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格安SIMをさらに安く運用するために上手に活用したい

遅いだけじゃない! 格安SIM「通信速度の切り替え機能」のメリットは?


格安SIMには、月額料金の安さ以外にもいろいろなメリットがあります。よく知られているのは、特定のサービスを利用してもデータ利用量が減らない「ゼロレーティング」(カウントフリー、データフリーとも)や、複数枚のSIMカードでデータ利用量を共有できる「データシェア」「容量シェア」といった機能でしょう。

こうしたメリットに比べれば地味な存在かもしれませんが、格安SIMを使うのであれば、ぜひ活用したいのが「通信速度の切り替え機能」です。

格安SIMではデータ利用量を使い切ると通信速度が低速に切り替えられてしまいますが、切り替え機能が提供されている格安SIMでは、ユーザー自身が任意のタイミングで通信速度を低速に切り替えたり、高速に戻したりすることができます。

通信速度を遅くすることにメリットなどなさそうに思えますが、低速通信時はデータ利用量の消費がストップします。つまり、通信速度を低速に切り替えれば、限りあるデータ利用量を節約できるというわけです。

通信速度切り替え機能のイメージ

通信速度切り替え機能のイメージ

通信速度を切り替えるには、格安SIMを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)が用意しているマイページにアクセスしたり、スマートフォン向けの専用アプリを使ったりします。アプリのなかにはウィジェットに対応しているものもあり、スマホのホーム画面などからタップ1回で速度を切り替えることも可能です。

普段は低速で通信しておいて、どうしても必要なときだけ高速通信に切り替えるような使い方をすれば、「一番データ利用量が少ない料金プラン」すなわち「一番安い料金プラン」で1か月を過ごすのも、難しい話ではありません。

通信速度の切り替え機能は、もともと料金が安い格安SIMにおいて、さらなる節約効果を狙えるすぐれもの。徹底的に家計を節約したいと考えているのなら、低速通信はぜひとも活用するべきなのです。

ただし、低速での通信量が多すぎると、通信速度がもっと遅く制限される格安SIMもあります。「IIJmio」「イオンモバイル」「DMM mobile」では、低速通信中の通信量が直近3日間で合計366MBを超えると、200kbpsよりもさらに遅い速度へと制限されてしまいます。

低速通信の制限中でも、料金プランのデータ利用量が残っていれば、通信速度を高速に戻して利用することは可能です。「データ利用量が減らないから」と低速通信だけを無闇に使うのではなく、高速と低速をバランスよく使い分けることが、通信速度切り替え機能を活用するうえでのコツと言えるでしょう。

速度切り替えが便利な格安SIMをピックアップ

通信速度の切り替え機能は多くの格安SIMで利用できますが、提供するキャリアによって制限時の速度などに違いがあります。そこで、価格.comが毎月速度調査を実施しているMVNO(仮想移動体通信事業者)10社(関連記事:格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?)が提供する格安SIMのなかから、特徴的な切り替え機能を持つ格安SIMを3つピックアップしてみました。

●低速時の通信速度がちょっとだけ速い「UQ mobile」

「UQ mobile」では、通話料割引が組み込まれているスマホ向けの「おしゃべりプラン」「ぴったりプラン」と、通話料割引が付かない「データ高速プラン」「データ高速+音声通話プラン」において、通信速度の切り替え機能が利用できます。

このうち、おしゃべりプラン/ぴったりプランにおける低速時の通信速度は上り・下りともに最大300kbpsと、一般的な低速通信速度の200kbpsに対して5割増しになっています。絶対的な通信速度そのものは低速ですが、ほかの格安SIMの低速通信と比べると、テキストや画像などが若干スムーズに読み込まれます。

UQ mobileの「おしゃべりプラン」と「ぴったりプラン」は最大300kbpsの低速通信に切り替えられます(UQ mobileのWebサイトより)

専用アプリの「UQ mobileポータルアプリ」では、速度切り替えのほかにデータ利用量の残量チェックや追加チャージなどが可能です

UQ mobileは、2019年4月の速度調査でRBB SPEED TESTとアプリダウンロード時の下り通信速度がどちらも1位を記録していますが、通信環境が快適だからといって通信量の多い使い方をしていると、月末を待たずにデータ利用量を使い切ってしまいかねません。

LINEやSNSの利用程度なら低速通信でも十分なので、オンライン動画を見たいときや読み込みを待つ時間もないくらい忙しいときだけ高速通信に戻して、普段は低速通信だけで利用するのもいいでしょう。

●一部のプランは最大1Mbpsで「低速」通信ができる「楽天モバイル」

「楽天モバイル」では、もともと低速通信しかできない「ベーシックプラン」をのぞくすべての料金プランにおいて、通信速度の切り替え機能が利用できます。

ユニークなのは通話料割引が付属する「スーパーホーダイ」で、低速時でも上り・下りともに最大1Mbpsで通信することが可能です(ほかのプランは最大200kbps)。この速度ならYouTubeなどのオンライン動画も低い画質であれば視聴しやすいので、ずっと低速通信のまま使っても不自由を感じる場面は少ないでしょう。

ただし、通信が混雑しやすい12時〜13時および18時〜19時の時間帯は、上り・下りともに最大300kbpsまで制限されます。また、1Mbpsというのはあくまでも最大値なので、混雑状況によってはほかの時間帯でも速度が遅くなることがあります。

楽天モバイル「スーパーホーダイ」の低速通信は、一部の時間帯をのぞいて最大1Mbpsで利用できます(楽天モバイルのWebサイトより)

速度は専用アプリの「楽天モバイルSIMアプリ」から切り替えられます。専用アプリではサポートとのメッセージによる連絡も可能です

●複数回線でも切り替えやすい「mineo」

「mineo」の低速通信は、上り・下りともに最大200kbpsと一般的な速度。切り替えるにはmineoのマイページか、専用アプリの「mineoアプリ」または「mineoスイッチ」を使います(※mineoスイッチは2019年8月下旬に提供終了予定)。

mineoの低速通信速度は最大200kbps。今年8月以降は「mineoアプリ」で切り替えることが可能です(mineoファンサイト「マイネ王」より)

mineoアプリでは通信速度の切り替えをはじめ、データ利用量の残量チェック、ほかのmineoユーザーとのデータ利用量のやりとりなどが可能。便利なポイントは、同じユーザーID(eoID)で複数の回線を契約している場合でも、番号ごとに速度の切り替えができるところです。

たとえば、同じ名義で家族の回線を契約しているケースでは、家族全員の速度やデータ利用量を1人の家族が集中管理できます。スマホとタブレットの2台持ちをしていて、普段外出先に持ち運ぶことの少ないタブレットの通信速度をスマホにインストールしたmineoアプリから低速に切り替えておく、といった使い方も可能です。

「mineoアプリ」では速度切り替えやデータ利用量の残量チェックだけでなく、mineoユーザー間でデータ利用量をやりとりすることもできます

同じユーザーIDで複数の回線を契約している場合、回線を切り替えて通信速度を切り替えたりデータ利用量をチェックしたりすることが可能です

通信速度を切り替えられない格安SIMもある!

このように、通信速度の切り替え機能はいろいろな格安SIMから提供されていますが、すべての格安SIMで使えるわけではありません。価格.comで速度を調査しているMVNOのうち、「ワイモバイル」と「LINEモバイル」では、通信速度の切り替え機能が提供されていないのです。

コスト削減のため低速通信によるデータ利用量の節約を考えているのなら、契約したい格安SIMで速度切り替え機能が提供されているかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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