすすめ
という感じでありました。
効果はまずまずでしたが、容量不足が気になります。1缶で5ナンバーボディーのセダンでギリギリでした。大胆に使うとすぐになくなるので、クルマ全体を洗うなら2本あったほうがいいでしょう
クルマ1台丸ごと洗うのには不向きながら、水が使えない場所でピンポイント的に汚れを落としたいときの緊急用として常備するのがおすすめです。
あるいは、元々きれいなクルマのツヤ出しアップをはかるのにもよいでしょう!