“家事貯金”のすすめ

軽い! 曲がる! 傷が付かない! 新素材の「まな板」を正直レビュー

最も使う機会が多いキッチン道具である“まな板”。これまでいろいろな素材や形状のまな板を使ってきましたが、これといった決め手がなく、まな板ジプシーの日々でした。

昔ながらの木のまな板、プラスチック製のお手入れがしやすいタイプ、木材を圧縮したカッティングボードのようなものなど……どれを使っても一長一短。

そんな状況の中、新たな素材のまな板を発見! 今までの常識を覆してくれるような気がして、期待を込めて試してみました。主婦歴20年の家事貯金研究家が率直な感想をレポいたします。

ゴムとプラスチックのいいとこ取りな「TPU」まな板

そのまな板というのが、こちらの「耐熱抗菌TPUまな板 CUTOC(カットク)」です。従来のまな板の弱点である、傷が付きやすい、重い、乾きにくいといった悩みを解決してくれるのだとか。

耐熱抗菌TPUまな板 CUTOC スクエア

品名:耐熱抗菌TPUまな板 CUTOC スクエア
カラー:ライトグレー
サイズ:(約)260(幅)×260(奥行)×4(高さ)o
主材質:TPU
耐熱温度:100℃
Made in Taiwan

形やサイズ、カラーは何種類かあります。その中で私が選んだのは、中間サイズのスクエアタイプで、シンプルなライトグレーカラー。

この「CUTOC」に使われているTPU(熱可塑性ポリウレタン)素材はプラスチックの一種。ゴムのような弾力があり、一般的なポリプロピレン・ポリエチレン・木などのまな板に比べて傷が付きにくいそう。さらにこのまな板は抗菌仕様になっていて、もし傷が付いても菌の繁殖を防いでくれるのだとか!

シリコンよりは硬いですが、かなりやわらかいです

シリコンよりは硬いですが、かなりやわらかいです

第一印象ですが、見た目は極シンプル、そして想像以上に折り曲げやすいやわらかさに驚きました。
さて、めでたくメインを張るまな板になってくれるのか、さっそく試してみました♪

やわらかな刃当たりに驚き!

普段よくまな板でカットしている野菜やお肉、お魚などを切ってみます。

トマトを切ってみると……

トマトを切ってみると……

まず驚いたのが、スッとソフトタッチな刃当たり! 衝撃が吸収されるような感じで、新感覚の切れ味です。今までとはまるで違う、トントンと言わない静かな作業が、慣れるまで不思議な感覚でした。

トマトは中がぐちゃっとしているのでカットすると水分がかなり出ますよね

トマトは中がぐちゃっとしているのでカットすると水分がかなり出ますよね

まな板の外側に汁こぼれ防止のフチがあるおかげで、トマトの水分が作業台にこぼれることはありませんでした。また、角の1か所(つり下げフックの対角線側)に傾斜が付いているので、そこから水分を一度洗い流すこともできます。

薄型ながらフチ付き。そして1か所の角から水切りができるようになっています

薄型ながらフチ付き。そして1か所の角から水切りができるようになっています

このように折り曲げて、サッと水切りできます

このように折り曲げて、サッと水切りできます

何種類もどんどん野菜を切っていくと、野菜から出た水分がまな板から作業台に流れてしまい、拭き掃除などの作業もしなければいけないことがありました。しかし「CUTOC」には汁こぼれ防止のフチと水切りコーナーがあるおかげで、作業が今までよりスムーズにできました。

トントン、という音がしない新感覚

トントン、という音がしない新感覚

そのほか、レモンなどの硬めの野菜やきゅうりのスライスなどは、今までのまな板だと切るときに音がかなり響きましたが、思った以上に静かで味わったことのない感覚。
何日かいろいろなものを切っていくうちに、やわらかな刃当たりの感覚に慣れてきましたが、逆に慣れてしまうと硬い刃当たりに戻れなくなるかもしれません。
刃が傷みにくく、包丁にやさしいまな板だと感じました。

確かに傷が付かない!

野菜に限らず、生のお肉などもスイスイ切ることができました。また、調理後のお肉やローストビーフなどもキレイにスライスできます。

ひと通り、食材のカットには特に問題ありません

ひと通り、食材のカットには特に問題ありません

お肉やお魚のカットでは、まな板に傷が付くと菌が増殖しやすいので、今までは気になって使い捨ての抗菌シートをまな板に乗せて使っていました。しかしこちらの「CUTOC」はゴムのような弾力で傷が全然付かず、抗菌仕様なこともあり、サッと水で洗い流せば使える安心感があります。

衛生面で悩まされる生魚の処理も安心してできます

衛生面で悩まされる生魚の処理も安心してできます

野菜、お肉、お魚……と数週間にわたり毎日使ってきた結果、一般的なまな板よりも傷が付きにくいのは本当でした。
ただし、数週間使い続けた結果、ちょっと気になる点も出てきたので、後ほどお伝えいたします。

折り曲げて食材を鍋に流し込める利便性

「CUTOC」のもうひとつの特徴が、やわらかさ。思った以上にやわらかく折り曲げやすいので、切った薬味やお味噌汁に入れる具材、湯豆腐のお豆腐などを直接お鍋に入れやすかったです。

このようにまな板を曲げて、狙いを定めて入れることができました

このようにまな板を曲げて、狙いを定めて入れることができました

ただ、まな板表面がすべりにくい素材のため、みじん切りにした細かめの薬味に関しては具材が引っかかってしまい、折り曲げるだけでは直接フライパンなどにスライドさせることができません。

なので、折り曲げつつ手で薬味を移すことに

なので、折り曲げつつ手で薬味を移すことに

今まではまな板に乗せたまま、包丁を使って移動させていましたが、薬味に関しては正直そのほうが移動はさせやすいと感じました。

従来のまな板のほうが便利なシーンもあります

従来のまな板のほうが便利なシーンもあります

これは具材の種類で利便性が変わってくると思います。
たとえば、お肉やお魚を処理したあとの汁がこぼれないように、折り曲げた状態で流しに速やかに移動できるのは便利です。

食洗機OK&つり下げ収納が可能

さて、お手入れと保管に関してですが、食洗機で洗えるのは衛生面でとてもうれしいです。ただ私の場合、結果として手洗いをしています。

その理由がこちら

その理由がこちら

食洗機に入れてみましたが、私が選んだスクエアは結構高さがあり、上部が庫内に引っかかってしまいました。そのため少し斜めに入れる必要があります。
しかし、曲げた状態で入れると変形する恐れがあるとのこと。とはいえ、立てかけるとぐにゃっと曲がってしまいますし、平らに置くにはスペースを取りすぎてしまうという、悩ましい状況です。

食洗機に入れなくても洗いやすく、乾きも早いので、今は手洗いしてしまっています。そのほうが楽に感じています。

次に収納ですが、まな板を水平に収納できる場所があれば問題ありませんが、そうでなければ、つり下げ用のフックが必須だと思います。
私は今までまな板を立てた状態で収納していたのですが、「CUTOC」はやわらかく立てることができません。

角の1か所がフックをかけられる形になっているので、つり下げ収納ができます

角の1か所がフックをかけられる形になっているので、つり下げ収納ができます

水切れがいいため、乾くのは早いです。引っかけ収納をするには便利だと思います。

使って感じた微妙な点

最後に、使ってみて感じた微妙な点も率直にお伝えいたします。

オレンジ色のシミが見えるでしょうか?

オレンジ色のシミが見えるでしょうか?

確かに傷は付かないのですが、濃い色の野菜(にんじん)を切っているうちに色移りし、洗っても取れなくなってしまいました。そのほか、ピーマンなどの色もうっすら残ってきて日に日に見た目が気になるように……。素材の特性もあるのかもしれません。
遠目にはわかりませんが、つり下げて見える場所に収納すると生活感が出るかなと気になりました。
この点は、私が選んだライトグレーではない、濃いカラー(赤や黒のラインアップがあります)を選べば気にならないと思います。

それから、私が選んだスクエアのサイズでは、すべての食材を作業台にこぼさずに切ることは難しいサイズ感でした。

前述のサンマや、白菜、大根といった長めの食材ははみ出してしまいます

前述のサンマや、白菜、大根といった長めの食材ははみ出してしまいます

そのため、スクエアはメインを張るには微妙なサイズ感でした。あくまでスクエアでは、という話で、24 x 34cmの大きいサイズを選べば解決すると思います。

そのほか、刃当たりがいいのはとてもよかったのですが、私個人の気持ちの問題として、やはり切ったときにトントンと音があったほうが調理した気分になるんです。長年しみついた感覚からはなかなか脱却しにくいですね。逆に、なるべく静かにする必要があるシーンでは役立つと思います。

サブとして優秀なまな板

いくつか検証しつつ使い勝手を見てきましたが、率直な感想としては、やはりTPUまな板「CUTOC」も、ほかのまな板と同じように一長一短かなと感じました。
ただ刃当たりのよさは過去最高、そして衛生面においても安心感があります。包丁にやさしい点にもとてもメリットを感じました。
軽くてやわらかく、従来のまな板の微妙な点を補ってくれる便利な新素材だと思います。

従来のまな板と同じく万能ではないですが、適材適所で使用すればかなり活躍してくれます

従来のまな板と同じく万能ではないですが、適材適所で使用すればかなり活躍してくれます

私の結論としては、メインで別のまな板を持ちつつ、「CUTOC」をサブ使いにするのがベストに感じました。フルーツなど、わざわざ大きなまな板を出すまでもない食材のカットの際にはとても手に取りやすいと思います。

どんな道具にもメリットとデメリットはあるもの。皆さんの生活スタイルに合いそうかどうか、本レビューを参考に選んでみてください。

家事貯金研究家leaf

家事貯金研究家leaf

夫婦+愛犬2匹と木の家の注文住宅暮らし。ブログ「10年後も好きな家」運営。主婦歴約20年のもの選びと時短ワザが好評で、2018年に家事本出版。家事の合間に北欧インテリア&コーヒーを楽しむ暮らし。

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