人気のミニバン、日産「セレナ」を5段階評価!

日産 セレナ 試乗&実燃費テスト/居住性は5ナンバーミニバンNo.1!

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初代モデルが1991年に発売された日産のミニバン「セレナ」は、いまやミニバンの定番車種と言える。セレナの人気は根強く、5代目となる新型は2016年8月に発売されているが、最近は街中でも頻繁に見かけるようになった。

2016年8月に新型へフルモデルチェンジされた日産「セレナ」

2016年8月に新型へフルモデルチェンジされた日産「セレナ」

セレナは、広い室内に多彩なシートアレンジが可能で、多人数乗車も快適。現行型はリヤゲートの上側だけを開閉できる構造にして、車両後方スペースが狭い場所での使い勝手が高められている。さらに運転支援機能のプロパイロットも用意され、長距離を移動する時の疲労を軽減できる。

今回は、そんなセレナを試乗する。セレナは2016年に発売されているとはいえ、新型モデルとして最先端の技術や装備を数多く備えているので、セレナを知れば今後の新型ミニバンに関するトレンドもわかるはずだ。試乗に際しては以下の項目を5段階で採点して、評価したい。

・運転のしやすさ(取りまわし性/視界)
・内装(質感/スイッチの操作性とメーターの視認性)
・居住性&荷室(前後席の居住性/荷室の広さと使い勝手)
・走行性能(動力性能/走行安定性)
・乗り心地
・安全&快適装備
・価格
・総合評価

※上記項目について、それぞれ1〜5点の5段階で採点、評価

日産「セレナ」の運転のしやすさ(取りまわし性/視界)

日産「セレナ」フロントイメージ画像

日産「セレナ」フロントイメージ画像

日産「セレナ」リアイメージ画像

日産「セレナ」リアイメージ画像

今回取材したセレナは、標準ボディのGグレード。全長は4,690mm、全幅は1,695mmで5ナンバーサイズに収まる。セレナには、エアロパーツを装着した「ハイウェイスター」も存在するが、ボディサイズは全長が4,770mm、全幅が1,740mmへと拡大して3ナンバー車となる。だが、ユーザーの多くはセレナを5ナンバーサイズのイメージでとらえている。販売台数はハイウェイスターももちろん多いのだが、あくまで中心的な存在は標準ボディだ。

セレナの全高は1,865mmと高く、フロントマスクにも厚みがある。フロントグリルは今の日産の新型車のトレンドとされるV字型で存在感が強い。

日産「セレナ」サイドイメージ画像

日産「セレナ」サイドイメージ画像

「視界」

セレナのような背の高いミニバンで注意したいのは、ドライバーの視線も持ち上がり、遠方がよく見える代わりにボディ左側面の死角が増えることだ。この欠点を補うために、セレナはサイドウィンドウの下端を低めに抑えて、外観を水平基調で仕上げた。そのため、背の高いミニバンとしては前後左右ともに視界がよい。

「取りまわし性」

セレナの最小回転半径は15インチタイヤ装着車であれば5.5mに収まり(16インチは5.7m)、小回りの利きは悪くない。

評価:★★★☆☆(3点)
コメント:全高が1,800mmを超える車内の広いミニバンの中では運転がしやすい

日産「セレナ」の内装(質感/スイッチの操作性とメーターの視認性)

日産「セレナ」のインパネ。ホワイトの合成皮革にステッチが採用されていることなどによって、質感が高められている

ミニバンは人気のカテゴリーだから競争も激しく、車内の広さやシートアレンジ、各種の装備、価格の割安度などを互いに競い合っている。内装の質感も同様だ。セレナは現行型になって質感を高め、インパネには合成皮革を使っているほか、ステッチ(糸を使った縫目)も入っている。

メーターは、インパネ最上部の奥まった位置に配置されている。メーターを確認する時の視線移動が抑えられ、ドライバーとの間隔が開いているから目の焦点移動も少ない。エンジンの回転数はアナログ、速度はデジタルで表示されるなど視認性もよい。

ただし、メーターが高い位置に装着されているので、インパネの上下方向の厚みが増しており、ユーザーによっては圧迫感を覚える場合があるだろう。エアコンのスイッチなどは、比較的高い位置に装着されていて、操作性はよい。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:インパネに少し圧迫感を覚えるが、操作性や質感は満足できる

日産「セレナ」の居住性&荷室(前後席の居住性/荷室の広さと使い勝手)

セレナは背の高いミニバンなので車内が広く、5ナンバーサイズのミニバンとしては居住性は最もすぐれている部類だ。

セレナの3列目シートは5ナンバーサイズでは最大級の広さとなる

セレナの3列目シートは5ナンバーサイズでは最大級の広さとなる

これを決定付けるのが、3列目シートの広さだ。たとえば身長170cmの乗員が6名で乗車した場合、2列目の乗員が膝先に握りコブシ2つ分の空間ができるよう2列目のスライド位置を調節すると、3列目の膝先は握りコブシ2つ半の余裕ができる。これは、トヨタ「ヴォクシー」「ノア」などを上回り、新型モデルを含めた5ナンバーサイズのミニバンのなかでも最大級となる。

しかも、3列目シートの床と座面の間隔に不足はなく、着座姿勢は実に自然な印象。座面の奥行寸法にも余裕があり、セレナは5ナンバー車でありながら多人数乗車が快適に行えるといえるだろう。

セレナの1、2列目シート。3列目シートと同様に、快適な座り心地を提供してくれる

セレナの1、2列目シート。3列目シートと同様に、快適な座り心地を提供してくれる

1、2列目シートにも十分なサイズが確保されており、座り心地は適度に柔軟で快適だ。ホールド性はミニバンの平均レベルで、もう少し高められる余地はあるが、不満は生じないだろう。

セレナはシートアレンジも多彩で、2列目の中央部分を1列目の間までスライドさせると、収納設備として使える。この時には2列目の間が通路になり、3列目との移動もしやすい。2列目には左右方向のスライド機能も備わり、中央に寄せるとスライドドア部分のスペースを広げられる。

なお、シートアレンジはグレードによって差がある。シートアレンジを重視するなら、グレードは、標準ボディ、ハイウェイスターともに「Vセレクション」か最上級の「G」を選びたい。

セレナが現行の新型モデルとなって新たに採用された「デュアルバックドア」

セレナが現行の新型モデルとなって新たに採用された「デュアルバックドア」

荷室については、3列目を左右に跳ね上げると自転車などを積める。リヤゲートには、新型となって新たに採用された、上側だけを開閉できる「デュアルバックドア」が備わり、たとえば縦列駐車をして車両の後部に空間を取れない時でも開閉がしやすい。

セレナで注意したいのは、床の高さだ。ライバル車のトヨタ「ヴォクシー」「ノア」「エスクァイア」、ホンダ「ステップワゴン」に比べると、スライドドアの部分で70〜90mm高い。そのためにサイドステップ(小さな階段)を使って乗降する。セレナのプラットフォームは新型も先代型も同じで、ライバル車のような低床設計が採用されていないからだ。

評価:★★★★★(5点)
コメント:車内が広くシートアレンジも多彩で、荷室の使い勝手もよい

日産「セレナ」の走行性能(動力性能/走行安定性)

「動力性能」

日産「セレナ」試乗イメージ画像/試乗ドライバー:渡辺陽一郎氏

日産「セレナ」試乗イメージ画像/試乗ドライバー:渡辺陽一郎氏

セレナには、2リッター直列4気筒エンジンが搭載されている。最高出力は、150馬力(6,000回転)、最大トルクは20.4kg-m(4,400回転)で、2リッターのノーマルエンジンとしては余裕がある。

ただし、セレナは背の高いボディで多彩なシートアレンジを採用しているから、車両重量が1,600〜1,700kg(FF/2WD)に達し、加速力は十分とはいえない。エンジンはやや高回転タイプで、4,200回転付近から加速が活発化することも気になる。ミニバンとしては、もう少し実用回転域の駆動力を高めたほうが扱いやすい。

「走行安定性」

日産「セレナ」試乗イメージ画像/試乗ドライバー:渡辺陽一郎氏

日産「セレナ」試乗イメージ画像/試乗ドライバー:渡辺陽一郎氏

操舵に対する反応は鈍い。セレナは前述のように低床設計にしておらず、床の位置と重心が高い。操舵感のセッティング次第では、カーブを曲がる時にボディが唐突に傾いたりするので、反応はあえて鈍く抑えられている。

そのため、後輪の接地性は十分に確保されており、運転の難しい状態には陥りにくいが、速度を少し高めて曲がると旋回軌跡が拡大する。峠道などを運転すると、曲がりにくく感じるだろう。

評価:★★☆☆☆(2点)
コメント:背の高いミニバンで床も高く、運転感覚は全般的に鈍い

日産「セレナ」の乗り心地

日産「セレナ」試乗イメージ画像/試乗ドライバー:渡辺陽一郎氏

日産「セレナ」試乗イメージ画像/試乗ドライバー:渡辺陽一郎氏

乗り心地は、15インチタイヤを装着した標準ボディについては快適だ。足回りが柔軟に動き、路面の粗さも伝えにくい。操舵感は前述のように鈍いが、快適性は配慮されている。

16インチタイヤを装着したハイウェイスターは少し硬めになるが、操舵感の鈍さは抑えられている。乗り心地に粗さはなく、5ナンバーサイズのミニバンでは快適な部類に入るだろう。

評価:★★★☆☆(3点)
コメント:路上の細かなデコボコを伝えにくく、5ナンバーサイズのミニバンでは快適

日産「セレナ」の安全&快適装備

日産「セレナ」プロパイロット作動イメージ画像

日産「セレナ」プロパイロット作動イメージ画像

安全装備では、単眼カメラをセンサーに使う「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」が全車に標準装備されている。歩行者も検知して緊急自動ブレーキを作動させるほか、車線逸脱の警報機能も備わる。

作動速度の上限は、車両に対しては時速80km、歩行者は時速60kmだ。車両に対する作動速度が少し低く感じる。高速道路での安全面を考慮すると、次の新型セレナでは制限速度となる時速100kmまでは高めてほしい。

セレナのステアリング右側に配置されている「プロパイロット」スイッチ

セレナのステアリング右側に配置されている「プロパイロット」スイッチ

また、オプションで同一車線運転支援技術「プロパイロット」を装着すると、作動中にはドライバーに代わってステアリング、アクセル、ブレーキ操作が自動で制御されるので、運転の負担が軽減される。

プロパイロット作動中のステアリングは、車線中央を走るように操舵支援が行われるが、ハンドルの操舵角が40°を超えると制御があいまいになり、ドライバーによっては違和感が生じる。車間距離の制御も、先行車が加速した時などに反応に遅れが見られるが、高速道路の走行車線を穏やかに走る時には、利用価値があるだろう。
このほか、駐車場所を設定すると、自動でステアリングが回って駐車してくれる「インテリジェントパーキングアシスト」なども用意されている。安全&快適装備は全般的に充実しているといえるだろう。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:運転支援機能は制御が未熟だが、全般的に装備は充実している

日産「セレナ」の価格の割安感

ミニバンは価格の競争が激しく、各車ともライバル車を意識して開発を行う。新型車はライバル車よりも機能を充実させたうえで価格を抑えるから、設計の新しい車種ほど割安になる傾向が強い。2016年に新型モデルが発売されて設計が比較的新しい現行セレナも同様で、260〜300万円の売れ筋価格帯に買い得グレードをそろえた。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:競争が激しいために、機能や装備に対して価格を安く抑えている

日産「セレナ」の総合評価

日産「セレナ」エクステリアイメージ画像

日産「セレナ」エクステリアイメージ画像

走行性能には改善の余地が多いが、居住性は5ナンバーサイズのミニバンではナンバーワン。シートアレンジも豊富で使い勝手がよい。

JC08モード燃費は、2WDグレードであれば16.6〜17.2km/Lと比較的良好だ。価格も割安に抑えたので、買い得なミニバンと考えていいだろう。

総合評価:★★★★☆(4点)

日産「セレナ」の採点評価

運転のしやすさ(取りまわし性/視界):★★★☆☆(3点)
内装(質感/スイッチの操作性とメーターの視認性):★★★★☆(4点)
居住性&荷室(前後席の居住性/荷室の使い勝手):★★★★★(5点)
走行性能(動力性能/走行安定性):★★☆☆☆(2点)
乗り心地:★★★☆☆(3点)
安全&快適装備:★★★★☆(4点)
価格:★★★★☆(4点)
総合評価:★★★★☆(4点)

日産「セレナ」実燃費テスト

日産 セレナの実燃費テストを編集部員Sが実施したので、その結果をお伝えしたい。

実燃費テストの走行パターンは、「市街地」「郊外路」「高速道路」の3種類でそれぞれ計測。走行ルートは、「市街地」が新宿から八王子までの渋滞の激しい約30kmのルート。「郊外路」は、八王子から高尾山を過ぎ、相模湖から道志みちにはいって奥相模湖付近から折り返す、信号が少なく快走路からワインディングまで変化に富む約50kmのルート。「高速道路」は、相模湖インターから新宿までの約60kmのルートとなる。

テストで使用したセレナのグレードは、試乗テストと同様に標準ボディの「G」グレード。カタログ上のJC08モード燃費は「16.6km/L」だ。

日産 セレナ 実燃費テスト/市街地編

日産「セレナ」市街地における実燃費結果:「11.2km/L」

燃費テスト当日の国道20号は、起点となる新宿から中間地点の府中まではかなりの渋滞に見舞われ、燃費は10km/L前後で推移していたが、府中から八王子まではクルマが流れ始めて燃費が向上し、「11.2km/L」という実燃費結果となった。

日産 セレナ 実燃費テスト/郊外路編

日産「セレナ」郊外路における実燃費結果:「13.8km/L」

郊外路では、信号のない平坦な快走路で12〜13km/L、ワインディングで上っている際の燃費は8〜9km/L前後であった。車重の重さから、特にワインディングではアクセルを踏んでも加速が鈍く、深くアクセルを踏み込む必要が生じてしまい、結果として燃費はかなり悪化した。下りについては、ほとんどアクセルを踏み込む必要がなく、燃費は思ったよりも上昇し、結果としては「13.8km/L」となった。

日産 セレナ 実燃費テスト/高速道路編

日産「セレナ」高速道路における実燃費結果:「20.3km/L」

高速道路は比較的混雑していたが、渋滞などで停止することはなく、おおむね60〜70km/hで一定のスピードであったために燃費値は大きく上昇し「20.3km/L」という結果となった。

日産「セレナ」の実燃費結果

カタログ燃費(JC08モード):16. 6km/L
市街地の実燃費:11.2km/L
郊外路の実燃費:13.8km/L
高速道路の実燃費:20.3km/L
総合実燃費:15.1km/L

日産「セレナ」の推奨グレードと納期

セレナの機能や装備と価格のバランスを考えると、標準ボディの「X・Vセレクション」(267万4,080円)が最も買い得だろう。両側スライドドアに電動開閉機能が備わり、インテリジェントキーや3列目シートのスライド機能なども装着される。実用装備を充実させるいっぽうで価格は割安だ。オプションも充実しており、プロパイロットが装着できるのも魅力だ。ハイウェイスターについても、標準ボディと同様に「Vセレクション」(293万4,360円)を推奨したい。

現在、セレナの納期は、おおむね1か月以内だ。サイド&カーテンエアバッグをオプション装着すると少し長くなるが、それでも1.5か月程度だろう。

>>価格.comで日産 セレナのレビュー評価・評判を見る
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渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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2017.12.10 更新
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