「職業:イラストレーター」といいつつ、最近ではすっかりデジタルでしか絵を描いていません。
やっぱりデジタルが楽で楽で……
でも、アナログならではの変わった画材で絵を描くのも楽しいんですよね。……ということで、何かおもしろいグッズはないかと探していたのですが、見つけました!
「CMYKペン」
パッと見た感じ、フツーのボールペン
要は4色ボールペンなんですが、その「色」の組み合わせがちょっと特殊。
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック
いわゆる「CMYK」という、一般的な印刷物によく使われている原色の組み合わせなんですよね。
レーザープリンターで印刷したこの写真、すごく多くの色が使われているように見えますが……
拡大してみると、4色の点々でさまざまな色を表現しています
こんな感じです
というわけでこのペンも、使える色は4色だけど、組み合わせることであらゆる色を表現できてしまう……かもしれないというすぐれモノなんです。
このペンを使えば、こんなカラフルな絵も描けるみたいですが……ホントか!?
とりあえず描いてみましょう
コレが基本の色です
この上に、ほかの色を描くと……
うーんどうでしょう。新しい色に見えますか?
遠目で見ると……なんとなーくグリーン、パープル、オレンジに見えますよね!? ……ねっ!
さらに、いろんな組み合わせで描いてみたのがこちら。近くで見ると、単なる模様にしか見えませんが……
遠目で見るとほら! ……うーん、ブラウンは遠目でも無理があるな
ひとまず、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの基本4色以外の色も、なんとなーく表現できることがわかったので、コレを利用して「ぬりえ」をしてみましょう。
こんな感じの線画を用意しました
理想の完成予想図。こう塗れたらベストなんですが……
さあ塗っていきましょう
完成!
う……うーん、やっぱりこんなもんかという完成度。
遠目に見ても……微妙
ただ、ここだけは褒めてほしい! 虹! 4色のペンで7色の虹を表現しています
4色だけで描いたにしてはカラフルさを感じさせてくれますが、茶色くなってほしかった場所も、あまりそう見えませんね。
……だったら、これならどーだ!? ということで、反則級のボールペンを用意してみました。
「100色ボールペン」!
茶色や灰色、肌色にいたるまで、あらゆる色がそろっているボールペンセットです
これならどんな「ぬりえ」でもイケるだろ……と思ったんですが
うーん……
4色で塗るよりは、そりゃあ明らかに色の再現度は高いんですが、キャップに表示された色と実際のペンの色が違ったり、ボールペンにしてはペン先が太かったりと、意外に手こずりました。
そもそも「面」を塗るのにあまり向いていないボールペンの限界でしょう。
こう見比べると「CMYKペン」は4色のわりに健闘してますね
ちなみに「CMYKペン」、点描だったらもっと細かい色のニュアンスを出せるんじゃ……とも思ったんですが。
「CMYKペン」のペン先は、あまり点描に向かないタイプで、うまく点が打てませんでした。
さすがに「CMYK」の4色で、しかもボールペンでキレイに色を塗るのは難しそうですが、1本で済むのでとっさのスケッチ用に持ち運んだり、カラー印刷・混色の原理を子供に学ばせたりするのには役立ちそうなボールペンです。
藤子・F・不二雄先生に憧れすぎているライター&イラストレーター。「デイリーポータルZ」「サイゾー」「エキサイトレビュー」他で連載中。