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鍋パーティーの最強の相棒はどれだ!?

冬だ! 鍋だ!! 古今東西の「ポン酢」13種類を徹底比較

こんなにもたくさんのポン酢を集めることは、たぶん今後の人生で2度とないでしょう

こんなにもたくさんのポン酢を集めることは、たぶん今後の人生で2度とないでしょう

だんだんと肌寒くなり、鍋の季節がやってきました。

それぞれに好みの鍋があったり、トレンド鍋が彗星のごとく現れたりと、世の鍋事情は常に変化していますが、その中で鍋料理の永遠のパートナーとして変わらぬ支持を集めているのが、万能調味料「ポン酢」です。しゃぶしゃぶや水炊きの定番つゆとしてもおなじみですね。

今回はそんなポン酢の中から、全13品をピックアップ。基本スペックや味わいの特徴などを、実食して比較していきます。

多くの人が思う「ポン酢」は、正確には「ポン酢醤油」

ところで、先ほどから「ポン酢」と書いていますが、今回、メインで比較するのは「ポン酢醤油」と呼ばれるもの。ポン酢はもともと、オランダ語の「pons(ポンス)」が語源とされていて、柑橘類の果汁を使った調味料全般のことを指します。

そのポン酢に醤油を混ぜたものが「ポン酢醤油」。ポン酢と醤油の相性は抜群で、今ではこのタイプが一般的になりすぎてしまったので、「ポン酢」といえば黒い調味料を想像する人も多いと思います。

正確にいうと、写真左が「ポン酢」。同右が「ポン酢醤油」です

正確にいうと、写真左が「ポン酢」。同右が「ポン酢醤油」です

奥さんに「ポン酢を買ってきて」と頼まれた旦那さんが、黒くない本当の「ポン酢」を買ってきたがために怒られた、というTwitterのつぶやきが今秋話題になりました。ちなみに、ポン酢は関西のほうが消費量が高く、京阪神地区の1世帯当たりの購入量は、関東のそれの1.5倍にもなるのだとか。

さて、ポン酢の定義について触れたところで、本稿のために集めた、ほんのちょっとの「ポン酢」と、たくさんの「ポン酢醤油」を列挙します。

・ミツカン「ぽん酢」
・ミツカン「味ぽん」
・ミツカン「味ぽんMILD」
・キッコーマン「しぼりたて生ぽんず」
・ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」
・ヤマサ醤油「昆布ぽん酢」
・にんべん「だしたっぷりのまろやかぽん酢」
・旭食品「旭ポンズ」
・馬路村「ゆずの村ぽん酢しょうゆ」
・ミツカン「かおりの蔵 丸搾りゆず」
・一梅酢「レモン 味つけぽん酢」
・早和果樹園「みかポン」
・ヤマサ醤油「ゆずごまぽん酢」

比較方法は、まずはストレートにひと口ペロッと。でもそれだけでは趣に欠けるので、豚&白菜鍋と、カツオのたたきにつけて試食していきます。

01 ミツカン「ぽん酢」

最初は今回唯一の、文字通りの「ポン酢」から。

柑橘類の果汁に醸造酢を加えて作った、シンプルな味わいが特徴です。鍋料理や湯豆腐、フライなどに合わせるのに向いています。あとからお好みで醤油をちょい足しして、自分だけの「ポン酢醤油」を作るのもよいでしょう。

主要な原材料は、柑橘果汁と醸造酢だけ

主要な原材料は、柑橘果汁と醸造酢だけ

マイルドなお酢の風味とフルーティーさがあり、ポン酢醤油よりもさっぱり食べられます

マイルドなお酢の風味とフルーティーさがあり、ポン酢醤油よりもさっぱり食べられます

比較して改めて感じたのは、そのフルーティーさ。「ポン酢とは、果実味豊かな酢のこと」というのが納得できます。

酢酸的なツンとしたお酢の臭みはなく、酢とレモン汁との中間的な味わいなので、唐揚げや餃子など、脂っこい濃いめの料理にピッタリ。ポン酢醤油が好きだけど減塩したいという人にもオススメです。今ちまたでは「ポン酢サワーがウマい」と話題になっていますが、確かにその通りだと思います。

02 ミツカン「味ぽん」

ここからは、「ポン酢醤油」を試食していきます。

まずは、言わずと知れた、発売から50年以上のロングセラー商品「味ぽん」。柑橘果汁と醸造酢に、醤油などを絶妙なバランスで加えた調味料です。焼肉や餃子、焼き魚などに、つけても、かけてもOKな万能の“ニッポンのさっぱり味”です。

本醸造醤油に、柑橘果汁と醸造酢、さらに糖類などが入っています

本醸造醤油に、柑橘果汁と醸造酢、さらに糖類などが入っています

醤油ベースに、ソフトな柑橘の酸味。これぞまさに王道

醤油ベースに、ソフトな柑橘の酸味。これぞまさに王道

醤油が強めで、ダシ感は皆無。酸味はやわらかくソフトな感じで、トガった柑橘感がない分、ポン酢の中では入門編という印象です。「ご当地系や生搾りなどいろんなポン酢醤油はありますが、これがど真ん中ですよ」と言わんばかりの説得力があり、ロングセラーというのも納得できます。

03 ミツカン「味ぽんMILD」

日本が誇る名作「味ぽん」をベースに、昆布ダシのウマみをプラスした、マイルドな味わいの1本。鍋料理はもちろん、サラダなどに使ってもおいしそうです。

本醸造醤油に、米酢やオレンジ果汁、昆布ダシなどが加えられています

本醸造醤油に、米酢やオレンジ果汁、昆布ダシなどが加えられています

「味ぽん」よりもダシ感と甘味が強く、やさしい印象

「味ぽん」よりもダシ感と甘味が強く、やさしい印象

「味ぽん」よりも甘味が豊かで、よりやさしい味わいです。使われている果実の種類が、みかんやオレンジ系の柑橘に寄っています。ダシ感もちょっと感じられました。単品でなめるとしょっぱさはありますが、本家と比較すると「角が取れるってのはこういうことなんだな」というのがよくわかります。

04 キッコーマン「しぼりたて生ぽんず」

搾汁から4時間以内に凍結させた「しぼりたて生果汁」と、これまた搾りたての丸大豆生醤油を合わせ、非加熱で仕上げたキッコーマンのポン酢醤油。果汁の風味がみずみずしく、フレッシュな味わいが特徴です。

四国産ゆず、大分産かぼす、沖縄産シークヮーサーの3種の生果汁が使われています

四国産ゆず、大分産かぼす、沖縄産シークヮーサーの3種の生果汁が使われています

果実由来の苦味が、フレッシュな力強さを感じさせます

果実由来の苦味が、フレッシュな力強さを感じさせます

「生」と大きく書かれたパッケージから、この商品のウリは鮮度なのだと思いますが、注目してほしいのは果実の味。シークヮーサーが使われているせいかビター感があり、フレッシュながらしっかりとしたボディも感じます。醤油とのバランスは言わずもがな。

キッコーマンといえば醤油ですが、ワインやトマトブランドも展開していて、そういった知見が発揮されていると思います。この苦味は大人向けかもしれませんが、個人的には好みの味。

05 ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」

醤油、果汁、ダシ、醸造酢の4つの“生”にこだわり、化学調味料や香料を使わずに仕上げたポン酢醤油。独自の非加熱製法により、爽やかさとやわらかさを両立させた1本です。

5種の国産柑橘やまろやかな生醤油など、素材にかなりこだわっています

5種の国産柑橘やまろやかな生醤油など、素材にかなりこだわっています

フレッシュで、全体的に輪郭がくっきりとした味わい

フレッシュで、全体的に輪郭がくっきりとした味わい

キッコーマン「しぼりたて生ぽんず」と同じく、フレッシュで鮮烈な香りが印象的です。でもこちらは、甘味も塩味もダシ感も強め。柑橘の苦味は控えめで、独特なブライトなフルーティーさがあります。

あと、キッコーマンのもそうでしたが、ビンではなくペットボトルを採用しているのも特徴です。ただ、近ごろの醤油で流行りの、密封して鮮度を維持するタイプのペットボトルではありません。

06 ヤマサ醤油「昆布ぽん酢」

1999年発売のヤマサ醤油「昆布ぽん酢」は、醤油に昆布ダシと柑橘果汁を加えたポン酢醤油。サッパリ&スッキリの中に、まろやかなコクのある味わいが特徴です。サラダや焼魚にかけてもおいしいですが、炒めものの味付けにもぴったりです。

かぼすとゆずの果汁に、昆布ダシをプラス。実はカツオ系のダシも少量入っています

かぼすとゆずの果汁に、昆布ダシをプラス。実はカツオ系のダシも少量入っています

酸味を抑えた、まろやかな味わい

酸味を抑えた、まろやかな味わい

カツオのダシが主流だった濃縮つゆ市場に昆布ダシで切り込んだ、ヤマサ醤油の矜持が感じられる一品。ダシによる円熟味のあるまろやかさがあり、ウマみも豊かです。その分、柑橘感は弱めな印象なので、酸味が苦手な人によさそうです。

07 にんべん「だしたっぷりのまろやかぽん酢」

北海道産の昆布と、国産ゆず果汁を使った、にんべんのポン酢醤油。魚介と昆布のウマみと、ゆずの香りを合わせてすっきりした味わいに。化学調味料、保存料、着色料無添加で作られています。

ダシのウマみが味の決め手。原材料に魚介エキスが入っているのが、ほかにはない特徴です

ダシのウマみが味の決め手。原材料に魚介エキスが入っているのが、ほかにはない特徴です

ダシの効き方は今回トップクラス。酸味控えめでまろやか

ダシの効き方は今回トップクラス。酸味控えめでまろやか

先ほどの「昆布ぽん酢」が昆布なら、こちらはカツオがメイン。ダシの風味は今回の商品の中でも随一で、とにかくまろやかです。その分、柑橘の酸味は薄くてトゲも控えめ。柑橘やお酢の酸っぱい風味や、そもそもポン酢そのものが苦手な人に最適です。

08 旭食品「旭ポンズ」

大阪では知らない人はいないほどの知名度を誇る「旭ポンズ」。芳醇なダシのウマみ、すだちの爽やかな香りがおいしさの秘密で、利尻・稚内産の昆布や、徳島の特定生産者が育てたすだちといった厳選素材が使われています。

柑橘は徳島県産。すだちとゆずのほかに、ユコウという柑橘が使われています

柑橘は徳島県産。すだちとゆずのほかに、ユコウという柑橘が使われています

大阪で評判の味は、オンリーワンのウッディな風味が決め手

大阪で評判の味は、オンリーワンのウッディな風味が決め手

王冠で密封されているところからして独特。そして味もオンリーワン。すだちの効果なのか、樽酒とか升で日本酒を飲んでいるようなウッディなニュアンスがあり、個人的にはケミカル感や墨汁に似た香りを感じました。そして甘味は控えめ。

好き嫌いが分かれそうですが、ハマったら「これしかない!」という“中毒者”が出そうです。

09 馬路村「ゆずの村ぽん酢しょうゆ」

高知県の馬路村(うまじむら)という小さな村の農協が作っている「ゆずの村ぽん酢しょうゆ」。実は発売から30年以上の歴史を持つロングセラー商品です。地元の名産品であるゆずの果汁にカツオのダシという、高知県らしさあふれる1本。

村の自慢のゆずは、丸ごと搾っているので本来の香りを楽しめます

村の自慢のゆずは、丸ごと搾っているので本来の香りを楽しめます

ゆずの個性を存分に生かした、ジューシーな味わい

ゆずの個性を存分に生かした、ジューシーな味わい

完熟味のある、ジューシーな柚子フレーバーでインパクト大。ダシのウマみもきいていて輪郭にボリュームがあり、全体的に満足感が高いです。「旭ポンズ」とはまた違った個性があって、こちらもオンリーワンの味。かけすぎると素材の味を消しそうですが、さすが高知ということで、カツオのたたきにはピッタリだと思いました。

10 ミツカン「かおりの蔵 丸搾りゆず」

再びミツカンから、「かおりの蔵」という果汁にこだわったリッチなシリーズを紹介。ひとつひとつ手摘みした高知県産のゆずを皮ごと丸搾りして、カツオと昆布のダシを合わせています。普段使いだけでなく、しゃぶしゃぶなど、ちょっと贅沢な料理に使っても映えるでしょう。

生産量日本一の高知県産ゆずを100%使用

生産量日本一の高知県産ゆずを100%使用

ゆずの香りを全面に押し出したフルーティーな味わい

ゆずの香りを全面に押し出したフルーティーな味わい

味はベーシックなポン酢醤油ながら、香りが超パワフル! 同社の「味ぽん」に、フルーティーなゆずをそのまま搾って入れたかのような味わいです。少しだけ青みを帯びたみずみずしいフレーバーや、ピールを思わせる生々しいテイストも感じました。苦味はないものの、大人な印象です。

馬路村「ゆずの村ぽん酢しょうゆ」と香りの方向性が近く、その点では“ジェネリック馬路村”といっていいでしょう。ただ、総合的な味わいは、思ったほど似ていないのが面白いところ。

11 一梅酢「レモン 味つけぽん酢」

愛媛県にある「一梅酢」というメーカーが手がけた、レモン果汁の入ったポン酢醤油。愛媛の特産品である岩城島レモンを使い、さっぱりと爽やかな風味が特徴です。一梅酢の主力商品は米酢ということもあり、合わせるお酢にも強いこだわりがありそうです。

メーカー伝統の醸造酢に、地元のレモン。まさに地場産業の結晶です

メーカー伝統の醸造酢に、地元のレモン。まさに地場産業の結晶です

レモンのストレートな酸味がさっぱりとしていて上品

レモンのストレートな酸味がさっぱりとしていて上品

トゲトゲした酢酸のニオイはなく、フルーティーでやさしい印象。レモンの味わいには慣れているせいか、意外にも素直な酸味でとっつきやすいです。ただ、トガっていない分インパクトも弱めで、ポン酢らしいポン酢が好きな人には、少し物足りないかもしれません。

12 早和果樹園「みかポン」

高知のゆず、愛媛のレモンときて、続いては和歌山のみかん。

果実の生産から加工・販売までをワンストップで行う専門店「早和果樹園」のポン酢醤油です。果汁含有量はなんと30%。有田みかんのジュースをベースに、さまざまな柑橘がブレンドされています。まろやかな酸味の中に、ほのかに甘みを感じられるのは、みかんならでは。

紀州のみかん果汁がたっぷり

紀州のみかん果汁がたっぷり

甘そうだけど、実はそんなに甘くないという意外な結果

甘そうだけど、実はそんなに甘くないという意外な結果

素材的には、赤みがかった柑橘の甘味やあたたかさをイメージしていましたが、実食してみると、そこまでではない気がします。むしろ、みかんっぽくないとすら思いました。

さらに、クセはないものの酸味は強めでキレも十分。総評としては、一般的なポン酢醤油よりも、もっと爽やかでさっぱりしているという印象だったのが意外でした。

13 ヤマサ醤油「ゆずごまぽん酢」

ラストは、異素材を合わせた変化球を紹介。

国産ゆず果汁の爽やかな風味に、焙煎したごまの深みやコクを加えた「ゆずごまぽん酢」。幅広い料理と相性がよく、使うシーンを選ばない1本です。

ポン酢醤油にねりごま、すりごまをプラス

ポン酢醤油にねりごま、すりごまをプラス

ポン酢とごまだれ、人気調味料が夢のコラボ!

ポン酢とごまだれ、人気調味料が夢のコラボ!

単純に麺つゆ系のごまダレにゆずを加えた感じかなと思いましたが、実はそうではなく、ちゃんと計算されていました。甘味は想像より控えめ。その分フルーティーさが立っていて、爽快感やキレもあります。ごまの香ばしい風味、マイルドなコク、まろやかなテクスチャーはしっかりと確保してあり、ごまだれとポン酢のいいとこ取りという印象。とろみがあるので、サラダにも重宝しそうです。

【まとめ】

王道から変わりダネまで、13品を食べ比べたうえで、シーン別にオススメ商品をあげましょう。

(1)鍋には皆さんのお好みで!

いきなり身もフタもないですが、どれもおいしいので、好みのテイストに近いものを選んで問題ありません。筆者はキッコーマンの「しぼりたて生ぽんず」かヤマサ醤油の「ゆずごまぽん酢」が好みでした。

(2)カツオのたたきには馬路村の「ゆずの村ぽん酢しょうゆ」

カツオを食べるときは、カツオベースのほうがやはり合います。強いゆずの風味が、カツオの濃厚なウマみに負けないのもポイント。どちらも高知の特産ということもあってか、抜群のマリアージュです。

(3)万能なのはミツカン「味ぽん」

長い年月をかけてブラッシュアップされてきた商品はさすがのひと言。「味ぽん」のシンプルな味付けが、あらゆる素材のウマみを消さずに引き立てます。

(4)ポン酢や酢が苦手な人には、にんべん「だしたっぷりのまろやかぽん酢」か、一梅酢「レモン 味つけぽん酢」

この2品は、いい意味でポン酢らしくないのがポイント。多くの人が集まる場で、ひとりひとりの好みを聞いていられないときなどによさそうです。

どんな料理にもマッチするポン酢は、食卓の名バイプレーヤー

どんな料理にもマッチするポン酢は、食卓の名バイプレーヤー

秋から冬にかけて旬を迎える食材は、素材自体の味や香りが濃厚なものが多いですよね。こんな時期こそ、さっぱりとシンプルに食材のおいしさを楽しめるポン酢が欠かせません。ぜひ皆さんもお好みの1本を見つけて、今冬のグルメをいっそう満喫しましょう!

本稿で紹介した全13品の分析結果。赤字は13品の中での各項目の最大数値

本稿で紹介した全13品の分析結果。赤字は13品の中での各項目の最大数値

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とウェブメディアを中心に編集と撮影を伴う取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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