芯が擦り減ることもなく、削る必要もなくて便利なシャープペンシル。いつの頃からか鉛筆に取って替わる筆記用具となったものの、やはり鉛筆特有の滑らかな書き心地や書き味は、たまに恋しくなるもの。そんな中、鉛筆の書き心地を残した太芯のシャープペンシルが発売されたことを知り、文房具店で探してみました。
コクヨS&Tの“鉛筆シャープ”。その名のとおり、ペンの上端にあるノックで芯を出すシャープペンシルのスタイルながら0.9ミリと1.3ミリの太芯を採用し、シャープペンシルの機能性と鉛筆の書き心地を併せ持った商品です。
メーカーによると、小学生向けに発売した同様の製品が成人ユーザーにも評判で、新たに大人向けのデザインで発売したとのこと。本体にはエラストマー樹脂と呼ばれる柔らかい素材を使用し、手馴染みのよい使用感も好評のようです。
早速使ってみたところ、本体が緩やかな三角軸になっており、指に引っかかりやすく、握りやすいです。ちょうど六角形の鉛筆を握るようなグリップ感。表面の素材が少しザラザラしているのも滑りにくいのも快適です。
シャープペンのお尻を2,3回ノックすると先端から現れた芯に思わず「太い!」と感嘆の声を上げてしまいました。通常の芯が0.3〜0.4ミリ程度なので、3〜4倍の太さです。単体ではわかりにくいですが、通常のものと並べてみるとよくわかります。
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一般的なシャープペンシルの芯(左)と比較。真ん中が1.3ミリ、右が0.9ミリ |
次に紙の上に試し書き。スルーっと伸びる書き心地はまるで鉛筆そのもの! マークを塗りつぶしたり、スケッチやラフな企画書を書いたりするのに最適です。ペンを寝かせて滑らせれば太さや擦れに変化が付けられるので表現力も豊か。そして何より常に芯先が尖った状態をキープできるので、先が丸くなって書きづらくなるストレスから解放されます。
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書き文字のサンプル。紙と摩擦する際の抵抗が少なく、スラスラとした書き味が病みつきになる |
その他ノック部分は外れない構造で、芯は小さな穴から入れる仕組み。最初はどうやって替え芯を入れるのだろうかと悩みましたが、ノックが外れないので紛失の心配がありません。未使用時には収容できるペン先部分の設計も秀逸。
ただし、この商品の難点はあまりの書き心地のよさについついムダ描きをしてしまい、あっと言う間に芯がなくなってしまうこと。そして、赤やその他のカラー芯の登場も願ってやみません。
日々のムダをとにかく省くことに執念を燃やす母ライター。好きな言葉は「時短・節約・自作」。なのに非生産的な活動にも必死になることも多々。意外にアウトドア、国際派。