今回は、害虫をモチーフにした一風変わったカードゲーム「ごきぶりポーカー」を紹介します。ルールはシンプルで誰でもできるのに、かなり白熱してオススメですよ。
ごきぶりポーカーは、2004年にドイツで生まれたカードゲームです。
ゴキブリなどの害虫・害獣がモチーフですが、いい感じのイラストなので、カード自体は気持ち悪くありません
カードには8種類の害虫や害獣(ゴキブリ、カメムシ、サソリ、ネズミ、コウモリ、ハエ、カエル、クモ)がそれぞれ8枚ずつ描かれています。トランプのように害虫ごとに数字が振られているわけではなく、同じカードが8枚あります。ちなみに8枚とも絵柄は違っています。
左上からカエル、サソリ、カメムシ、ネズミ、クモ、ハエ、ゴキブリ、コウモリです。それぞれ8枚あり、全部で64枚あります
プレイ人数は2〜6人で、どの人数で遊んでもすべてのカードを配りきります。写真を交えつつ遊び方の流れをご紹介しますね。
はじめに親となる人を決めます。最初の親は不利になるので、じゃんけんで負けた人や前回負けた人など、ペナルティー的に決めるといいでしょう。取説的には「なんらかの方法で」って感じなので、特にどうやって決めるかは自由な感じです。
親となった人は手持ちのカードから1枚選び、全員に見せないようにカードを伏せて、自分以外の誰かを指定し、押し付けます。このとき、「このカードはゴキブリです」などと、そのカードに描かれている害虫が何なのかを宣言します。
すべてのカードを配ります。枚数が少ないほうが不利になります
まずは親番の人が、誰かにカードを伏せたまま渡し、どの害虫か宣言します
押し付けられた人は、そのカードが宣言どおりのカードだと思ったら、「このカードはゴキブリです」と答えて、カードを表にします。逆に嘘をついていると思ったら「このカードはゴキブリではありません」と答えて、カードを表にします。相手の嘘や宣言どおりであることを見破ったら、押し付けられたカードは宣言した人の場に置かれます。見破れなかったら、押し付けられた人の場に置かれます。いわばトランプの「ダウト」の発展版といった感じでしょうか。
カードを押し付けられたほうは、宣言が正しいかウソをいっているかを考え、答えながらカードを返します
正しいのにウソだと答えたり、ウソを見破れなかった場合は、押し付けられたカードを自分の場に並べます
基本はこの宣言と見破りを繰り返していきますが、もう少し細かいルールもあります。言葉で説明するよりも見たほうがわかりやすいと思うので、写真で流れをご覧ください。
押し付けられた側が次の親番になります。先ほどと同様にカードを伏せて、誰かに押し付けながら害虫の種類を宣言します
押し付けられた側も先ほどと同様に、ウソか本当かを予想し、答えます
ウソがバレたり、本当のことをいっていると当てられたりすると、宣言した人の場にカードが置かれます
もし、自分で答えたくないなぁと思ったら、カードの内容を自分だけ確認し、まだカードの内容を知らない他の人に押し付けることができます。このとき、再度このカードが何なのか宣言をします。この宣言は、その前に宣言した人と同じ害虫の名前を宣言してもいいですし、違う害虫の名前を宣言してもかまいません。これはカードの内容を知らない人が1人になるまで続けられます。
また、カードの押し付け合いは最後に宣言した人とカードを表返した人のやり取りになり、それ以前に宣言した人はどちらの結果になってもカードは押し付けられません。
ゲームの終了は、自分の場に同じ害虫が4枚揃ってしまうか、手持ちのカードがなくなった状態で、親番が来てしまうときです。
相手をだませないかぎり、連続して親番が続き、手持ちのカードがドンドン減っていきます
自分で判断できない場合は、ほかの人に委ねるのも手です。押し付けられたカードを自分だけ確認し、ほかの人に押し付けます
ほかの人にカードを押し付けるときは、前の人が宣言した害虫と同じものを宣言してもいいですし、違うものを宣言してもかまいません
カードのやり取りは最後に宣言した人と回答した人で行われます。先に宣言した人は関わらなくなります
同じ種類の害虫が4枚、場に表示されると負けになります
同じ害虫のカードが4枚揃わなくても、手持ちのカードがない状態で、親番になってしまうとこれも負けになります
手持ちのカードが少ない人や害虫が3枚揃っている(リーチ状態)人を狙うなどの戦略を立てられます。
自分が3枚揃ってしまった場合は、その3枚のカードを宣言されて押し付けられたら、とりあえず、「正しい」と答えていればそのターンで負けることはなくなります。リーチ状態のカード以外を宣言された場合は嘘だと答えれば大丈夫です。なので、宣言側は相手に枚数を増やすことを目的で、その防御策を利用して逆のカードを出し続けるという手があります。リーチ状態のカードが2種類揃ってしまうと、どちらかを出されてしまうと、2択を当てなければならないというキツイ状態になります。なので、いっきに決着つけるのではなく、リーチ2種を作っていくのが得策です。
と、このようにブラフを見破るだけでなく、相手の考えを読み解きながら遊ぶ心理戦のゲームです。
5人で実際にプレイしてみました。かなり白熱? して盛り上がりました
1ゲームあたり10〜20分くらいで終わるので、手軽にお昼休みとかでも遊べます。ルールもいたって簡単なので、初めて遊ぶ人が入っても、教えながら遊べばすぐに適応できます。
しかしドイツって、コウモリやサソリをそんなにしょっちゅう見かけるものなんですかね。日本だったら害虫といえば、蚊とか、蛾とか、ムカデとか、毛虫とかになるんですかね。
ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランス・ライターに。現在は、デジタル機器を中心にWebや雑誌、Mookなどで活躍中。近著に『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)。