お母さんや恋人の膝枕で、耳垢(みみあか・じこう)を取ってもらって気持ちよかった! なんて思い出をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そんな耳掃除に欠かせないのが耳かき。筆者が子供の頃は、竹製のスプーンのような形をした先端部(さじ)で耳垢をすくい取るのが一般的でしたが、今では素材はもちろん先端部分の形状もさまざまですね。
こちらが今回ご紹介する各種の耳かきです
ちなみに、耳垢には乾燥した乾性耳垢と、湿った湿性(粘性)耳垢があり、日本人の多くは乾性耳垢だそうです。なお、筆者はアメのようにベトベトの湿性耳垢です。今回は、通販サイトで人気が高い耳かきを中心に、いろいろなタイプのものを実際に試してご紹介いたしましょう。まずはスプーンタイプ(ヘラタイプ)からスタート!
耳垢をすくうさじの部分がスプーンのような形状のヘラになっており、反対側には梵天(ぼんてん)と呼ばれるふわふわした羽毛が付けられたものが有名な古くからあるタイプです。耳かきといえばコレと誰もが思いつく定番の耳かきですね。素材としては竹がよく知られていますが、金属製やプラスチック、合成ゴム製のものもあります。今回は、竹、金属、合成ゴム製の3種類の耳かきを試してみました。
加工しやすく、適度なしなりがあることから、耳かきの素材として古くから使われているのが竹。製品によってさまざまな種類の竹が使われていますが、人気が高くよく見かけるのが煤竹を使った耳かき。煤竹とは古い民家の屋根裏や天井からとれる竹のことで、長い年月をかけて、囲炉裏の煙などで独特の茶褐色や飴色に変色しているのが特徴の高級素材です。本品は、この煤竹を熟練の職人が1本ずつ精密に成型し磨き上げたものです。
2本セットになっておりお買い得
非常に細く仕上がっています
さじ部分はこんな感じ
使ってみた第一印象は、とにかく細くしなやかだと感じたこと。ここまで細く加工されていると力が入らない(入れられない)ので、かえって耳へのあたりが強くならずよいかもしれません。竹製の耳かきはあたりが硬く感じることが多いのですが、そうした点をしなり感でうまく和らげている印象です。ただし、柄が細いだけでなく先端部分も小ぶりで、耳の奥まで簡単に入ってしまいそうです。耳かきするときは奥まで入れすぎないようにお気をつけください。
先ほどの煤竹耳かきと同じメーカーですが、素材にチタンが使われています。竹製では使っているうちに折れたり割れたりということがありますが、金属製であればそんな心配は無用。しかもチタンは錆(さ)びにくく、金属アレルギーも起こしにくいという特徴もあります。
ステンレスよりも錆びにくいとされ、軽くて丈夫なチタン製耳かき
金属製だけあってきれいな仕上がりです
さじもきれいに加工されています
竹製のような独特のしなやかさはありませんが、細く加工されていることもあり、金属なりのしなり感はあります。この程度のしなり感のほうがしっかりと耳垢をかけるように感じるので、筆者的にはこちらのほうが好みです。さじの部分がしっかりと成型されているので、耳へのあたりもそれほどきつく感じません。また、水洗いもできるので、長く清潔に使えそうです。こちらもさじ部分は小ぶりで細く加工されているため、細かな耳かき作業には向いています。ただし、先ほどの竹製の耳かきと比べると厚みがないためか、持ったときに少し滑りやすく感じました。
こちらはスチレンブタジエン製の耳かき。早い話が合成ゴムでできております。適度なしなやかさと、加工性の高さがポイントです。「バーディー イヤーピック」は、高いデザイン性と実用性を兼ねた商品を展開する+dブランドの商品。鳥の形をイメージしたデザインとなっており、自立することも大きな特徴です。さっそうとした立ち姿はユニークで、飾っておくだけでも楽しめそうですね。
筆者はブルーを選択。ほかにも、オレンジ、ホワイト、ブラックがあります
全体的にややぽっちゃり感がありますが、しなやかさと安心感があります。自立するのもポイント
スプーンタイプ3種類の耳かきの中でもやや大きめの作りになっています
柄の部分はやや太めですが非常にしなやか。一方で、耳への当たり具合は、それなりにしっかりしており、合成ゴムだからといって特段の柔らかさを感じるほどではありません。長さはこれまでの耳かきよりも1.5cmほど短いのですが、ちょうど太くなった部分を持って使うので、滑りにくくとても使いやすく感じました。
さじの部分がワイヤーをくるっと丸めてヘラのような形状に仕上げられています。金属製ながら耳への当たりがやさしく、耳垢も取れやすいと人気が高いタイプです。
このタイプの代表格として筆者が選んだのは、「ののじ爽快ソフト耳かき」。ステンレスワイヤーを丸く屈曲、ループさせたワイヤーを3重連にしています。耳に当たる部分が丸いワイヤーなので、ソフトな耳あたりを実現させています。また、耳垢がごそっと取れるとのレビューも多い耳かきです。
金メッキが施された豪華な仕上がりとなっております
柄の部分は少し幅のあるフラットな形状に加工されています
3連ループワイヤーで構成されたさじ部分
耳へのあたりは、ワイヤーならではのしなやかさもあり非常にやさしく感じます。これまでの耳かきに慣れている人は、ついつい力を入れてしまうかもしれないほどソフトです。さて、気になる耳垢の取れ具合ですが、筆者的にはこれまでのものとあまり大差がないような気がしています。というのも筆者の耳垢はアメ状のベタベタしたもの。説明書によればアメ状の耳垢との相性は△となっており、粉状とかさぶた状は◎となっておりました。あと、全体が金色なので、取れた耳垢を視認しづらいというのもあったかもしれません。まあ、筆者の耳垢との相性の問題かと思われますので、あくまで参考意見としてお聞きください。
先端がヘラではなく、スクリュー(螺旋)状の凸凹になったタイプの耳かきです。通常の耳かきのようにさじで耳垢をすくい取るのではなく、凸凹の溝で耳垢を引っ掛けてこそぎ取るタイプの耳かきです。
スクリュータイプは「ミミスキット」から、左右に螺旋タイプの耳かきとやわらかブラシが付いたものをチョイスいたしました。スクリュー部分で耳垢をこそぎ落として、ブラシで仕上げとなります。なお、素材はエラストマー、ゴムのような弾性を示す高分子化合物のことです。まあ、触った感じはゴムをイメージすればわかりやすいです。
いわゆる梵天つき耳かきの新形態といえそうですね
中央部分が盛り上がり、左右に耳かきとブラシがあります
スクリューとブラシはそれぞれこんな感じです
ゴム状素材なので、耳へのあたりも強くなく、さじの向きを気にせず動かすだけで耳垢が取れるので、とても使いやすく便利です。ピンポイントで耳垢を狙うといった使い方には向いていませんが、とにかくさっと耳垢を取りたいという人にはよいと思います。また、やわらかブラシも快適でしたよ。難点としては使った後の汚れ取りにちょっと手間がかかること。
これまでいろんなタイプをご紹介してきましたが、実際どれがいいのか使ってみないとわからないので、いろいろ試してみたいと思った方もいらっしゃるのでは。そこでこんな商品はいかがでしょう?
ご紹介するのはいろいろなタイプの耳かきが7本セットになったもの。各社から同様の商品が販売されておりますが、今回はネットなどでの評判をチェックした結果、「Awstech」というブランドのものを選びました。定番のスプーンタイプはもちろん、スクリュータイプやスプリングタイプ(スクリュータイプとワイヤータイプを合体させたような耳かきです)、さらには耳の中で乾燥し固まったごみを取り除く、耳用ピンセットも含まれています。
専用ケースに入っています
気分に応じていろんなタイプの耳かきを使い分けられます
こちらがスプリングタイプ。スクリュータイプ同様動かすだけで耳垢が取れます。ワイヤーなので耳へのあたりがやさしいのが特徴
タイプ別に耳かきの味わいを体感できるだけでなく、同じタイプでも長さや形状が違うので、自分にフィットした耳かきを選べます。金属製の専用ケースに入っているので、旅行などに持っていく場合にも重宝しそうです。素材はステンレス、持ち手の部分も太めで全体的に非常にかっちりとした作りです。しなやかさはほとんどないので、しっかりと耳かきをしたい方に向いています。なお、本品のスプリングタイプの耳かきは、先のスクリュータイプの耳かきよりも耳へのあたりがやさしく、気持ちよかったです。ただし、使用後のクリーニングがちょっと(かなり)大変かもしれませんけどね。
これまでは自分で耳かきを動かして耳掃除をするものばかりでしたが、こちらは電動で耳掃除をしてくれるというすぐれもの。細かな振動を与えて耳の中の耳垢を振り落として、吸引するという仕組みです。
筆者が購入したのはこの商品。本体に付属の電池をセットし、専用ノズルを取り付けるだけですぐに使えます。専用のケースに入っているので、持ち運びにも便利です。また、本体にストッパーが付いており、ノズルが極端に奥まで差し込まれることはないのでご安心を。
耳かきらしからぬパッケージです
専用ケースの中には本体、ノズル(2本)、ブラシ、単4型乾電池がセットされています
スイッチを入れると軽く振動しているのがわかります
実は電動式と聞いて、当初はその「吸引力で鼓膜に悪影響があるのでは?」と心配していたのですが、全くの杞憂に終わりました。正直、吸引というほど吸う力が強いわけではありませんでした。ノズルを耳の中に入れると大きなモーター音(振動音)が聞こえますが、これはすぐに慣れます。また、ノズル自体の耳あたりも悪くありませんし、ノズルが奥まで入り込むこともないので、安心して使えました。ただし、あくまで筆者の場合のお話なので、小さな子供に使う場合はご注意ください。なお、ノズルを動かせば耳垢は取れますが、筆者のような湿性耳垢では振動させても耳垢が落ちることはなく、吸引も難しそうです。乾性耳垢の方に向いている商品かと思われます。
自分で耳かきをするときは耳の穴の中が見えなくても関係ありませんが、子供など他人の耳かきをするときは中がよく見えたほうが何かと便利です。そんなときに役立つのが耳の中を明るく照らす点灯タイプ。
単4型乾電池を使用し、LEDで耳の中を照らすことで安心して使える耳かきです。先端部は曲部を持つ独特の形状を採用し、さじの部分が必要以上に耳の中に入り込まないように工夫するとともに、本体を握った手元がじゃまで中が見えにくくなることを防いでいます。
小さな子供の耳かきに最適ですよ
本体は適度な太さがあるのでしっかりと握りやすくなっています
先端部は独特の形状になっていることがわかります
筆者の耳では閲覧禁止になりそうなので、こちらでLEDのオン・オフの状況をご確認ください
さて、いろいろと耳かきをご紹介してきましたが、 筆者が選んだ映えある第1位は「 匠の技 チタン製耳かき」。
金属製なので余計なたわみもなく、ピンポイントでかゆいところや狙ったところの耳垢をかきだせるのが気に入っています。
また、加工精度も高く、さじの耳へのあたりもよかったです。
続いて第2位は「イヤークリーナー 7本セット」。意味もなく(失礼)、金属ケースに入った複数の耳かきを持ち歩く自分を想像すると、
思わず、“かっこいいかも”と妄想せずにいられません。また、耳かきとしての使い勝手もよく、なかでも写真のスプリングタイプの使い勝手は新鮮でした。
お手軽価格の割に使い勝手があり、大阪弁でいうところの「メリットあるのお〜」を実感させてくれました。
第3位は「LEDママ・ミエール」。点灯することで、想像していた以上に耳穴の中がクリアに見えることが判明いたしました。
自分用としての使い勝手もよかったです。ただし、あまにもリアルに耳の中が見えるので、恋人の耳かきをしたときに、あまりの耳穴の汚さに、100年の恋がさめてしまったなんてことにならないことをお祈りしております。
耳垢は、空気中に漂うほこりや新陳代謝によって剥がれ落ちた耳内の皮膚の残骸などと、耳の中にある耳垢腺(汗を分泌する汗腺の一種)から出る分泌物が混ざったもの。耳垢は、せいぜい耳の入り口から1〜1.5cmほどのところにしかたまりませんので、耳掃除をするときは、さじの部分を耳の奥にまで挿入しないようにしてください。さらに、耳垢は食事や会話をしてあごを動かすことで、自然に排泄されていくので、気持ちいいからと言って、頻繁に耳掃除をしたり、力を入れてこすったりすると、かえって耳に悪い影響を与えることになるのでご注意ください。耳掃除の頻度については耳垢のたまり具合によって個人差がありますが、1週間から1か月に1回程度でよいそうです。
主に東京の湾岸エリアに生息しているが、中国、タイ、インドネシアなどでの発見情報もあり、その実態は定かではない。仲間うちでは「おっちゃん」と呼ばれることも。